ケイタが拳を構える。
「ぶっ飛んで死ねや───暗殺拳」
迷い無く急所を狙う一撃。
悪魔が避けようと動いた時には、
既にケイタの拳は悪魔の心臓を穿つ。
「フン……次はどいつが相手や?」
放たれる強烈な殺気と闘志。
ズサッ、という音と共にケイタから
逃げるように悪魔の群れが距離を取る。
和久井啓太と相対する悪魔全てが
ケイタに気を取られ、忘れていた。
ベルセルクは血が乾いたかのような
濁った赤の剣を全力で振りかぶり、
数体をそのまま強引に切り裂く。
死体から散る光の塵が次々と舞う。
☆
「ペリ! 雷の乱舞!」
────お任せを……!
悪魔が密集する地帯に
数本の雷撃が放たれる。
直撃して死ぬ悪魔、
雷撃自体を回避する悪魔。
それぞれいるが、どちらにせよ
雷撃を撃った場所に開けた空間が出来る。
その隙を見逃さずに、
ヒナコは瘴気の中に手を伸ばし、
携帯を折って破壊する。
「……よっしゃ!
暴走しとる携帯を壊したで!
瘴気も消えたっ!」
ヒナコの言う通り、
携帯を壊すと同時に
瘴気は消えるが、瘴気によって
召喚された悪魔はまだ残っている。
駆け回れ、白虎!
白虎に騎乗しそう指示を出すと
白虎は指示通りビックマン前を
円を描くように駆け回る。
流れる景色に吐き気を催すが、
堪えて携帯を周囲に向け、
出てくる情報を確認する。
────これなら……行ける。
☆
「よっしゃ……こっちの携帯壊したぞ!」
「うん……こっちも……!」
「うひゃ〜、いくら何でも
多すぎるよね、悪魔。
俺もアレ……なんだっけ、
瘴気だっけ? 消しといたよ」
全員差はあるが疲弊の色が
見えてはいるものの、
それぞれが仲間に報告する。
「これで全部瘴気は
取り除いたみたいやな……」
ヒナコの言う通り、
この場の瘴気は全て仲間によって
取り除かれ、残るは瘴気から出てきた
悪魔のみとなった。
だが仲間達は既に疲弊し、
戦える状態とは言えない。
幸い傷自体は回復しているが、
肉体の限界というものはある。
だが悪魔は順調に数を減らしている。
現在
着実に悪魔は減り続けているのだ。
原因は残る2人。
単純な攻撃力のみで
悪魔をも圧倒する和久井啓太と
狂ったように暴れ回るベルセルク。
そしてもう1人。
常に動き続け、白虎に乗ったまま
氷の乱舞を放ち続けている久世響希だ。
既に2桁以上の悪魔を倒しているが、
限界が近いのかその頻度は落ち始めている。
その姿を流石に見兼ねたのか、
ケイタがヒビキに向かって怒鳴る。
「チッ……休んどけモジャモジャ頭!
ここでぶっ倒れられても邪魔なだけや!」
いいや……白虎、まだ俺は……やれる……
か細い声でそう訴えかけるが、
全身は震えて顔色も悪い。
氷の乱舞を出し続けた影響か、
久世響希の肉体は冷え切っていた。
落ちないように白虎を掴む手にさえ
力が入っていない有様だった。
────なんだ、その有様は
呆れたように、白虎が口を開く。
ダイチ達の所へヒビキを運び、
ヒビキが介抱され始めたのを確認すると、
自らは悪魔へと立ち向かっていく。
────いいからあの小僧の言う通り、
休んでおけ。後はオレに任せろ。
その言葉を聞いた久世響希は、
震える手を白虎へ
伸ばすことしか出来なかった。
☆
残る悪魔は少ないとは言え、
悪魔使い1人で対応できる数ではない。
ヒビキやダイチ達含め
数の暴力によってそれぞれの
仲魔は傷付いており、
まともに戦えるようになるのには
時間がかかる。
現在満足に戦えるのは
殆ど一撃で悪魔を倒している
和久井啓太とその仲魔ベルセルク、
そしてヒビキの無理な戦闘によって
結果的に体力を温存していた
白虎しかいない。
1人と2体が並び立つ。
「ジブン、なかなかやるみたいやな。
獲物を渡すのは癪やが……
手早う終わらせんならしゃあないか 」
白虎にそれだけ言うと、
和久井啓太は不敵な笑みを
浮かべながら掌と拳を打ち鳴らし、
意気揚々と悪魔へと突っ込んでいく。
────ウォォォア……!!!
ベルセルクもまた己の武器を構え、
悪魔の元へ突撃する。
────…………。
チラリと自らの主人を見る。
力無く寝転がってはいるが、
しきりに立ち上がろうと試み、
その度に仲間に止められている。
何があの少年をそこまで急き立てるのかは、
人ならざる悪魔の身では知る由もないが、
どちらにせよ自分には関係ない事だろうと
割り切り、白虎は戦闘に集中するために
ヒビキの事を脳内から切り離す。
逃げ惑うかのような有様の悪魔達は
既に白虎にとって単なる獲物でしか無い。
牙を剥き、目にも留まらぬ速さで
白虎は群れへ飛びかかる。
その後、10分も経たずして
ビックマン前は静寂を取り戻した。
☆
ハトホルの回復のお陰で先の戦闘で
受けた傷は殆ど癒え、
歩けるまでには回復した。
白虎は悪魔を倒すなりこちらへ戻ると、
尻尾で俺の顔面を殴ってから
怒らせただろうか、然しあの状況では。
そんな思考がぐるぐると巡る。
確かにあの時は冷静では無かった。
和久井啓太を死なせまいと焦り、
結果的に自分を死ぬ直前までに追い込んだ。
前まではどうだっただろうと
思い出そうとしても、
思考に靄がかかって上手く思い出せない。
召喚アプリを手に取ってから、
自分の中で何かが変わり始めている。
そんな思考が頭を過るが、無視する。
悪い、焦っていた。もう大丈夫だ。
「お、おう……あんまり無理はすんなよ」
「うん……もう、痛い所とか無い?」
大丈夫だ、本当に。
「やったで……!
何とか助けられたわ!」
「……助けただぁ?
何抜かしとんねん、お前」
ヒナコのその発言に対し
不審げにケイタが突っ込む。
「あ、あの……和久井くん。
け、怪我とか……無い?」
怯えを見せつつもケイタの心配をする
新田さんに対しても
やはりケイタは不審げに突っ込む。
「……? 何やねん、お前も。
ナメとんのか、コラ」
一触即発の気配を察知したのか
新田さんとケイタの間に
滑り込むようにしてダイチが説明に入る。
「おっと、待て待て。
違うんだ、実はさ……」
ダイチはケイタに
死に顔動画の事を話した。
☆
「この動画は……
俺は死ぬはずやったって事やな?
……お前が焦ってたんはこれか」
ケイタはじっと俺を見てくる。
「なるほどな……
これも『Nicaea』の機能いうワケか。
フン……俺が死ぬなんて認めんのは癪やが
……礼だけ言うといたる」
「ま……そういう事や!
感謝しぃ、ケイタ!」
ケイタはバンバンと背中を叩く
ヒナコを鬱陶しげに睨み、
こちらに対して説明を求めてくる。
「……せやから何やねん、お前。
どこから湧いて出たんや?」
「あ……せやせや!
ウチ、ジプスに入りたいねん。
本局、案内してくれるんやろ?」
「あぁん……? お前がジプスに?
やめとけ、お前なんぞに……」
その言葉を待っていたかのように
ヒナコは小柄なケイタの顔を覗き込むように
体を横に逸らして煽り立てる。
「お前なんぞに……何やねん?
アンタを助けたったのは、
誰やったっけ〜?」
「……クソッタレ。好きにせえ。
本局は新世界や、案内したる」
「……お、やったで!
ちょお待ちぃや、ケイタ〜!」
踵を返してビックマン前から
去ろうとするケイタを
跳ねるようにヒナコが追う。
「うわ、おいちょっと!
……行っちゃったよ。でも良かったぜ。
何とか和久井のヤツを助けられて」
「うん……そうだね。
頑張った甲斐、あったよ。
みんな、お疲れ様」
「はは、特にヒビキくんはね。
それじゃ2人を追おうか?
ずいぶん先に行っちゃったよ」
ケイタの後を追うように
ビックマン前を後にした。
戦闘を書くのが苦手過ぎる、シャンフロを見習え(自戒)
ぶっちゃけ言ってしまうと悪魔まで考慮して書くとクソ大変なので度々悪魔の描写は抜け落ちます。描写が無い場合は悪魔が各自で戦闘してるものと考えてくれると。そも悪魔に焦点を当てるつもりは基本的にないので……必要な時は喋ったり、描写も書きますがメインとして書くのは無い、程度に思っていていただければと思います。
デビルサバイバー未プレイ者用に解説コーナーした方がいい?
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必要
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要らん