休みがあけたら次の日。今日は朝から村上からの連絡があった。後2日ぐらいでファイズギアの修理が完了するそうだ。が、デルタフォンが使いにくくて聞いていて少しイライラしていた。
まぁ、そんなことはさておき、今日はどう言う訳かクラス中がザワツイていた。どうやらこのクラスに転校生が来るようだ。しかも2人。そしてその内の1人が男だと言う。
しかし気になるのはそこではない。毎度の事ながら、一体どこからそんな情報が回ってくるかだ。男子校だろうが女子高だろうが、中学校や小学校でも、先生が伝える前から何故か全員が知っている。ある意味七不思議である。
一夏が何も考えずに目を瞑ってボーっとしていたら、真耶と千冬が教室に入ってきた。
「ホームルームを始めるぞ。全員座れ。織斑は起きろ」
その後、連絡事項を手短に済ませ、恐らくクラスの全員が聞きたいであろう連絡を、真耶に言わせた。
「はい。ええとですね。皆さんもう知ってると思いますが、今日は2人の転校生を紹介します!」
知っているとは言え、やはりテンションが上がるようだ。現在進行形でクラスが盛り上がっている。
「落ち着かんか!自己紹介が遅れるだろ!!」
千冬の一言で、クラスが一気に静まった。これだけ見るとクラス中から恐れられてる人物にしか見えない。だが、またすぐに騒がしくなることだろう。
「始めろ」
「シャルル・デュノアです。フランスから来ました。この国では不慣れなことも多いかと思いますが、皆さんよろしくお願いします」
「やっぱり、男……」
「はい。こちらに僕と同じ境遇の方が居ると聞いて、本国より転入を―」
人懐っこそうな顔。礼儀正しい立ち振舞いに中性的に整った顔立ち、濃い金色の髪。華奢に思えるぐらいに細く、スマート。シュッと伸びた足。
……チッ。モテ要素の塊である。作者が近くに居たら、即藁人形を作って呪うだろう。おや?後ろの方で釘を打つ音が……。
「きゃ……」
「あっ」
なんか嫌な予感がしたので、とっさに耳をふさいだ。次の瞬間、
「きゃああああああ!!!!」
「ングッ!グッ!」
クラス中に大きな衝撃波が響き渡り、ガラスに軽くヒビが入った。これぞIS学園の最終防衛システムだ。襲撃にあっても一瞬で片付き、なおかつ相手を殺さずに生きた状態での確保が可能だ。まぁ鼓膜は無事ではすまないだろうがな。
「男子!2人目の男子!」
「しかもうちのクラス!」
「美形!守ってあげたくなる系の!」
「地球に生まれて良かったーーー!!!」
元気な事でなによりだな。このクラスは。
「貴様ら。少しは静かに出来んのか?まだ残っているだろ。それとも、それを認識できんのか?」
あまりにも五月蝿いことに、少しイラッと来たようだ。言葉と共に僅かに殺気が含まれている。
「み、皆さん。まだ自己紹介が終わっていませんから~!」
「……」
挨拶ぐらいしろよ。無言は止めてやれ。山田先生が可哀想だ。
「……挨拶をしろ。ラウラ」
「はい。教官」
礼儀正しいと言えば礼儀正しい。が、ズレている。クラス一同、ポカーンとしている。
「ここではそう呼ぶな。私はもう教官ではない」
「了解しました。ラウラ・ボーデヴィッヒだ」
至極シンプルである。
「い、以上ですか?」
「以上だ」
このいたたまれない空気をどうにかしてくれ。山田先生は出来る限りの笑顔を作ってラウラに聞くが、無慈悲な即答だけで、泣きそうな顔をしている。先生をいじめるな。興味無さげにラウラの様子を見ていると、バッチリ目があった。
「ッ!貴様が―」
何故か急に殴られた。他の作品では兎も角、この作品で一夏とラウラは初対面の筈だが。
「どうした?虫でも止まってたか?」
が、一夏は全くダメージを受けていない。あんな無駄な動きの無い平手打ちを受けたのに。こんな一夏を見て、周りの人は少なからず引いている。
「ッ!?私は認めない。貴様があの人の弟であるなど、認めるものか!」
「アンタ1人が喚いた所でその事実は変わらねぇよ」
なんか訳の分からない事を言って自分の席に向かっていった。
「はぁ、ホームルームはこれで終わる。各自着替えて第2グラウンドに集合しろ。今日は2組と合同でIS模擬戦闘を行う。解散!」
ホームルームも終わったので、一夏はとっとと空いてる更衣室に向かおうとしたのだが、
「待て織斑。お前、デュノアの面倒を見てやれ。取り敢えずお前は同じ男子だろ」
予想はしていたが、実際頼まれると面倒なことこの上ない。しかも随分と言い方が酷い。
「君が織斑くん?初めまして。僕は―」
「んな事はどうでも良い。早く移動するぞ。女子が着替え始めてるぞ」
説明すると同時に、デュノアを連れて教室から出ていった。
「男子は空いてる更衣室で着替えろ。実習のたびに移動になるからとっとと慣れろよ」
「う、うん……」
何故かソワソワしている。
「どうした?トイレか?」
「ち、違うよ!」
「そうか。置いていかれたくなかったら急げ」
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