諦観するのはもうやめた   作:万能型蛮族

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俺はこれでいいのか……?
この書き方であっているのか……?


(5)白娘子

 殺害宣言と共に鋭利に尖った氷の杭が迫る。

 

「うわぁあ!」

 

 咄嗟に避けたはいいが、尻もちを着いてしまう。

 

(どこだ……どこだ携帯……!)

 

 ポケットや鞄の中を探りながら

 携帯を探す。この状況を打開するのは、

 ハヌマーン(悪魔)しか無い。

 

『何をしている?』

 

「っ……!」

 

 地面を転がりながら放たれた氷結(ブフ)を躱す。

 

「──あった……! 頼む……来てくれハヌマーン!」

 

 携帯を見つけ、名を呼ぶと青く光る方陣が展開される。

 

 ───契約に従い、主の元へ馳せ参じた。

 主が敵は即ち我が敵、『顎骨を持つもの(ハヌマーン)』が

 御相手をしよう。

 

『召喚者……! 小癪な人間風情が……!』

 

 拳と氷塊が激突する。

 

 ☆

 

 ハヌマーンとハクジョウシが

 戦っている中、俺は見ているしか無かった。

 単なる学生でしかない俺が、あんな化け物の戦いに

 混ざれるわけ無いだろ……! 

 

「───やぁ、少年。ひょっとしてあそこで

 戦ってるどっちか君のお仲間?」

 

 声を掛けられる。

 白と黒の縦縞模様のスーツを着た男だ。

 胡散臭い笑みを浮かべている。

 

「……あの猿頭が俺の悪魔だよ」

 

「なぁる程ねぇ……ところで、キミは戦わないのかい?」

 

「俺が……?俺はつい昨日まで学生だったんだぞ!?

 それが急に……た、戦えなんて……

 無理に決まってるだろ!」

 

 スーツの男は薄っぺらい笑みを浮かべながら、

 共感するように頷く。

 

「うんうん、君の気持ちも分かるよ。

 でも、今君は普通の学生じゃない。

 普通の学生で居たいなら、

 今すぐその携帯を壊した方がいいよ。

 それは『普通の学生』には過ぎた力だ。

 それを、悪魔を持っている以上、

 君はもう普通では無いんだよ」

 

「そう……してぇよ! けど……アイツが、響希が! 

 俺と同じ立場なのに頑張ってるんだ……! 

 今、これを捨てたら……何より響希への裏切りだ……! 

 アイツだけにやらせる訳には行かないんだ……!」

 

 思わず携帯を握り締める。

 男はより一層笑みを深める。

 

「何だ、キミ……戦う意思は

 あるんじゃないか。なら、あと一歩だ。

 君自身が戦わなくていい、悪魔の手助けから始めよう。

 多分、そろそろ君の悪魔は────」

 

 ───ぬぅ……! 

 

 ハヌマーンの右腕が氷に包まれ、もげて落ちる。

 

『漸く腕一つ……手こずらせた罪は重いぞ、猿風情が……!』

 

「ハヌマーンっ……!」

 

 ハクジョウシは所々傷は見えるが

 そこまで大きなダメージは見られない。

 状況は明らかにハクジョウシが有利だ。

 

「───カマプアア!」

 

 スーツの男が叫び、

 

 ───脇がガラ空きだぜ、お嬢さん! 

 

 赤い豚の姿をした悪魔(カマプアア)が、

 ハクジョウシの脇腹に見かけに反した

 とてつもなく重い一撃(渾身の一撃)を放つ。

 

『ぐっ……邪魔しおって……』

 

 ───猿の御仁、無事かい? 

 

 ───なんの……! まだまだ……! 

 

 痛みに喘いでこそいるが、

 ハヌマーンの瞳には未だ戦意が充ちている。

 

 ───強がりはいけねぇな? 

 それ、ディアラハン(単体全回復)だ! 

 

 カマプアアよりハヌマーンに向けられた光が、

 もげ落ちた右腕が急速に再生していく。

 

 ───猿の御仁にはくたばって

 貰われちゃ困るんでな……オレからのサービスだ。

 

 再生した右腕の調子を確かめるように

 ハヌマーンは腕の握り開きを繰り返す。

 

 ───有難い……!

 

『何を……ごちゃごちゃと!』

 

 ハクジョウシが苛立ちと共に

 広範囲氷結(マハブフ)を放つと、

 2体の悪魔は示し合わせたかのように同時に飛び退く。

 

「な、あ、アンタも悪魔使い……!?」

 

「あれ? 言ってなかったっけ?

 まぁいいや。取り敢えずここ、片付けちゃおっか」

 

 あくまで飄々とした態度を保つスーツの男は

 携帯を片手に衝撃(ザン)を放ち、

 ハクジョウシの逃げ道を限定する。

 

 志島大地は立ち上がり、ハクジョウシを見据える。

 

「────火炎(アギ)!」

 

『なっ───』

 

 直撃。

 戦力として見られていなかった故の、

 不意打ちの一撃(弱者の特権)

 

「よっしゃ……! やるぞ、ハヌマーン! 会心の予言!」

 

 ───承知! 

 

 ハヌマーンがダイチに向け強化を施し、

 ダイチはハクジョウシへと駆ける。

 

 ハクジョウシは火炎(アギ)を受け怯んでいる。

 畳み掛けるならここだ。

 

「うおおぉぉぉお!!!」

 

 捨て身の一撃(クリティカル)

 

 顔面に打ち付けられた拳は、戦闘で弱った

 ハクジョウシを消滅させるに充分な威力を持っていた。

 

 ☆

 

「はぁっ……はぁっ……

 ───どうだ! 今回は響希の力無しだぞ、ハヌマーン!」

 

 人差し指をハヌマーンへ指す。

 ハヌマーンは一瞬呆け、顔に手を当てて笑い始める。

 

 ───くっ……はははっ! 

 そんな事も言ったな、そう言えば……

 良いだろう、主が武功は確とこの目に焼き付けた。

 護られる立場に甘えず、己の意思で敵を粉砕する……

 認めるには十分過ぎるという物だ。

 これより我が忠誠は主に捧がれようとも。

 改めて、今後とも宜しく。

 

「お……おう……? よ、よろしくっ!」

 

 一礼と共にハヌマーンが消える。

 

 ────クク……猿の御仁、

 無骨な武人かと思ったら……

 随分機嫌よかったなァ……んじゃ、

 俺もそろそろ休むぜ。

 

「うん、お疲れチャン、お陰で助かったよ」

 

 気障に片手を振りながらカマプアアが消える。

 

「さて、怪我は無さそうだね」

 

「あ、あぁ……ってか、アンタ何物だよ……?」

 

「ん? 俺は秋江譲……ジョーって

 呼ばれてるからそう呼んでよ。

 境遇は多分君と同じだと思うよ?」

 

 それに───と続けようとして、口を閉じる。

 

「それに、なんだよ?」

 

「んーん、やっぱなんでもないや」

 

 とおどけたように言う。

 

「調子狂うなぁ……でも、助かったよ」

 

「いやいや、人として当然さ。

 それより、他の悪魔が来る前にここから離れよう」

 

「あ、そ、そうだな……

 響希と新田さんも探さないと……」

 

「おや、お仲間がいるのかい?」

 

「あぁ、2人とも悪魔使いだよ……

 2人とも何処に───」

 

 爆発音。

 

「───まさか」

 

「───そのまさかかもねぇ……急ごう」

 

 2人は浅草寺を後にした。




多分爆発音と展開の時点でプレイ済みの読者の方ならネタバレに等しい。そうですね、カプリコですね。

と言うかジョーが怪しすぎる……そしてその相棒のカマプアア。彼は悪魔全書にも記載されてますがプレイボーイとの事でしたのでこんな感じに。赤い豚がこんな話し方してるの普通に面白くない?

今回新たに『会心の予言』というものが出てきましたが未プレイ勢の方に説明しますと使用直後の物理攻撃を確定クリティカルするってモノですね。実プレイであんま使う機会は無いと思いますが。

私事ですが2ヶ月ほど前から毎日投稿をしてる知り合いの評価をそろそろ上回りそうなの草でございましてよ

大阪弁書けないけど許してくれますか

  • 許す
  • 謝っても許さない
  • 良いぞ、だがその代わりいいものを書け
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