とある吸血鬼と一方通行   作:reima1341

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今作もご覧いただきありがとうございます!
今回の主役は天才ドクター永琳先生です。
にわか知識なので、そこはご了承くださいm(_ _"m)

では、本編スタートです!


第七話 MOON DOCTOR

???「具合はいかがですか?」

 

一方通行「あァ。問題ねェよ。そこに縛りあげてあるクソガキが来たこと以外は問題ねェ。」

 

???「ああっ!てゐ!!また何かやったの!?」

 

そう叱責するのは鈴仙・優曇華院・イナバ。彼女はこの永遠亭で永琳の助手をしている。

そして縛りあげられている少女、因幡てゐ。彼女も永琳の助手をしているが患者に対するイタズラで、いつも鈴仙に叱られている。

 

てゐ「ふん!今回は何もしてないよ!部屋に入ったとたん能力で縛り上げられたんだ。」

 

一方通行「オマエが来る時はイタズラの時以外ねェだろォが・・・もういい加減学ンだわ。」

 

永琳「騒がしいわね・・・何かしら?」

 

鈴仙「師匠!いえ、てゐがまたイタズラを・・・」

 

てゐ「だから今回は何もしてないって!」

 

一方通行「このクソガキどもがうるせェ。さっさと追い出して欲しいとこだな。」

 

鈴仙・てゐ「なっ!?」

 

永琳「二人とも、出ていきなさい。いくら患者が元気といえど、ここは病室です。その点を忘れないように。」

 

鈴仙・てゐ「はい・・・」

 

鈴仙とてゐは肩を落としながら部屋を出ていった。

 

一方通行「これで静かに寝れる。助かったぜェ、永琳。」

 

永琳「それはどういたしまして。でももうちょっと起きててね。」

 

一方通行「なンだ?」

 

永琳「あなたの体が動かせるようになるかもしれないの。」

 

一方通行「脳神経が死ンでンだろォ。無理って話じゃァなかったのか?」

 

永琳「それが可能になるかもしれないの。これをご覧なさい。」スッ

 

一方通行「これは・・・俺のケータイか?」

 

永琳「ええ、戦闘中あなたが落としたらしいわ。珍しいものだったからレミリアが回収したらしいけど。」

 

一方通行「これと俺の身体が動く可能性にはどう関係ある?」

 

永琳「これはある特定の波長で動いてる。電波というやつね。そしてそれでネットワークに繋いで情報を送受信している。違わない?」

 

一方通行「あァ、おおよそは合ってる。しかしなンで電波とかネットワークを知ってンだ?」

 

永琳「月にも似たようなものがあったからね。まさか用語まで同じだとは思わなかったけど。」

 

一方通行「・・・続けろォ」

 

永琳「要するにネットワークを作ってあなたの右半身の脳神経の働きの代理を他のものにしてもらうって訳。」

 

一方通行「そンなことができンのか?」

 

永琳「理論上はね。そしてその相手も決まっているわ・・・いらっしゃい」

 

永琳が呼びかけると部屋の外からフランが入ってきた。

 

一方通行「フラン?オマエが代理脳の対象か?」

 

フラン「うん、わたしがあくせられーたの脳の代わりをするの!」

 

一方通行「おぃ医者ァ、それをすることによってこのガキに何かしら影響は出ないのか?」

 

永琳「大丈夫よ。その辺の工夫はしてるわ。・・・これをご覧なさい」

 

永琳は箱に入った二つの機械を取り出す。

 

永琳「これをあなた達に取り付けるわ。」

 

一方通行「なンだァ、イヤフォンみてェだなこりゃァ」

 

フラン「わーいあなたとおそろいだ!!」

 

永琳「チョーカー型代理脳装置よ。このコードの先の電極をあなた達の脳内にさして通信するの。」

 

一方通行「この四角いのはなンだ?」

 

永琳「これはバッテリーよ。満タン状態で通常72時間、戦闘モード40分と言ったところかしら。」

 

一方通行「やけに差が広いな」

 

永琳「当然よ、戦闘モードはリアルタイムで通信するから電力消費が早いの。それは我慢して頂戴。」

 

一方通行「身体が動かせるようになンだァ。そこまでは望まねェよ。」

 

一方通行「しかし充電はどォする?幻想郷には電気はなかったはずだが。」

 

永琳「その辺は大丈夫よ。河童が発電装置を造ってくれたから。なんでも燃料を入れて燃やすだけで電気が生まれるとか。」

 

一方通行「火力発電ってとこかァ。」

 

フラン「またフランにわからない話してる!」プクー

 

一方通行「うるせェ、少し黙ってろ。」

 

フラン「むぅー!!」

 

永琳「あんまりその子に冷たくしない方がいいわよ?その子が電極を切ればあなたは動けなくなるんだから」クスクス

 

一方通行「・・・ちっ」

 

永琳「手術は今晩行うわ。動けるようなら早く動きたいでしょ?」

 

一方通行「あァ。」

 

永琳「そんなに大きな手術じゃないから明日の昼には退院できるわ。

それと、フランちゃん。あなたにも埋め込むから今日は帰れないわよ」

 

フラン「でも・・・お姉様が・・・」

 

永琳「レミリア嬢には許可はとってあるわ。部屋は一方通行といっしょね!」

 

フラン「やったー!!あなたと一緒だ!!」

 

一方通行「・・・チッ」

 

フラン「あくせられーた、遊んでくれないかなー?」

 

一方通行「遊ぶわけねェだろォ・・・」

 

フラン「今のは独り言だもん!」

 

一方通行「あぁ!!うっせェなァ・・・独り言ってレベルじゃねェぞォ・・・ったく」ゴロン

 

フラン「フフーン!」クルリンパ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やあいるかい?永琳」

 

永琳「にとりかしら?」

 

にとり「もうすぐ二人の手術するんだって?」

 

彼女は河城にとり。河童の妖怪で機械学に精通している。今回の代理脳装置と発電装置を造ったのは彼女である。

 

永琳「おかげさまでね・・・」

 

にとり「あの吸血鬼が持ってきた機械には驚かされたよ。外の世界ではあんなに技術が進歩しているなんてね。まあ、それを利用しようと考えた彼女もすごいんだけどさ。」

 

永琳「レミリア・スカーレットね。彼女は『運命を操る程度の能力』を持っているわ。あのケータイってのに何か感じたのかもしれないわね。」

 

にとり「へー、あれケータイっていうんだ。・・・あっ!そうだそうだ、ネットワークの構成が終わったよ。今から代理脳装置に組み込みたいんだけど出してもらっていいかな?」

 

永琳「ええ、お願いするわ。しかしよくこんな精密機械を短時間で造れるものね・・・あなた月の科学者にも匹敵するんじゃない?」

 

にとり「月の技術をもった大先生にそう言ってもらえるなんて光栄だよ」カチャカチャ

 

にとり「よし、あとはインストールするだけだ。」

 

永琳「早速使ってるのね最近入ってきたっていうパソコンってやつ」

 

にとり「うん!これはすごいよ!いままで幻想郷に入ってきたコンピュータ類のものは大体高速計算機みたいなものばっかりだったけどこれは違うね。プログラムを作ったり組み込んだりできるんだ。今回みたいな精密機械を作るときに重宝してるよ。」ピッピッ

 

にとり「よし!インストール完了だ!あとはコイツを取り付けてもらうだけだ。じゃ、頼んだよ!永琳先生!」

 

永琳「あの子たちには会ってかないの?」

 

にとり「会う機会はいくらでもあるさ。それよりも早く取り付けてあげなよ。」

 

永琳「わかったわ。ありがとね。」

 

にとり「ん」ガラガラ

 

にとりは帰っていった。手術の時間まで後一時間。永琳はカルテをもう一度見直し始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フラン「ねぇ・・・あくせられーた・・・」

 

一方通行「ンだよ?」

 

フラン「手術って頭を切るんだよね・・・?」

 

一方通行「あァ、そォだ。怖いのか?」

 

フラン「ううん、そんなわけじゃないけど・・・フランは吸血鬼の力ですぐ再生できるけど・・・もし失敗してあなたが死んじゃったらどうしようって・・・」

 

一方通行「大丈夫だ、あの医者は俺の脳を二度治してる。アイツにとっちゃァこンな手術屁でもねェだろォ」

 

永琳「その通りよ。なぜなら私、失敗しないので。」

 

永琳は自信たっぷりに某ドクター〇のセリフをはいた。

 

永琳「時間よ。執刀は私、八意永琳。第一助手は鈴仙・優曇華院・イナバ。麻酔科医は因幡てゐが務めます。質問はないわね。」

 

一方通行「ねェな。」

 

フラン「・・・あのね、あのね!」モジモジ

 

永琳「なぁに?フランちゃん。」

 

フラン「フランはどうなってもいいからあの人だけは絶対治してあげて・・・」

 

永琳(この子はどこまでも優しい子ね・・・)ホロリ

 

永琳「言ったでしょう?失敗しないって。安心して私たちに任せて。」

 

フラン「・・・うん!」

 

永琳「では、麻酔を、てゐ。」

 

てゐ「はい。では麻酔を開始します。男性のほうは点滴による静脈麻酔を。少女のほうにはマスクによる吸入麻酔を行います。」

 

一方通行とフランは数十秒後意識を失った。

 

永琳「優曇華、てゐ、クランケをオペ室へ。」

 

鈴仙・てゐ「了解。」

 

二人は担架に乗せられ手術室へと運ばれ、手術台へと乗せられた。

 

永琳「酸素マスクから気管挿管に変更します。気道確保。」

 

鈴仙・てゐ「気道確保。気管挿管を行います。」

 

てゐ「O2 6 L/分 投与。プロポフォール TCI で目標濃度を 3~4 µg/ml で持続投与。ETCO2問題なし。」ピッピッ

 

永琳「続いて、筋弛緩薬投与。」

 

てゐ「筋弛緩薬投与。小児にロクロニウム 0.6mg投与。続いて男性に1mg投与。バイタル、問題なし。」ピッピッ

 

永琳「パルスオキシメーターは?」

 

鈴仙「問題なく作動。」

 

永琳「小児の方に麻酔による合併症の恐れがある為、先にオペします。」

 

永琳「これより、代理脳装置装着術を始めます。よろしくお願いします。」

 

鈴仙・てゐ「よろしくお願いします。」

 

永琳「11番メス。」

 

鈴仙「11番メス。」スッ

 

永琳は素早い手つきでフランの頭を切開していく。

 

永琳「モノポーラ。」

 

鈴仙「モノポーラ。」スッ

 

手術室に肉が焼けるような臭いが立ち込める。

 

永琳「電極を差し込みます。代理脳装置、メッツェンバウム。」

 

鈴仙「代理脳装置、メッツェンバウム。」スッ

 

永琳はフランの脳内に電極を打ち込んでいく。

 

永琳「打ち込み完了。止血し縫合に移ります。バイタルは?」

 

てゐ「血圧78/42、心拍数79。」

 

永琳「バイポーラ。」

 

鈴仙「バイポーラ。」スッ

 

手術室が再び肉の焼ける臭いで充満する。

 

永琳「止血完了。鈴仙、縫合よろしく。」

 

鈴仙「了解。第三助手、9/0非吸収糸・・・」

 

フランの方は手術が完了したようだ。鈴仙が縫合を終え、看護うさぎ達に引き渡している。

 

永琳「さて、もういっちょやるわよ。」

 

永琳「11番メス。」

 

鈴仙「11番メス。」スッ

 

先ほどと同じ手順で手術が行われていく。

 

永琳「神経部分切除及び代理脳装置を挿入します。」

 

神経を切除し始めた瞬間。

 

ピーッ!!ピーッ!!

 

てゐ「血圧低下!警戒域に到達!」

 

永琳「昇圧剤投与!」

 

てゐ「昇圧剤投与!」ググ

 

てゐは昇圧剤の入った注射器をカテーテルに接続し、一方通行に投与していく。

 

ピーッ!ピー/プツ ピッピッピッピッ

 

てゐ「バイタル正常域に戻りました。」

 

永琳「神経切除を続行します。」

 

常人とは思えないほどの速さで処置がなされていく。

そしてバイポーラで傷を塞ぎ、縫合していく。

 

永琳「術式終了。バイタルは?」

 

てゐ「血圧102/73、心拍数112でサイナス。」

 

永琳「お疲れ様でした。」

 

一同「お疲れさまでした。」

 

永琳は手袋を投げ捨て、手術室を後にした・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

上から、何か降ってくる。そしてそれは一方通行の手に落ちた。鉄くさい臭い。ふと手のひらに視線を向けると真っ赤な液体がべっとりついていた。自分の周りは血の海だ。彼は何をするわけでもなく手のひらを見つめ血の海に座っていた。全身真っ赤な姿で・・・

すると突然世界が明るくなり、彼は目を細めた。再び目を開けると、そこには見慣れた天井があった。そして今度は自我が突然戻ってきて彼は飛び起き、酸素マスクを外した。

隣を見ると酸素マスクをつけたフランが幸せそうな顔で眠っている。

 

鈴仙「あっ!起きた!体調は問題ないですか?吐き気等ありませんか?」

 

一方通行「問題ねェよ。それよりあの医者は?」

 

鈴仙「師匠なら眠っておられます。徹夜続きからの手術でしたので、お疲れになられて・・・」

 

一方通行「そォか。目ェ覚ましたら礼を言っといてくれ。」

 

鈴仙「はい。それとあなたも寝ていたほうがいいですよ。体力が消耗していますし。」

 

一方通行「あァ、そォする。」

 

そして再び彼は眠りについた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

約一時間後・・・

 

レミリア(大丈夫かしら・・・心配だわ・・・)ソワソワ

 

コンコン

 

咲夜「失礼いたします。お嬢様、来客でございます。おそらく永遠亭の使いかと・・・」

 

レミリア「・・・!わかったわ。今行く。」

 

レミリアはやる気持ちを抑えながら応接間へと向かう。

 

咲夜「こちらでございます。」

 

咲夜が扉を開けた先には看護ウサギがいた。

 

レミリア「よく来てくれたわね。お疲れのところ申し訳ないけれど、フランたちについて話していただけるかしら?」

 

看護ウサギ「はい、現在フランドール・スカーレット様及び、一方通行様は病室にて寝ております。術後の経過は順調で快方へと向かっております。」

 

レミリア「・・・つまり成功したのね?はぁ・・・よかった・・・」フラッ

 

咲夜「!?お嬢様!!」ガシッ

 

レミリアはフランと一方通行が心配で一睡もしていなかったのだ。おまけに代理脳装置のために本来寝ているはずの昼に奔走し、疲れがたまっていないわけがない。

 

咲夜「お嬢様・・・お部屋に戻られて睡眠をとられては・・・」

 

レミリア「そうね・・・私も休むことにするわ・・・客人の方?あなたも疲れておいででしょう。今夜はとまっていきなさい。」

 

看護ウサギ「・・・ではお言葉に甘えて」

 

レミリア「咲夜、妖精メイドに彼女の部屋と食事を用意させなさい。」

 

咲夜「かしこまりました。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

永琳「・・・ん」パチッ

 

鈴仙「師匠!目覚められましたか。」

 

永琳「・・・ん。で?術後の経過は?」

 

鈴仙「二人とも問題ありません。一方通行に至ってはすでに目覚めました。今は眠っておくように言っておきましたので、多分眠っているでしょう。」

 

永琳「ありがとう、んじゃあ起きたばっかりだけど私も寝ることにしましょうかね。」

 

鈴仙「はい!おやすみなさい。」

 

永琳「おやすみ。」

 

 

手術時間合計 六時間二十五分。     ここに天才ドクターの戦いは終わった。




最後までご覧いただきありがとうございました!
永琳先生のおかげで一方通行たちに例の装置が付いたわけですが、次回どうなることやら・・・

今作のタイトルについてですが、第六話にて新生活と発表いたしましたが、永琳先生の手術が思ったより長引いてしまったため、第八話に移動させていただきます。

※本作のタイトルを『とある吸血鬼と一方通行』に変更します。
 訂正ばかりですみません。

次回・第八話 新生活 (今度こそ)
                       次回もお楽しみに!!

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