諦観するのはもうやめた   作:万能型蛮族

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これで大阪編は終わりです。1/18には投稿が再開されますので、待っている方々には大変申し訳ないのですが暫く更新を停止させていただきます。主にストック作りのための休止だと考えていただければ……


(31)東京への帰還

 時刻は19:00。

 俺達は東京へ戻る為、専用車両ホームへやってきた。

 

「や〜長かった……たった1日なのに疲れた〜」

 

 概ね同意だが、明日もあるぞ

 

「うん……でも大阪に来て、色々わかった事あるし……ちょっと前進した……かな?」

 

「ま、そーね。さすがに現地の光景とか、あの映像とか? さすがにビビったけどさ、色々調べた甲斐があったねぇ。あのまま東京にいたんじゃ、な〜んも知らないままだったと思うしね」

 

「うん、それにさ。悪魔を倒すくらいだったら結構何とかなってきたじゃん? 政府とかアレだけど、とりあえずジプスがいるならちょっとは安心できるよな」

 

 それぞれが何かこの状況に思う所があったのか、新幹線を待つ間に会話が弾む。

 そこへ、相変わらず不機嫌そうな顔をした和久井啓太とご機嫌そうな九条緋那子が現れる。

 

「……よぉ」

 

「あ、おったおった! 見送りに来たで〜!」

 

「ヒナコさんに……和久井くん。あ……私たちのために?」

 

「あったり前やん! ウチらもう仲間やし、ケイタも気にしててんで?」

 

「あんなぁ……、お前、来いゆーたやろが」

 

 苛立ちを隠さずケイタがヒナコを睨むが、ヒナコはそんな視線を意に介さず、からかうようにコロコロと笑う。

 

「可愛ないなぁアンタ。ほな、その手に持ってんのは何?」

 

「……」

 

 その言葉につられてケイタの手元を見てみると、確かに何かが入った紙袋が握られている。見られたことを察したのか、ケイタは舌打ちと共におもむろに紙袋を差し出した。

 

 ……これは? 

 

 受け取った紙袋の中には、『いか焼きようかん』と書かれた箱が3箱入っていた。

 

「……土産や。何や、美味いらしいわ」

 

 微妙な雰囲気が場に漂う。

 

「いか焼きの、ようかん……? お、美味しいのかな?」

 

「いや……貰えるなら貰うけどよ……これ絶対売れ残りでしょ……」

 

「いやいやいや、和久井くんのチョイスかもしれないだろ? ここは信じてみよう」

 

 ギリギリケイタに聞こえない声でやり取りが行われている……

 

「そやけど大変やね。アンタらの誰か、名古屋行くんやろ?」

 

「────」

 

 ピクり、とジョーの身体が反応するのが視界に見えた。

 

 いや、そんな話は聞いてないけど……ダイチ達は? 

 

「俺も聞いてない、と思う……」

 

「わ、私も……」

 

「うーん、俺も聞いてないな〜

 ……って、それ本気? 誰が名古屋に行くって?」

 

 全員に心当たりがない事を伝えると、ヒナコは小首を傾げ、不思議そうな顔をする。

 

「あれ……聞いてへんの? ……ケイタ〜、アンタ伝えんの忘れとったやろ?」

 

「……やかましい、今伝えるわ」

 

 何しに名古屋へ? また何か会議が? 

 

「ああ……何や、物資の運搬とかいう話や」

 

「え……う〜ん……。でも突然、名古屋なんて……」

 

 ケイタはひとつ溜め息を吐くと、ジョーに向けて睨みを利かせる。

 

「……おいアンタ、西の生まれやろ」

 

「ん……そうだね、出身は名古屋だよ。だから、この件は俺が適任だ。物資の運搬って話なら、車の免許もあるしね」

 

 両手を脱力させたまま挙げ、お手上げといった様子で話し始める。

 

「車の免許なら俺も取ったばっかりのやつがあるけど……ジョーさんの方が土地勘もあるだろうし……確かに適任だな」

 

「うん……じゃあ、ジョーさんはこのまま名古屋に?」

 

 ……確かに、そうなるのか。

 

 大阪と名古屋は比較的近い。東京を経由してから行く場所ならともかく、大阪から東京に行き、名古屋にまた向かう必要は無い為東京に到着する前に別れるという事になる。

 

「……名古屋に行く奴は別の列車や。遅れて到着するって話やさかい、暫くはホームで待機やと」

 

 ケイタが投げやりに言うと、ホームに列車が近付く音が聞こえてくる。

 

「お〜、そっか。じゃあここでお別れかな?」

 

「そうみたいだな……じゃあジョーさん、怪我するなよ〜!」

 

「うん……向こうにも、悪魔は居るだろうし……無事にまた会いましょう……!」

 

 帰ってきたら、向こうの様子でも教えてくれ

 

「そうだね……うん、写真を何枚か撮って来るよ。勿論、無事にね」

 

「……これでひとまず、お別れやな。ほな、色々ありがとう」

 

「あ、いえ……こちらこそ。それじゃ……また」

 

 ケイタ、ヒナコ、ジョーのみがホームに残り、列車を見送る為に声を掛ける。

 

「また遊び来ぃや! いつでも待ってるで!」

 

「ほなな、アホウ。せいぜい頑張れや」

 

「そんじゃね〜、そっち(東京)も大変だろうけど、頑張ってね〜。あ、お土産取っとかなくていいけど味は教えてね〜」

 

 列車の扉が閉まり、東京へ向かってゆっくりと走り出す。

 

 ☆

 

 遠く離れた新幹線を見届け、息を吐く。

 少し前に役目は終えたとばかりにホームから去ったケイタを追い、ヒナコもこの場には居ない。

 

 ────名古屋での物資の運搬の話が来たのは、偶然では無い。自由時間内に本局の局長室を訪ね、直接交渉した結果だ。

 

「向こうにも何か理由がありそうな様子だったけど……さて、どう転ぶかな」

 

 多少のトラブルがあろうと、関係無い。この状況で彼女の居る名古屋に向かえるなら物資の運搬程度お易い御用というものだ。

 

 列車の走る音がホームに迫る。

 秋江譲はひとり、自分の為に名古屋へ向う。

 

 ☆

 

 無事に東京へ帰還し、現在は21:00。

 俺は自室で就寝の準備を始めていた。

 

 携帯が鳴る。

 手を伸ばさずともひとりでに携帯は開き、画面にバニーガールの少女の姿を映し出した。

 

「やほほ〜、響希っち! 今日もお疲れちん★」

 

 ……何の用だ

 

「んーっとね、特に用ってほどじゃないかな? というか、もう用事は終わっちゃった★」

 

 このティコと名乗る少女……前は執事服の男も居たか。Nicaeaを俺に与えた存在は謎が多い。ダイチや新田さん、ジョーに今日会ったヒナコやケイタにも、その存在を示すような発言は見られなかった。

 

 だとするならば。この存在はNicaeaを与える為の存在では無いならば、要因は俺にある可能性がある。が、心当たりは微塵もない。

 強いて言うのならばドゥベやメラクを倒していることだろうが、それならばダイチ達にも現れてなければおかしい。

 

 考えていると目蓋が重くなってくる。

 ティコも、画面には居ない。

 俺はそのまま眠りに着いた。




ここでオリチャー発動! ただ免許のあるだけのダイチではなく名古屋に因縁のあるジョーを名古屋に出撃させることでジョーの縁イベントをメインシナリオに組み込める!

え?今日?11月55日ですけど何か……?
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