諦観するのはもうやめた   作:万能型蛮族

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大阪に行くまでは基本原作通りです


(14)崩壊した日常

 トゥルルルル……

 

 電話が鳴る。

 振動からして俺の携帯のようだ。

 

「え……? だって今は圏外じゃ……」

 

 死に顔動画関係かもしれない。

 出よう。

 

「そう……なのか? 

 だっていつもはメールじゃん?」

 

 電話に出る。

 

『久世か。……峰津院だ』

 

 何故電話が? 

 

『あぁ、私の判断で君の携帯電話を、

 我々ジプスの基地局に登録した。

 志島、新田、秋江の携帯も同様にな』

 

 俺達だけか? 

 

『……我々は国家組織なのでな。

 保険は用意してある。

 ところで秋江に言伝を頼んだが。

 伝わったか?』

 

 今行くところだ。

 次からはジョーに伝言はやめた方がいいぞ。

 忘れるから。

 

『……そうか、覚えておこう。

 それはそうと、君たち全員に大事な話があってな。では議事堂で待っている』

 

 ツー……ツー……という音と共に、

 一方的に電話が切れる。

 

「あの……誰だった?」

 

 峰津院大和だったよ。

 呼び出しの件と、俺たちの携帯電話が使えるようになった。

 

「えっ!? うおっ! マジで圏外治ってる!」

 

 ダイチがすぐさま携帯を確認する。

 

「お、ホントだ。アンテナビンビンだわ」

 

「良かった……でもどうして……?」

 

 ジョーと新田さんの携帯も無事繋がっているようだ。

 

 俺達の携帯限定みたいだけどな。

 

「え……それって局長さんがしてくれたってこと?」

 

「何だ、アイツ良い奴じゃん! 

 どれ……」

 

 ダイチはどこかに電話をかけ始める。

 

 多分繋がらないと思うぞ

 

「……マジで繋がらない。

 なんだよ、全然ダメじゃん!」

 

「え~、じゃあ俺もかけてみようかな」

 

「あの……2人とも……多分それって、その……」

 

 基地局に登録されたのは俺たちだけだから、俺たちの間でしか通話は出来ないと思うぞ。そう言いたいんだろ? 

 

「あ、うん。そういうこと」

 

「あ~なるほど、なるほど。

 つまり電話が通じるのって

 ジプスの連中だけか」

 

「え~なんだよそれ! 

 全然役に立たないじゃん……」

 

 そうでも無いぞ

 少なくともこの4人の携帯は繋がるから

 別行動した時に死に顔動画が送られてきたとしたなら連絡を取れる。

 

「そうだね、そういう点ではめちゃんこ助かるよね~これ」

 

「あ、そっか。死に顔動画は自分には送られてこないから……」

 

「うん……私たちが常に一緒に居れるとは限らないから……」

 

 さて、峰津院を待たせても悪い。

 国会議事堂に急ごう。

 

 ☆

 

 ジプスに戻ると、峰津院が声を掛けてきた。

 

「……戻ったか。遅れたな。

 すぐ司令室に集合してくれ」

 

「あら~、俺ちょっとメシ食いたかったんだけど……」

 

「ばっかジョーさん! アイツ怒らせたらメシどころか寝床も無くなるかもなんだぞ!」

 

 いいから行くぞ。

 

 司令室に進む。

 図書館よりも膨大な本が四方に並び、

 部屋の奥には豪奢な時計が複数縦1列に並んでいる。

 

「さて……では話を始めよう」

 

 頷く。

 

「今朝我々は約束通り、君達に護衛を付けて家まで送らせた。……結果は知っての通りだ。君たちの日常は破壊され、

 戻るべき場所は無い」

 

「「……」」

 

 ダイチと新田さんが俯く。

 

「さて、私から提案だ。

 先程、ジプス大阪本局と連絡が取れた。

 私はこれから大阪へ向かう」

 

 大阪は無事なのか? 

 

「どうだろうな。自分で見た方が早い」

 

 ……まさか。

 

「結論から言う。

 私へ同行し、大阪へ来い」

 

「えっ……!?」

 

「……あ~、ちょっと待って。

 大阪って言うのは……俺達が?」

 

「そうだ。私は君達に話している」

 

「な、なんで俺達が大阪へ行くんだ?」

 

「では聞こう、志島。

 待っていれば助けは来るか? 

 元の日常を取り戻せるのか?」

 

「そ、それは……知らないよ、そんなの……」

 

「東京の様子は見たな? ……どう思った? 

 自分たちではどうしようもない、

 国がなんとかするのを待とう……と、

 大方、そんなところだろう」

 

「う……そ、そうだけど……だって仕方ねーじゃん……!」

 

「……仕方ない、か。

 これまでの世界ならば、

 それも構わないだろう。

 だがこれは普通の災害ではない。

 君達が直接目にし、体感した通りな。

 ただ待てば誰かが解決してくれるという状況ではないのだよ。淡い期待は捨てろ。

 ……もはや君の人生に一切の保証はないのだ」

 

「……!」

 

「もし生き延びたければ……

 自分で考え、行動しなければならん。

 そして、この災害の原因を探り、

 解決しなければ我々に明日は無い。

 ……大阪へ行けばここに留まっているよりも、新しい情報が集まるだろう。

 その中には、あるいは災害の真相に近付く手がかりがあるかもしれないな」

 

「ん~……。それで大阪に来いってこと? 

 でも、どうして俺たちなの?」

 

「君たちはドゥベを倒した。

 有能な人材には、それ相応の機会を与えたい。評価しているのだよ、君たちをな。

 ……さて、私からは以上だ。

 自ら行動を起こす気があるならば10時頃に新橋で待つ」

 

 時計を確認すると今は9時……

 覚悟を決める時間は1時間もない。

 

「……いいな?

 君たちの結論に期待しているよ」

 

 ヤマトはそう言うと会議室を去っていった。

 この場の誰もが黙る。

 

「あ……えっと、参ったな……なんて言えばいいんだ?」

 

「ま、行くしかないかな? 

 別に俺はいいけど、他にやることも無いしねぇ」

 

「私も気になる、かな。

 出来ることがあるなら、

 行動した方がいい……かも。

 でも、大阪で何が分かるんだろう……? 

 災害の原因の手がかりって……?」

 

 ヤマトは大阪『本局』と言った。

 何かがあるのかもしれない。

 

「あ……そうだね。

 そこで原因を確かめれば、

 解決の方法も見つかる……かも」

 

「……あ~やめだ、やめっ! 

 グチャグチャ考えても、

 今は何もわかんないっしょ! 

 いいよ、もう。行こうぜ、大阪! 

 そんで色々調べりゃいいんだろ!? 

 そうすりゃ分かるって! 

 アイツが何考えてるかも、

 何がどうなってんのかも! 

 そしたら……。それ見てから、ちゃんと考える! ……それでいいじゃん!」

 

「うん……そうだね。

 そうかもしれない。

 みんなで大阪を調べよう?」

 

「あ~……ってことは何? 

 全員、大阪行く? んじゃそうしよう」

 

 最初から行く気だが……

 覚悟は決まったな。

 

「おうっ……!」

 

「10時頃に新橋、だね。

 忘れないようにしないと」

 

「あ~なら荷物とかも纏めないと……

 1回ここで解散しようか」

 

 その後少し話してから

 全員が会議室で解散した。

 

くじら座のプリクエルを読んだ事がある

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