『白娘子』から『一時の休息』は
ゲームをする為に爆速で書いた
局長室を出た。
「っっっはぁぁぁ……!き、緊張したぁ……!
何なんだアイツ……」
「その……なんて言うか、私たちと同年代くらいなのに、
凄い威厳っていうか……風格があったね」
「そうだねぇ……うちの社長よりおっかなかったよ」
「まぁそう言うな。峰津院局長は
若年ながら優秀な人物と有名なんだ。
っと……私も仕事がある。君達の部屋に案内しよう。
君達はここに泊まる事になるが……構わないか?」
「ん~、どうせ電車も動いてないし、
悪魔だらけの所を歩いて帰るのもねぇ……
僕はお世話になっちゃおっかな?」
「そう……だよな……
電車動いてないんだった……」
「悪魔も居るし……危ないよね……」
「どうする響希?」
俺とダイチは家も近い。
だがこの状況だ、家に帰っている暇はないだろう。
家もだが親も安全か気になる。
ジプスでそこら辺は調べられないのか?
「……っ!」
「あ……!」
新田さんと響希が息を呑む。
「……可能だ」
ならここに泊まろう。
「浅草寺から国会議事堂まで
ぶっ通しで歩いて来たからねぇ……」
「そうだな……疲れたよ……」
「そうだ、ね……」
……。
皆1回部屋で休もうか。
連絡が来たら集合するって事で。
全員が頷く。
「……では、案内しよう」
☆
時刻19:00。
ベットに倒れ込む。
……疲れた。
体力的にも、精神的にも。
……色々な事があった。
何故、俺がこんな事に。
そう思わなくもない。だがやるしかない。
俺が世界を救う……なんて言ったら自惚れだが、
出来ることはあるはずだ。
携帯を見る。
悪魔召喚アプリ。
峰津院大和は『Nicaea』と呼んだ。
携帯の充電ケーブルを
鞄から取り出し、充電する。
生命線となる大切な物。
どうせ圏外だ、悪魔召喚以外に
使う事もないだろう。
少しでも休んだ方がいい、
ドゥベとの決戦は……確証は無いが、多分今日だ。
今日でなくとも、いつ来るのかわからないのは事実……
ならば休める時に休んだ方がいいだろう。
そう考えて瞳を閉じ、微睡みの中に身を投じた。
☆
「みんな、無事かなぁ……」
不安が胸に募る。
外にいた時は気にする余裕も無かったが、
こんな状況なのは響希達だけではなく東京、
下手すれば日本中の人間が同じ目に遭っているのだ。
「気軽になんで俺だけ、って言ってたけど……
こんな様子じゃ、俺だけじゃないんだよなぁ……」
溜息が口から溢れ出る。
気を引き締めなければいけない。
幸い、心強い相棒も出来た。
「頼りにしてるぞ、ハヌマーン」
☆
「お母さん……お父さん……」
涙が流れる。
そんな事してる場合じゃないのに。
戦うって、決めたばかりなのに。
抑えられない不安と、
今すぐ探しに行きたいという衝動。
それを抑えるのがとても大変だった。
「どうか……無事でいて」
少女の願いは果たして。
☆
「……家族、ねぇ」
少年達の前で見せていた
笑顔の仮面を削ぎ落とす。
「名古屋は、どうなってるかな」
窓の外を眺める。外は既に真っ暗で、
どの方角が名古屋なのかは知る由もないが、
それでも外を見ずには居られなかった。
圏外の状態では、
病室の彼女に連絡を取ることすら出来ない。
自分の無力さに思わず、壁に拳を叩き付ける。
「……僕らしくない」
そうだ。
彼女が教えてくれた通りに。
失うのが怖くて、彼女から、
名古屋から逃げた僕なりの償い。
☆
パソコンとの睨み合いを終え、自販機でコーヒーを買う。
時刻は20:00の少し前。もう少しで彼らを起こす時間だ。
「『Nicaea』の悪魔召喚者、か……」
ジプスの召喚システムはNicaeaと殆ど変わりは無い。
が、決定的に変わるのが適性だ。
Nicaeaが召喚適正を全く無視して
悪魔を召喚できるのに対し、
ジプスの召喚システムでは召喚適正が最重要視される。
召喚適正とはつまり悪魔を召喚するのに適しているか。
これを満たせなければ召喚したそばから悪魔に反逆され、殺される。
一定の値であればいいという訳ではなく、
適性が上であればあるほど、強力な悪魔を従えられる。
悪魔に好かれる、とでも表現しようか。
事実、高い召喚適性を持つ者が
討伐対象の悪魔を仲間にしたという報告は幾つか存在する。
────その悪魔を使ってジプスに牙を剥いた者が、
局長手ずから殺された事件は、今でも局員の中で
密やかに語り継がれている。
彼らもそうならないといいが。
缶をゴミ箱に捨て、
彼らの部屋へ向かう。
☆
私は憂う。
私は憂う。
輝く者の誕生を、
その行く道の先にある苦難を。
私は憂う。
ジョーさんのこの二面性みたいなのめっっっちゃ良くない?会心の出来です。
大阪弁書けないけど許してくれますか
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許す
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謝っても許さない
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良いぞ、だがその代わりいいものを書け