進撃の蜘蛛«完結»   作:賢者

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独自解釈の方が多いから注意な


夢語の第3話

城の掃除がひと段落した俺は今近くにあった花壇を耕している。

 

実は元調査兵団本部の城はとてもじゃないがあのままでは人が住めないと断言できる程荒れ

果てていた。

 

俺たち特別班は即座に掃除を開始し昼頃にはソレを終わらせた。

 

リヴァイ殿が相当な綺麗好きであったため中々合格をもらえない兵士(主に俺とエレン)もいた。

 

さっさと掃除を終わらせた俺は今ようやくこの世界に来て目覚めた趣味である”ガーデニング”

をやるため土をならしている。

 

と言うか元々ガーデニングは前の世界でも一応かじってはいたのだが如何せんこちらとは違い

娯楽に困ることは無かったため趣味として昇華することは無かったのである。

 

「……っとぉ、これくらいで十分かね?」

 

十分に土をならした後は根をほぐした苗を埋めていく。

 

ここで思いっ切り押さえつけては根に空気が届かないため柔らかい感じで埋めていくと

よく育つ……筈だ。

 

その実、この世界に来て初めて本格的にガーデニングを始めたので仕方が分からない。

 

これは追々研究していく余地があるな。

 

「お前の趣味がガーデニングか……野郎にしちゃあファンシーな趣味だな」

 

後ろからどこか人を突き放したような鋭い、それでいて人を引き付ける魅力を持っているような

不思議な感覚のする声が聞こえた。

 

「悪いですか、趣味は人それぞれでしょう?リヴァイ兵士長」

 

「それもそうだな……それで今植えてる花は何だ?」

 

今手に持っている花はダイヤモンドリリーと呼ばれるものだ。

 

実はこれ、元の世界で俺に花の魅力を教えてくれたある女性が好きな花でもある。

 

確か花言葉は『また会う日を楽しみに』だっただろうか?全く持って今の俺にピッタリな花だと

思う。

 

「聞かねぇな……花にもいろんなモンがあんだな」

 

「えぇ、因みにクローバーは幸せの象徴とされてますけど『復讐』なんて物騒な花言葉もあります

から女性に渡すときはよくよく調べることをお勧めしますよ」

 

「テメェ、俺がそういう事苦手だと知って言ってんのか?」

 

そんな事はありません、と言って二ヨニヨと笑みを浮かべる俺に呆れてハァとため息をつく兵士長

だが手伝うために腰を下ろして袖をめくるあたりツンデレの素質は十分あると思う。

 

「そう言えばお前、この前人命救助をしていた際アル・カーヴァンクルなんて名乗ってた

そうじゃねぇか、どういう意図だ?」

 

そう言えばそう言ってた気もする。

 

あの時俺はこの世界の事を知るために躍起だったからよく覚えちゃあいないが自分のもとの世界に

いた時に使っていた名前とニュアンスが似てたから慣れるまであの名前を拝借してたんだっけか?

 

「別に深い意味はありませんよ、ただあの名前を利用すれば迅速に他の人も救出できるのでは

と考えていただけです」

 

「初対面の時俺に『チビ』なんて言った野郎の言葉とは思えねぇな」

 

アハハ…、と苦笑しながら俺はこの展開をどう切り抜けるかを考える。

 

この話題をつづけることは得策ではない。

 

俺が別の世界から来た人間だと分かればあのエルヴィンと言う男に根掘り葉掘り情報を引き出され

るに違いない。

 

まぁ、その前に『信じれば』という前提がつけばではあるが用心に越したことは無い。

 

本当は話してもいいのだろうが何か意図的と言うかなんというか『虫の知らせ』的な物が話すな

と言っている。

 

長らく戦場に近いところに身を置いているから何となく理解できるがこういう直観は大体当たる。

 

しかし今回のソレいつものとは何か違う。

 

何か……何か強要されたような、そう仕組まれたような感じがしてならない。

 

俺はその仕組まれたような感じのする直感に従い俺は言葉を濁しながら追及を逃れた。

 

そして話は”もし夢が叶うなら”なんて言う方向へと変わっていった。

 

「お前はどうなんだ?」

 

「俺ですか……俺は犬に腹いっぱい肉を食わせてあげたいですね」

 

「そらまた何でだ?」

 

「人間なんて増えたってロクなことにはなりゃあしないでしょう?だったらまだ犬に飯を分けた方

が建設的だ」

 

「言うじゃねぇか、お前が所属してんのはその増えたってロクな事にならない人間を自由にする

とこだぜ?」

 

確かにそうだ。

 

ここの最終目的はエレンの言葉を借りるとすれば『巨人を駆逐する』事だ。

 

そんなとこに入っている俺が人間様を皮肉るなんざ滑稽以外の何物でもないだろう。

 

「まぁこの極限状態で別の意味で真っ直ぐ育っていってる純粋な奴がいるのも事実ですよ?」

 

「その方向性が問題なんだと思うがな……それよりお前犬やらガーデニングやら随分とファンシー

じゃねぇか、どこでソレを植え付けられた」

 

「う~ん、好きな女の子の影響ってやつですかね?比較的ソイツと一緒にいることも

多かったですし……それより兵士長はどうなんですか?」

 

「俺は……何だろうな?分からん」

 

「俺だけに喋らせるなんてひどいですね、流石兵士長殿ってやつですか」

 

「そう言うんじゃねぇよ、ただ俺が平穏な日々になじんで何かしてるってのが明確なビジョン

として思い浮かばねぇだけだ……下手したら平和になる前に死ぬかもしんねぇ」

 

成程なと思う。

 

コイツの纏っている空気はまさしく戦士のソレだ。

 

多分平和になったとしても戦う以外にコイツの選択肢はないのだろう。

 

「これでいいか……兵士長ありがとうございました」

 

「いやいい、それより数日後第57回壁外調査がある……休息は良く取っておけ」

 

俺はこの世界の敬礼をしながら彼の背中を見送っていく。

 

俺はその後この頃の日課になっている筋力トレーニングを行った後就寝した。

 

そして壁外調査当日俺はこの世界の奇妙な巡りあわせを実感することになる。




死亡フラグはたくさんたてたしもう次で殺して最終回だな

元々長々続けるつもりはなかったから結構いい短さだと俺は思う。
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