今井リサの弟―何故か消えたとか言われるんですが― 作:ゆっくりいんⅡ
はい、今回は有咲の誕生日話です。もう遅い? 大丈夫、遅くなった理由も本編で書きますので(言い訳)
「あ、市ヶ谷さん。遅れながら誕生日おめでとうございます」
「……ああうん、本当今更だな。
まあ、一応礼は言っとく。で、プレゼントは忘れてたから奢りとかでってことか?」
「そこまで適当じゃないですよ。というか俺、どんなイメージ持たれてるんですか」
「シスコン」
「ドストレートな回答過ぎて泣けますわ。シスコンじゃないです、ただの仲の良い姉弟です」
「…………」
「その『何言ってんだコイツ』みたいな目やめません?」
「何言ってんだお前」
「口に出されちゃったよ」
とりあえず半眼で見るのやめてもらえませんかね。
平日の放課後、市ヶ谷さんの実家である質屋『流星堂』に、俺こと今井ユイは来ていた。まあ彼女に用があるんだけど。
「で、三日遅れでわざわざ言ったのは何でだ? 大体お前、『Circle』であたしの誕生日ケーキ運んできたんだから知ってただろ」
「まりなさんに押し付けられたんですけどね、「君が行った方が有咲ちゃんも喜ぶよ!」って」
「そんなこと言ってたのかあの人!?」
「言ってましたよ。戻ったらニヤニヤされましたよ」
あの人いい年してスイーツ脳なのだろうか(←思春期真っ盛りな奴の発言)。
「まあそれは置いといて、誕生日プレゼントをお届けにあがりました」
「……それこそあの時で良かったんじゃねえか?」
「絶対ポピパの人達がからかってくると思いますよ」
「あー……」
「あと壊れやすいものだから、戸山さんがいる場所では渡すの不安で」
「あー……」
両方納得されてしまった。流石ポピパの常識人枠、ポピパの暴走特急枠(俺が勝手に思ってる)のことをよく理解してらっしゃる。
「で、そのためにわざわざ遠方のうちまで来たのか」
「自転車もどうかと思ったので、競歩で来ました」
「そこは普通に徒歩で来いよ!?」
ナイスツッコミ。
「させるな!? 誕生日だっていうならあたしを労われよ!?」
「誕生日自体は過ぎてますけどね」
「オイ喧嘩売りに来たのかユイ」
半眼で睨まれてしまう。出会った頃は猫被られてたけど、大分慣れてもらったのかね。
「すいません、市ヶ谷さんのツッコミが切れ味鋭くて、つい」
「何がついなんだよ……ホント、今井先輩と全然違うよな」
「姉弟で似てる方が稀だと思いますけどね。 まあ前置きはここまでで、改めて誕生日プレゼントです」
「……おう。あ、ありがとな」
照れているのか、そっぽ向きながら礼を言ってくる市ヶ谷さん。理由ありとはいえ遅れたのに、お礼言うあたり本当良い人だよな。
「……何ニヤニヤしてるんだよ」
「? そんな顔してました?」
「自覚ないなら重症だと思うぞ。
変なこと考えてたら、今井先輩に女装やりたがってたって言っとくからな」
「すいませんマジ勘弁してください」
「ユイは似合うからいいだろ」
「似合う似合わない以前にやることが不本意です」
「あたしが『ツンデレ』って呼ばれるのもそういう心境だよ」
「非常に納得しました」
悪意がなくても言われてもにょることってあるよね。
ところで変なこと考えたわけでもないのに、何故溜息を吐くような話題になっているのだろう。
「これ、開けていいのか?」
「出来れば机の上とか、安定した場所で開けた方がいいかと」
「マジで何買ってきたんだ……?」
結構繊細なものです。
首を傾げながらも市ヶ谷さんが箱を開けると、
「! ゆ、ユイ……お前これ……」
「偶然見つけたんですけど、市ヶ谷さん好きかなって」
凄い驚いた顔で、箱の中身――枯山水のミニチュアセットを見ている。見かけた時、何かビビっと来たんだよね。
「こ、これ、凄い高いんじゃ……」
「この間の手作りマーケットにあったものなんで、そこまででもなかったですよ」
「手作り!?」
市ヶ谷さん驚いてるけど、俺も同じだったわ。姉さんにれんこ、誘われて手伝いもしたけど、あそこ明らかにプロが作ってるようなものも混じってたよな。値段も良心的だし。
「…………」
「気に入りました?」
「え? あ、ああ。ま、まあな」
視線はミニチュアに注がれたままだ。市ヶ谷さん細々としたもの好きだから、合ってたみたいで何より。
「そっちの袋には追加のミニキットも入ってるそうです。あと、池とかも動かして好きに動かせるとか」
「おお……本当に出来いいなこれ」
「ただ、そこそこ脆いので注意してください。一応作り主さんと連絡先は交換してますけど、直すの大変らしいですし」
「……香澄がいなくて確かに良かったな。あいつなら興味本位でつまんで、落としそうだし」
市ヶ谷さんから見ても、戸山さんはそういうキャラらしい。完全に扱いが小学生な件。
「という訳で、お納めください。あ、あんみつも買ってきたので良かったらどうぞ」
「お、おう、サンキュ。……あれ。あたし、ユイに好きなもの言ってたっけ?」
「前に戸山さんと楽しそうに食べてたじゃないですか。好きかと思って」
「ちょ、見てたのか!? いやそうじゃなくて、別に特別楽しいってわけじゃ……!」
わたわた手を振りながら赤い顔になる市ヶ谷さん。分かりやすいなあ、だから弄られるんだろうなあ。
「……ま、まあそれはいいか」
「俺何も言ってないんですけど」
「うるせえ。……ところでユイ、この後時間あるのか?」
「はい? まあバイトもないし、特に予定はないですけど」
「じゃ、じゃあさ……ウチ、寄ってかないか……?」
市ヶ谷さんは赤い顔でこちらをチラチラ見ながら、
「久々にぷよぷ○通やるぞ、今度こそボコボコにしてやる」
「急に真顔になるのやめません?」
ラブコメかと思った? 残念ガチの目で勝負を申し込まれました。
「というか、俺じゃなくても遊ぶ人いるじゃないですか」
「ガチで戦えるのお前くらいなんだよ。あたしはレトロゲー一緒にやるなら真剣勝負主義だ」
「スーファミってレトロゲーなんですかね?」
「ユイ、高校生だよな……?」
「ピッチピチの高校一年生ですけど」
「死語だぞそれ」
「分かる市ヶ谷さんも大概だと思います」
人これをどっちもどっちという。
「やるのいいですけど、夜中までやるのは勘弁してくださいよ? ぷよからのドラゴン○ボールでめっちゃ遅くなりましたし」
「「スーファ○のDBならハイパーディメンション」が至高」とか、ユイがワガママ言い出すからだろ」
「超武闘伝2を推してくる市ヶ谷さんも大概だと思いますけど」
ちなみにどっちをやるかで一時間揉めた。同年代には絶対通じないよなあ。
というか市ヶ谷さん、レトロゲーを語れる同士が見つかったからって毎回誘わないで欲しい。俺も楽しいからホイホイついてっちゃうっじゃないか(真顔)
結局門限ギリギリまで遊んでた。帰ったら姉さんが生暖かい目で迎えてくれたけど、何もないから。
キャラ紹介
市ヶ谷有咲
ツッコミツンデレ系として有名だが、レトロゲーが趣味なあたり、古のオタクとの相性がいいキャラ。この作品ではちまちました物も弄るのも好きなことになった。
ちなみに好きなゲームは『スーパー○リオRPG』。未だにリメイクを望んでいるらしい。版権的に無理だから(白目)
今井ユイ
シスコン認定には断固として抵抗する系弟。もちろん誰も信じてくれない。
レトロゲーに関しては本人も集めており、シャレでその話題を振ったら「知ってるのか!?」と予想外に喰いつかれた模様。今では暇な時に一緒にゲームをやる仲である。
ちなみに、姉と友希那姉さん以外は基本的苗字+さん呼び。
後書き
よし、誕生日遅くなった言い訳かんりょ(謎の銃声)
……というわけでどうも、別作品の奴に撃たれたゆっくりいんです。今回は遅れながら有咲の誕生日回でした。
最初はプレゼント渡すだけの予定だったんですが、レトロゲー好きの設定を見たら思ったより長くなってしまいました(白目)
?「…………」
つ、次には書くのでお待ちくだせえ(汗)
それでは今回はここまで。感想・評価・誤字脱字などくださると、非常に嬉しいです。
読んでくいただき、ありがとうございました。次回の更新は未定です()