「ウッ!……ここは?」
「保健室だ」
「教官……!?私は一体……」
学年別トーナメントの一件の数時間後に、ラウラが保健室で目を覚ました。
「VTシステム。ドイツ軍のお前には分かるな?」
「ヴァルキリー・トレース・システム……モンド・グロッソ部門受賞者の動きをトレースするシステムだと聞いています……ですがあれは……」
「ああ。ISの条約で現在はどの国家、組織、企業において全ての研究や開発、使用が禁止されている。それがお前のISに積まれていた」
「そんなまさか!?」
「まぁそんなことはどうでも良い。ラウラ、実際アイツと戦ってどう思った?」
この質問に驚いた。もっとVTシステムの話が続くかと思っていたからだ。だが、きた質問は一夏と戦ってみての感想だった。
「……楽しい、そう思いました。戦いのなかで起こる胸の高鳴り、久しく忘れていた高揚感。限界の中で繰り出される、1つ1つが命を持った重たい攻撃。おかしい話ですが、あの男とはもっと戦いたいと思いました」
これは全て事実だ。ラウラが戦いの中で感じた、心の底から楽しいと思った戦い。現に話しているラウラの顔は、実に楽しそうだ。
「そうか。何故VTシステムが発動したのかが不思議なぐらいだな」
「恐らく、私が力を求めたからです。この男に負けると思ったときに……もっと戦っていたいと思っていましたが、アイツだけは絶対に潰すと言う思いが混ざって今回の事態に至り、力に溺れたのかと……」
「なら、今度からは溺れないことだな。まぁ、この学園で私が指導する限り、再び力に溺れる事は無いだろう。今は私の授業に耐えるための体力を付けるために休んでおけ」
それを伝えると、千冬は保健室から出ていき、現在引っ越し作業が行われている一夏の部屋へと向かった。ラウラもその後は傷を治すために寝た。
現在、一夏の泊まっている部屋では引っ越し作業が行われているのだが、思ったより捗っていなかった。理由は簡単だ。IS学園の寮に使われている家具は、かなり重たいのだ。
素材なんだよ?って言いたくなるレベルでクソ重たい。大型のブラウン管テレビを3台位一気に持つ方が軽いと思えるレベルだ。
「やっぱり終わってなかったか……」
「姉貴……。これいつ終わる予定なんだ?」
「さぁな。本来は1日はかかる作業だから知らん」
この言葉を聞いて、ファイズになって一気に片付けようかと思ったが、そもそもファイズだと力が大きすぎて家具が壊れてしまう。その為、渋々生身で手伝うことにした。
~5時間後~
「あと……半分……」
~更に3時間後~
ガンッ!
「あ、目覚まし時計壊れた……」
「おい、気を付けろよ。フローリング直すのに時間がかかるから」
人の心配より床の心配かよ。と文句を言いたくなる。
~そのまた更に2時間後~
「やっと……終わった……」
「ご苦労様でした」
結局、作業が終わったのは夜中だった。作業を最初から手伝っていた一夏は既にフラフラである。トーナメントの後にすぐ行われた作業のため当たり前だ。
因みにデュノアだが、現在は千冬の部屋に居る。(しっかりと片付いている)作業が長引くのは目に見えていたので、千冬が自分の部屋で過ごすように言ったのだ。
「一夏、シャワー浴びたらすぐに寝ろよ」
「当たり前だ……」
千冬の言葉通り、シャワーで体を洗い、ベッドに入ると深い眠りに入った。あまりにも疲れていた為か、死んだように眠っている。
次の日。この日はラウラも復帰し、デュノアも女性として再編入した。デュノアが女だと判明したさいに誰かが「織斑君はデュノアさんが女だって知ってたの?」的な発言をしたため、クラスが少し混乱した。千冬の一言ですぐに片付いたがな。だが問題はそこでは無い。居ないのだ。一夏が。
「恐らくまだ寝てるんだろう。昨日遅くまで作業してたからな。日付け変わってたし……誰かに起こしに行かせるか…」
「でしたらこのセシリア・オルコットが!」
「千冬さん!私が行きます!」
「僕のせいだし僕が行こうかな?」
「いや、ここは私が」
と、4人が手を挙げ自分が行くと言う。だが千冬はそれらを無視し、4人の後ろに目を向けた。
「そうだな、布仏。お前が行け」
「は、は~い?分かりました?」
一瞬、「何で自分?」みたいな顔をしたが、千冬から合鍵を受け取り、学生寮に向かった。
「織斑先生!何故わたくし達の中からではなく布仏さんを!?」
「そうです!接点のある私の方が良いではありませんか!!」
と、オルコットと篠ノ之が抗議したが、千冬にとっては全く無意味だった。
「はぁ、そうか。では、まずオルコット。貴様はここのところ成績が右肩下がりだがどうしてだ?」
「一夏さんとの訓練に時間を使っていたからですわ。それが何か?」
「成績が下がっているヤツを授業から抜けさせる訳が無いだろ。次に篠ノ之。貴様は何をするかが分からない。今までの織斑に対する行動から、まず貴様に行かせることは無い。そもそも、お前はただでさえ謹慎があって授業が遅れている」
この言葉にはぐうの音も出ない。実際、オルコットは最近の小テスト等での成績が落ちてきているし、篠ノ之に関しては1週間の謹慎、一夏に対する様々な危険行為等の前科がある。
「次にボーデヴィッヒ。貴様の保健室での発言で、私は少々危ないと判断した。寝込みを襲う可能性が無いとは言えないからな」
「わ、私はその様な卑怯な真似はしません!信用ならないと言うのなら、身一つで行きましょう!無論武器を持っていないことを証明するため、服は着ません!」
「その行動も十分問題だ馬鹿者!最後にデュノア。お前は何と無くだ」
「ちょ!ボクだけ適当じゃないですか!?」
簡単に言うと、どいつもこいつも何をするか分からないからだ。
「お前ら全員が凰の様な性格なら兎も角、邪な考えを持っている上に、成績が危ういヤツらを行かせるわけが無いだろ」
確かにデュノア以外、起こしに行く以外に何かを考えていたようだ。
「まぁ、布仏なら間違っても何かが起こることは無いからな。成績もクラス上位だし。分かったらさっさと席に着け小娘共」
渋々席に座り、授業を受けた。が、ラウラとデュノア以外の2人は真面目に聞いていなかった為、授業中に何度か出席簿を頭に食らった。
「え~っと。あ!あった。おりむー起きてる?」
鍵を開けて、声をかけながら中に入っていった。起きていれば返事があるはずなのだが、無いところを見るとまだ眠っているようだ。
寝ているのに気付くと、ベッドの方に行き一夏を起こそうとしたが、声をかけても全然起きない。
「おりむー!お~き~て~!」
一夏を揺らしながら起こそうと試みたが、一向に起きる気配がない。
「お~り~む~!わぁ~」
急に本音の視界が暗くなった。何故かはすぐに分かった。一夏が本音を抱き枕にしたからだ。一夏を揺らしているときに寝返りを打ち、そのまま枕にされたようだ。
「え?お、おおお!」
最初は少し焦ったが、少し時間が経つと
「ZZZ」
本音も寝てしまった。彼女の性格上、あり得ないことでは無いが、これは2人揃って欠席だ。
因みにこの後、あまりにも遅かったので千冬が来てみたら、2人仲良く寝ていたので写真を撮って静かに部屋から出ていった。2人が起きた後に、千冬から写真を見せられてイジられた事は言うまでも無いだろう。本音は顔を真っ赤にさせていたが、一夏は通常通りだった。何故か鈴もその写真を持っていたな。笑いながら一夏に見せていた。
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教えて!憲八先生~!!
はい。今日はクロロンヌさんからの質問です。
『今までで本気でキレそうになった瞬間はありますか?』
もちろんありますよ。変えることのできない容姿を馬鹿にしてきたりは理不尽な理由で暴言吐かれたり攻撃された時などは特に。ただキレる事を気にする必要はありません。そんなことしてくるヤツとは時間が過ぎれば関わることは無くなってきます。学生故に「いじめ」と言う物で片付いていますが、実際は傷害罪、強要罪、名誉毀損、窃盗、犯罪教唆そして殺人罪等と全て重罪です。社会人になってもそれをやって来るヤツは確実にまともな生活はできていません。
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