とある吸血鬼と一方通行   作:reima1341

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今作もご覧いただきありがとうございます!
今回はちょっと長めになっていますがご了承ください。

後、感想にて台本形式が苦手な人が多いということでタグをつけたほうがいいとのことでしたので一応つけようと思います。
あと、初心者のものでどんなふうに書けばみなさんが見やすいかわからないので出来れば感想にてアドバイスをお願いします。

では、本編スタートです!


第十五話 妹達異変

「うるっさいわねぇ・・・」

 

レミリアは酔いつぶれて寝ていた・・・のだが周りがとてつもなくうるさいため起きてしまった。まだアルコールが抜けきっていないため、レミリアの頭はぼんやりしていた。

 

ズガガガガガガガガガガガガガガガガガカン!!!!

 

彼女の眠りを妨げた騒音はゴーグルらしきものを付けた少女の手に握られた火花を発するーーー

 

レミリア「銃!?」バッ!

 

キュィィィィィン!!!!

 

ズガガガガガガガガガガガガガガガガガカ!!!!

 

ズドォン!!!!!!!

 

咲夜「お嬢様!ご無事でしたか!!」タッタッタッ

 

レミリア「咲夜!?その傷は・・・」

 

咲夜「かすり傷です・・・問題ありません・・・・」ハァハァ

 

レミリア「他の人たちも戦ってる・・・何が起こったの?」

 

咲夜「わかりません。彼女たちは突然現れ、突然攻撃してきました。ですが殺すつもりは無いようです。私も何発か喰らいましたが致命傷は避けてくれています。」

 

レミリア「相手に殺す気がないにしてもうちの家族に手を出したのは許せないわね・・・・・・」

 

咲夜「お嬢様・・・」

 

レミリア「殺すまでとはいかなくても腕の一本二本いただくわよ!!」ヴォン!!

 

レミリアは魔法陣を作ると弾幕を御坂妹へ向け一斉に放とうとした。

それを見たほかの妖怪たちも同じように弾幕を張ろうとする。

 

霊夢「待って!!!!」

 

レミリア「霊夢!?」

 

霊夢「遅くなったわね、みんな彼女たちは殺さないでちょうだい!!」

 

萃香「なんでよ霊夢。こいつらいきなりあたしたちを攻撃してきたんだ。売られたケンカは買うのが鬼のポリシーってもんだ!」スッ

 

勇儀「そうだよ。いくら博麗の巫女って言っても邪魔するんなら容赦しないよ!」ズザザザザザザ

 

魔理沙「ゆっくり話してる暇なんかないぜ!」ギュィーン!!

 

アリス「まずはこの場を切り抜けないと・・・上海!蓬莱!」シュッシュッ

 

霊夢「説明は後で必ずする!とにかくこの子たちは殺さないで!!意識を落とすか拘束してちょうだい!!戦えない者はすぐに神社から離れなさい!!神社から離れれば攻撃されないわ!!」

 

霊夢はそれぞれの人間や妖怪たちに指示を飛ばしていく。腑に落ちない者たちが多くいたが霊夢の必死の頼みからみんな指示通りに動いた。

 

レミリア「霊夢!!」

 

レミリア「フランは!?あの子が見当たらないの!それに一方通行も!!」

 

霊夢「彼らはこの異変の元凶を探しに向かったわ。」

 

レミリア「一方通行が動くということは今回の異変は彼が元居た世界に関係してるのね。・・・だけどなんでフランも?」

 

霊夢「一方通行が狙われてるのはわかるわよね?そしてなぜかわからないけどフランも狙われてるらしいわ。その時はここに残すより一方通行についていかせたほうが安全だと判断したからついていかせたわ。」

 

レミリア「なんですって!?関係ないはずなのにどうして・・・!」

 

霊夢「もう一つ理由があるわ。これはフラン本人の意思よ。あの同じ顔した子たちはどうやらクローン人間らしいの。よくわからないけど以前あの子たちは操られて自由を奪われてたんだって。その自由を再び奪ったやつらがフランにとっては許せないみたい。」

 

レミリア「過去の自分と重ねてしまったのね。」

 

 

霊夢「それに一方通行にとってもあの子たちは特別な存在みたいだわ。彼、彼女らが操られてるの見て激昂してたもの。その時の彼からは煮えたぎる憎悪の念が感じられたわ。」

 

レミリア「一体学園都市ってなんなの・・・」

 

霊夢「とにかく私は異変の元凶をさがすわ。境内の騒ぎも収まりつつあるし・・・あとは魔理沙とアリスに任せればいいわ。」

 

レミリア「そうね、それがいいわ。私と咲夜も手が空いたらフラン達を追いかけるわ。先に行っててちょうだい。」

 

霊夢「悪いわね、助かるわ。」

 

霊夢は境内の外へ出るために飛び立とうとする。

 

霊夢「あっ!」

 

レミリア「どうしたの?」

 

霊夢「一方通行からあなたへの伝言、忘れるところだった。・・・『このガキだけは何があっても俺が守ってみせる。』ってよ。」フフッ

 

レミリア「あらあら、あの白モヤシがえらく男らしいこと言うじゃない?そこまで言うんなら信じてあげましょうか。」フフッ

 

霊夢「それじゃ、お互い気を付けて。」ヒュォ!!

 

レミリア「無事を祈ってるわ。」

 

レミリア(信じるとは言ったもののやっぱり心配ね・・・早く片付けないと。)ヒュォ

 

レミリアは戦場に飛び込んでいった。

 

 

 

 

 

フラン「あくせられーた!あくせられーたってば!!」ヒュオオオオオオオオオオ

 

一方通行「ンだよ、うっせェな。」カチッ ヒュオオオオオオオオオオ

 

一方通行は携帯電話を閉じると視線をフランに移す。

 

フラン「まっすぐ飛んでるけどどこ行くの?まだ妹達の出現場所がわかんないでしょ?」

 

一方通行「アイツらはミサカネットワークってのでつながっていて、打ち止めからの命令もそれを通して出されている。それを探知すりゃァ簡単に見つかる。」

 

フラン「でもそのらすとおーだーがそもそも幻想郷にいるかどうかもわかんないんだよ?」

 

一方通行「だから、探知できるって言ってンだよ。」

 

フラン「だからどうやって!?」

 

一方通行「このケータイを見てみろ。」スッ

 

フラン「そんなの見せられてもわかんないよ。」

 

一方通行「だが、これが外の世界の電波で通信していることはわかるだろォ。だから幻想郷では使えない。だが、なぜか電波が入ってる。ってことはどういうことだかわかンな?」

 

フラン「・・・!幻想郷と学園都市がつながってるってこと?」

 

一方通行「そォいうことだ。だからこの電波が強くなってる方へ向かえば学園都市につながる道が見つかるはずだ。」

 

フラン「さすが!!あなたはやっぱり頭がいいね!!」

 

一方通行「オマエも今の話が理解できたってことはかなり頭の出来がいいンじゃねェか?」

 

フラン「えへへ・・・それほどでも!」

 

一方通行「話はここまでだ。急いで向かうぞ。」

 

フラン「まって!あくせられーた!!」

 

一方通行「ンだよ?急がねェとえらいことになンぞ。」

 

フラン「ちょうどこの方向・・・永遠亭があるから充電していこうよ!!」

 

一方通行「時間が惜しい。バッテリーは十分持つと思うが・・・何故だ?」

 

フラン「もしだよ?もし、むこうで思ったより戦いが長引いたりしたら大変だよ!それに相手のところに行くってことはその・・・えと・・・」アタフタ

 

一方通行「・・・万全でない状態で相手の懐に飛び込むってことは自殺行為だ・・・そォ言いたいのか?」

 

フラン「うん、そういうこと。」

 

一方通行「・・・・・・・・わかった。」

 

一方通行とフランは迷いの竹林から永遠亭を探し、降下していった。

 

コンコン

 

フランは永遠亭の扉を叩く。・・・しかし返事がない。

 

フラン「留守なのかな?」

 

一方通行「・・・・・・なンかあったとかじゃねェよな・・・?」カチッ キュィィィィィィィィィンン!!

 

一方通行は念のために電極を戦闘モードに切り替える。

 

「はーい・・・」

 

ガラガラガラガラガラ

 

輝夜「あら、一方通行じゃない。」

 

一方通行「ヒキニートか、永琳たちはどォした?」

 

輝夜「毎度毎度会うたびに失礼な奴ね!・・・永琳は奥よ。ついてらっしゃい。」

 

蓬莱山輝夜。一方通行が以前永遠亭での入院生活中時々会っていた姫である。その彼女の身分は不明だが一方通行は彼女の生活からただのヒキニートとして評価している。

 

輝夜「ところで一方通行。その子はどこのお嬢さんかしら?」

 

フラン「綺麗な人・・・そして佇まいも・・・」

 

一方通行「見た目に騙されるなよフラン。コイツの正体は怠惰を貪り食うただのヒキニートだ。」

 

フラン「女の人に向かってそんな言い方!でりかしーってのがなってないよ!」プンプン

 

輝夜「まぁ、この子はそこの白い悪魔と違ってやさしいのね。」ナデナデ

 

フラン「えへへ~」ニコニコ

 

一方通行「・・・チッ。」

 

一方通行たちは奥へと進んでいく。しかしいつまでたっても永琳の部屋に着かない。

 

一方通行「なァ、ここの廊下ってこンな長かったか?」

 

輝夜「あら、ごめんなさい。無限回廊を切るのを忘れてたわ。」フッ

 

フラン「むげんかいろう?」

 

輝夜「そうよ緊急時とかに奥の部屋に来させないために使う技よ。」

 

一方通行「ってこたァ今何が起きてるか知ってるってことだな?」

 

輝夜「詳しいことはうちでもわかってないけど、外来人が多数侵入してきて幻想郷の住人を攻撃してるのはわかるわ。」

 

一方通行「なぜそンなことがわかった?」

 

輝夜「それは私よりも永琳の方が詳しいはずよ。それにあなたのために何か作ってたようだし・・・」

 

一方通行「俺のためだァ?ナニを?」

 

輝夜「それこそ行ってからのお楽しみってやつよ。」

 

フラン「お姫様もしかしてしらないんでしょ~?」

 

輝夜「フフフ・・・それはどうかしらね?」

 

一方通行「チッ・・・いちいち面倒ォな女だぜ。」

 

輝夜「クスクス・・・ほら、もう着いたわよ。」

 

気が付くと目の前に見慣れた扉が現れた。

 

フラン「ありがとう!お姫様!!」ギュー

 

輝夜「あらあら、可愛らしいこと。」フフ

 

ガチャッ

 

一方通行「オラ、行くぞ。」

 

フラン「ばいばーい!!」フリフリ

 

バタン

 

一方通行「オマエ、アイツはあんなヤツじゃねェからな。」

 

フラン「またそんなこと言って・・・!」プンスカ

 

永琳「入ってくるなりいきなりごちそうさま。」

 

一方通行「どういう意味だコラ。」

 

永琳「そのままの意味よ。充電器、そこにあるから。」

 

一方通行「チッ」ドスッ

 

一方通行は乱暴に床に座ると首のバッテリーを外し、充電器に接続した。

 

一方通行「オマエも早く充電しろ。」

 

フラン「うん。・・・ところでせんせい、何作ってたの?お姫様がなんか言ってたよ。」カチャ

 

永琳「姫様が・・・結構見ていらしてるものね。」カチャ

 

そう言うと永琳は机の上にあった鉄製の物に触れた。

 

一方通行「ンなことはどォでもいい。今外でナニが起こってンか知ってンだろ?知ってることを話せ。」

 

永琳「今、鈴仙やてゐたちがいないでしょ?『アレ』を見張らせてるの。」

 

一方通行「質問に答えろ。今なにが起こってるか話せ・・・」ギロッ

 

一方通行はかなり荒れていた。いくら電極がなくては動けないとはいえ充電の為に時間を食っている。今この瞬間に打ち止めになにかされていたらと思うといても立ってもいられない。彼は無意識に永琳を睨みつけていた。

 

永琳「(何があったか知らないけど相当頭にきてるようね・・・)とりあえず最後まで聞きなさい・・・永遠亭近くの竹林内に前から空間に歪みがあったの。」

 

一方通行「空間の歪みだと?いつからだ?」

 

永琳「ちょうどあの時あなたが血を流して倒れていた辺りに。」

 

一方通行「じゃあそれが学園都市に繋がる穴ってことか・・・」

 

永琳「ほんとにそうかは分からないわ。だけどあの穴の近くにいたうさぎから急に同じ顔の人間がたくさん出てきてバンバンうるさい武器で攻撃してきたってのを聞いたわ。」

 

一方通行「妹達かァ・・・・・・オイ、今そのウサギはどこにいる?」

 

永琳「鈴仙たちと歪みの見張りをやってるわ。後で案内するわ。」

 

フラン「ねぇねぇ、あくせられーた。」グイグイ

 

一方通行「あァ?ンだよ?」

 

フラン「おトイレ行ってきていい?フランずっと我慢してたの」モジモジ

 

一方通行「勝手にしろ。」ハァ

 

永琳「今中のトイレは壊れてるの。外のトイレを使ってちょうだいな」

 

フラン「はーい!」タタタ

 

一方通行「忙しいヤツだな。」

 

永琳「あら、可愛いじゃない。」

 

一方通行「あァそォかよ。勝手に可愛いがってろ・・・」

 

永琳「・・・ねぇ、一方通行。」

 

永琳はおもむろに話題を変えようとする。

 

一方通行「なンだ?」

 

永琳「好意を向けることがそんなに怖い?」

 

一方通行「ンだと・・・?」

 

永琳「君はフランドールからの好意を受け入れているみたいだけど、自分からあの子へ好意を向けることは拒んでいる。それが裏目に出て取り返しがつかなくなることが怖いから・・・」

 

一方通行「・・・説教か?」

 

永琳「ま、私ごときに君の『闇』を理解できるとは思わないけど。住んでた世界が違っただけにね。」

 

一方通行「・・・・・・・」

 

永琳の言葉に一方通行は押し黙る。お互いに住む世界が違えども医者である永琳には眼や表情を見ればその人間がどんな人間か大体わかる。そして永い年月を生きていることもあり子供についても熟知しているから子供が抱えている『闇』は大体理解できた。しかし、一方通行の抱えているものは今まで見てきたどんな子供よりも暗くどす黒いものだった。ゆえに少し年長者として永琳なりに言いたいことがあったのだ。

だから上手に一方通行の心を誘導し喋らせることで少しでも今の彼を楽にしてあげようとしていた。

 

一方通行「・・・・・・俺は昔、特力研・・・特例能力者多重調整技術研究所。俺は九歳までそこに放り込まれてた。あそこは生きた人間を処分するための掃き溜めさ・・・・どんな場所か想像もつかねェだろ?」

 

永琳「私も昔はよく幻想郷の外で医者をやってた時があってね・・・軍医みたいなものだった。能力者たちと戦ってケガを負った兵士をよく手当てしてた。確か・・・『アンチスキル』だったかな?」

 

一方通行「!!オマエ・・・学園都市にいたことがあるのか・・・!」

 

永琳「そうよ。誰にも話したことなかったからね・・・君ほどの闇を持つ人間を造れる場所は私が知る中であそこだけだけだもの。」

 

衝撃の事実に一方通行は驚きを隠せない。しかし今までの言動や行動、何より見ず知らずのはずの人間にあそこまで親身になるものだろうか・・・・・・否、彼女は以前から一方通行を知っていた。そして彼女の所属していた場所はアンチスキル。ということは・・・・・・

 

永琳「私はよく『黄泉川愛穂』という女隊長の部隊にいてね、特例能力者多重調整技術研究所・・・あそこを制圧、解体したのは私がいた部隊だったからね・・・その名はよく覚えてるわ。」

 

一方通行「そりゃどォも。」

 

永琳「私も見たよ。重たい扉の向こうに横たわっている『ソレ』を・・・・・・」

 

一方通行「俺は・・・その特力研さえも持て余す程の怪物だったンだ。・・・・・・芳川ってやつは知ってるか?知ってたら俺が実験でナニしてきたか・・・・・・償いさえできねェクソ野郎ォが好意なンか向ける資格なンかあるわけねェだろ。」

 

永琳「芳川って研究員はいたわ。あの時の私は学園都市の闇を理解したくて仕方なくてね・・・途中までしか知らないけど、超電磁砲(レールガン)御坂美琴の遺伝子情報を利用して造ったクローン。あれを軍事利用の目的で造っていたということしかわからないわ。そこまで調べたところでアレイスターに感ずかれてここに逃げてきたけどね。たしか・・・五年ぐらい前のことだったかしら?」

 

一方通行「・・・・・ソイツらは軍事利用されることはなかった。代わりに俺を史上初の絶対能力者(LEVEL6)にするための実験・・・絶対能力移行計画(LEVEL6シフト計画)が計画、実行されて俺はソイツらを一万人ぶっ殺した・・・・・・・・・これが俺のやってきたことだ。」

 

永琳「だけど、そんな自分を嫌悪している。違う?・・・・・・これは私が自分に課しているルールなんだけど、子供に対して専用のメスを使う。例えどんなに楽なオペでもね・・・・どうしてかわかる?」

 

一方通行「・・・・・・・・・・」

 

永琳「・・・・・・・・・・・・・そういうことよ。」

 

一方通行は永琳の言った言葉の意味を理解していた。彼女ほどの者でも過去に過ちを犯していたのだ。

永琳は言葉を続ける。

 

永琳「確かに君とは比べ物にならないかもしれないけど・・・負債を抱えていることに変わりはない。だったらどんなに無様でも払い続けるしかないじゃない。今回の異変はそれができる。それに君には私と違って何かを変えることのできる『力』がある。手はいくらでもあるわよ。」

 

一方通行は目を細める。その視線はいつものように鋭く、睨むだけで相手を殺せそうな強いものではない。明らかに後悔の目だ。

 

一方通行(・・・もしも、この力で実験を止めていれば・・・・もしも死の道に突き進むアイツらを抑えつけることができていれば・・・・もしも、今からでも遅くないのなら・・・・・・・・)

 

そして彼はあの瞬間を思い出す。打ち止めを救うため演算能力のすべてをウイルス削除に注ぎ込み、その隙を突かれ放たれた銃弾が自分の眉間を撃ち抜く瞬間を・・・・・・・

 

一方通行(もしも・・・・・・・・・・・)

 

一方通行はふと我に返った。

 

一方通行「・・・くっだらねェ。」

 

永琳「そのくだらないものの積み重ねが負債を返していくのよ。あなたはあの子に好意を向ける資格がちゃんとある。今はわかんないかもしれないけどそれに気づいたときあなたは負債を返せたことになるのよ。」

 

一方通行「・・・・・・・・・」

 

ピー!

 

永琳「・・・充電できたみたいね。あら?フランちゃんの分は?」

 

一方通行「さっき、トイレ行くとき持ってった。アイツのほォが早く充電終わってたかンなァ。」

 

永琳「そう、気づかなかったわ。・・・ところであの子少し遅くない?」

 

一方通行「確かにそォだな。電極は・・・ついてるな。」カチッ

 

永琳「こんな夜よ。少し心配だわ。少し見に行きましょう。」スッ

 

一方通行「あァ。」カチャッ

 

一方通行は杖を突いて立ち上がる。

 

永琳「あっ、そうだ!すっかり忘れてたわ。」カチャッ

 

立ち上がる一方通行の様子を見て永琳は何かを思い出して机の物を持ってくる。

 

永琳「はい、これ。」スッ

 

一方通行「なンだァ?これは?」

 

永琳「いいから、そこの持ち手のボタンを押してみなさい。」

 

永琳はその機械の持ち手らしき部分のスイッチを押すように言った。

 

一方通行「これか?」カチッ シュコッ!「うおっ?!」

 

彼が驚くのも無理はない。なぜならボタンを押すとその機械から棒が伸び、杖になったのだ。

 

永琳「今の杖と持ち替えなさい。」

 

一方通行「あァ。」カチャッ

 

永琳「ちゃんと持ったかしら?なら、もう一回ボタンを押してごらんなさい。」

 

一方通行は言われた通り親指部分にあるボタンを再度押した。

 

カラカラカラ・・・シュコン!

 

杖は縮んでいき、完全に持ち手の中に隠れた。そして、杖の発射部分が下がるとそれと同時に持ち手部分からベルトが出てきて一方通行の腕に巻き付いた。

 

永琳「すごいでしょ、それ。戦闘中杖が邪魔になったり拾いに行くの面倒でしょ?だから作ってみたの。どう、感想は?」

 

一方通行「あァ、悪くねェ。しっかり杖の役目は果たしてるし、何より便利だ。」シュコッ!

 

永琳「それは良かった。なら、早いとこフランちゃんを見に行きましょ。」

 

一方通行「あァ、そォだな。」

 

永琳(少しは楽になったかな・・・?)

 

一方通行はこころなしかここに来た時より大分落ち着いていた。

 

 

 

 

 

 

フラン「ハァ・・・!ハァ・・・!」タッタッタッ

 

ザワザワ・・・・・・・

 

フラン(話し声が聞こえる・・・やっと見つけた!)ハァハァ

 

フランは単独で迷いの竹林を走っていた。さっき永遠亭をうまく抜け出せたのは幸運だ。永遠亭の屋内のトイレがたまたま故障していたため、特に怪しまれずに外に出れた。

 

フラン(早く・・・!あの人が気づく前に!)タッタッタッ

 

そう、フランはこの異変を一人で解決するつもりなのだ。学園都市に行けば必ずまた一方通行は傷つくことになる。自分の罪に潰され、もがき苦しむ彼の姿を見たくない。だからフランは走る。妹達が入ってきた空間の歪みへと。

 

フラン(見えた!あれだ!!)タッタッタッ

 

視線の先にはたくさんのうさぎたちがいる。きっとあの中心部分に入口があるのだろう。

 

フラン「そこをどいて!!」タッタッタッ

 

鈴仙「うわっ!?フランさん!?」

 

てゐ「なんでここに!?」

 

鈴仙たちは突然現れた意外な人物に驚いた。

 

フラン「いいから通して!フランはその穴に用があるの!!」

 

鈴仙「事情は知りませんがここを通すわけにはいきません。師匠の命令です。」

 

フラン「お願い、通して。」

 

てゐ「うさぎに使いをだしたし、もうすぐと師匠と一方通行が来るからそれまで待てばいいじゃん。」

 

フラン「!!それは・・・それだけは絶対にだめ!!」

 

てゐ「どうしてよ?」

 

フラン「あの人はフランの事心配すると思うんだ。」

 

てゐ「ふーん意外といい奴じゃないか。」

 

フラン「弱いんだよ・・・あの人は向こうでいっぱい傷ついて、手の中のものを守れなかったばかりか、それを救おうとした手もボロボロになっちゃってるの・・・だからこれ以上は負担をかけたくないし・・・今度はフランがあの人を守ってあげるんだ!!だから、そこを通して!!!!」ダッ!

 

鈴仙「ちょっ!?」

 

てゐ「あっ・・・」

 

フランは突然走り出すと鈴仙たちを振り切り、学園都市へとつながる穴へと駆けていく。

 

フラン「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」グッ ダァン!!

 

フランは足に目一杯の力を込めると歪みの中へ飛び込んでいった。

 

 

 

 

 

 

永琳「・・・・いないわね。」

 

一方通行たちは外のトイレの前にいた。

どれだけ呼びかけても返事がない上に鍵がかかっていない。

 

一方通行「あのガキどこ行きやがったンだ?」

 

永琳「私たちと行き違いになったとか?」

 

一方通行「それはねェだろ。普通あの道しか通らンはずだァ。」

 

永琳「・・・・・・まさかあの子、穴の方へ行ったんじゃ!」

 

一方通行「なンだと?」

 

永琳「あの子はあなたの痛みを知ってるはずよ。ならあの子はあなたのために1人でーーーーー」

 

一方通行「あンのクソガキがァ!!」ピッ キュィィィィィン!!

 

一方通行はスイッチを入れ、杖を収縮させると空へと飛び立った。

永琳もそれを追う。

 

一方通行(どこだ?どこにある?)

 

地上を見渡していると竹林の間に複数の明かりが見えた。

 

一方通行(あそこかァ・・・!)ヒュオッ!!

 

永琳「待ちなさい!一方通行!!」

 

一方通行は永琳の呼びかけを無視、急降下して明かりの元へ突進する。

さらに近づくと空間に歪みが生じ、『スキマ』とも呼べるような狭間があった。おそらくあれが学園都市への入り口だろう。

 

一方通行「どきやがれェェエエ工!!ウサギ共ォォォォオ!!!!」

 

鈴仙「えっ?!ええ!?!?」

 

一方通行は見張りにあたっていたうさぎたちを強引に跳ね除けると穴へと突入する・・・・・ハズだった。

 

ギュュュュゥゥゥン!!ピシャッ・・・

 

一方通行「あァ!?なンだ?!」

 

スキマは突然うねり始めると吸い込まれるように消えていった。

それがあった場所には小さなプラズマしか残っていない。

一方通行は勢い余って向こう側の竹に激突してしまった。

 

一方通行「ッ!!クソがァ、ナニが起こりやがったンだァ?」スッ

 

永琳「消えたのよ。学園都市への入り口が・・・」スタスタ

 

一方通行「消えただと?何故だ。」

 

永琳「あの子の能力を思い出してみなさい。あなたが来れないように向こう側からスキマを破壊したんだわ。」

 

一方通行「クソッタレがァ!!アイツも自分が狙われてること分かってンのかァ!?あァ!!??」ダァン!!

 

一方通行は再び激昴した。せっかく手に入れた贖罪のチャンス。フランのそばにいるための、好意を向けられるようになる資格を得る為の手段が全て奪われた。それも1番守りたい存在に。

 

一方通行「なンでこンなことになっちまった!?あァそォだ!!あのガキを着いてこさせたからァ!!余計な情報を知らせちまったからァ!!そンな事しなけりゃンな事にならなかったンだよォォォォォォォォオオオオオオオオオオオ!!!!」ヒュォォォォォォ

 

一方通行の怒りに呼応するように地面が砕け、竹林は風圧により折れかけている。

 

永琳「落ち着きなさい!一方通行!!」

 

一方通行「ギャアハハハハ!!ヘェェヒャハハハハハハハハァァ!!」

 

一方通行は怒りに身を任せ嗤う、嗤う、嗤う。地面はえぐれ、竹はなぎ倒され、もはや誰も彼に近づけるものはいなかった。

 

「方法ならまだあるわ。」

 

一方通行「あァ??」クルッ

 

永琳「!その声は!!」

 

一方通行を含め声のした方向を全員が見る。

 

ギュオォン・・・

 

突然空間が歪んだかと思うとそれが裂け始め、中から人が出てきた。

 

???「永琳は久しぶり。他のみんなははじめましてかしら?」

 

一方通行「誰だオマエはァ?」

 

紫「一方通行くんね。はじめまして・・・ではないけど、私は境界を操る妖怪、八雲紫よ。スキマ妖怪なんて呼ばれ方もしてるわね。」

 

一方通行「そのスキマ・・・さっきあったのと同じだ。じゃあオマエが俺をこの幻想郷に引き入れ、今回の異変の原因ってわけでことでいいンだな・・・・・」

 

紫「ええ、そうよ。」

 

ヒュオオオオオオオオオオオオオ・・・・・・!!!!

 

一方通行の周りに再び強風が吹き始める。

 

一方通行「・・・・・・俺をここに引き入れ、妹達への贖罪の機会を奪った上、スキマを開いたままにし、妹達を呼び寄せて学園都市に利用させ、今度はフランさえも間接的とはいえ被害にあわせた・・・・・・・テメェは一体どれだけの関係ないヤツらを傷つけりゃァ気がすむンだァ?スキマを開いたままにしなけりゃ・・・妹達だってェ!打ち止めだってェ!こンなひでェ扱いを受ける事はなかったンだぞォ!!!!」

 

永琳「冷静になりなさい!妹達もこの異変が原因でこんなになったわけじゃないわ!!」

 

紫「いいのよ、永琳。全て私の責任だから。」

 

一方通行「随分潔いじゃねェか。どォやって殺して欲しい?生体電気暴走か?それとも血流操作で爆散するかァ?」ニタァ

 

永琳「そんな事したらもう二度とあの子を助けに行けないわよ!!」

 

一方通行「・・・・・・それ以上ナニか喋ってみろォ、オマエを血みどろアートにしてやる。」ギロッ

 

永琳「ッ!!(ダメだわ、完全に冷静さを失ってる。)」

 

鈴仙「・・・あっ、あのっ!!」

 

一方通行「あァ!!??」

 

鈴仙 ビクッ「あっ、あのっ!フランさんはこう言ってました!あなたは向こうでたくさん傷ついて、手のものを守れなかったばかりか、それを救っていた手もボロボロになってる!だから今度はフランが守ってあげるって!!あなたが元居た世界がどんな場所だったか私には想像もつきません!だけどフランさんはあなたが一人で背負い込んでいたものを今度は自分があなたの代わりに背負おうとしてる!確かに今回悪いのはその人です!ですが、殺してしまえば・・・殺してしまえば、あなたが守りたかったものも本当に守れなくなってしまいますよ!!!!!!」

 

鈴仙は一方通行への恐怖から涙目になっていた。だが、フランの気持ちを少しも理解していない一方通行に対して怒りを覚えた。だから叫んだ。彼女がどんなに彼を想っているか、それを理解して欲しかったから。

 

一方通行「・・・・・・・・・・・」フッ

 

すると一方通行の周りに生じていた力は消えた。

 

一方通行(ナニやってンだ、俺・・・・・・地団駄を踏ンだって、ナニも変わンねェってのに。)

 

永琳(やるじゃない鈴仙。あの一方通行を鎮めるなんて。)

 

一方通行「確かにオマエの言う通りだ、鈴仙・・・俺はあのガキのことをわかっているつもりだった。だが、何一つわかっちゃいなかった。だから・・・あのガキを連れ戻してちゃんとわかってやらねェとな。」

 

永琳「落ち着いたようね。・・・じゃあ話をしましょうか。」

 

紫「一方通行、あなたの怒りは最もよ。」

 

一方通行「あァ、このヤマが終わったらオマエを血みどろにしてやる。だが、それは後だ。俺を学園都市まで飛ばせ。」

 

紫「それはもちろんよ。だけど学園都市に一人で行って戦うのは大変よ。増援を待たないと。」

 

一方通行「必要ォねェ。これは俺の世界の問題だ。それに関係ねェヤツを巻き込むわけにはいかねェ。」

 

永琳「でも・・・」

 

一方通行「問題ねェよ。俺は第一位だ。」

 

紫「わかったわじゃあ学園都市へのスキマを開くわね。」

 

一方通行「あァ。だが、俺に何かあったとしても絶対にスキマを開くな。いいな?」

 

紫「思ったんだけど私のスキマでフランを回収すればいいんじゃない?」

 

一方通行「それはだめだ。学園都市の闇どもは俺らの想像の上をいってくる。オマエのスキマだって攻略されてる可能性もある。」

 

紫「そこまですごいの?・・・とりあえず了解したわ。」

 

一方通行「じゃあ始めンぞ。」

 

紫「わかったわ、じゃあ開くわよ。」

 

紫はそういうと学園都市につながるスキマを開いた。

 

一方通行「それじゃァ行ってくる。」

 

永琳「待ちなさい、一方通行。」

 

一方通行「なンだ?」

 

永琳「これを持ってきなさい。」スッ

 

一方通行「充電器か。」

 

永琳「そう、向こうのコンセントに対応してるわ。・・・しっかりね。」

 

一方通行「はン、心配ねェよ。絶対に取り戻してくる。」スッ

 

そうして一方通行はスキマへ入り、再び学園都市に舞い戻る。

 

一方通行「学園都市最強の超能力者、復活ってかァ?」ニタァ




最後までご覧いただきありがとうございました!

次回から物語のフィールドが学園都市へと変化します。
がんばって書きますのでご期待ください。

次回、第十六話 学園都市
                        次回もお楽しみに!!

台本形式以外の書き方にしてほしいか

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