戦姫絶唱シンフォギア 響くぜ!絶唱!!   作:海空来

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【番外編】絶唱しないし響かない

① QUEENS of MUSIC 開催数日前

 

ジャグラー

「…この星に来るのは何度目だ」

 

かつて、シェンショウジン発掘の為に訪れたこの宇宙

ガイのやつより先に、今回の事象を解決してやろうと追いかけたはいいが、一体どこに転移したのやら

宛もなく歩いていると何やら揉め事の空気

 

「えぇ!?マネージャーが来れない!!?」

 

些か聞き覚えがある声に目を向けると、確かガイがこっちに来た時に助けたとかいう女によく似ていた

女はしばらくし、電話を切ると蹲った

おいおい、人混みの中だぞ

 

「うぅ無理よ!マネージャーもいないのに引っ込み思案の私に、あんな大きなライブなんて…!」

 

ふっ、仕方ない、恩を売っておくか

 

ジャグラー

「お嬢さん?」

「誰…?」

ジャグラー

「マネージャーをお探しで?」

「…!貴方!マネージャー業の人?!」

ジャグラー

「えぇ、フリーマネージャー、じ…()()と申します」

「この際貴方でもいいわ、あたしはマリア・カデンツァヴナ・イヴよ、マネージメントをお願いしてもいいかしら…報酬なら…」

蛇倉

「わかりました、ビジネスを始めましょうか?」

 

俺は後に後悔することになる

この女のメンタルの弱さに…

 

 

② QUEENS of MUSIC 開催 数日前 当日

 

マリア

「ケータリングゥ〜!」

蛇倉

「マリアさん、ほどほどにお願いしますよ」

マリア

「わ、分かってるわよ!さぁて… 育ち盛りの調と切歌にお土産持って帰らなくちゃね、特に調はもっとお肉を食べさせなきゃ!切歌の為に色の濃い野菜も詰め合わせてっと!」

 

ほどほどの意味わかってんのかこの女…

 

マリア

「ああ見えてマムもお肉好きだし! というか、お肉ばっかり食べるし!どうしてうちの皆は好きな物しか食べないのかしら!?バランス悪いったらありゃしない!ドクターはドクターでお菓子ばっかりの偏食家だし!ああもう! まるで私が皆のお母さんみたいじゃないの!?」

 

自覚はあったのか…

 

マリア

「でも、これから人類救済に向けて頑張らなきゃいけない正念場だから、せめて元気の出るごはんをしっかり食べてもらって!」

蛇倉

「人類救済?それはどういう」

マリア

「気にしないで、いいわね…!(凄まじい睨み目)」

蛇倉

「……はい」

 

引っ込み思案のこの女が、アイドルやっててよかったと心から思えるのは、ケータリングが充実している現場に巡り合えたとき、なのかもな……

 

 

③ QUEENS of MUSiC 開催 数日前 当日 2

 

マリア

「あーん」

 

ローストビーフを頬張るマリア

あーんなんて言う奴初めて見たぞ…

 

マリア

「これよ!これさえあれば!」

 

そういうとマリアはもう1人の歌姫、風鳴翼の楽屋へ入っていった

俺は一応外で待機していたのだが…ここでまさかの出会いが…

 

??

「よいしょっ、よいしょっ…緒川さ〜ん、荷物持ってきました〜」

蛇倉

「っ、風鳴翼のマネージャーなら中ですよ」

??

「あ、すいませんありがとうござい…ジャグラーっ!?」

蛇倉

「あっ!?」

 

そこにはいつだったか、ナオミの母親を欺く為に弁護士と称した衣装を着たガイの姿があった

 

ガイ

「何やってんだお前?」

ジャグラー

「臨時マネージャーって奴さ?ってお前こそ何やってんだ」

ガイ

「俺は補助マネージャーだ、ちょっと資金調達にな」

 

直後、マリアが楽屋からでてきた

 

マリア

「行くわよ」

蛇倉

「っはい…」

 

去っていく2人をガイはじっと見つめる

 

ガイ

『何の因果だろうな、マリア、セレナは必ず見つけるから…待っていてくれ』

 

緒川

「ガイさーん?」

ガイ

「あ、はーい!」

 

その後、俺達はトラブルに巻き込まれ、姿を消した

なーんて、言うまでもないか?

 

 

 

───────────────────

 

①FISと米国政府の交渉決裂後

 

マリアはソラから口を離した

 

ソラ

「マリア…お前…?」

マリア

「お願い…何も言わないで…」

 

マリアは積極的にソラに組み付いていく

そして、ソラの着ているシャツに手が掛けられた

 

調

「マリア…」

ソラ

「調?」

マリア

「ぴやぁぁぅ!?なによ調に切歌、驚くじゃない…」

 

ベッドの側には、何故か調と切歌が来ていた

 

切歌

「その〜…一緒に寝て欲しいのデス」

マリア

「へぇっ!?」

 

②FISと米国政府の交渉決裂後

 

マリア、調、切歌、ソラは並んで川の字で睡眠をとることになった

 

調

「ごめんなさい、すごく寒くて」

マリア

「最初のアジトを追われて以来、ずっと寒空の下に放りだされてるからね…おまけに節約、節約~って、暖房もままならないお財布事情だし…って冷た!もしかして調の足!?」

 

布団で分からないが、今マリアの足に調が冷えた足をくっつけたのだ

 

調

「ごめんなさい…」

マリア

「ピャああっ!!?」

 

今度は切歌だ

 

切歌

「ってゆーか、マリアってばなんでこんなに暖かいの? おまけにいい匂いするし」

マリア

「知らないわよ! あなた達と一緒な筈よ! いきなりくっ付いてこないで!」

調

「…ごめんなさい」

 

調はもう一方の足もくっつけた

 

マリア

「ひゃあ! 謝ってからならもう一つの足をくっつけてもいいっていう訳じゃなーい!」

ソラ

「…すぅ…」

 

調の隣のソラはそんな事気にせずにすやすや寝ていた

 

 

【1部割愛】《内容は殆ど同じ為》

 

───────────────────

 

①立花響、光の国へ

 

ゼロ

「シェアっ!着いたぞ、お前の宇宙だ」

リク

「懐かしいな…見た目変わらないのに」

 

私の中にあるウルトラマンの遺伝子を取り除くため、私、立花響は並行宇宙にやって来ました!

まずはリク君の帰還です!

 

と思っていたら、地球からなんか火の玉の擬人化みたいなのが飛んできました!?

 

??

「おぉ!ようやく戻ってきたか!ウルトラマン…ジーグ…ジータ?あれ?」

リク

「えっと、ジードですよ」

??

「あぁそうだ!ジード!お前さんの仲間がずぅーっと心配してたぜ?特に()()()って名前の嬢ちゃんとか、()()とかいう宇宙人とか」

リク

「あぁ、()()()()ですね?!」

??

「あぁーそうそうっ!んっ?ゼロちゃん、その嬢ちゃんは?」

ゼロ

「あぁ、この子は立花響、別の世界でリクが共に戦った仲間だ、ちと厄介な事になってて光の国に行かなきゃなんねぇんだ」

 

私が困惑してるなかどんどん話が進んでいく

 

??

「ほほ〜、俺様はウルティメイトフォースゼロのグレンファイヤー様だ!よろしくな?」

「は、はい!よろしくお願い致します!グレンファイヤーさん!」

ゼロ

「グレンでいいんだよ」

グレン

「いやそれお前が言っちゃダメだろ」

 

 

 

②立花響、光の国へ

 

ゼロさんのご好意で、私は1度リクくんの住居、星雲荘で休憩をとることになった

ゼロさんは、私の中へ入り、リクくんの案内で星雲荘へと入る

同じエレベーターでもリディアンの時に比べたらとっても優しかったなぁ…

 

そして、エレベーターを降りた直後だった

 

??

りっくぅぅーん!!心配したんだよぉぉぉ!!?

「ふえっ?!えっ?へぇつ!?」

 

いきなり女性に抱きつかれて、私は素っ頓狂な声を出してしまう

 

??

「うぅ!しばらく見ない間にちょっと柔らかくなったねぇ…大変だったよねぇ…うぅ、りっくーん…」

 

リク君が女性の肩を叩く

 

リク

「モア…僕こっち…」

モア

「んんっ…えっ?……ええっ!?この子誰!?」

 

モアと呼ばれた女性は驚いて尻もちをついた

 

「あぁっと…私は立花響、別世界でリク君と一緒に戦いました!」

??

「もう、ちゃんと確認しないから…ほら、シャキッと立つ」

 

モアさんはもう1人の女性の手助けを受けて立ち上がった

 

モア

「ゲフンゲフン…改めまして、ニコニコ生命保険の愛崎モアです、よろしくね!」

ライハ

「私は鳥羽ライハ、リクを助けてくれてありがとね」

 

「あ、はい!」

 

私が腰を折って挨拶すると更なる声が響く

 

レム

「report management のレムです、響、よろしくお願い致します」

「ふえっ?!何処から?」

 

ライハさんの指差す先を見ると、部屋の奥中央にぶら下がっている黄色い球体が輝いており、声がする度に点滅していた

 

レム

「私です、響」

「うわぁ!すっごーい!?」

 

ふとリク君を見ると、足元を見てキョロキョロしている

 

「どうかしたの?」

リク

「いや。もう1人いるはずなんだけど…」

 

そういえば、ペガって子をまだ見ていない

 

ライハ

「ペガならここよ、出ておいで」

 

すると、ライハさんの影からヌルッと小さな宇宙人が現れた

頭は黒くて、まるでカタツムリみたいに触覚の先に目がある

そして、パーカーとズボンに靴と、普通の男の子みたいな出で立ち

 

ペガ

「あっ、えっと…はじめまして、ペガです」

「……可愛い〜!!」

ペガ

「へっ?はわわっ!」

 

あまりの可愛さは私のハートを撃ち抜くには充分だった

私はペガ君に抱きついた

 

「あは〜はっ、スベスベしてる〜!それにひんやりしてて気持ちいい〜!」

ペガ

「わふっ、くすぐったいよ〜…!助けてリク〜!」

リク

「あはは、どうしようかな〜…」

 

 

 

③立花響、光の国へ

 

ちょうどお昼どきだったので皆さんでカレーライスを食べる事に

 

「んん〜!美味し〜!特にトマト!」

リク

「すっごい懐かしい味…やっぱりこれだね」

 

それを聞くとライハさんは嬉しそうに微笑んだ

 

ライハ

「よかった、野菜は私が育ててるの、資金節約のためにね、それに…」

 

ライハさんはリクくんの腕を掴んだ

 

リク

「ん?」

ライハ

「特訓もしっかり続けてたみたいだし、」

リク

「もちろん、向こうにすごく鍛えてる人も居たし、楽しかったよ」

 

すごく仲がいいな〜この2人

まるで…

 

「夫婦?」

モア

「ブーッ!?」

リク

「うわっちょっとモア…!」

 

モアさんが突然水を噴き出し咳込んだ

 

ライハ

「違うよ、そんなんじゃない、リクは頼りない所もあるからしっかりしてないと…」

ゼロ

「そうだそうだ、前に聞いたが、女子と付き合ったのもクリスが初めてなんだぜ?」

「そっか〜」

モア

「そうそうっ!……へ、クリス…?」

 

気に慣れぬ名前にモアが困惑する

 

「雪音クリスって言って、私達の世界にいる女の子なんです!」

モア

「それは察しはつくけど…ぜろ、なんて言った?」

ゼロ

「へ?女子と付き合ったのもクリスが初めて…」

 

瞬間、モアさんは目を回して倒れてしまった

 

リク

「ち、ちょっとモア!?」

ライハ

「…私は平気だけど…後でモアにはちゃんっと説明、しなさいよ?」

ペガ

「リクに彼女か〜…会ってみたいな〜」

 

 

 

④立花響、光の国へ

 

その後、リク君達と別れを告げ、光の国へゼロさんと向かった

モアさんは目を覚ましたあとは……

 

モア

「りっくんに彼女りっくんに彼女りっくんに彼女りっくんに彼女りっくんに彼女りっくんに彼女りっくんに彼女りっくんに彼女りっくんに……(ry」

 

と繰り返していた

ライハさん達は何とかすると言っていたが大丈夫だろうか…

そんな事を思っていると、ゼロさんが止まった

 

ゼロ

「見ろ、響、あれが俺達の故郷、M78星雲、光の国だ」

「うわぁァァ…!すっごい綺麗…!」

 

星自体がエメラルドグリーンに輝き、まるで太陽のよう

ここに、ゼロさんや他にもたくさんのウルトラマンがいる

 

ゼロ

「ふんっと…ここの光を浴びたら本格的にお前はウルトラマンになっちまうからな、バリアを張らせてもらうぜ」

 

ゼロさんは私を球体のバリアで覆うと光の国へ飛び込んだ

 

 

 

⑤立花響、光の国へ

 

圧巻

その一言だった

光の国は建物が全て宝石のように輝いていて、キラキラしていた

そこで、普通に生活している人もいれば、的を狙って光線の訓練をしている人もいた

 

「ここから…たくさんのウルトラマンが生まれたんですね…」

ゼロ

「そうだぜ、俺達も一つの命、与えられた力を平和を守る為に一生懸命なんだ」

??

「ゼロ〜!」

ゼロ

「おっ?よっと…」

 

誰かに呼ばれたゼロさんはゆっくり降り立つ

そこへ、メインカラーが銀、赤い腕に水色が差し色

胸にゼロのようなプロテクターを着けた、三本ツノのウルトラマンが近付いた

 

ゼロ

「タイガ、久しぶりだな?」

タイガ

「ほんとだよ、いつの間に帰ってきたんだよ?」

ゼロ

「ほんのついさっきだ、あそだ、ウルトラの母何処にいるか知ってるか?」

タイガ

「婆ちゃんか?婆ちゃんならいつものとこだよ」

ゼロ

「銀十字軍本部か、っち、未だに傷の心配されっからちと慣れねぇんだよな…」

タイガ

「それくらいゼロが無茶するからだろ?」

ゼロ

「っへ、違いねぇな、サンキュータイガ、お前も地球に派遣されるよう頑張れよ?」

タイガ

「あぁ!ゼロにも負けないウルトラ戦士になってやる!」

ゼロ

「その意気だ、じゃあな!」

 

ゼロはそのまま飛び立った

 

タイガ

「ゼロが連れてた女の子…なんだったんだろ?」

 

 

 

⑥立花響、光の国へ

 

ゼロさんの話によると、ウルトラ銀十字軍本部に私を治療出来るウルトラウーマンさんがいるらしい

そして、到着した先で私は目を丸くする事になった

 

ゼロ

「すまない、ウルトラの母は?」

ウルトラ母

「こちらですよ」

 

そこにはすごく女性らしい体つきをしたウルトラウーマンさんが居たのだ

ちょっと羨ましい…

 

ウルトラの母

「ん?ゼロ!何故ここに地球人を…」

ゼロ

「あぁストップストップ!あんたに頼みたいことがあって連れてきたんだ…」

 

───(中略)────

 

ウルトラの母

「なるほど…ジードと一つに…」

ゼロ

「ジードの方は浄化はすんでる、だが響はまだベリアルの遺伝子が残っちまってるからな」

 

私はバリアの中に作られたベッドに寝かされていた

ウルトラの(はは)さんは顔を近づけた

 

ウルトラの母

「たくさん、辛いこともあったでしょう、もう大丈夫ですからね」

 

すごく安心する

ここまで、この人の事をウルトラの母と呼ぶ人を沢山見てきたが、そう呼ぶのも頷ける

 

ウルトラ母

「では…早速始めます、すぐに終わりますからね」

「はい…よろしくお願いします」

ウルトラ母

「マザー光線!」

 

ウルトラの母の手から黄色い粒子のような光線が放たれた

それを浴びていると、スーッと何かが抜けていく感覚に襲われ、私は眠りについてしまった

 

しばらくし、目を覚ますと再びウルトラの母と目が合った

 

ウルトラの母

「治療は終わりましたよ」

「あ、ありがとうございます、ごめんなさい…寝ちゃって」

ウルトラの母

「構いませんよ、所で…あなたの胸の傷ですが…」

「あ、これ…ですか?」

 

私はフォルテのようになってる傷を触る

 

ウルトラの母

「私なら、それを消す事も出来ますが、どうしますか?」

 

私はしばらく考え答えた

 

「これは、私を救ってくれた恩人の生きていた証でもあるんです、だからこのままで、へいきへっちゃらです!」

ウルトラの母

「わかりました、貴方は立派な考えを持っているのですね」

 

⑦立花響、光の国へ

 

ウルトラの母さんと別れを告げ、私は地球に戻ってきた

 

ゼロ

「んじゃ、ここでお別れだ」

「はい、絶対また来てくださいね」

ゼロ

「なんか大変な事があったらなー?」

「ふふ、はい!」

ゼロ

「へへっ、じゃあな!シェアっ!」

 

ゼロさんは飛び立った

私はしばらく空を眺めていると声をかけられた

 

未来

「響!」

 

振り返るとそこには、私の大切な陽だまりがいた

 

「ただいま…未来」

未来

「おかえりなさい、響」

 

さぁ、あったことをお話しよう

思い出として、紡ぐ為に

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




リク
「次回も絶唱しないし響かない!になるのかな?」

「難しいよね〜…だってそしたらしばらくずっとそうなるんだもんね」

「ちなみに次回の予定は!」
ゼロ
「なぜ俺達が戻ってきたか、そしてGX1話までの間の話だ!」
クリス
「次回もお楽しみって奴だな!」

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