ホグワーツ創設物語   作:奈篠 千花

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■第6章 純血主義の真実 後編■

寒い季節の休暇に、ホグワーツの各人が実家に帰るのもすっかり定着し、6年目の冬は誰もホグワーツに残らなかった。

ゴドリックは各地を放浪して歩いたが、比較的長く西の荒野の地元に顔を出した。

ここでは、いくらかそのあたりのことにも触れておこう。

 

特筆すべきは、やはり、ガラクタス・ぺべレルであった。

後の世には特に知られていないが、「吟遊詩人ビードルの物語」のうち「三人兄弟」に登場するぺべレル兄弟の、彼は傍系の祖先に当たる。

傍系であるのは、彼は直系の子孫を残さず、彼が『死』について研究した成果は、甥のフロドリー・ぺべレルとその子孫に引き継がれたからだ。

フロドリーは、去年からガラクタスの研究に興味を惹かれ、様子を見に来ると言った理由で頻繁にガラクタスの屋敷に入り浸っていた。

ただそれはフロドリーにおいては、まだ切羽詰まったものでも、深刻なものでもなく、思春期にありがちなちょっと斜に構えたものに惹かれるといった程度のものだった、少なくとも今は。

ガラクタスは誰に止められても彼の『死』に対する多種多様な研究をやめはしなかったのだが、それでも話し相手と言う名の理解者が出来ると、発想の発露の展開の具合が違うらしく、ガラクタス本人はだいぶ研究が進んだと言っていた。

 

ゴドリックが再びガラクタスを訪ねて来たのは、そんな風に新年が明けた頃のことだった。

その日、フロドリーはいなかった。

少年が叔父のところに入り浸るとは言っても、自分の両親や兄弟と過ごす時間はきちんとしておく必要があったし、継嗣としての仕事も始められていたので、毎日姿を現すわけではなかった。

「よお、久しぶりだなぁ、達者だったか。」

いつもだったらゴドリックのこの態度で常に邪険に対応して来たガラクタスだったが、彼は最近フロドリーと対応するうちにやや棘が抜け、不愉快そうな顔はしたものの、すぐにゴドリックを叩きだそうとはしなかった。

 

ゴドリックも、おや?とは思ったようだが、すぐに目元を和らげて、持ってきた土産をガラクタスに渡した。

と言っても、貴重ではあるが、不死鳥の羽根ーー、有り体に言えば彼に付き纏って炎の魔法をご飯にしている不死鳥の自然に抜けただけの羽根である。

ただ、貴重な魔法素材であることには間違いなく、値段をつけるなら非常に高価になる。

ガラクタスも目を見張って、

「こんな高いもの──。」

と挙動不振だが、ゴドリックは軽い調子で手を振った。

「気にすんな。

どうせ余ってたんだ、火で生まれ変わる不死鳥の羽根だ。

お前の研究のなんかの役に立つんじゃねえ?

まあちょっとくらい有り難いと思うんなら、どの研究がどのくらい進んだか、ちょっとくらい聞かせてくれねえ?」

ガラクタスはいくらか躊躇したが、いつになく剣呑ではない態度でゴドリックを招き入れた。

 

この日、ガラクタスとゴドリックの間で、さまざまな、のちの世紀には禁忌とされた魔法について語り合われ、意見が交換されたが、フロドリーは知ることはなかった。

もっとも知っていたかどうかでのちの事態が変わったかは定かではない。

 

 

 

 

 

 

新年の休みを過ぎると、魔法評議会に動きがあった。

腰の重い年寄りが、学校というものに嘴を突っ込みたくて、見学という名の視察に来るという連絡があったのだ。

隙あらば利権を狙おうという魂胆だろうが、ホグワーツは独立自尊を守るつもりで、口出しする権利を与えるつもりは誰にもない。

サラザールは、それについてはホグワーツが魔法評議会からの正式な見学の申し入れを受ける前に、ロンドンにいるカノープス・ブラックから情報をふくろう便でもらっていたので知っていた。

描写するのも今更だが、カノープスとサラザールは年も近く親友である。

そして、魔法評議会の系譜を受け継いだ魔法省がロンドンにあることで察せられるように、魔法評議会もまたロンドンにある。

魔法評議会そのものはマグルと厳密に分離する国際魔法使い機密保持法の施行される前は、マグルの権力者とも分かちがたく、その時々によって、場所を変えることもあったのだが、とにかくそれは千年前の現在、ロンドンにある、ということは。

 

カノープス・ブラックは魔法評議会に名を連ねていた。

誤解のないように、念のため言っておくと、今回の見学を含めた魔法評議会の横槍にカノープスは一切関係がない。

千年前ということを念頭に置いて考えて欲しいのだが、当時の魔法評議会は、今では血の途絶えた家系、千年の間に女子しか生まれず名の途絶えた家系がいくつも議席を占め、さらに魔法族の長寿も相俟って、年配者、有り体に言えば年寄り、爺婆ばかりが席を占めていた。

その中では、ブラック家は大陸から来た新興の家系の一つにしか過ぎず、更にカノープスの親であった先代が若くして流行の病でぽっくりと逝ったためにカノープスは当主としては相当に若かったために、評議会に議席は持てども、その発言力はさほど大きくなかった。

だが、評議会のメンバーであることは、無駄なことでもない。

当時の魔法界で、一番大きな政治的勢力に近い団体に席を置くということは、その情報を把握できるということである。

 

カノープスは、個人の立場としては、評議会が学校という事業に気を向けているのは決して間違いではないが、そこに介入して牛耳るなどというのは労多くして得るものが少な過ぎ、実効的ではないと認識していた。

理由はいくつもあるが、大きな2つは土地の話と金の話だ。

ホグワーツはロンドンから遠く、人里からも離れた山の中に作られ、物理的にロンドンから遠い。

まだ、煙突飛行粉(フルーパウダー)は発明されておらず、簡単な長距離移動手段が、身体分離の危険もある姿現しとくれば、物理的な距離はそのまま影響力の強弱に反映した。

これがまずひとつ距離の問題。

ふたつ目は単純に、魔法評議会に毎年ホグワーツにつぎ込むだけの金の余裕がないということだ。

ロンドンに近いところに住んでいる評議会の面々はプライドは高いが、領地持ちではないメンバーも多い。

ブラックやレストレンジ、後に大陸から渡ってくるマルフォイなどはフランスなどにも所領を持ち、税収がある。それ以外は領地など持たぬ者が大半だ。

魔法族の社会は人口が少なく、まだ、資本主義経済はなく、マグルにすら銀行がない時代、運用で殖やすなどという真似ができようはずもない。

家業や何かで多少裕福に見えたとしても、地方で広い土地を治めるレイブンクローやハッフルパフに叶う訳もないのである。

 

そして、ホグワーツは、ハウスエルフからの食糧生産量を増やすなどして、経費の削減に取り組んできが、当然ながら、学校の設立は初期費用がもっとも高い。

その初期費用は、創設者の四人、そしてその主義に共感した創設当初の児童の親たちが相当の寄付をし、魔法評議会の入る余地はなく、最初に余地があったとしても、評議会という組織にそれほどの負担金が担えるわけがなかったのだ。

その辺がわかってないんだよなあと思いつつ、カノープスは事前にフクロウ便を送り、魔法評議会の動向と、見学には自分も同行するが爺婆の思惑に乗るつもりはないことを告げておいた。

なお、カノープス・ブラックと、コルバス・レストレンジはその初期の寄付金の金額と協力度合いから当初からいわゆる理事待遇になっているので、別にこれは裏切りではないと認識している。

むしろ、評議会の爺婆が所属者ーー、ブラックとレストレンジが学校に対する相当の出資者だと把握できていないのが甘いと思っている。

ともあれ、初春を迎え、やや寒さがぬるんだ頃、魔法に評議会のホグワーツ見学御一行様はホグワーツを訪れた。

 

 

 

 

 

 

床に描かれた巨大な魔法陣が光る。

ホグワーツの大広間に臨時に描かれた魔法陣は、要するに臨時のポートキーのようなもので、ロンドンの魔法評議会とホグワーツの両方に描かれ、そして移動側が呪文を唱えてやっとこさ移動できる、便利なようでいて意外と便利でない代物である。

その上、受け手側──、ホグワーツ側が魔法陣を消しでもしていたら、発動しないならまだしも、失敗して変なところに転移することだってあり得るというので、利用にあまり人気のある手段ではなかった。

だが、まあ、今回は仕方ない。

何しろ、下っ端ポジションのカノープス以外は、見事に年寄りばかりだ。

 

ホグワーツの大広間に、よろよろと年寄りが10人ほどまろび出る。

「ううう、酔ったわい…。魔法陣酔いじゃ…。」

「気持ち悪い、誰か酔い止め持ってないかのう。」

「押すな!ワシがこけるじゃろうが!」

足元は覚束ないが声はでかい、ついでに気ままに喋る、それが年寄りである。

そして欲深い、それもまた年寄りである。

ひとしきり騒いで文句を言った後、彼らはやっと周囲を見回した。

「なんじゃ広いのう。

それに寒い。

椅子くらいないんじゃろうか。」

気ままに呟いているが、大広間には出迎えの教職員が魔法陣から距離を取って並んでいる。

 

「ホグワーツへようこそ。

魔法評議会の方々とお見受けします。」

年寄りの繰り言のほぼ全てを黙殺して、ロウェナが滅多にない正装で優雅に歩み出て正式に挨拶をした。

自己紹介を含む儀礼挨拶は長いので省く。

ちなみに、女性向けロマンス小説で大人気のご挨拶カーテシーはそもそも17世紀に始まっているので当然ロウェナは行なっていない。

むしろ、彼女は主権を持った領主なので、男性よりの挨拶を行なっている。

それはそれとして、魔法評議会の重鎮たちも、挨拶そのものは体に染み付いている。

さきほどの醜態などなかったように挨拶だけはつつがなく取り交わして、応接間へ、という運びとなった。

応接間には軽食(と言っても肉だが!)、飲み物(この時代の常識に従ってそれは酒である)が用意されており、軽く腹ごしらえをしてから、校内を案内しようという運びになった。

 

「それにしても、思った以上にホグワーツというのはでかいのう。」

酒が入れば口が軽くなる。

年寄りどもの、それが本音だろう。

ホグワーツは街場で人に紛れて暮らしていれば度肝を抜かれるほどの壮観さを誇り、それもまた、岩場の多い土地の、石の切り出しから魔法使いとハウスエルフで全力で数年をかけて作業するというような時間と手間よりも金を節約することに重きを置いた建物だ。

もっともそのおかげで、非常に魔法の載りやすい頑健な建物に仕上がったのは怪我の功名というべきだろうが、そのせいでその後も数年かけてロウェナが調子に乗り、作った本人たちにも意味不明な仕掛けや複雑すぎる構造が付加されたのはむしろ事故だろう。

「全部歩いて回っていたら日が暮れるどころか、翌日になっても回り切れませんからね。

まずは、エントランスホールに到着されましたから、玄関を入ってもおられませんでしょう。

表からご案内いたします。」

 

ロウェナの動作はスコットランドで広い領地を領有する大領主として、十分に威厳があり、田舎の小娘を圧倒するつもりであった頭の固い爺婆を逆に威圧するには十分に冷厳なものだった。

「おおお、大きいのう・・・。」

ホグワーツは紛れもなく、地方領主が領土争いの戦争を潜り抜けるための堅牢さを持ち、いざとなれば籠城すらできるような頑丈さを持って建てられた。

街場でマグルに紛れて暮らし、名誉ばかりを口先で唱える頑迷な爺どもが予想していなかった壮大さがそこにはあった。

学校といっても、スコットランドの地方の田舎と侮り、教会の寺子屋で子供たちを教えている程度のイメージしか持てていなかった彼らには衝撃だったようだ。

富裕層の子弟の教育は、レベルの高い家庭教師を雇うのが常識で、大陸で発祥する大学という学制すらもまだ確立されていない英国では、常識を打ち破るように建てたホグワーツは、容易くそれに口を挟めるつもりで訪れた老人たちの度肝を抜いた。

 

老人たちの意見はそれぞれ統一さえもされておらず、好き勝手なことを言っていたが、その彼らでさえ、ホグワーツをロンドンの遠い遠隔地から操縦するのは手に余ることを、ホグワーツの設備のほんの一部を回っただけで理解せずにはいられなかった。

「これは・・・、大したもんじゃ・・・。」

老人たちは、学校事業を魔法評議会の麾下に置こうという試みを一旦は諦めざるを得ず、引き下がったが、ホグワーツを権力の統制下に置こうという試みは今後何世紀にもわたって、何度でも試みられることになる。

だがしかしともかく今日は、

「ご満足いただけましたら、正餐の準備がしてあります。

お食事なさってから帰ってはどうでしょうか。」

ロウェナの誘いを断ることもなく、飲み食いしてから帰ることにしたようだ。

 

 

 

 

 

 

「サラ、久しぶりというほどでもないか。

あの爺どもも、これでホグワーツに手を出すのは諦めるだろう。

口を出すためには金を出さないといかんだろうが、評議会としてそんな金が余ってるわけはないのにな。」

午前中視察して、午後にゆったりと時間を掛けて御馳走を。

カノープス・ブラックは、そろそろ体力の限界でそこらで居眠りを始めている老人がいるのも気にせずに、酒を片手にサラザールに話し掛けてきた。

「まあだが、どれだけ口頭で説明しても爺さんたちは納得せんだろう。

しばらくしたら、また懲りもせず言い出しそうではあるがな。」

サラザールも冬以来の友人との会話に、多少は気を抜いて答える。

 

そこへ、評議会のメンバーのひとり、皺くちゃの婆が声を掛けてきた。

嫌味たっぷりの声音で非常に感じが悪いが、残念なことに東部出身のサラザールは否応無しに面識がある。

「おや、スリザリン。

ブラックと仲良くしてるのかい。

あんた、ここに居着いてるみたいだが、年を食ったらあんたも魔法評議会の席に座ることになるんだからね!

あのスコットランド女め、こんなデカいもんで虚仮威ししやがって、男どもはすっかり毒気を抜かれちまいやがって忌々しいったら!」

毒吐く皺くちゃはあからさまに酔っ払っている。

案内されていた時には抑えていた本音が漏れ出しているが、男よりも女の方が本音では強烈なのは、いつの時代も変わらない。

だが、名前の呼称が親しさの距離感としたら、彼女は明らかに知人以上のものではない。

 

「ご婦人、十分に食べられましたか。

いいハウスエルフメイドワインがありますが、いかがですか?」

カノープスは老人の愚痴をまるでなかったようににこやかな笑顔で交わそうとしたが、年寄りの繰り言は手強かった。

「ワインはもらうよ。

並々と注いでおくれ。

それでだよ、スリザリン、あんたたちは学校とか名乗ってんだから、マグルに時々生まれる魔法持ちの子らを引き受けるのを何で嫌がるんだい。

魔法があるんだったら、魔法のことを教えてやった方がいいだろうが。

なあに、ちょいとあんたたちのやってることに混ぜ込むだけだろ。

率先して反対してんのはアンタだって聞いたよ。

純血じゃないと駄目だとでもいうのかい、了見の狭い男だね。」

婆は完全に酔っ払っていた──、或いは完璧に酔っ払っているふりをして、無礼を働いていた。

 

むっとしたサラザールが、揚げ足を取られるようなことを言う前に、援護と言うよりは妨害が思わぬところから来た。

「よーう、ババア!

死に損ないに見えるが今日もアンタの息子よりよっぽど元気だな!

アンタの息子、俺に負けてからちょっとは精進してるかい?

今度、二回戦目をヤリに行こうか!?!?」

ゴドリックだ。

強めの酒を片手に、したたかに酔っ払った風情を醸し出しているが、ゴドリックは酒に強い。

罵詈雑言に、血の気の多い婆はあっという間にゴドリックに食って掛かり、サラザールの側からは離れて行った。

「──助かったな、サラザール。

らしくもない、あれくらいで挑発されてくれるなよ。」

カノープスが、大騒ぎしながら歩いていくゴドリックとその周辺を見送って、ため息をついた。

 

「すまん。

子供ばかりに囲まれてると、どうも婉曲表現というやつが通じなくてな。

ついうかうかとまっすぐ返すのが習い性になってるんだろう。」

サラザールは、そう言いながら、素直に感謝していいものか判断に迷う。

ゴドリックの場合、サラザールの窮状を察知して囮となって割り入ったのか、単に愉快犯で生い先短そうな年寄りをからかったのか、どちらもありそうで、素直に感謝できない。

問い質しても、まともに答えるような男ではない。

ゴドリックが起こした騒ぎは、最早定番のようにヘルガが収集し、魔法評議会御一行様は、夕方過ぎまで飲み食いをしてから帰った。

 

 

 

 

 

 

ともかくも、魔法評議会の目論見も、一旦は後退して去った。

ホグワーツは、マグルの受け入れについては、名簿を排出できる魔法機関が完成していなかったので、無差別に受け入れるという方向ではまだ動いていなかった。

イドワルのように、学費が払え、家族の理解があり、更に魔法族にツテがあるマグルは珍しかったが、ともかくもそういうマグル生まれについては希望があれば受け入れる方向ではあったが、とにかく基本、一番最初の条件から難しく、二番目、三番目まで来ると、該当者は皆無だった。

魔法族はそれぞれの家系で差はあれど、基本的に、識字階級であり、大抵のマグルよりは裕福なのだった。

 

サラザールは、魔法評議会の年寄りが来て不愉快だったことは、湖に行って、マーミッシュ相手に喋ることにした。

マーミッシュは人間とは生態が違うので、サラザールが話す内容についてはあまり理解しなかったが、マーミッシュ語だと、モーフィアス・ゴーント以外理解しないので、都合が良かったとも言うが、ミダス王の床屋でもあるまいし、掘った穴扱いしている方もそこはかとなく失礼である。

だが、マーミッシュは湖ではやはり村落の規模が小さいためか、言葉のわかる人間と話せるだけで楽しいらしいので、まあ、娯楽を提供していると言う点では、許される余地はあるのだろう。

 

他に記述しておくとすると、子供たちのことで、6年次に残留したアルタイル・ブラック。

彼は6年生を終わろうとしていて、スリザリン寮の実質の生徒の長として、グリフィンドールのちょっかいを交わしたり、来年の上級試験、のちのN.E.W.T.を控えて勉強したりしていたが、彼自身の希望としては、下級生に請われて宿題や予習を教えるうちに、ホグワーツにそれ以降も残って教鞭を取りたいという気持ちが芽生えてきたことを自覚していた。

ただ、彼は嫡男である。

当時の相続制度は子らに均等に分割して相続させることが主流だったが、そのたびごとに小領主が増え、戦乱が起こったり、大陸からの勢力に太刀打ちできないことが、起こったりで、富や領地を分散させないようにしようという動きも確かにあった。

何より死亡率も高く、成人したからと言って長生きできる確証もない。

そんな状況で、家督は弟に任せて、自分を東部から遠く離れたホグワーツに居着きます、とは、アルタイルも簡単には言えなかった。

 

弟のアルナイルも5年では終わらず、7年カリキュラムで残留することは決まっていたから、どこかの時点で話をしないといけないとは思っていたが。

話す切っ掛けが掴めないまま、年度が終わる。

サラザールにも相談できないまま、アルタイルは進路を決めかねていた。

 

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