戦姫絶唱シンフォギア 響くぜ!絶唱!!   作:海空来

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リク
「ゼロが…またパワーアップしてる…!」
クリス
「ちょーっと待て!それ本編と関係無いだろ!」

「タルタ○ス、ゼロを負かすとは一体何者なんだ!」
クリス
「いやだから本編と関係無いこと話すなって!」

「最後に出てきたゼロさんともセブンさんとも違うあの人、一体誰なんだろう」
クリス
「おい!あたしの他にツッコミ役はいないのかァァ!!?」



第4話 微かな希望、砕かれて【前編】

響がシンフォギアを纏えない

そんなことは露知らず、ガリィは考える

 

ガリィ

「(ギアを纏わないコイツと戦った所で意味は無い…仲良しこよしを粉と引いてみるか…)」

 

ゲスな思考をガリィが思い浮かべた時だった

ダァンッと大きな足音が響く

その主の方を見ると、響───ではなく、詩織が足に力を込めていたようだった

 

詩織

「まぁどろっこしいなぁ…あんたと立花がどういう関係か知らないけどさ、だらだらやるなら私達巻き込まないでくれる?」

ガリィ

「お前…こいつの仲間じゃないのか…?」

 

あまりに豹変した詩織にガリィは聞き返す

 

詩織

「冗談!たまたま帰り道が一緒なだけ…ほら、道を開けなよ」

 

完全に舐め腐った態度にガリィは顔を歪ませる

然し仲間でないならいた所でどうにもならない、手を振りアルカノイズを下がらせた

 

刹那、弓美から創世へアイコンタクトが入り、意図を察した創世は未来の手を握り走り出した

 

創世

「行くよ!」

未来

「あっ…!?」

 

それに続いて響達も走り出した

逃走開始だ

 

弓美

「あんたって、変な所で度胸あるわよね!去年の学祭もテンション違ったし!?」

 

逃げる途中、弓美は詩織に叫んだ

 

未来

「さっきのお芝居!?」

創世

「たまには私たちが、ビッキーを助けたっていいじゃない!」

詩織

「我ながらナイスな作戦でした!」

 

だがそう易々と見過ごすガリィでは無い

と言うよりも、それすらも作戦

 

「と、見せかけた希望をここでばっさり摘み取るのよねぇ…」

 

ガリィはアルカノイズを向かわせる

そうすればいい加減戦うだろうという魂胆だ

だが、詩織にはもう1つ希望があった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

詩織

リクさん!

 

リク

「スイングスパークル!!」

 

木陰から放たれた黄金色の斬撃が、アルカノイズを一掃した

ガリィがそちらを見ると、杖のような剣を持ったデニムジャケットの男がいた

 

ガリィ

「ジード…めんどくさっ…」

 

ガリィが心底嫌そうに顔を歪める中、リクはみんなの元へ動く

 

「リク君!」

リク

「様子を見て飛び出そうと思ったんだけど詩織さんから合図するってメールが来てね…ずっと待ってたんだ!」

弓美

「はぁ、あんたそんなことまでしてたわけ!?」

創世

「あ、アニメじゃないんだから…」

 

創世が弓美のセリフを取ってしまうほど、皆動揺している

ガリィはそんなことは気にせず、再びアルカノイズを呼び出した

 

リク

「ここは僕が、皆逃げて!」

 

響は戦おうとするが、先のようにシンフォギアを纏えないのであればただの足手まといだ

口を噛み締めながらも5人で走り出した

リクはそれを確認すると戦闘に入った

エルフナインから聞いている

アルカノイズは通常のノイズと違い、特定対象を分解することに長けている

結果がシンフォギアの分解

更には、自分諸共分解する必要が無くなっているため、何度でも対象を分解するために攻撃が可能

然し、その為に位相障壁の作用が弱くなり、通常兵器が多少は効くようになっているという

であれば、ウルトラマンでも戦える

リクはそれを信じここに来たのだ

 

リク

「バルカンスパークル!!」

 

リクはキングソードから弾丸を打ち出してアルカノイズを叩いていく

そして、ガリィを見据えると直接切り刻みにかかった

 

ガリィ

「あぁ〜やばいかも〜」

リク

「まさかっ…?!」

 

罠かっ…そう思った時には遅かった

ガリィは自分そっくりの分身を空気中の水分で作りだしそれをリクに斬らせたのだ

その水分は突如意志を持ったように動き回り、リクの体を覆い、頭を残して氷となってしまう

氷漬けとなり、身動きの取れなくなったリクの前に本物のガリィが現れ、リクを嘲笑う

 

ガリィ

「フハハッ、いやいやこんなもんに今までの人たちは苦戦したんでぇすかぁ〜…?」

未来

「リクくん!」

 

遠くから未来達が足を止めてこちらを見ている

 

リク

「いいから早く逃げてっ…!!」

 

どんどん体力が奪われる中、ガリィはリクの顎を摘んでこちらを向かせた

 

ガリィ

「さぁて、どんな思い出を持ってるのかしらァ…」

 

そして、ガリィは…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リクに唇を重ねた

 

リク

「ムグッ!?//」

 

リクは必死に藻掻くが、ガリィの力は想像より強く全く離れられない

 

「リクくん!」

 

響達の叫びを耳にしながら、リクは流れ出る思い出の奔流に呑まれていく

 

沖縄での戦い

 

 

最終決戦

 

 

 

伏井出ケイとの決着

 

 

 

 

ロイヤルメガマスターの初戦

 

 

 

 

 

 

フュージョンライズを行った初めての戦い

 

 

 

 

 

 

 

 

ペガと初めて会った日

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドンシャインのショーでの一生の思い出

 

 

 

 

 

 

 

 

僕…これで終わりなのかな…

リクの髪の毛から色が抜けていく───────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───────力だ…力が欲しい…───────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───────越えてやる───────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───俺を見下したアイツらを…!!─────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガリィ

「ゥグッ!?」

 

突如、ガリィは苦しみ出し、思い出を吐き出してリクに戻すと即座にその場から離れた

 

 

ガリィ

「ウェッ!オエェッ…なんだ今の…ドス黒い記憶っ……それに…何年分の思い出…マスターを優に超える…っ!?」

 

見た目が若いからとタカをくくったガリィの計算ミスだ

確かに朝倉リクは22年しか生きていない

それであれば思い出は吸い尽くされたろう

 

だが、彼の出自はベリアルの遺伝子の培養によるもの

 

そう、ベリアルと同じ遺伝子を持つリクは、自覚しないだけでベリアルの記憶遺伝子すら引き継いでいる

そのドス黒い何万年分の思い出がガリィの中に一気に流れ込んだのだ

 

リク

「今のは…父さんの記憶…?」

ガリィ

「やめたやめた、狙うのはぁ…あっちだ!」

 

ガリィはアルカノイズを再び響たちに差し向ける

響たちは逃げ出そうとするが、アルカノイズの一撃が響の足元をえぐった

 

「うわぁっ!」

 

そのはずみで響はペンダントを放してしまう

しかし、直後現着した車から飛び出した一人の女性が、響のペンダントを掴む──

 

マリア

Granzizel bilfen gungnir zizzl…

 

マリアはなんと、響のガングニールを再びまとった

その色はかつてと同じ、黒色のガングニール

アガートラームは現在破損状態、了子に修復を依頼したものの、了子は不可解な点があると解析中のため、今は手元にない

その為、マリアが戦うにはガングニールを纏う他ないが、リンカーが無ければ本来戦うことは出来ぬはず

その無理を、気力で押し通しているのだ

手始めに、HORIZON SPAERでアルカノイズを一掃しつつ、リクの氷を砕く離れ技を見せて見せる

 

リク

「助かりました!」

 

リクは口を拭いながらマリアの横に立つ

 

マリア

「この力があれば戦える、だけど長くはもたない。協力して、朝倉リク!」

リク

「はい!」

 

槍と剣を携えて、二人は立ち向かう

その様子はS.O.N.Gでも確認されていた

 

弦十郎

「マリア君、発光する攻撃部位こそが解剖器官!気を付けて立ち回れ!」

 

その言葉を合図に、アルカノイズをリクと協力して退ける

多少の合同訓練はあったとは言え、昔から一緒に戦っていたようなレベルで連携が取れている

響はそれを見て嫉妬に近い感情を抱く

 

「私のガングニールで…私と一緒に戦ってきたリク君と連携が取れてる…」

 

マリアは大きく飛び上がるとガリィに向かって槍を突き立てる

手応えあり…

かと思いきや、ガリィは手のひらで氷の壁をつくり一撃を防いでいたのだ

 

マリア

「まだっ…!」

 

槍を握りしめると槍先が展開、分離し、ガリィの腕を左右にズラす

マリアはその隙にもう一度、胸に槍を突き立てた

項垂れるガリィ、確かな手応え

だが、そこにもバリアがあった

 

ガリィ

「頭でも冷やしなぁァ?!」

 

甲高い嫌な声を上げながら、ガリィは滝のような勢いの水を吹き出し、マリアの体を吹き飛ばす

 

ガリィ

「決めた、ガリィの相手はアンタよ…♪いっただっきま〜しゅ♪」

 

どういう事だと、リクは思考をめぐらせるが、その瞬間だった

ガリィは地面を凍らせながら目に止まらぬ速さでマリアに近づいて、腕に氷の剣を作り出した

 

マリア

「殺られるっ…!」

 

だが、動くことは出来ない

無惨にその腕がマリアに向けて突き進む────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???

「はァァァっ!」

 

突如、足音がこちらに来たかと思うとガリィの氷の剣は上に弾かれた

何者かが、その足で腕を蹴りあげたのだ

更にその人物はガリィに向かってアッパーカットを繰り出し、その体を天高く舞いあげる

 

ガリィ

「フグっ?!」

 

凄まじい顔で舞い上がった体が着地し、乱入者の姿を見る

 

???

「いってぇぇぇ!?こいつ人間じゃねぇな?!?」

 

全員、その出で立ちに困惑を浮かべる

グレーがメインのツナギのような服装で、その素材はおそらくレザー

その背中には大きく【ASUKA】とある

ぱっと見れば自衛隊のようでもあるが、少なくともどこかで採用されたという話は聞いていない

言ってしまえば…

 

弓美

「アニメのコスプレ…?」

???

「は?なんだよせっかく助けてやったのに…」

 

男は不貞腐れたようにため息を着く

 

ガリィ

「なんなのあんた…クッソ面白くない…!」

 

ガリィは再びノイズを呼び出すと、テレポートジェムを使いその姿を消す

男はノイズに殴りかかろうとしたが慌ててリクは叫ぶ

 

リク

「素手で触れちゃダメです!」

???

「あ、そっか、ならみんな目を閉じろ!光よぉぉぉ!!」

 

その瞬間、男は何かを構え発光させた

ノイズたちはその光を浴びると、蒸発するように消えていく

 

マリア

「凄い…くっ!」

 

マリアのガングニールが突如はじけ飛び、膝をつく

その目と口からは血を流していた

 

???

「見たか、俺の超ファインプレー!」

 

男はノイズの炭に指をさし啖呵を切ると、こちらを向いた

リクはマリアに肩を貸しながら問う

 

リク

「貴方は…?」

 

???

「初めまして、ウルトラマンジード。

俺の名はアスカ・シン、分かりやすく言うならまたの名を、ウルトラマンダイナだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 






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