諦観するのはもうやめた   作:万能型蛮族

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セプテントリオンの描写難しい


(6)ドゥベ

 浅草寺は目前という地点まで

 

 響希達は車でやって来た。

 

「止めている時間も惜しい、君達は先に降りて浅草寺へ!

 私は適当な所へ車を停めてくる!」

 

「わ、分かりました!」

 

 早速浅草寺へ向かおうと駆け出すと

 背後から爆発音が響く。

 

「え────」

 

 なっ────

 

 振り返り、それを見る。

 一目見て人間では無いと悟る。

 同時に、悪魔でも無いと察する。

 それ程までに、それは異色な姿をしていた。

 

 ふざけた配色の逆三角錐。

 そこから完全に分離して浮かぶ毒々しいピンク色の海綿体。

 心做しか海綿体が少しずつ膨らんでいるように見える。

 

 更に視線を下げると俺達が乗ってきた

 車が横転して黒煙を上げている。

 恐らくアレの攻撃を受けたのだろう。

 

 ふと思いつき、携帯を奴に翳す。

 ───『貪狼星 ドゥベ』

 と映った表示を見て、冷や汗が垂れる。

 

 ……アレは俺が抑える。

 新田さんはマコトを……!

 

「わ、分かった! 気をつけてね!」

 

 逃げるよりもまず、マコトが危険だ。

 車の横転程度で死んではないと

 思いたいが、生きているとしたら

 現在1番ドゥベに近いのはマコトだ。

 まずはドゥベとマコトを離して

 新田さんに生存確認してもらいたいが

 ……俺一人で出来るのか?

 

 携帯が小さく震える。

 ドゥベを睨んだまま携帯を

 ポケットから出すと、勝手に白虎が召喚される。

 白虎は無言で寄り添うようにドゥベと対峙し、威嚇する。

 

 ……行こう、白虎。

 

 ────ガウ。

 

 薄く蒼雷が白虎の身体に走り、

 白虎は目に止まらぬ速度でドゥベに急接近する。

 神速を乗せて放たれる貫通の一撃。

 白虎の前脚が海綿体にめり込むが……

 ────押し戻される。

 

 ……やっぱりか。

 

 携帯に表示されるドゥベの耐性は

 ────全てが無効だった。

 

 海綿体の膨張は止まらない。

 

 ☆

 

「マコトさん、マコトさん!」

 

 ハトホルの力を借りて、車の扉をこじ開ける。

 迫真琴は額から血を流して気絶していた。

 幸いな事に、息はまだある。

 何とか車の外へ身体を移動させて、

 仰向けに寝かせる。

 

「ハトホル、お願い……!」

 

 ハトホルは微笑み、

 仰向けに寝転ぶマコトへ両掌を向け、癒しの力を行使する。

 ディア(回復)メディア(範囲回復)とも違う、

 神々しい光。女神のみが行使出来る

 

 ────『女神の慈愛』

 

 ☆

 

 海綿体の膨張は既に限界近くまで来ていた。

 白虎と俺がボロボロなのに対し、

 ドゥベには傷一つ無い。

 此方の攻撃は全て無効化され、

 一方的に俺達がドゥベの攻撃を受けている。

 

 上がる息を無理矢理整えて、

 その場から飛び退く。

 数瞬後、これまで立っていた場所に

 炎の柱が立つ。直撃は避けたが、

 流石に熱気までは防げない。

 離れても伝わる熱気に、

 熱さとは別の汗が流れる。

 

 ────当たったら不味いな……

 

 正直、これ以上は厳し────

 

「うお~~い! 響希やーい!」

 

 思考が遮られ、

 聞き覚えのある声が耳に入る。

 浅草寺の方向から手を振りながら

 ダイチと見覚えのない

 縦縞柄のスーツの男が来ていた。

 

 ダイチ! 無事だったか……! 

 

「おう! 危なかったけど、

 このジョーさんが助けてくれてな……

 って今どんな状況?」

 

 ダイチは呑気にそんなことを聞いてくる。

 

「いやぁダイチくん、

 お喋りしてるヒマは無さそうだよ

 ────そらっ!」

 

 ジョーと呼ばれた男が突然ダイチの服を掴み、

 その場から飛び退くと、

 やはり先程まで立っていた場所に炎の柱が立つ。

 

「うぉあっ!? っつつ……び、ビビったぁ……

 なんか一言言ってくれよ!」

 

 突然服を掴まれて引っ張られた

 ダイチが抗議するも、

 ジョーと言うらしい男は

 薄い笑みを浮かべて受け流している。

 

「ははは、メンゴメンゴ……

 でもそう言ってられないよねぇ……

 全属性無効だなんて……ズルでしょ」

 

 ジョーは口元こそ笑っているが

 目は冷静なまま、携帯を翳しながらドゥベを見据えていた。

 

 倒す必要は無い、今新田さん……

 仲間が味方の治療をしてくれてる。

 それが終わるまでは……

 

「味方ってあそこに寝てるあの黒い制服の……!? 

 大丈夫なのかよ!?」

 

 事情は聞いた。少なくとも、

 俺達より悪魔への対処は慣れてる。

 

「へぇ……宛ら秘密組織って感じで

 カッコいいねっ、と……

 僕も厄介になっちゃおっかな?」

 

 ジョーが炎を躱しながら答える。

 

「響希くん!」

 

 新田さんの声。

 

「すまない……!失態を晒した……!」

 

 マコトの声。

 

 同時に。

 ドゥベが奇怪な音を上げる。

 いち早く動いたのはマコトと俺だった。

 マコトは自らの悪魔を召喚し、

 俺は近くに居たダイチとジョーより

 前面に出て携帯を構え─────爆発に飲まれた。




万能属性すら無効化するドゥベを許すな

大阪弁書けないけど許してくれますか

  • 許す
  • 謝っても許さない
  • 良いぞ、だがその代わりいいものを書け
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