次の日の朝、一夏は木場に泊まる様に言われた部屋で目を覚ました。しかし何故か頭を抱えている。
(ヤベー。記憶がフワフワして何も思い出せねー。何で枕元に女子用の制服があるんだ?何で俺包帯だらけなんだ?つかここ何処だ?意識朦朧として本音に運ばれたのは覚えてるけどそこから先何も覚えてねー……)
頭を抱えながら自分の状況を確認している。意識が可笑しくなっている時に女子の制服を着てしまったのか?等を考えてしまった。だが、キチンと畳まれてい辺り、それは無い。と言うかそもそもサイズが合わない。
「ん?なんだ?」
周りを見ると、自分の使ってる布団の隣半分が膨らんでることに気が付いた。何と無く捲ってみると、そこにはスヤスヤと寝ている本音が居た。
「…………」
ゆっくりと、布団を戻した。そしてもう1回捲って確認をした。しかし結果は同じ。何度確認してもそこには本音が居た。服装は聞かないでね。皆さん1番最初に予想した通りの服装だから。
「……シャワー浴びてこよう」
朝からよく理解出来ない状況。イヤ、理解したくない状況に、一夏は考えるのを止めてシャワーを浴びることにした。
そして、これと似たような状況が別の部屋でも起こっていた。しかも随分と身近な人物がだ。
「あっ…あぁ。朝か。ん?何で私は何も着ていないんだ?……ッ!」
大事な事を思い出し、顔を真っ赤にさせた。しかし昨晩はそこそこ飲んでいたので、記憶は一夏同様にフワフワしている。
(一体昨日の夜に何があったんだ~!イヤ待て頭は痛いが何か覚えているかも……ダメだ残念ながら何も思い出せない~!イヤ!でも何も起きていないかも!と言うか仕事中に何か起こしてたらそれはそれでマズイ!!)
自分の使ってる布団を捲り、中を見てみた。誰も居なかった。この事に安心したが、一応触って確かめてみると、少し暖かかった。
(絶対誰か居た~!!)
まぁ誰かと言っても1人しか居ないけど。懲戒免職と言う4文字が頭の中を横切った辺りで、風呂から草加が出てきた。
「起きたのか。朝食までには少し時間があるぞ」
「ま!雅人さん!き!昨日の夜は!?」
「……何も聞かない方が良い」
「////ッ!!」
肩に手を置かれて言われたその言葉に、再び顔を真っ赤にして、今度は目を回しながら気を失った。
「ちょっと遊びすぎたか」
爽やかな良い笑顔で笑っていらっしゃる。どこまでが悪戯かは分からないが、実に楽しそうだ。
「えぇ~。昨日、全員が知っている通り、トラブルがあった。内容は言えんが、皆には迷惑をかけたことに変わりはない。そこで、帰りの時間をずらし午後4時まで初日と同様自由時間とするようにと、学園から連絡があった。以上!」
千冬の連絡に、生徒達のテンションが上がった。今日もほぼ1日自由に過ごせるのだ。全員、急いで部屋に戻り、水着に着替えて海で遊び始めた。
「さてと。何をやるか……」
「おーりむー!!」
「ウワッ!」
後ろから本音に抱き着かれた。
「あぶねーぞ。?着ぐるみはどうした?」
「今日は着てないよ」
今回は置いてきたようだ。乾かなかったのだろうか?今日はビキニタイプの水着だった。
「可笑しいかな?」
「イヤ。似合ってると思うぞ」
一夏に水着が似合ってると言われ、嬉しそうにしている。
「一夏~!本音~!海の家行きましょう!」
「海の家?」
「リンリン何かやるの?」
「えぇ。料理の美味しいって評判だから全メニュー制覇しようと思ってね!」
実に鈴らしい元気な理由だ。全メニューとはまた、随分と思いきったな。
「お~!面白そう~!行こう行こう!」
本音も乗り気である。この2人なら本当に全メニュー制覇しそうに思えてきた。そんな2人を見て、一夏は苦笑を浮かべている。
「おじさ~ん。全メニューちょうだ~い!」
「えぇぇぇぇえ!!?」
小柄な2人が、メニューを全て注文したことに、店長はかなり驚いていた。古い表現だが目玉が飛び出るくらいにだ。
料理が来ると、2人は早速かじりついた。スゴい勢いで減っていく。どこにそんなに入るんだよと聞きたい。
「ちゃんと噛んで食えよ」
「「はーい!」」
2人に注意しながらも、一夏も出てきた料理を食べている。
~2時間後~
「嘘だろ……マジで全メニュー食っちまった……」
出されたメニューの料理全部を完食した3人を見て、店長は驚いている。と言うか軽く引いている。
「ふぅー!美味しかった!」
「噂通りの味だったね~」
「あの、いくらですか?」
「あぁイヤ。こんなに食ってくれたんだ。何か、逆にもう良いよ……」
2人の食欲は、店長に代金はいいと言わせるレベルでスゴかったようだ。
「あっ!最後にかき氷下さい!」
「私も~!」
「「………………」」
かき氷を受け取り、満足そうに海の家から出た。一夏は出るとき会計に諭吉さんを1枚置いてから出ていった。
海の家のメニュー全てを制覇した3人は、特にすることが無いので海岸をブラブラ歩いていた。
「食後の運動になんかやるかな……」
軽く運動をしたい一夏は、辺りを見回していた。すると、
「あ、一夏。ビーチバレーやらないか?」
「お前が相手をするのか?」
「構わないが」
草加からビーチバレーのお誘いを受け、参加するこことなった。
「じゃあ、ルールの説明をするわよ!今回は2VS2の1試合。先に相手から3点モギ取った方が勝ちよ!」
鈴のルール説明の声を聞いてか、周りには沢山の生徒がよってきた。彼女らも試合が気になるようだ。……死合にならないと良いのだが……。
「草加さんのペアは決まってるけど……一夏、あんた誰と組むの?」
「あ……」
完全にペアを忘れていた。
「忘れてたのね……仕方無い。木場さんでも呼んでくるかな……」
ペアが居ないとどうしようも無いので、木場を連れてこようとしたが、現在木場は気持ち良さそうに日光浴中だったため、誘うのも悪いと判断し声をかけなかった。
「仕方無い。アイツ呼ぶか」
「ん?誰か居るの?」
『Battle Mode』
一夏がギャラリーの中から選ぶのかと思ったが、電話をかけるとスゴく聞き慣れた電子音の後に、スゴく見慣れた人型のロボットが出てきた。
「これでいいだろ」
確かに問題は無い。ペアが居るのだから。むしろバジンで安心している。普通にここの生徒がやったら怪我では済まないだろうからな。
「色々と問題が見え隠れするけど、大丈夫みたいね……始め!」
「おりむー頑張れー!」
草加のサーブを一夏が綺麗にレシーブすると、上がったボールをバジンがトスを、せずに相手のコートにツーアタックを決めた。
「なっ!?」
「ハッ!?」
何故か一夏も驚いている。綺麗にツーアタックを決めたバジンはと言うと、
「……」
言葉は発していないが、満足そうにサムズアップしている。
「…………」
バジンの行動に、言葉を失った一同だった。そしてサーブは一夏ペアへと移った。しかもサーブをするのはバジンである。
バジンの見ため的に、全員普通にオーバーで打つのかと思ったが、またしても裏切られた。ボールを高く上げ、ジャンプサーブを打ったのだ。かなり強烈なヤツを。スゴくシュールな光景だった。
「落とすか!!グッ!千冬!上げろ!!」
「はい!」
「ゼリャ!!」
「グワァ!!」
草加の打った強烈なスパイクは、ブロックで飛んだ一夏の壁を突き破り、砂浜にボールがめり込んだ。
「チッ!草加、全力で行くぞ!」
『555 ENTER』
「面白い!」
『913 ENTER』
『『Standingby』』
「「変身!!」」
『『Complete』』
2人にとっての全力、お互いに変身し文字通り全力で終わらせる様だ。
「食らえ!!」
一夏の放った全力のジャンプサーブ、何故ボールが破裂しないのかが不思議だ。
「グッ!千冬!叩き込め!!」
「ハァ!!」
千冬のスパイクは、完全に決まったと思ったが、落下地点に来ていたバジンによって、かなりの高さまで上げられた。
『『ENTER』』
『『Ready』』
「ハァァァ!!」
「デリャ!!」
「ヤバ。本音、逃げるわよ」
「アイアイサ~」
ズドォーン!!
「な!なんだ!?」
突然起こった爆発に、日光浴をしてウトウトしていた木場が驚き、音のした方向を見てみた。
「何でクレーター?」
一夏と草加は変身が解除された状態で倒れ、千冬も横になってる。バジンに関しては半分砂に埋まっている状態だ。
「一夏と草加さんがビーチバレーをやったからです」
「ビーチバレーとは一体……」
帰りのバスの中では、何故か包帯や湿布、絆創膏を付けた生徒がたくさんおり、真耶が不思議そうに見ていた。
次回はコラボトークショーです。
新ストーリーを乗せるかどうか
-
乗せる
-
乗せない