諦観するのはもうやめた   作:万能型蛮族

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これ原作でも名駅ってなってますけど表記ミスかなんかなんですかね。ブレイクレコードでも直ってなかったけど多分名古屋駅が正解っぽい?分かんないので情報入るまでは放置の方向で。今回も戦闘描写がボロボロなのは許して



(34)追撃奮闘GIRL&GUY①

 名駅、金時計前。

 ジョーを探していると、人集りを見つける。

 

「探して結構経つけど……全然見つかんないな、ジョーさん……」

 

 現在9:30。ジョーとジプスを捜索して30分。進展は殆どないと言って等しい。

 

「でも、連絡が取れないって聞いてたから、もっと壊れてるかと思ったけど……案外、そうでも無いみたいだね」

 

「そうなんだよな〜……でも、名古屋支局どころか局員も見つからないとかどうなってんだよ……響希なんかマコトさんから聞いてねぇ?」

 

 全く聞いてないな……圏外になってるから今から聞くのも出来ないし……参った。

 

 お手上げ状態の現状をどうにかすべく、移動しながら話していると、人の話し声が聞こえてくる。

 

「っへへへへ……! チョレぇもんじゃ、ざまあみろて。ジプスの馬鹿どもめ!」

 

「……!? 久世くん、あれ……」

 

 エレベーター前に数人の市民が集まっているのが見える。その中の一人が重そうに抱えている段ボールには、見慣れたジプスのマークが。

 

 ……どうも、味方ってわけじゃなさそうだ。

 

「って事は……戦うのか!? に、人間だぞ!?」

 

「でも……あの様子でジプスの荷物を持ってるってことは、少なくとも悪魔使いなんじゃないかな……? だったら……」

 

「あ、そうか。携帯を壊せば無力化できる……?」

 

 そういう事だ、行くぞ! 

 

 各々が携帯を構えると、向こうもこちらに気付いて全員が携帯を構える。

 

「……! 何じゃ、おみゃーら! 

 ま、ま、まさか追手!?」

 

 俺達の姿に動揺が走る様を見るに、戦闘慣れしているジプスでは無さそうだ……と考えていると、人集りの更に奥から少女が現れる。

 

「……あ〜っ、いた〜っ! 

 もう逃がさない、馬鹿……!」

 

 苛立ちを含んだ声はまだ幼さを残しており、かく言う本人も学生服を着ている。

 

「……もう頭きたっ! 悪魔使ってでもぶっ飛ばすから!」

 

 手足をバタバタとして全身で怒りを表す様は駄々をこねる子供のようだが、発言は非常に物騒だ。少女は宣言通り携帯を人集りに構えて、今にも一触即発の様子だ。

 

「ぎゃっ……あの女!? メチャクチャしつこいがや!」

 

 どうやら悪魔使いの方にも悪い意味で面識があるようで、少女の姿を認めた瞬間あからさまに悪態を吐いた。

 

「な、なぁ、あのエスカレーター上がった所にいるのってジプスだったりすんのかな……?」

 

 面倒事の気配を感じたダイチが頬をひくつかせながら言うと、少女がこちらを見つける。

 

「……ちょっと、あなたたちっ!」

 

「あ……私たち……の事、だよね……」

 

「他に誰もいないでしょっ! あなたたち、誰っ! 一般人ならすぐ逃げて! 私の敵(暴徒)なら……許さない!」

 

 暴徒じゃない、ジプスだ! 東京支局から増援と味方の捜索に来た! 

 

 一方的にまくし立てる少女に叫んで言い返すと、少女の顔が驚愕に染まる。

 

「えっ……つまり味方!? ならお願い、手伝って! 私、ジプス名古屋支局の伴亜衣梨(バン アイリ)! ソイツら私たちの食料を奪ったの! このまま取り逃したらダメだよ、取り返すの手伝って! 食料を持って帰られたら、また調子に乗って暴れ回るに決まってるもん! それに全員の携帯を破壊して、もう戦えないようにしなきゃ……! それじゃ、お願いねっ!」

 

「うわ……凄い元気だな……でも、念願の名古屋のジプスと会えたって事だよな?」

 

 暴徒を挟んだ情報交換で、こちらがジプスだと発覚してしまったせいか、暴徒達にも焦りが見え始める。

 

「く……クソッ! どうするがや!」

 

「あ、あの上にいる女は1人だ! 上に回って、

 ヤツだけ倒せば、何とか逃げられそうだがや……!」

 

「よ、よしっ……! 下のあの子供らは食い止める、おみゃーは食料を持って上から逃げろ!」

 

 食料が入っていると思われる段ボールを持った男と、暴徒のリーダーらしき男が頷き合って一斉に動きだす。段ボールを持った男はアイリの方へ、リーダー含めたほぼ全員の暴徒は、俺達を阻むように立ち塞がる。

 

「あっ……! 食料持ってかれちゃう……。

 捕まえよう、久世くん!」

 

 頷きを返して、携帯を構える。

 暴徒とは言うが、人間には変わりない。

 なるべく無力化したいところだが……

 

「わ、悪く思わないでねっ……!」

 

 OLらしき女性の暴徒から、麻痺(パララレイ)が飛んでくる。咄嗟に飛び退いて避けたが、当たっていれば危なかっただろう。

 内心冷や汗をかきながら白虎を呼び出す。どうやら手加減していると危ないのは、こちらのようだ。

 

 ☆

 

「ごめんなさいっ……!」

 

 新田さんの放った電撃(ジオ)が暴徒の女子高生に直撃し、携帯を取り落とさせる。

 

「きゃあっ……! け、携帯が……!」

 

 電撃を受けて軽く痙攣する身体では、落とした携帯を拾うこともままならない。新田さんは一瞬の逡巡の後に携帯を踏み潰し、破壊する。

 

「わ、私の携帯……」

 

「あの、ごめんなさい……」

 

 微妙な空気が女子高生と新田さんの中に流れる中、後ろから男の暴徒が新田さんに襲いかかる。

 

「お、お前! ちょっと大人しくしとれ!」

 

 ────させませんよ! 

 

 暴徒から放たれる雷撃が、新田さんに直撃する手前に現れたハトホルによって防がれる。

 

「なにっ……!?」

 

「あ……ありがとう、ハトホル……!」

 

 ────いいのですよ、これはお節介のようなもの……これくらいはさせてください。

 

 正に女神のように微笑みながら、攻撃を仕掛けてきた暴徒に掌を向け、ハトホルは鏡返しのように雷の乱舞を放った。かなり激しいものを放ったように見えたのは気の所為だろうか。

 

「ぐう……!? く、悔しいが、ここは逃げないかんか……」

 

 雷撃を受けて煙をあげる携帯を投げ捨て、暴徒がまた1人逃げ去った。

 

 ☆

 

「待てってオッサン、このっ……!」

 

「ぜ、絶対に捕まらんぞ……! この食料は俺達のモンだ!」

 

「たいがいにしとけや! このたわけが!」

 

 段ボールを持った暴徒を追うダイチに向け、怒声と共に炎の乱舞が放たれる。炎を避けようと思わず足が止まり、食料を持った暴徒はどんどん遠くへ離れていく。

 

「おめぇの相手は俺だ! このガキ共が……!」

 

 進路を塞ぐように立ちはだかる暴徒のリーダーは怒りに顔を赤く染め、追撃とばかりに再び炎の乱舞が向かってくる。

 

「うわわっ……! あっぶねぇ……燃えたらどうすんだよ!」

 

「知るか! 邪魔をするんじゃにゃー!」

 

 炎、炎、炎。それ以外知らぬとばかりに炎を放ち続けていた暴徒のリーダーだが、暫くすると携帯を構えても炎が出なくなってしまう。暴徒自身も原因が分からないようで、不思議な顔で携帯を弄っている。

 

「あ……? なんだ、故障か……?」

 

「隙ありぃっ!」

 

「ぐわっ!?」

 

 炎が出なくなった事をこれ幸いと、今まで炎を避け続けていたダイチが、携帯に向けて狙い撃ちを放つ。寸分違わず振り抜かれた拳は確かに携帯を手から叩き落とし、地面を滑る。

 

 舌打ちをしながら暴徒のリーダーは携帯を拾いに行こうと走るが、そうはさせじとハヌマーンが転がった携帯を踏み抜き、破壊した。

 

「ジプスめ、ちょすきおって……!」

 

 携帯がなければどうしようもないと判断したのか、捨て台詞を吐きながら暴徒のリーダーはこの場を去っていく。

 

「ふぅ……って安心してる場合じゃねぇ!? あの段ボール持ったオッサン追わないと……!」

 

 一息つく間もなく、ダイチは暴徒を追って駆け出した……。

 

 ☆

 

「絶っ対、許さない! チョコマカ逃げ回っちゃって、バカじゃないのっ……!」

 

 苛立ちを隠しもせずにそう叫び、段ボールを持った暴徒を、アイリがエスカレーターの上で迎え撃つ。

 

「ど……退け……! これは俺達の食料だっ……!」

 

「っ……! アンタなんかに負けるわけないでしょっ! 来てっ……カイチ!」

 

 アイリの携帯から歪んだ一本角の羊のような悪魔が召喚される。カイチと呼ばれた悪魔はアイリに付き従うように佇み、暴徒をただ見つめている。

 

「カイチ……やって!」

 

 アイリのその掛け声と共に、カイチは暴徒に向けて駆け出す。

 

「く……クソ! この食料は渡すものか!」

 

 負けじと暴徒も携帯を構えるが、悪魔を呼び出したその瞬間に、勢いよく駆け出していたカイチが悪魔に角を突き刺す。運がいいのか悪いのか、角は急所を抉り取り、一撃で悪魔を死に追いやる。

 

「ああっ!?」

 

「アンタの相手はこっちよ!」

 

 暴徒が悪魔に気を取られているうちに、アイリは衝撃(ザン)で携帯を狙い撃つ。その精度は凄まじく、暴徒の携帯のみを弾き飛ばした。暴徒の携帯は場所もあってか高所から落ちてしまい、バキッという音ともに壊れてその役目を終えた。アイリは呆気に取られる暴徒から食料の入った段ボールを奪い取る。

 

「ああっ……、みんなの分の食料が……! チクショウ!」

 

「なによっ! これは元々ジプスのものでしょ!」

 

 アイリを恨めしげに睨み、暴徒はその場を去って行った。

 

 ☆

 

「えっと……それであなたたち、誰ですか?」

 

 暴徒を無力化し終わった後、アイリが声をかけてきた。

 

 東京支局からの応援だ。正式なジプス局員では無いが……それは君もだろ? 

 

「まぁ、そうだけど……でも、ちょっと遅くない? もう少し早ければ……」

 

 それは……すまん。名古屋支局との連絡が取れずにあちこち探し回ってたら遅くなった。

 

「あ、違うの。別に謝ることじゃないんだけど……名古屋ジプスさ、占拠されて滅茶苦茶なんだよね。携帯も使えなくなっちゃったし……」

 

 占拠……あの暴徒達か? 

 

「あ、うん。ホラ、今って食料とか、医療品とか、もう普通に不足してるじゃん? それをジプスが独占してるって言って、なんか……栗木ロナウドって男が暴徒を引き連れてさ、いきなり乗り込んできたんだよね。それで……みんなバラバラ」

 

「栗木……ロナウド? その人が暴徒の中心に……?」

 

「うん、そうみたい。暴徒に支持してたから、なんかリーダーっぽい感じ……」

 

 他に、何か知らないか? 

 

「えっと……私も入ったばっかでそんなに詳しくないけど……でも、なんか変なおじさんは見かけたかな。赤い豚みたいな悪魔を使って資材とか奪ってた。もうなんか……見た目は普通のおじさんなのに他の暴徒と違って滅茶苦茶強くてさ……その時に一緒に戦ってた鳥居純吾ってヤツともはぐれちゃうし……」

 

 ……赤い豚? 

 

 気になる単語がアイリの口から放たれるが、アイリは気付かずに捲したてるように愚痴を零し続ける。

 

「アイツ、ホント馬鹿なんだよ! いっつも勝手に動いて、ピンチになっちゃうんだから!」

 

「な、なぁ、その赤い豚についてもうちょっと詳しく教えてくんね……?」

 

「え? いいけど……えっと、あの悪魔は確かカマプアアって呼ばれてたかな。それ以外はなんにも知らない……それがどうしたの?」

 

「久世くん……これって……!」

 

 名古屋に向かった時期、年齢、悪魔の名前……これだけ揃って、同名の悪魔を使う別人というのは無理だろう。それは、つまり。

 

 ジョーが暴徒の一員になった事を意味する。

 




アイリはマジで性能的に残念すぎるんですよね。Lv99でも40に行くステータスないみたいですし魔速型もフミっていう化け物が居るので性能的に考えると有利面が縁2で獲得する耐性が2種類あるくらいしか無いのほんと可哀想。なので魔法のコントロールが抜群って設定を独自で付けてあげることにしました。これくらいの情けはあげてもいいでしょう……
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