今井リサの弟―何故か消えたとか言われるんですが― 作:ゆっくりいんⅡ
思いついたネタなので、いつも通り深い意味のない日常ものです。今回は短めとなっていますが、良かったら読んでやってください。
※注意:原作キャラのキャラ崩壊の可能性
「こんなとこにわざわざ呼び出して、告白でもされるのかしら?」
「人の誕生日に告白するとか頭花畑だと思うんだけど、友希那姉さん」
「大丈夫よ、出来るだけ優しく断る方法は考えてあるから」
「しかも断られるのが前提な件。あとそこに気を遣うならズバッと言おうよ」
「ごめんなさい、あなたの事は弟としてしか見てないの」
「ねえ、話聞いてる? あとそれは知ってるから」
「でも養ってくれるなら考えるわ」
「堂々のヒモ宣言にいっそ感心するよ」
夕方の公園、そこに呼び出した姉みたいな幼馴染の言葉に、俺――今井ユイはいつもの調子でツッコミを入れる。
謎のドヤ顔で余計微妙な気分になるが、まあ美少女の類だしいけるとは思う。というか養う相手より稼ぎが多くて凹ませそう。
「で、改めて何の用? この後はRoseliaの皆でパーティーだから、あまり遅くなりたくないのだけど」
「だからこのタイミングなんだよ。はいこれ、誕生日プレゼント」
背中に隠していた包みを渡すと、友希那姉さんはわざとらしく驚いた顔になり、
「……まさかユイがこんな気の利いたラッピングをしてくれるなんて、驚きだわ」
「去年もきっちり包装したものを渡したんですがねえ」
「冗談よ、ありがとう」
友希那姉さんはうっすら笑いながらも、素直に礼を言ってくる。世間では氷系クールビューティーの歌姫として通っているらしいが、俺からすれば弄り倒すこの姿がデフォだ。あと猫好きで若干ポンコツ。
「でも、プレゼントならパーティーの時でも良かったんじゃないの?」
「モノがモノだから、見ると暴走する人が出てくるのよね」
主に姉とか姉とか姉さんとか。
「……変なものでも入れてるの?」
「ヤバイもんじゃないから」
だからそのジト目はやめてくれませんかね、一部にはご褒美でも俺は対象外だから。というか眼力強いんだし、そーいうので誤解されるんやぞ。
「……変なものだったら、かき混ぜてない納豆を食べてもらうわよ」
「やめて死ぬ」
あんな
ジト目のまま友希那姉さんは袋を開けたが、出てきたものを見て表情は驚きに変わった。
「これはね、ネコ……?」
「の、パーカー付きパジャマね。あとはネコの羊毛フェルトと、自作のハチミツタルト。味は姉さんのお墨付きだから、多分大丈夫だと思う」
ちなみにパーカーは姉さんとのセットだ。前に「お揃いのお泊りセット欲しいなー」とボヤいてたので、こっそり買ってみた。
「ユイ……」
友希那姉さんは顔を上げ、真剣な面持ちで、
「この間燐子が並行世界の話をしていたのだけど、あなたがいない世界線があるとしたらどう思う?」
「何でそれを今本人に聞いたの?」
「あとその話、姉さんの前ではしないでね。あの人まど○ギのラストで弟が一人遊びしてるの見て、ガチ泣きしたんだから」
曰く、俺が気付いたらいなくなったのを想像してしまったらしい。何でそんなに想像力逞しいんですかねえ。
「……ごめんなさい、動揺したわ」
「近年類を見ないレベルの動揺だね」
いきなり自分の存在意義を問われるとかなんなの? 変な電波でも受信した?
「嬉しさのせいでちょっとバグっちゃったのよ。……ところで、サイズはどうしたの?」
「姉さんに聞いたら一発だった」
「衝動に負けて私の服を勝手に漁ったり、調べてるとかじゃなくて良かったわ」
「普通に窃盗でしょそれ」
「変態行為の部分をスルーしたわね。慣れてるの?」
「謂れのない罪を被されるのは慣れてるよ、誰かさん達のお陰で。
というか、姉さんに服のチョイスを全任せしてるのはどうかと思うよ」
「そっくりそのままお返しするわ、シスコン君」
「(シスコンでは)ないです」
だって一人で買物行こうとすると、ニュータイ○並の察知能力で姉さん付いて来るんだもん。しかもこっちの好みとか完全に把握しててチョイスに外れがないから、逆らう理由もないし。
ただ、毎度スカートも一緒に買おうとするのはやめて欲しい。「大丈夫、似合うって☆」じゃないから、悪意なしに女装させようとするの何なの? 友希那姉さんも「いい加減受け入れたら?」じゃないから、諦めたらそこで試合終了だから。
「……」
友希那姉さんは羊毛フェルトのネコを取り出し、胸元でギュッと抱きしめ、
「――ありがとう、大事にするわ」
と、微笑んで礼を言われた。……うん、こういうギャップ差が友希那姉さんの魅力なんだろうなあ。
この顔が見れたなら、奥沢さんに無理を言って羊毛フェルトを教えてもらった甲斐があったかな。
「……あら。もしかして、惚れちゃった?」
満足そうに頷いていたら、何を勘違いしたのかイタズラっぽく聞いてくる。
「仮にそう言ったらどうするの?」
「丁重かつ丁寧にお断りするわ」
「わー表現が違うだけでループしてるー」
「何なら口説いてみてもいいわよ?」
「何で断るって言われた後にチャンスをあげるんですかねえ。やらないから」
ダメージ受けるの大好きー! なドMじゃないから。
しかし友希那姉さんは不満だったのか、僅かに眉を寄せ、
「……そこまではっきり断られると、傷付くわね。燐子があなたに頼もうとしてた小説の内容、全員に共有してしまおうかしら」
「待って、白金さん何頼もうとしてるの?」
「別の女の話なんて「そういうのいいから」……姉弟の近親相姦ものよ」
とんでもねえ爆弾投げつけようとしてやがるあの人。というかどんな目で俺達を見てるんだ、マジで。
俺は姉さんを人としては尊敬してるけどあくまで姉だし、姉さんも猫可愛がりしてくるけど弟の範疇だから。
「傍から見たらブラコンシスコンの危ない関係よ、あなた達」
「きついジョークだねそれ」
「おばさんにも相談されたことはあるわよ」
「母さんぇ……」
あの人幼馴染とはいえ、他所の娘さんに何聞いてるの? 俺も姉さんもそんな目で見たことないからね? ……ないよな姉さん?(知らん)
……仮にそういう感情を向けたら、「しょうがないなあユイは」とか言って、受け入れるような気がした。我が姉ながらそこは許容しちゃダメでしょ
※弟の勝手な妄言です
「告白したら言わなくてもいいわよ」
「何故そんなに告白させたがるのか」
「恋の歌も今後のことを考えると学びたいから、その感覚を知りたくて」
「手近なとこで済ませようとしないの」
「じゃあ誕生日サービスということで、お願いするわ」
何がじゃあ、なのか。というか人生初の告白(恐らく)がそれでいいのか、この人は。
「はあ……」
面白そうに見ている(傍から見ると分かりにくい)友希那姉さんに溜息を吐くと、背筋を伸ばして真っ直ぐに相手を見る。いいだろう、オーダー通り真面目に告白してやるぜ(謎の使命感)
「友希那姉さん、いえ、友希那さん。ずっとあなたのことが、好きでした」
「――――……………………」
たっぷり一分ほど、友希那姉さんは驚いた顔で固まり、
「……ごめんなさい。ユイの気持ちは嬉しいけど、今はRoseliaに集中したいから」
思ったよりまともな理由のお断りをされた。よし、傷は浅い(何)
「……不覚にもときめいたわね」
ちょっと顔の赤い友希那姉さんに、ドヤ顔でカウンターしておく。ふ、勝ったぜ。こっちも顔が赤いとかそんなことはない、ないのだ。
「微妙に腹立つわね、その顔……でも、今の感覚は新鮮ね。ありがとう、ユイ」
「どーいたしまして」
ところでこれは失恋にカウントしていいのだろうか(知らん)
メモ帳に何やら書き込んでいる友希那姉さんに、Roseliaに全てをかけているっていうのは嘘じゃないんだなと――待って。
「……友希那姉さん、今スマホから変な音しなかった?」
「? ああ、今の感覚を忘れないために録音して」
「消 し て」
何とんでもないことやってくれてるのこの人。首傾げないで、そんなの誤解が広まるとかそういうレベルじゃないから。姉さんが喜び勇んでお赤飯炊いちゃうから。
これだから微妙に天然入ってる人は恐ろしい……頑張って説得したけど、どっかでポロっと漏らさないか心配だわ。
余談だが、パーティー中他の人に随分見られていた気がするんだが……気のせいだと思いたい。
キャラ紹介
今井ユイ
漢字で書くと『結』。ローテンション系ツッコミキャラ。姉に似た『中性的』な顔立ち。
壊れるものもあるし姉が暴走するかもだから先に渡しておくかー、と思ったらまさかの告白させられたでござる状態。
シスコンではない(本人の強い意志)。
湊友希那
普段はクールビューティな歌姫、ただしユイがいるとついつい弄り倒したくなってしまい、あこに「友希那さんが壊れた……!?」と言われたことがある。
プレゼントは大層気に入り、パーティからのお泊まり会で早速使った模様。
ラブコメ? ないよ? キャラ崩壊? 基本は守ってるよ?(そういう問題じゃない)
あとがき
思いつきで書いた、私の知ってる友希那さんと違う気がする(白目)
というわけでどうも、ゆっくりいんです。湊友希那の誕生日と弟さんの件についてツイッターで騒がれていたので、
「じゃあいっそ組み合わせて何か書いてみるか」
という安直な発想から書き出しました。マジで見切り発車なので、今後のことは考えてません(オイ)
良ければ感想や評価などいただけると嬉しいです。それでは読んでくださり、ありがとうございました。