諦観するのはもうやめた   作:万能型蛮族

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最後らへんは頭痛との戦いでした。
ドゥベが人殺すの見慣れ過ぎて(5周目)今更気付きましたけど
一応残酷な描写があります。デビルサバイバーは人がたくさんしにます。


(10)憂鬱の日曜日

 警報音が鳴り渡る。

 

 ……来たか。

 

 携帯を充電器から外し、

 身支度を終えて外へ出ると、

 同じく部屋から出たばかりの新田維緒が居た。

 

「あ───おはよう、久世くん」

 

 おはよう。

 

「その、いよいよ……だね」

 

 力強く頷き、ダイチの部屋をノックする。

 

『お、起きてるって! もうちょい待ってて!』

 

 隣では新田さんがジョーの部屋をノックしていた。

 

「あの……ジョーさん? 警報が……」

 

『え~、もう来たの? もう少し布団を堪能させて……って言ってる暇はないね。準備は終わってるよ』

 

 驚いたな、遅れると思ってたのに

 

『その声は響希くんかい? ま~、いつもだったらそうだね、でも今はほら……「違う」だろ?』

 

 ……そうだったな

 

 扉が開き、ジョーが答える

 

「そうなんだよ。で、ドンケツはダイチくんかな?」

 

『ちょ、ちょっと待って……』

 

 勢いよくダイチの部屋の扉が開く。

 慌てて服を着たのか、奇妙な着方になっているが

 本人は気にしていないようだ。

 

「よし……準備OKだ!」

 

「全員、準備は終わっているようだな」

 

 カツカツと靴音を鳴らし、マコトが歩いてくる。

 

「君達も察している通り、ドゥベを観測した。

 場所は新橋、SL広場だ」

 

 ☆

 

 新橋へ向かう車内。会話は殆ど無い。

 あの気楽そうなジョーでさえも、

 一言も話さず口を噤んでいる。

 

「……現在、ジプス局員がドゥベを抑えているが、

 どれ程まで持つかは分からない。

 ────っと、そろそろだ」

 

 車が停車する。

 

『───! ────!』

 

『───!? ───……! ──!!』

 

 人々の悲鳴。

 そして肉の焦げる臭い。

 

「酷いっ……!」

 

「うっ……!」

 

 吐くな。

 

「ぐっ……お、おう! 

 これくらい……なんてこと……!」

 

 ……急ごう、ここで躊躇ってても

 被害が増えるだけだ

 

「そうだね……」

 

 歩を進める。

 

 ☆

 

「クソっ! クソっ!」

 

「協力者はまだか……!?

 このままでは────ぐあああ!!」

 

 炎の柱が局員に直撃する。

 

 局員だったものは燃え盛りながら炭になり、崩れる。

 風は無情にも黒い炭の塊を塵に変えてしまう。

 

「あ、あぁ……も、もうダメだ……!」

 

 もう1人の局員が頭を抱えて蹲る。

 ドゥベが近付き、炎を────

 

「────来いッ! ハヌマーン!」

 

 召喚されたハヌマーンはドゥベに向かって駆け出し、

 拳を振り上げて思いっ切り殴り付ける。

 下の逆三角錐に向かって放たれた拳は、

 惜しくも寸前のところでドゥベが身体の向きを巧妙に操作し、

 海綿体によって受け止められる。

 

「くそぅ……やっぱりダメかぁ……!」

 

 下部分を狙いながら爆発を待とう。

 新田さんは治療を。

 

「うん……! やるよ、ハトホル!」

 

 ジョーとダイチは俺と遊撃しながら、

 狙いを新田さんに向けないように。

 

「おう!」

 

「おーけーおーけー」

 

 マコトは新田さんに付いていてくれ、

 治療中はどうしても無防備になる。

 

「心得た……!」

 

 全員、生き残るぞ。 

 

 ☆

 

「この人はもう……次、見ます」

 

「そうか……」

 

 一人一人、しっかりと見ていく。

 

「……新田、辛かったら見るのは代わるぞ」

 

「いえ……! 逃げていたらダメ、ですから。

 この人はまだ息が……! ハトホル、お願い!」

 

 地道な治療が続く。

 

 ☆

 

 ────覚悟の挑発! 

 

 ドゥベの注意をこちらに引き付け、飛び退く。

 

「今度はこっちだ化け物!」

 

 ハヌマーンの捨て身の一撃。

 これもまた海綿体で受けられる。

 

「もうちょっとで爆発しそうなんだけど……そら!」

 

 ジョーが衝撃(ザン)を放つ。

 またもや海綿体に当たる。

 

 ドゥベの逆三角錐の回転速度が上がる。

 

 そろそろ来るな……

 新田さんから離れるように誘導しよう。

 

「おう……!」

 

「お~!」

 

 じりじりと少しずつ移動していると、

 突然ドゥベの動きが切り替り、

 一直線に新田さんの居る方向へ向かっていく。

 

 なっ……! 

 

「なんで……!?」

 

「これはちょっと不味いね……!」

 

 マコト、新田さん! そこから逃げろ……! 

 

 ☆

 

「ッ!?」

 

 寒気を感じ、その場から飛びずさる。

 直後に炎の球がすぐ近くに着弾し、

 局員だったものの数体に引火する。

 原因はなにか、周囲を見渡すうちに気付く。

 浮遊しながら接近してくるドゥベの姿に。

 

「馬鹿な……!

 久世達が抑えているはずでは……!?」

 

 もしやドゥベに殺されて……

 そんな考えは遠くから聴こえる

 久世自身の声によって打ち砕かれる。

 

 そこから逃げろ……! 

 

 久世響希の声。

 ドゥベの背後から走って

 追いかけてきているようだった。

 直ぐに新田に声をかける。

 

「新田! 今すぐここから離れるぞ!」

 

「待ってください……! 後少しで……!」

 

「くっ……! ジャンヌダルク!」

 

 ────心得ています。『英雄の印』! 

 

 ジャンヌダルクが手をかざすと、

 マコトとイオを包むように

 緑の光が現れる。

 

 ────大した時間は稼げないでしょうが……

 これくらいはさせてください……それでは。

 

 ジャンヌダルクが抜剣し、

 ドゥベへ向かって駆ける。

 途中、ドゥベが炎の柱を放ち妨害するが、

 その全てを軽やかに躱し、

 ジャンヌダルクはドゥベに到達した。

 

 ────これが私の、全身全霊の一撃です!

 

 使用者の生命を燃料(代償)とする、最期の一撃。

 ジャンヌダルクの生命の炎は、

 彼女の髪と同じく綺麗な金髪をしていた。

 最期の一撃を海綿体で受けたドゥベが初めて、

 一撃の重さ故か、身体を仰け反らせる。

 

 ────ご武運を、マコト。

 

 ジャンヌダルクはその一言を残し、

 金の塵となって消えた。

 

 ☆

 

 状況が悪かった。全員が焦っていた。

 

 ドゥベが行動を停止したのは、

 ジャンヌダルクの一撃のおかげだと思っていた。

 

 それは違かった。

 ドゥベが急に動いたのは、

 ドゥベが急に停止したのは、

『追い掛けてくる俺達と、離れた新田さん達を

 確実に爆発の範囲に入れるため』

 

 停止したドゥベから光が溢れ────

 

 う……おぉッ! 

 

 ダイチとジョーを力任せに投げ飛ばし、

 マコトと新田さんを白虎に任せる。

 

 ────爆炎が広がり、爆音がその場に響く。

 

 ☆

 

「うっ……そだろ……」

 

 死の恐怖で身体が固まっていた

 俺とジョーさんを助けて、

 響希が爆発に巻き込まれた。

 

「なんで……なんでだよ……! 

 なんで俺なんか助けて……! 

 自分を蔑ろにしてんじゃねぇよ! 

 クソッ……バカ響希ぃ────!!!」

 

「まさか、助けられるとはね……」

 

 爆煙は、何も答えない。

 

 ☆

 

「そ、んな……響希くん!!!」

 

「くっ……久世……! 動けるものは

 総員ドゥベに総攻撃開始!

 久世響希が作った隙を無駄にするな!」

 

「「「おぉ!」」」

 

 新田維緒に回復されたジプス局員が

 揃って携帯端末を構える。

 

「ま、待って……! まだ、響希くんが……」

 

「新田……ッ! 久世の生存は、絶望的だ……!」

 

「そんな……なんで……」

 

 膝から崩れ落ちた

 新田維緒の瞳から光が消えかける。

 然し、その時確かに、瞳に写った物がある。

 

 空を翔る白虎と、久世響希を。

 

 ☆

 

 ぶちかませ! 白虎! 

 

 ─────ガォオオオ!!! 

 

 白虎の咆哮に大気が震え、

 天空からドゥベを押し潰す。

 海綿体の爆発を終え、

 今度こそ本当に活動を一時停止させたドゥベに、

 この一撃を避ける術は無い。

 

 グシャッ。

 

 ジプス局員や東京の街に大幅な被害を出した

 ドゥベの最期は、そんな間抜けな音で締められた。

 

 貪狼星を下した白虎が、夜に吼える。

 己こそが最強であると誇示するように。




カプリコってそこまで食ったことないんですけど美味いんですかねアレ

くじら座のプリクエルを読んだ事がある

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