白虎くんは車並みのスピードで走ってもらいます。
いいですね!
ジプスの自分の部屋から荷物……
と言っても衣服類も無いので少ないが、
それらを纏めて白虎に乗り東京を散策する。
行く先を白虎に任せ着いたのは、
新宿のチネシティ広場。
そこには新田さんが居た。
……白虎、新田さんを気に入りでもしたか?
────グルルル……
思いっ切り威嚇された。違うらしい。
御機嫌取りがてら白虎を撫でながら
新田さんに近付くと、
相手もこちらに気づく。
「あ……久世くん」
よく会うな
「ふふっ……そうだね」
何故ここに?
「あ……うん。
大阪……行くでしょ?
色々必要だから、
買えるお店無いかなって。
でも……ダメだね。お店殆ど開いてない」
何が欲しい? 良ければ一緒に探すけど
「え……あ、うん。
大丈夫……大した物じゃない。
久世君はどうしてここに?」
白虎と散歩がてら悪魔が居ないか、な
「そう、なんだ……
私のハトホルはあんまり戦えないけど、
白虎くんや久世くんが傷を受けたら
すぐに言ってね。回復してあげるから」
分かった。
「……いつになったら、買い物とかできるようになるんだろうね」
先程の話だ。やはり新田さんのような
女子にとってはこの状況は
かなりキツいらしい。
「ここに向かう道で色々耳に挟んだんだけどね、
都心から離れた所だとまだ火災とか危険らしいよ……
救助活動も進んでないって。
でも、言ってる人も噂話程度で、
誰も正確な情報を言っているようには思えなかった。
こういうのって普通、政府の人が
被害状況とか説明したりしないのかな……?」
停電がある。
「あ……そうだよね。
テレビもラジオもダメだから、
説明できない……?
……お父さんとお母さん、
大丈夫かな……友達も今頃……」
そんなことを話していると、
通りの先に人集りが見える。
あれは……
「久世くんも気になるよね、あれ……
なんの人だかりだろう……?
あの、すみません……!」
人だかりから抜けるように
歩いてきた女性に、新田さんが話しかける。
「え……? す、すいません。
ちょっと……」
近付いて初めて分かるが、
女性の顔は蒼白で、
明らかに気分が良いとは言えない。
大丈夫?
「あ……大丈夫。
あなた達……見た?」
「あの……人だかりのところですか?
まだ、見てません」
「そう……行かない方がいいよ。
あそこ……死体があるの」
「……!」
「もう……グチャグチャで。
人かどうかもわからないくらい……。
犯人は噂の化け物じゃないかって……」
悪魔は死ぬと死体が消える。
今でも死体があるなら
それは十中八九人間だろう。
それにしても────
「あの、化け物って……?」
「あの地震の後から
色んなとこで見たって人が居るわ。
知らない? 東京を駆ける白い虎とか」
心当たりがありすぎると思わないでもなかったが、
化け物を怖がっている女性を
これ以上怖がらせるにも行けないので口を閉じる。
「あはは……ちょっとそういうのは聞いたことない、ですね……」
「とにかく、あなた達も化け物とかを見たら逃げるといいわ。絶対そういうのとは関わらない方がいいと思う。それと……化け物だけじゃなくて人間にも気を付けてね」
最後の言葉を新田さんを
じっと見てからそう言い、
女性は去っていった。
「化け物って……悪魔の事だよね……
あんまり、普通の人の前で悪魔を使うのはやめた方がいいのかな……」
そうだな……悪魔を使うしかない
っていう場面は悪魔を出すしかない。
けど逆に不必要な場面で悪魔を使えば
助けようとしている人を
怖がらせてしまう……
こればかりは見極めが大事になる……
ダイチやジョーにも伝えないと。
「そうだね……」
それと、白虎に乗りながら
進んでいる時に分かったが……
野生の悪魔の数自体も増えている。
「野生って……契約者に勝った悪魔……?」
あぁ……増えた悪魔の数だけ、
人が死んでいると見ていいだろう……
「でも……悪魔に人が殺されるとか、
そんな映画みたいな事が
本当に起こるなんて……現実味が無いよ……
今まで私たちが暮らしてきた『現実』って
何だったんだろうって思う。
やっぱり……ダメだよね。このままじゃ。
大阪……行かなきゃ。
ちゃんと……何が起きてるか知りたいよ」
いつの間にか通りの先の人だかりは
散らばり始めている。
そろそろ俺は新橋に向かうけど……
また、乗っていくか?
「あ……ふふっ……うん。
白虎くん、お願いします」
────ガウ
俺と新田さんは白虎に乗りながら
新橋へ向かった。
くじら座のプリクエルを読んだ事がある
-
ある
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無い