とある吸血鬼と一方通行   作:reima1341

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今作もご覧頂きありがとうございます!!
残念ながら平和回は終わってしまいますが、これから始まる戦いは見ものです。
一方通行は過去のトラウマに打ち勝てるのか・・・

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それでは本編スタートです!!


第三章 妹達異変
第十四話 妹達(シスターズ)


博麗神社は静まり返っている。境内ではみんな酔いつぶれて寝てしまっている。

レミリアでさえもブルーシートの上で他の妖怪たちと雑魚寝している。

フランは霊夢が普段寝泊まりしている部屋に布団を敷いてもらいすやすやと寝ている。

一方通行はその部屋の月が良く見える縁側に座っていた。

 

フラン「スー・・・スー・・・」

 

一方通行(ここは平和だ・・・ここにいると学園都市で殺しあってた時のことを忘れちまう。)

 

一方通行はふと学園都市にいたころを思い出す。

 

一方通行(確か最初は・・・そォだったなァ、小学生の頃だった・・・俺の能力は生まれつきのモンで、ほかのガキとケンカしたとき反射を切り忘れちまったときからか・・・)

 

彼は学園都市に行く前、いたって普通の少年だった。10歳の頃に自分の能力が際限無く周囲を傷つけた件で自らの危険性を自覚したことを機に、他者へ感情を向けることに非常に消極的になり、さらに実験による影響も受けて常に周りを拒絶するようになる。一方で自身が最強の絶対能力者(LEVEL6)になることで周囲の人間を傷つけずに済むのではないかと思うようになり・・・

 

一方通行(絶対能力移行計画『LEVEL6シフト計画』に加担し、第三位の遺伝子から造られた妹達『シスターズ』を一万もぶっ殺した・・・・・・)

 

一方通行の頭にある少年の声がよぎる。

 

「あいつらだってなぁ・・・精一杯生きてきたんだぞ。全力を振り絞って、必死に生きて、精一杯努力してきた『人間』が、なんだって・・・テメエみてぇな人間の食い物にされなきゃなんねんだよ!!」

 

一方通行(その時俺はこう思った・・・『人間』?いや、『人形』だろ?・・・・・・ってなァ。だが、違った。アイツらはちゃンと意思を持っていた。最後に死にたくねぇからあのクソヒーローとともに戦った。)

 

彼が変わるきっかけになった言葉をぶつけた人物。それは彼に初めて傷を与えた最弱。そして彼に初めて勝った最弱。

 

無能力者(LEVEL0)、上条当麻だ。

 

一方通行(あのヒーローには俺に持ってない強さがあった。倒れれば楽になるのにアイツは痛めつけても痛めつけても何度でも立ち上がってきた。そして妹達を全員救った・・・)

 

一方通行は自分を負かした人物、上条当麻の決意に満ちた顔を思い出し、思う。

 

一方通行(俺は向こうで贖いきれねェ罪を犯した。だが、ここなら・・・ここでならヒーローになれるか・・・?まだ・・・間に合うのか・・・?なァ・・・教えてくれよォ・・・三下ァ。)

 

一方通行は迷っていた。ここで生きていていいのか?いや、そもそも自分は生きていていいのか?自分の罪を忘れ、のうのうと怠惰の限りを尽くす。妹達への贖罪もせずに・・・・・・

 

一方通行(・・・いいわけねェだろォが・・・!自分だけ平穏を手に入れ、幸せになる?ンなことが許されるわけねェだろォ。打ち止め(ラストオーダー)はどうする?計画が終わっても妹達の司令塔であるあのガキが研究者どもに利用されれば、残った一万もの妹達が軍事利用されるだろォ・・・ンなことがわかってていつまでもここにいるわけにはいかねェ。)

 

一方通行は振り返り、寝ているフランを見る。

 

一方通行(・・・今まで甘い夢を見よォとしてたンだ。俺にはこのガキのそばにいる資格はねェ。)スッ

 

一方通行は杖を持ち、立ち上がると暗い森の中に進んでいく。

 

一方通行(なンとかして帰る手段を見つける。その間、知り合いのヤツらに会わねェよォにしねェと・・・)スタスタ

 

???「一方通行ですね?」

 

一方通行「あァ?・・・・・・・・ッッ!!」クルッ

 

???「一方通行ですね?と、ミサカは再度確認を取ります。」

 

一方通行「・・・なンで・・・!なンでオマエが!ここにいる!!」

 

14024号「ミサカのシリアルナンバーは14024号です。打ち止めの最優先命令により、一方通行を直ちに拘束、及び連行します。」カチャッ

 

一方通行「クッソがァァァァァァあああああああ!!!!!」カチッ キュィィィィィィィィィンン!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フラン「・・・!ビビッときた!!あくせられーたが電極を入れたんだ!」ムクッ

 

フランは勢いよく起き上がると布団を跳ね除け外へ飛び出した。

 

???「フランドール・スカーレットさんですね?と、ミサカは金髪の幼女にたずねます。」

 

フラン「!だれ!?」クルッ

 

15488号「ミサカのシリアルナンバーは15488です。打ち止めからの最優先命令により、あなたを拘束、連行します。」

 

フラン(シリアルナンバー?らすとおーだー?・・・もしかして、あくせられーたが言ってた例の!!)

 

15488号「先手必勝です。と、ミサカは上の空に少女へライフルをむけます。」

 

フラン(何あの武器?わかんないけどとりあえず・・・)カチッ キュィィィィィィィィィンン!!

 

 

 

一方通行(あのガキ、電極を使いやがった!)・・・チッ!!」ヒュン!!

 

スドドドドドドドドドドドド!!!!

 

14024号「よそ見している暇があるのですか?と、ミサカは一方通行に警告します。」

 

一方通行(万が一身に危険が迫った時にも電極を入れろと言っておいた。今太陽が昇ってねェってことはあのガキに危険が迫ったってことだァ。しかも、それなりに強えェアイツが電極を入れたってことは、アイツにとって未知の攻撃が来ると判断したからだァ・・・例えばライフルとかなァ。)ズザザザザザザ!!

 

一方通行は御坂妹に攻撃できずにいた。意識だけを落とせばいいのだが過去のトラウマで脳が無意識のうちに攻撃するための演算を拒んでいる。

 

一方通行(クソッ!これは壁だ。俺が乗り越えなくちゃならねェ壁だァ!!)

 

14024号(幸い、一方通行は反射を切っています。と、ミサカは仕事が楽になることを喜び心の中でつぶやきます。)

 

一方通行「うぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおお!!!!」ダァン!!

 

 

 

 

ズドドドドドドドドドドドドドドド!!!!

 

フラン「・・・くっ・・・ふっ・・・!(やっぱり知らない武器だ!)」サッ

 

15488号「・・・」ズドドドドドドドドド!!

 

フラン(目を見れば悪い人じゃないのはわかるけど・・・なんだろう、あの目からは意思が感じられない・・・まるで操られてるロボットみたいに・・・)キーン クルッ

 

フランは御坂妹に攻撃せずに迫りくる弾丸を避けている。時々当たってしまうものは御坂妹に当たらないよう身体をひねり、別の方向へ弾いている。

 

フラン(この人は・・・絶対に殺しちゃいけない!!)ブゥゥン!!

 

フランは魔法陣を展開すると弾幕を張る準備を始めた。しかし過去のトラウマから少し戸惑い、魔法陣がブレ始めていた。

 

フラン(これはフランが乗り越えなくちゃいけない壁!!いままで殺すことしかできなかったこの力・・・今度は・・・!)

 

フラン「人を助けるために使って見せる!!」キュィィィィィィィィィンン!!

 

魔法陣がはっきりと描かれ、弾幕が光り輝いた。

 

フラン(あの人の手は借りない!自分だけの力で!!)カチッ

 

フランは電極を切り正面から御坂妹に向き合った。

 

15488号「未知のエネルギーを確認。一旦距離をおきます。と、ミサカはさりげなく自分の頭の良さをアピールします。」サッ

 

フラン「逃がさないよ!!」ギューン!!

 

15488号「ッッ!!」ズドォン!!

 

フラン(当たった!威力はうまく調節できてる。だけど意識を奪うことはできなかった・・・!)

 

15488号「今です!と、ミサカは再度少女に発砲します。」ズドドドドドドドドド!!

 

フラン「やぁ!!・・・たぁ!!」スッ! サッ! ギューン!!

 

フランは連続で発射されるアサルトライフルの銃弾を縦横無尽に飛び回り避ける。そして隙を見て弾幕を打ち出す。今まで加減して戦ったことがないので弾幕の威力の調節に苦労していた。

 

フラン(レーヴァテインを使えばこの弾幕は簡単に弾けるけど・・・それで攻撃したら間違いなくあのお姉ちゃんは死んじゃう・・・だけどこのままじゃ追い詰められちゃう・・・だったら!)ヒュォォォォォ!!

 

フラン「禁忌「フォーオブアカインド」!!」ニッ

 

フランがスペルカードを唱えるとフランの周りに三体の分身が現れた。

 

フラン(まずあの武器を壊す!)キュッとして・・・ドッカーーン!!」ギュ

 

15488号「きゃっ!」ドガァン!!

 

フランが拳を握ると御坂妹が持っていたARが粉々に壊れた。

そしてほかの三体が御坂妹を取り押さえる。

 

15488号「・・・ッ!・・・ッ!!」ジタバタ

 

フラン「これで・・・・・・最後!!!!」ブンッ

 

フランは御坂妹に手刀をふるう。

 

ドスッ!!

 

15488号「かはっ・・・・・・」ドサッ

 

御坂妹は気を失い、その場に倒れた。フランは狂気に染まっていた頃のトラウマを完全に断ち切った。

 

フラン「やった・・・できた・・・!」

 

フランは一瞬達成感に浸ったがすぐに一方通行を探し始めた。

 

フラン(あっちこっちでさっきの武器の音が聞こえる・・・みんな戦ってるんだ。もし、このお姉ちゃんたちが来たのがあの人が立ち去った後なら・・・・あの人なら・・・きっと暗いところに行くハズ。)タッタッタッ

 

フランは暗い森の中へ走っていった。

 

 

 

 

一方通行「ほらよォ!!」ヒュォォォォォ!!

 

一方通行は風のベクトルを操り、御坂妹を吹き飛ばしながら巻き込まれた砂や木片などで攻撃していた。

 

14024号「なぜ、一方通行は攻撃してくるのですか?ネットワークの情報にはそんな表記はなかったのですが・・・と、ミサカは情報と違う一方通行に困惑します。」

 

一方通行「簡単だろォ?よォは殺さなきゃいい話だろォが。きっちり意識だけを落とす。それだけできりゃァ十分だァ!」

 

14024号「くっ・・・!」ズガガガガガガガガガガガガ!!!!

 

一方通行「弾丸なンか効かねェことぐれェわかってンだろォが。」キーン!

 

一方通行は御坂妹に当たらないよう弾丸を操作して反射した。

 

一方通行「さァァァァァどォォォォォするゥゥゥゥゥゥ?なァァァァァァ??だァかァらァァなァァンとォかァ言えよォォォォォォ・・・・・・・・・」ニタァ

 

一方通行は弾丸を弾きながら御坂妹に顔に迫る。

 

14024号「ぁ・・・あ・・・」

 

一方通行(今だ・・・!)スッ

 

一方通行は御坂妹の額に触れると彼女の生体電気を操作し意識を奪った。

 

14024号「」フラッ

 

一方通行「・・・」サッ

 

彼は意識を失い倒れそうになった御坂妹を抱きかかえると、彼女を寝かすべく神社へ向かった。

 

「あっ!あくせられーた!!」

 

一方通行「無事だったか。」

 

フラン「うん!大丈夫だったよ!・・・その人・・・!」

 

一方通行「なンだ?コイツらと戦ったのか?」

 

フラン「うん・・・似てるとかじゃなくてその人本人から・・・」

 

一方通行「言ったろ、クローンなンだから似てて当たり前だろォ。」

 

フラン「そういえばそうだね。」

 

一方通行「オマエ頭イイのか悪いのかわかンねェなァ・・・・・・。とりあえず神社に戻ンぞ。」

 

フラン「うん。!じゃなくて大変なの!!この人と同じ武器を持った人がほかの人たちと戦ってるの!!」

 

一方通行「なンだと・・・!」

 

フラン「みんな強いから大丈夫だろうけど・・・」

 

一方通行「とにかく行くぞ!」ダァン!

 

フラン「うん!」バサッ!!

 

一方通行とフランが飛びあがると境内のあちこちで妹達と幻想郷の住人との戦闘が行われていた。

 

一方通行「幸い誰も死んでねェよォだなァ・・・」

 

フラン「なんで?あの人たちは外の世界の人じゃないの?」

 

一方通行「あァそォだ・・・なぜここに入ってこれたンだ?」

 

霊夢「一方通行!!」

 

一方通行「霊夢か・・・!」

 

霊夢「二人とも大丈夫!?いきなり同じ顔したのが現れて銃で攻撃してきたの!ってその子!!」

 

一方通行「あァ、俺と同じく学園都市から来たンだろォ。アイツらは人間の遺伝子情報から造られたクローン人間だ。しかもアイツらはミサカネットワークってのでつながってて全員打ち止めって司令塔に操られてる。」

 

霊夢「じゃあその打ち止めってのを倒せばいいの?」

 

一方通行「そォじゃない。打ち止めもクローンの一人だ。だから打ち止めを救わなきゃならねェ。ソイツの脳には恐らくまたウイルスをぶち込まれてる・・・それを排除することによって救うことができる。」

 

霊夢「ほかのみんなはどうすればいいの?」

 

一方通行「狙われてンのは俺だけだァ。オマエ等がこの神社から離れれば襲われることはない。」

 

フラン「なんかあの人フランもつれてくって言ってたよ?」

 

一方通行「なんだと・・・!!(コイツが・・・!?なンでだ?コイツは関係ねェハズ・・・・・・学園都市はナニ考えてる・・・?)

 

霊夢「ならあなたについて行かせた方がいいんじゃない?」

 

一方通行「そォする。霊夢、オマエはどォする?」

 

霊夢「私は私の仕事をするわ。博麗の巫女としてのね。」

 

一方通行「異変ってことか。」

 

霊夢「そうよ、ところで学園都市ではあの子達を総称してなんてよんでるの?」

 

一方通行「妹達(シスターズ)だ。」

 

霊夢「ならこの異変は『妹達異変』と名付けるわ。」

 

フラン「フランはレミリアお姉様のシスター!!」ピョコ

 

一方通行「バカなこと言ってねェでさっさと行くぞ。」

 

フラン「どこに行くの?」

 

一方通行「今回妹達を操ったやつ・・・ソイツを見つけ出してぶっ潰す・・・!」ギリッ

 

霊夢(そうとう怒ってるわね。彼とあの子達と何があったのかしら?)

 

フラン「ならわたしも!」

 

一方通行「ついて来いとは言ったが、オマエは後ろに下がってろ。」

 

フラン「それは出来ないよ!!」

 

一方通行「あァ?」ギロッ

 

フラン ビクッ「だって・・・だって!やっと自由になれた子達なんだよ!?私と同じで・・・。だからまたその子たちのは自由を奪うやつは私も許せない!!」

 

一方通行「・・・・・・・・・勝手にしろ。」

 

霊夢「やることは決まったわね。私もこの場を治めたらすぐに犯人探しに向かうわ。あなた達も気をつけて。」

 

フラン「れいむもね!」

 

一方通行「レミリアに伝えろォ・・・・このガキだけは何があっても俺が守ってみせるってなァ。」

 

霊夢「わかったわ!必ず伝える!」ヒュォォォォ

 

霊夢は空へ飛び上がると境内へ向かった。

 

一方通行「俺達もいくぞ。」

 

フラン「うん!」

 

一方通行とフランも「妹達異変」の解決のため幻想郷の空へと飛びたった。

 

一方通行(妹達を再び利用したクソッタレのクソッタレのクソ野郎ォ共・・・今に見ていろォ・・・・・・テメェらの余裕の表示、すぐに絶望の顔に変えてやンよォ・・・・)ニタァ····

 

一方通行は今までにない怒りを胸に、飛ぶスピードを上げた。




最後までご覧頂きありがとうございました!

一方通行とフランは見事過去のトラウマに打ち勝つことができました!
今作は第四章のプロローグということで短くなってしまいましたが、次回から多分また長くなると思います。(多分)

次回 第十五話 妹達異変
次回もお楽しみに!!

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