刺されないような物語を書いていきたい。
目が覚める。知らない天井だった。
妙に思い身体を無理矢理に動かして、携帯を探る。
───ある。
ここは何処だろう。最低限の寝具と家具。
如何にも寝る為に帰る部屋、と言った感じだ。
地下鉄で気を失ったのは覚えている。
ベットに寝かされていたが、
一体誰が────
足音。
咄嗟に、携帯を構える。
ノック音の数刻後、扉が開いた。
「起きたか……そう警戒しないでくれ。
君をここに運んだのは私だ」
女性が入ってきた。
黒い制服、自衛隊でも警察でも無い。
見覚えの無い制服だが……それすらどうでもいい。
目の前の女性に問う。
……新田維緒と志島大地は何処だ。
「新田維緒はこちらで保護しているが、
志島大地は逃走した。今も捜索中だ」
ダイチが逃走した……?
いや、それは置いておくとして、
新田さんに会わせろ。
「……悪いが、それは出来ない。
彼女は今強いショックを受けている。
死に顔動画を見て、な……。
新田維緒の携帯に届いたんだ、
圏外であるにも関わらず。
君の携帯にも、届いてはいないか?」
───死に顔動画……?
急いで受信フォルダを開く。着信2。
動画ファイル「死に顔動画:久世響希」。
動画ファイル「死に顔動画:志島大地」。
俺の方の動画を開く。
☆
地下鉄が映し出される。
電車を待つ人でごった返す駅。
その中には談笑する俺と、ダイチ。
隣の列には、新田さん。
───嫌な予感がする、
これ以上見てはいけない様な、
そんな不安定で、不定形で、不確かな、
確信のない予感が────
地面が揺れる。
転倒する人、線路内に落ちる人、
地面を踏み締めて何とか立っている人。
やがて、天井が崩れる。
音が鳴る、響く。
人々が聞き慣れた音が、
電車の到着を知らせる音が。
音が迫る。歪な走行音。
鉄と鉄が擦れ合う金属音が。
駅は恐怖で包まれた。
視点が切り替わる。迫る、電車の側面。
視点がまた変わる。俺と、ダイチが電車に押し潰され────
赤が広がる。
☆
心臓の音が嫌に響いていた。
煩くて、でも止められない。
生きている証明。動画とは真逆の結果。
思考は確信に至る。
巫山戯た動画だが、多分これは、未来予知に近い。
事実、駅は崩れていた。
それを俺達は、
何かによって回避した?
何かとは、悪魔だろう。
動画の結果は変えられる。
悪魔の力を使って、生き残れる。
間を置かず、ダイチの方の動画を開く。
☆
寺のような場所。抉れた地面。
立ち並ぶ
見知らぬ白い着物の悪魔。
そしてそれに対峙するダイチ。
白い着物の悪魔が
ダイチを庇ってハヌマーンが凍る。
ハヌマーンの氷像に
殴り、噛み付き、氷像を砕いていく。
氷像は徐々に氷片へと姿を変えていく。
白い着物の悪魔がダイチへ狙いを定め、
腰の抜けたダイチは
避ける様子も無く、やがて完全な氷像になり……
ハヌマーンと同じく、
群がる
☆
時刻16:34。
───動画では夕陽はそこまで出ては居なかった。
まだ、間に合う。
新田さんに会わせてくれ、
話さなければいけないことがある。
「しかし……いや、分かった」
付いて来なさい。
それだけ言い残すと、制服の女性は部屋を出た。
大人しく着いていくと、連れてこられたのは
案外近く、二つ隣の部屋だった。
視線でここだ、と示す女性に目礼してからノックする。
───新田さん。
パタパタと扉越しに音がして、ドアが開く。
「えっと、ヒビキくん……でいいんだよね? 名前」
そういえば名乗ってなかった。
そうだ、久世響希だ。
「どうした……の? 身体は大丈夫?」
ダイチを、探しに行こうと思う。
身体はもう動けるようになった。
だからこそじっとしている訳には行かない。
「動画、見たんだよね? 志島くんが、その……」
ああ。
遮るように答える。
確実に、あの悪魔とは戦闘になる。
だから、無理はせずに待っていて欲しい。
「……ううん、行くよ。
私がここで行かなくて、久世くんも死んじゃったら、
私、絶対後悔する。少しでも力になれるなら、行くよ」
……なら、急ごう。
「うん……!」
全て、1人でやろうとしていた。
ダイチを救うのも、新田さんを守るのも。
だが、守ろうとしていた相手に
手伝うと言われて……
凝り固まった認識が
するりと解けていくような感覚がした。
時刻、16:40。
タイムリミットは迫る。
本来の流れでは
地上→真琴と遭遇→逃走→周辺探索→ドゥベ→死に顔動画(志島大地)→ダイチ救出ですが
気絶→地上まで運ぶ→真琴と遭遇→逃走→大地が水か何かを買いに行った所で真琴と再遭遇→保護→大地は周辺捜索(今)→死に顔動画の場面となります。ここらへんも後で変えるかも。
大阪弁書けないけど許してくれますか
-
許す
-
謝っても許さない
-
良いぞ、だがその代わりいいものを書け