※ツアー観光時は十分な回復アイテム、武装、装備、ハートとがんばり、加護を所持してお望みください。ハイラル城周りは普通に死にます(取材中に何度も死んでる)
※おすすめ装備:ムジュラの仮面、アレのシャツ、息吹の勇者ズボン(すさまじい観光客感)、マスターソード、古代兵装系シールド、二連弓
幼少期:
・カカリコ村からナリシャ高地を西方向に回り、門番がいない出入口を出てそのままサハスーラ平原を下る。大体中頃くらいのあたりまで。
登城:
・カカリコ村からカカリコ橋方面へと馬を走らせ、ふたご兄橋からノッケ川を西、道なりに走る
・門前宿場町跡と時の森のあたりでイーガ団交戦
・ハイラル軍駐屯地跡を経由してメーベの町跡から平原の牧場跡に直行。そこからは道なりにハイラル城下町跡まで歩き、道なりに本丸方面、謁見の間へ
退魔の剣捜索:
・ハイラル城訓練所から図書室
・正門から道なりに物見塔を経由してボッチ橋、フェンザ橋、ラウル集落跡、チロリの森、ハイラル軍演習場跡、迷いの森へ
・迷いの森中間地点よりコログの森手前から、マッコレ島までワープ
・マッコレ島よりエルム丘陵方面へと移動、上陸後はマッコレ湖が見える程度の地点でラウル丘陵を目指しながら寄道
・ラウル丘陵よりハイラル軍演習場跡、チロリの森近くのあたりまで移動後、鍋の手前まで
・(迷いの森まで)来た道を戻るようにハイラル城方面へ移動し、ロマーニ平原まで来たら道なりに平原の牧場跡まで。そこから式典場跡まで直進、ハイラル城下町跡で散策
・正門より入場後、三の丸まで道なりに全力疾走
翌日、訓練に戻った兵士たちを後にインパと従者の兵士たち、およびお面の少年はハイラル城に向かった。
ここでもまた少年の奇行を目の当たりに、インパは困惑を隠せない。
「お前、どこから拾ってきたのだ……」
少年の手元にはなぜかコッコの姿があった。
コッコ――ハイラルに現生する、元はニワトリと呼ばれていたその生物は、ある種魔物のようなとある特性を秘め現在もその種を残している。畜産では卵を産むが、ニワトリのように食肉としては用いられることはほぼないとみてよい。ある種の禁止事項さえ守れば、畜産の生物の中でもかなり頑丈かつ生存能力の高い生き物である。
そんなコッコを頭上に抱える少年。朝焼けが上る山岳で、当然のように足早に飛び降りた――――。
「……インパ様、あの者は」
「あ? ああ、迷いの森に私同様囚われていたらしい。後でプリカ殿に確認しなければ……」
他の執政補佐官にどう話すべきか頭を抱えつつも、インパたちは馬を走らせ少年を追う。
高所からの落下であったが、コッコを利用した落下の場合は少々事情が異なる。コッコの羽ばたきはある種の推進力を伴うため、一般的なハイリア人程度の重量がぶら下がれば一定時間の滑空が可能となる。当然のごとく少年も滑空して遠方に着地する。
と、今度は唐突に指を口元にもっていく。そのまま口笛でも吹くのかと思いきや、そんなことはなく体勢を変えずに走り出した。
「何がしたいのだ、お前はっ」
つっこみを入れつつもインパとて馬を襲歩させ追いつく。ある程度走れば息切れを起こして動きも止まるだろうと考えて、彼に並走した。
ところが、全く止まる気配がなかった。
どころかむしろ、元気そうですらある。
いよいよもってこの少年が何なのか、果てしない疑問符に襲われるインパであった。馬上で焦点が合わず、完全に視線は少年の側であるが彼を見ていない。呆然としている訳である。もっとも飼いならされたハイラルの馬は、乗り手の指示がなくとも踏みなさらされた道を直進する習性を持つため、彼女があらぬ方角に向かったり落馬したりすることはなかった。
一部の兵士を先に城へと遣いに出しながら、そんな調子でハイラル川沿いを走り、石畳の連なるハイラル森林公園を抜けロンロン馬宿へ。牧場経営に加え馬の預かり、簡単な宿泊まで対応している。ハイラル城の兵士たちの馬も、一部はここで預かっていたりするのだ……、主に城のスペースと管理人員の関係で。
一人娘のマロンが出てきて応対する様に、騎士や兵士たちもほっこりしたり、頬を赤らめたりといった様子だった。マロン、普通に美人の類である。スタイルは良く女性的な柔らかさもあり、気立ても良さそうに見えるので当然といえば当然だった。
そのあたりについてはインパは何も取り合わず、手続きが終わった後に頭を下げた。
「毎度というか済まないです。今回は期間も長引いてしまって……」
「あ、いいえ! 王城勤めの皆さまご苦労様ですし、こちらもお金をいただいている身ですから」
茶褐色の髪を揺らしながら快活に笑う彼女。非常に元気な印象である。と、会話の途中でちらりとお面の少年の方を見ると、わずかに頬を赤らめて手元をごにょごにょとしたりする。特にその様子に気づくこともなく、インパ少年の方へと向かった。
「何をしてるんだ」
「――――、元気かどうか調べてる」
「調べてわかるものなのか? ……あ、おい、勝手にニンジンをあげて大丈夫なのか?」
飼いならされたハイラルの馬はひどく人懐っこいため、与えられたリンゴだったりガッツニンジンだったりは特に疑問もなく食べる習性があった。
もっとも。
「――――、自分のです」
「あ? ああ、そういうことか」
どうやら少年本人が預けている馬であるらしい。
やがて満足したのか、馬がなついている様子を見て少年はマロンのもとに走る。会話を交わしている様子は相変わらず少年の方はわからないまでも、彼女は彼女でどこか楽しそうだった。
会話の端々から「久しぶり」というようなセリフが聞こえていた。
「仲が良いのか?」
「――――、多少は」
「いや、まぁそう言われてもよくわからんな……」
ともあれ馬関連の手続きを終え次第、メーベの町方面へと徒歩で移動し、式典場を回り城下町へ。まだまだ日中、商店は賑わいを見せる。時折国王が遊びに行く的当屋も、今日は子供たちがわいわい群がっていた。
「道中は気をつけろよ? たまに貴族が混じっていたりして、下手に絡まれると問題になる」
「――――、まるで子ども扱いだ」
「されたくないなら寄り道を自重してくれ。……って言ってるそばから! おい、そいつを連れ戻してくれっ」
従者の騎士たちもてんやわんや。少年、するすると彼らの追っ手を掻い潜るものである。
お面屋でかじりつき、妙な怪物めいたお面を手に入れる少年。その一見して完全にスタルキッド(森で迷った子供が変じた魔物とされる。御伽噺レベルでしか現存せず)でも付けていそうなそれをポーチに仕舞う少年である、コログのお面越しではあるがほくほく顔な印象だ。
とりあえず満足したのか、少年はその後とくにふらつかなかった。
インパ達の到着を確認し、重々しい鉄製の城門が開かれる――――内側から何人もの兵士やシーカー族のシノビたちが扉に紐づいている鎖を引く。
それをなぜか、少年は物珍しそうに首を左右んふって確認していた。
いまいち理由のわからないインパだったが、聞くのもなんだか恐ろしいのでこの場では止めておいた。すぐさま内側から従者と門番が現れた。それも、なぜか妙に慌ただしく。
「い、インパ様!?」「早くお逃げくださいませ!」
「一体どうしたというのだ? 何を――――」
彼女が言葉を続けるよりも先に、三の丸の方角から爆発音が上がる。
また何かやらかしたか、と頭を抱えそうになるが、しかし、そんな彼女の予想と大きく事態は異なっていた。
少なからず姉たちが行う実験は、ある程度安全性を取ったうえで行われる。それゆえ失敗しても、ある程度の被害はリカバリーが可能な範囲なのである。
だからこそ、この時点でのそれは予想外だった。
「――――ガーディアンです! それも、多脚タイプのものが、活動をしております!」
「な――――!? あれの稼働実験はもっと後になってから、郊外での予定だったろ!」
「しかし――」「プルア博士いわく『なんで動力系の接続もしてないのに動いてるのだよ~!』とのことでっ」
「状況を確認する。被害はその後じゃ――――」
何かしら想定外のトラブルが発生したということか。
城門からすぐ、展望台入り口のすぐ真上からガーディアンのレーザーが射出されている。
ともあれ急いで走り出し、城の下方外周を回り、3の丸を通過する。
状況はすぐに見えてきた。
「あれは――――っ」
それは、見慣れた守護兵装のそれであり、しかし何か違和感のある様子でもあった。
円錐型、しめ縄のような文様のそれ。青く輝く一つのセンサーアイ、それに六つの多脚機構が特徴的な絡繰機械である。現在、動力部のテスト段階は完了しもう間もなく動作実験という段階のところであり、脚部を装着したガーディアン事態はそもそも動力を切断していたはずである。
にもかかわらず、そのガーディアンは悠々と動いていた。無限軌道たる脚部で砕けた城の壁を乗り上げ、四方様々な方向に首を動かしている。その全身は赤く、あるいはマゼンタに近く輝いており、普段動作実験中のオレンジとはまた異なる色合いだった。
一瞬、インパの脳裏に骨の魔物たちの眼の光が脳裏をよぎる――――。
兵士たちが群がって奮戦しているが、なすすべはない。重武装の者は衝撃でも生き残っているようだが、軽装の者は息絶え絶えどころの騒ぎですらないだろう。
手前の犠牲者には近衛騎士や官僚なども、幾数人。倒れた中には、見覚えのある顔もあった。
「っ、プリカ殿――――!」
同僚のもとに駆け寄ろうとするも、しかしガーディアンの照準がそれを許さない。
前に出たタイミングが悪かったのだろう、その赤い光は確実にインパをとらえていた。
しまった、と思うよりも早く、青白い閃光がサーチアイから迸る。
目を閉じる暇すら与えられなかったインパは――――。
「――――っ」
しかし、光が彼女を焼き尽くすよりも先に、誰かが横なぎに倒した。
本人の反射速度で動けないまでも、しかし第三者が彼女に覆いかぶさるように、抱きしめ倒れた。
宙に舞う、コログのお面――――。
「お、お前……っ」
インパは相手を見て絶句した。背負った武器や服装からして、あのお面の少年であることは理解している。
しかし、彼はひたすらに美しかった。
戦場に出るような線の細さではない、女性的な顔立ちでありながら、しかしどこか男性的な凛々しささえ併せ持つ。中性的というよりはいっそ、きれいだ、という表現が適正だろう。愁いを帯びたような悲し気な瞳の青。爆風に揺られながらも、煌びやかさを失わない髪。
そんな彼を、鼻先がくっつくかくっつかないかという程の間近で目撃したインパ。
男性に免疫のない彼女が、あまりに呆けるのも無理はない。
たとえ相手が直近までのアレであったとしても、これはあまりに暴力的なそれであった。
「あ、あ……」
「――――後ろに」
言いながら彼女を抱き起す少年。照準は彼女よりも手前に立った少年に切り替わった。
彼女を背にかばうよう立ち上がる少年。彼は落ち着いた様子で、背部から森人の盾を手に構える。多くの騎士たちが己が鉄盾で防ぎきれず、砕かれた光線を前に何をしようというのか。
「――――、大丈夫」
混乱するインパを前に、彼は言う。それは決して彼女を安心させようというそれではないだろう。いくらどぎまぎしていても、それは声音でわかる。
「――――、少し覚えがある」
彼の言葉は、ただ当たり前のことを当たり前のように語る、そんな確信があった。
そして実際、その言葉に外れはない。
射出された光線を前に、少年は目を細める――――。
――――集中。
それが、彼自身がそう呼ぶ、少年自身の特異性たる何か。
自らが意識を集中する際、周囲の時間をその認識は置き去りにする。
幼少期は肉体が出来上がらず制御ができなかったものの、それでさえ「大人の剣士と戦える」だけの思考力をもたらした。
であるなら、齢十五を数えるほどに正しく錬磨し、鍛え続けた今の彼であるならば――。
当然、結果は目に見えていた。
射出された光線が、衝撃波を伴い伸びるのを、少年は極端に遅滞した世界で観測していた。
音も伸びる――――ゆったりとした射撃音を伴う光線は、しかしある一定の段階で「物質に近い性質を帯びていた」。「以前に撃ち返した」時と同様に、それは物を焼き切る以前にまず打撃で大穴を開ける。
であるならば、それは「物体が猛然とした速度で迫る」それと何ら変わりはない。ボコブリンが馬に騎乗し体当たりを仕掛けてくるそれと、違いはない。
物理的に往なせるのであるならば――――。
当然それが、鉄製であれ木製であれ、相応の速度で「払える」ならば――――。
「――――」
目撃したインパに至っては、完全に絶句である。
インパに限らず、周囲にいた兵士も騎士も、一同また同様に、理解が追い付いていない。
少年は当然のように、木製の盾でレーザー光線を「はじき返した」。
一撃を食らってわずかに怯むガーディアンであったが、しかしすぐに頭を左右に振り対象を探す。
少年は手をインパの側に向ける。
「――――、矢をください」
「っ、誰か!」
インパの言葉に、弓矢を構えていた兵士が矢筒を投げてよこす。
距離的に足りないそれを「念力で」引き寄せ、少年の手元に渡した。
彼は何を言うこともなくそれを背に戻し、森人の弓を構える。
「――――っ」
そしてこれを、当然のようにセンサーアイに狙撃した。
怯み動作が鈍くなったその瞬間を見越してか、いつの間にか背負っていた「退魔の剣」を、抜刀。
「――――起きろ、×××」
何者かの名前を呼ぶと、なんということだろう――――剣の刀身が、あらん限りに光を放ったではないか!
振りかぶり、空を斬り払う――――その動作に合わせ、光が円環に回転しながら射出。光の剣は、距離のある両者に一撃を加えた。
ガーディアンが少年に再び狙いをつける。
しかし、それが少年の動きに間に合うわけではない。
そもそも明らかに、外から見た少年の動きは異常だった。
猛烈な速度で接近――――それこそ普通に走ったと思われる以上に、異常な速度で接近。
そのまま退魔の剣を振り回し、何度も連撃。
時にまた猛烈な速度で弓矢を数発、サーチアイめがけて射出し命中させる。
ほぼゼロ距離といえど、その動きは異常極まりない。
距離をとり、どこかで見たように「指をしゃぶりながら」走り、またある程度の距離を稼いだら再び猛烈な速度で走り、襲い掛かる。
やがて中腰、剣を大きく振りかぶって構え――――。
「――――、やっ」
回転斬り。背中をガーディアンに向けての多段斬り、二連撃。
ぶすぶすと音を立て、ガーディアンが青白く光り、その胴体が弾け飛んだ――――!
散乱する古代のネジやら何やら。一瞬、インパはそこに「黒と赤の靄」のようなものを見た気がする。
しかしそれさえ頭の片隅に行くほどに、少年は圧倒的だった。
退魔の剣を鞘に納刀。
爆風に吹かれ、たなびく髪。目に入ったのかそれを払う様は、まるで美女のようでさえある。
(なんだ、この、感覚は――――)
生まれて初めて、インパは異性に対して名状しがたい感覚を覚えた。心臓が高音を打つ。鼓動によって打ち出される血流が首から脳に上り、全身が熱くなる。
今、振り向かれたら何かが終わってしまう――――ダメになってしまう。謎の確信が少女の胸をよぎる。別名、女の勘とかいうやつだ。だがその正体を未だ判然と識別できていないのは、間違いなく乙女の人生経験不足であろう。
嗚呼、だが世は無常、少年は背後のインパの様子を見ようとしてか顔を動かし――――。
「――――インパ~~~~っ! 大丈夫? ケガとかしてない? 本気と書いてマジで大丈夫?
うわ~ん、よかったよ~~~~~! 涙のチェッキー! チェキチェキ!」
「――――痛っ、あ、姉上!?」
猛烈な勢いで走ってきた姉が彼女を抱きしめ、押し倒し、頭をわずかに打ったせいで、そのあたりの感情が一度吹き飛んだ。
インパの胸元で涙を流すプルア。見れば彼女も、骨などは折れていないが右側、脚や腕など半身にやけどを負っている。さすがにこれを前に、いきなりはインパも怒りの感情などは湧かず、頭をなでていた。
「だ、大丈夫ですから……、その、人の目もあります……、」
「何よぉ、姉が妹の心配しちゃいけないっての? 迷いの森で行方不明になって、帰ってくると思ったら早々にこれなんだもんっ」
「いえ、もんって……。姉上も良い年なのですから、年相応の振る舞いをするべきですじゃ」
「なんだい! 人に心配かけさせといて――――って、あれ? リンリンじゃん。
あー、だったら納得。リンリンが止めたんだ」
と、インパに抱き着きながらも、視線は少年の方を向くプルア。
つられてインパもそれを追う。少年は、砕けたガーディアンのパーツをまじまじと眺めている。その横では無傷のロベリーが、ゴーグルをかけて何やらコア部にあたる光を放つパーツを手に取って、観察していた。
被害規模と、その影響に一瞬思考が回るインパ。
「姉上……、これから少々、厄介になるやもしれませんよ?」
「厄介って? いや、そんなことよりリンリンには後でお礼しなくっちゃなー。これで何度目かだし」
「リンリン?」
「うん、リンリン。リンクって言って、ほらほら、前に話してた『天才剣士』クンだよ」
いまいちその天才剣士クンとやらの話を聞いた覚えのないインパは、頭をかしげながら再び少年――リンクを見る。
「――――、壊れた……」
少年は立ち上がり、何かに気づいたように自分の顔をなでる。お面が先ほどの戦闘に巻き込まれてか、破損してしまったらしい。足元に転がる大穴の空いた葉を呆然と眺め。
「――――、…………」
しかし目を閉じ、数秒もせず無表情となった。
インパはその瞬間、彼の中の「何か」が閉ざされたような、そんな直感を覚えた。
【独自設定補完】
「賢者ラウルの集中」
・賢者ラウルの加護により、[L]を押している間、常時集中、ラッシュ状態を発動できる(設定上は時間制御)。集中時同様、がんばりを消費する
・加護での集中時は武器耐久の消費が軽減される
・加護での集中時に無機物(岩など)への攻撃はピタロック同様の判定となる
【解釈元ネタ】
・ゲーム本編、ウツシエの記憶での戦闘力および幼少期のリンクの情報より。あれをプレイヤー側で再現するためにどうするべきか(白銀ライネル数体とか平然と屠ってる)と考えると、集中を自在に発動できたのでは、という類推よりそれを採用