諦観するのはもうやめた   作:万能型蛮族

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新田維緒ファンや志島大地ファンに
刺されないような物語を書いていきたい。



(3)死に顔動画

 目が覚める。知らない天井だった。

 妙に思い身体を無理矢理に動かして、携帯を探る。

 ───ある。

 

 ここは何処だろう。最低限の寝具と家具。

 如何にも寝る為に帰る部屋、と言った感じだ。

 

 地下鉄で気を失ったのは覚えている。

 ベットに寝かされていたが、

 一体誰が────

 

 足音。

 咄嗟に、携帯を構える。

 ノック音の数刻後、扉が開いた。

 

「起きたか……そう警戒しないでくれ。

 君をここに運んだのは私だ」

 

 女性が入ってきた。

 黒い制服、自衛隊でも警察でも無い。

 見覚えの無い制服だが……それすらどうでもいい。

 目の前の女性に問う。

 

 ……新田維緒と志島大地は何処だ。

 

「新田維緒はこちらで保護しているが、

 志島大地は逃走した。今も捜索中だ」

 

 ダイチが逃走した……? 

 いや、それは置いておくとして、

 新田さんに会わせろ。

 

「……悪いが、それは出来ない。

 彼女は今強いショックを受けている。

 死に顔動画を見て、な……。

 新田維緒の携帯に届いたんだ、

 圏外であるにも関わらず。

 君の携帯にも、届いてはいないか?」

 

 ───死に顔動画……? 

 急いで受信フォルダを開く。着信2。

 動画ファイル「死に顔動画:久世響希」。

 動画ファイル「死に顔動画:志島大地」。

 

 俺の方の動画を開く。

 

 ☆

 

 地下鉄が映し出される。

 電車を待つ人でごった返す駅。

 その中には談笑する俺と、ダイチ。

 隣の列には、新田さん。

 

 ───嫌な予感がする、

 これ以上見てはいけない様な、

 そんな不安定で、不定形で、不確かな、

 確信のない予感が────

 

 地面が揺れる。

 転倒する人、線路内に落ちる人、

 地面を踏み締めて何とか立っている人。

 やがて、天井が崩れる。

 

 音が鳴る、響く。

 人々が聞き慣れた音が、

 電車の到着を知らせる音が。

 音が迫る。歪な走行音。

 鉄と鉄が擦れ合う金属音が。

 駅は恐怖で包まれた。

 

 視点が切り替わる。迫る、電車の側面。

 視点がまた変わる。俺と、ダイチが電車に押し潰され────

 

 赤が広がる。

 

 ☆

 

 心臓の音が嫌に響いていた。

 煩くて、でも止められない。

 生きている証明。動画とは真逆の結果。

 

 思考は確信に至る。

 巫山戯た動画だが、多分これは、未来予知に近い。

 事実、駅は崩れていた。

 

 それを俺達は、

 何かによって回避した? 

 何かとは、悪魔だろう。

 動画の結果は変えられる。

 悪魔の力を使って、生き残れる。

 

 間を置かず、ダイチの方の動画を開く。

 

 ☆

 

 寺のような場所。抉れた地面。

 立ち並ぶ狗頭の獣人(コボルト)

 見知らぬ白い着物の悪魔。

 

 そしてそれに対峙するダイチ。

 白い着物の悪魔が氷結(フブ)を放ち、

 ダイチを庇ってハヌマーンが凍る。

 

 ハヌマーンの氷像に

 狗頭の獣人(コボルト)が群がる。

 殴り、噛み付き、氷像を砕いていく。

 氷像は徐々に氷片へと姿を変えていく。

 

 白い着物の悪魔がダイチへ狙いを定め、

 氷結(フブ)氷結(フブ)氷結(フブ)

 

 腰の抜けたダイチは

 避ける様子も無く、やがて完全な氷像になり……

 ハヌマーンと同じく、

 群がる狗頭の獣人(コボルト)によって砕かれた。

 

 ☆

 

 時刻16:34。

 ───動画では夕陽はそこまで出ては居なかった。

 まだ、間に合う。

 

 新田さんに会わせてくれ、

 話さなければいけないことがある。

 

「しかし……いや、分かった」

 

 付いて来なさい。

 それだけ言い残すと、制服の女性は部屋を出た。

 大人しく着いていくと、連れてこられたのは

 案外近く、二つ隣の部屋だった。

 

 視線でここだ、と示す女性に目礼してからノックする。

 

 ───新田さん。

 

 パタパタと扉越しに音がして、ドアが開く。

 

「えっと、ヒビキくん……でいいんだよね? 名前」

 

 そういえば名乗ってなかった。

 

 そうだ、久世響希だ。

 

「どうした……の? 身体は大丈夫?」

 

 ダイチを、探しに行こうと思う。

 身体はもう動けるようになった。

 だからこそじっとしている訳には行かない。

 

「動画、見たんだよね? 志島くんが、その……」

 

 ああ。

 

 遮るように答える。

 確実に、あの悪魔とは戦闘になる。

 だから、無理はせずに待っていて欲しい。

 

「……ううん、行くよ。

 私がここで行かなくて、久世くんも死んじゃったら、

 私、絶対後悔する。少しでも力になれるなら、行くよ」

 

 ……なら、急ごう。

 

「うん……!」

 

 全て、1人でやろうとしていた。

 ダイチを救うのも、新田さんを守るのも。

 だが、守ろうとしていた相手に

 手伝うと言われて……

 

 凝り固まった認識が

 するりと解けていくような感覚がした。

 

 時刻、16:40。

 タイムリミットは迫る。




本来の流れでは
地上→真琴と遭遇→逃走→周辺探索→ドゥベ→死に顔動画(志島大地)→ダイチ救出ですが

気絶→地上まで運ぶ→真琴と遭遇→逃走→大地が水か何かを買いに行った所で真琴と再遭遇→保護→大地は周辺捜索(今)→死に顔動画の場面となります。ここらへんも後で変えるかも。

大阪弁書けないけど許してくれますか

  • 許す
  • 謝っても許さない
  • 良いぞ、だがその代わりいいものを書け
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