この作品も例にもれず見切り発車だッッッッ‼
死の恐怖がまじかに迫っている…
男は周りを見回し逃げ道がないことを悟った。
隣には硬質ブレードを腹に突き刺して自害してしまった同僚がいる。
「俺もここで終わりか…」
涙を流しながらドサッという音を立てて座り込む。
頭から血が流れているらしく頭に生暖かい気持ちの悪い感触が残る。
「最後くらい…最後くらいあのマヌケ面に一矢報いたかった…」
瞼の裏に浮かべるのはマヌケな顔をした人類の敵…『巨人』
「我々人類に…栄光あれェェェェェェェェェ‼」
そうして男は巨人に丸呑みされて意識を失い『死んだ』
「っつう~ここどこだ?」
男は異臭のする空間で目を覚ました。
「ん~?もしかしてこの体俺のじゃない?」
彼を少し動かしただけで自分の肉体の状況について判断する。
この肉体は彼の肉体と言うには少し『弱すぎる』
「しかもこれって…人間の死体じゃねぇかよ…」
彼は周りを見回しながら液体の上に浮いているそれを調べていく。
「ここどこだよ…ってかコイツ誰だよ?」
彼は自分が居座っている肉体の元の所有者について考察する。
「もしかして…これって特質系の念か?」
念とは彼がもともといた肉体で作られている一種の生命エネルギーの事だ。
オーラとも言われているそれは攻撃や回復、占いなど多岐に使用されており彼はその中でも戦闘に
特化した能力者だった。
「それだったら納得できるし…まぁ考えてもしょうがないか」
彼はあきらめて上を目指す…目的は此処を抜け出すことだ。
「しかも前のやついいもの持ってたみたいだしね…よっとぉお!?」
彼は腰にある『立体駆動兵器』を動かす。
ガスの力で動かすそれはこの世界で唯一人間が開発した『巨人殺し』の武器である。
「念を使えたらよかったんだけど…コイツ開いてないし…まぁ記憶がある分だけましか」
彼は前の男の記憶をみて立体駆動兵器を使いこなす。
普通初見でできるようなものではないのだがそれは彼の体が使い方を覚えていたと言う事だろう。
巨人の口内まで到達すると彼はにやりと笑いながらこう叫んだ。
「幻影旅団ナンバー15アル…少しばかり派手に暴れるぜぇ!」
幻影旅団屈指の戦闘狂が咆哮を上げた。
「疲れたァァァァ…どんだけいるんだよいくら殺してもキリがないじゃん」
彼の足元には彼に殺されたであろう巨人が数体その身を横たわらせていた。
「ったくこちとらさっさとここから抜け出して今の状況を少しでも理解したいところ
なんだけどなぁ」
彼の両手に握られている硬質ブレードには一片の曇りもなく輝き続けている。
彼は最短の手順で巨人を狩り硬質ブレードを節約しているのだ。
しかし最短の手順と言うのは一番難しい時がある。
巨人殺しがその典型でうなじと言う弱点を削ぐために普通は30人必要だと言われている。
「でも俺は関係ないけどなぁ…っと獲物発見♪」
猛犬はただ牙を突き立てる。
己の縄張りを荒らす不届き者を蹴散らすためにただただ牙を突き立てる。
それだけなのに何故か彼が躍って見えるのは我々の見間違いではないだろう…
今日異国にたどり着いた狂戦士はただ笑っていただけだった…血まみれなのを除いては