諦観するのはもうやめた   作:万能型蛮族

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推し(アークナイツのヤトウ)の誕生日(1日遅れ)なので更新です

樋口円香のSSRを当てるためにシャニマスのトゥルー出来るように頑張ってます。


(41)ダンボール大作戦

 大須からテレビ塔の前に戻ると、変わらずフミが機械を操作に明け暮れていた。

 

「フミ〜!」

 

「お……早かったじゃん。メモリ、見つかった?」

 

「えっと……詳しそうな人に譲ってもらったので……」

 

「そ。じゃあ早速組み込んじゃうからちょうだい」

 

 フミは報告に特に興味を示さずにメモリを受け取ると、目前の機械の一部を剥がすようにして取り除く。

 

「……うん、ピッタリ。これでかなり作業進むよ」

 

「おっしゃ……! やったな、響希!」

 

 ……調べるのにはどれくらいかかる? 

 

「ん……名古屋支局の復旧作業はすぐには行かないけど、ジュンゴの携帯の場所なら今すぐにでも出せるよ」

 

「お、お願い!」

 

「あ……あと……、ジョーさん……秋江譲っていう、私たちと同じ民間人の協力者の人がいるんですけど……その人の携帯の場所って、調べられませんか?」

 

「あー……ちょい待ち。民間人協力者だから……ジプスに登録されてるなら……うん、出来る」

 

「えっ……分かったの? 凄い……流石フミ!」

 

「マジで……!?」

 

 ……! 場所は。

 

「あー? どうなってんだろこれ。そのアキエ? とジュンゴ、同じ所にいるね。『みんなの科学館』ってトコ」

 

「響希、行こうぜ。ジョーさんを問い詰めるでも、ジュンゴを助けるのでも、早い方がいいだろ……!」

 

「うん……急ごう……!」

 

 そうだな、行こう……! 

 

「いってら〜、アタシは名古屋支局の復旧作業があるから、また何かあればメールとかして。暴徒とかはアタシ居なくても別に大丈夫でしょ」

 

「分かった。フミも悪魔に気を付けてね」

 

「あーはいはい、気を付けるよ。ほら、急ぐんでしょ。さっさと行きなよ」

 

 フミは面倒くさそうに手でヒラヒラとアイリを追い払うと、そのままパソコンへ向き直ってしまう。

 

 未だ作業を続けるフミを残し、全員でテレビ塔を後にした……。

 

 ☆

 

 名駅、ペルミナ。

 

 ジョーが足を止め、地下街を見回している。

 

「あぁ、君か。困った事に、こっちはダメみたいだ。……ちょっと休憩しよっか。名古屋って久しぶりだからさ、つい見入っちゃうなぁ。ここも彼女と、よく来たよ〜」

 

 と言いながらジョーは設置されているベンチに座る。どうやら雑談に興じるつもりのようで、ジョーの知り合いらしい男性もそれに続いた。

 

「久しぶり? そうだったのか」

 

「……あれ、言わなかったっけ? 俺、名古屋出身なんだよね。あんまり帰ってないけど、一応……」

 

「いや……聞いた、だからその上で────」

 

 ジョーと男が話していると、覆い被さるように男性の声がジョー達の背後から投げ掛けられる。

 

「お、おい……ジョー? ジョーじゃないか!?」

 

 ジョーに呼びかけた男性が駆け寄って来る。

 

「おお……? 誰かと思えば……カッチン!」

 

「お前……! 名古屋にいたのかよ! よく無事だったなぁ……!」

 

「や〜ちょっとね。カッチンも、よく無事で。

 こんな所で会えるとはねぇ」

 

 男はジョーの友人らしい。お互い笑顔で再会を喜び合っている……。

 

「お前、東京で何してたんだ? 全っ然、連絡よこさないから心配してたんだぞ」

 

「メンゴメンゴ。仕事がバタバタしててさ〜。

 すっごい忙しいんだ、あの会社」

 

「……その様子じゃ、彼女とも会ってないんだろ?」

 

「あ〜、いや、まぁねぇ? 仕事がさ?」

 

「人づてに聞いたんだけど、だいぶヤバイんだって? 

 最近また体調崩したって……」

 

「は……? 体調を崩した……?」

 

 ジョーの顔から余裕のある笑みが剥がれ落ち、驚愕に覆われる。寝耳に水だったようだ。

 

「……? ジョー? お前まさか何も……」

 

「……え? あ……あ〜そうね。うん、大変なんだよ」

 

 その表情もすぐに誤魔化すかのように元の余裕のある笑みに上書きされたが、長い付き合いらしいカッチンと呼ばれた男には通用しなかったようだ。

 

「……」

 

「いや〜でもアレだよ。何とかなるよ、きっと。

 これまでもそうだったしさ……」

 

「……お前が支えてやれよ。ずっと会いたがってたんだぞ……じゃあ、もう行くわ。ちょっと人を待たせててな。また無事で会おうぜ……!」

 

 カッチンは走り去っていった……

 

「……体調を崩した……?」

 

 茫然自失と言った雰囲気で、ジョーはその場に立ちつくす。余程ショックを受けたらしい。隣に座っていた男は

 

「そこまで心配するなら、今すぐにでも病院に向かった方がいい、彼女も喜ぶはずだ!」

 

「あぁ、いや〜……。今はほら、こっちでやる事があるから。落ち着いたら行くよ、はは……」

 

 ジョーはその言葉を嘘臭い笑みで受け流し、男を置いて先へ進んでいってしまう。

 

 男性はただ、それを見送っていた。

 

 ☆

 

 死に顔動画に映っていたのは建物の中だった。それ故に、陽射しで時刻を推測することが出来ない。既に手遅れという可能性を誰一人口にせずに、俺達はみんなの科学館に到着した。

 

 

「つ、ついたぁ……! ここにジュンゴが……」

 

「うん、あの……ジョーさんも探さないと……だよね」

 

「で、でもこのまま入ってもどうやって助けんだ? 中の様子も分かんないし……」

 

 そうだな、何も作戦無しで入って行くのは気が引ける……見た所、出入口は複数あるからそこから手分けして侵入するとかか? 

 

「あ……じゃあ……! ちょっと待って……ね?」

 

 そう言うと新田さんは科学館の入口脇に置かれていたある物を手に取る。

 

「あ、あの……えっと、私が暴徒の裏手に回るね。だから正面をお願い……します」

 

「え? でもそれって……」

 

 いや、新田さんの体格なら大丈夫だろう。

 

「うん……!」

 

 珍しく自信ありげに微笑む新田さんの手には、ダンボールがあった。

 

 ☆

 

 みんなの科学館───プラネタリウム。

 

 内部では何人かの暴徒が1人の少年……ジュンゴを追い詰めていた。

 

「この……! やっと追い詰めたがや! 手こずらせやがって!」

 

「ん……ジュンゴ、ピンチ?」

 

 客席の端に追いやられていたジュンゴは、自分のさらに後方……左右にある出入口が開く音を聞いた。もしやさらに暴徒が……とも思ったが、暴徒にしては足音が軽い。

 

「いたっ……! 馬鹿ジュンゴ!」

 

 罵倒と共に自分の名前を呼ぶのは、聞きなれたアイリの声。けれど、何故ここに。

 

「アイリ……? どうしたの?」

 

「はぁ!? 見たら分かるでしょ! アンタを助けに……!」

 

「助けにだとぉ……!? お前ら、さてはジプスの仲間やな!?」

 

 ジュンゴを追い詰めていた暴徒は、携帯をこちらに向けてくる。

 

「おわっ……やっぱこうなるのか……!」

 

 対抗してこちらも携帯を構えると……聞き慣れた声がした。

 

「────はは、やっぱり来ちゃったか」

 

「きゃ……!」

 

 対面の入口が開き、縞柄のスーツを来た男が現れる。男は何か重いものを転がす動作をすると、回り込んで入ってくる筈の新田さんが地面を転がってくる。

 

スーツの男は新田さんを気にもとめずに暴徒の元へ近付いて行く。

それは紛れもなく、俺達が知る秋江譲だった。




ジョーがこうなった理由、書いてた当時と時間離れすぎちゃって忘れたけどカバーできるアイデアは浮かんだのでオールオッケー!(行き当たりばったり執筆)
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