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「イッチー!勉強会行こう~!」
「時間はまだ……もう8時か……すまん。すぐに準備する」
本音に声をかけられて寮のドアを開けると、寝間着のジャージ姿の一夏が出てきた。どうやら本音の声で起きたようだ。寝癖が付いている。
「鈴はどうした?」
約3分ほどで準備を全て終わらせ、外に出られる服装に着替えてきた。辺りを見回したが、言い出しっぺの鈴がいない。恐らく一夏と同様にまだ寝ているのだろう。
「鈴の部屋って確か寮の出口付近だったよな?」
「うん。来るときに声かけたけど、返事なかったからイッチーの所にきたの」
「そう言やぁ、アイツ朝弱かったな」
「あイッチーと同じだね。兄妹みたい」
「やめろ。頭痛くなる」
そうとう兄妹扱いされるのが嫌な様だ。苦虫を噛み潰したような顔をしている。しかし、そう言われると確かに一夏と鈴は共通点が多い。頭使ってる割りに意外と単純だったり、朝が弱かったり、案外悩筋だったり、たまに友人を友人として扱うことを放棄したり……かなりの共通点がある。
「この部屋だな」
コンコンコン
「やっぱり寝てるのかな?」
「チッ。おい鈴!起きろ!時間だぞ!」
ノックを繰り返しながら声をかけるが、いっこうに返事がない。同室の生徒はもう何処かへ行ったのだろう。居たのなら出てくる筈だ。
「朝からなにやってるんだ五月蝿いぞ。休みの日だからまだ寝ている生徒もいるんだ。少しは気を使え無神経バカ」
「姉貴」
「織斑先生。実は……」
朝からスゴい罵倒をされたが、本音が丁寧に事情を説明すると納得してくれたのか、寮のマスターキーを使って鈴の部屋を開けようとした。
「つまり、勉強会の言い出しっぺであるもう1人の無神経バカを起こしに来たと言うことか……」
鍵を開けると入れと一言言って千冬は立ち去っていった。一緒に入ろうとしない辺り、何か間違いが起こることはないとある意味信頼しているのだろう。
「おい鈴!……やっぱりまだ寝てたか」
「清々しいくらいに気持ち良さそうに寝てるね~」
「コイツ……!」
絵に描いたかの様な清々しい寝相に、怒りを覚えて殴ろうと拳を構えたが、一夏がそれを振り下ろすよりも早くに本音がベッドの敷布を掴んだ。
「そぉ~れ~!」
「フベッ!?なに!?何事!?」
ベッドから叩き落とされたて起きたは良いが、まだ寝ぼけてるようだ。脳天に手刀を叩き込んだ。
「いった!!何すんのよ一夏!!」
「テメェ今何時だと思ってやがる?言い出しっぺが何気持ち良さそうにグースカ寝てんだよ!」
「だからって女に一撃いれる!?しかもベッドから叩き落として!」
「あ、落としたのは私だよ~」
「クッ!……はぁ、取り敢えず着替えるから出ていって。見ての通り私今下着なのよ」
「はいはい。さっさとしろよ」
「ちょっとは反応しなさいよ!!いや、期待はしてないけども!」
「なにに反応しろってんだよ」
「この……無神経バカがぁぁう!!!」
「イテテテテテテ!!!噛み付くなバカ野郎!!」
無反応だったのが余程気に食わなかったのか、一夏の背中にしがみついて頭に噛み付いた。そんな鈴を振り払って部屋から出ていき、鈴が出てくるのを待った。
「全く……朝から疲れたわ……」
「テメーが寝坊するからだろ。さっさと行くぞ」
「バジンに乗って?」
「あれ2人乗りだぞ。サイドカー付いてねぇんだよ。電車とバス使うしかないだろ。さっさと行くぞ。外出届はお前の分も一緒に出したからよ」
その後、電車とバスを使って集合場所である弾の家へと向かうのだが、鈴の寝坊で到着が30分程遅れてしまった。
「おいおい。呼んでおいて遅刻とは……良いご身分だな~。これはここの食事を1つ2つ奢って貰わなくちゃ割りにあわないぞ?」
一夏と鈴を軽く睨み付けて、かけている眼鏡を中指で押し上げているこの男が数馬だ。待ちぼうけ食らって相当ご立腹の様。
「いやぁ~ハハハハハ……ごめんね?私と一夏が寝坊しちゃって」
「大幅に遅刻したのは鈴のせいだがな」
「はぁ?アンタも人の事言える時間に起きたのかしら?えぇ?どうなの?ねぇ?言ってみなさいよ~?え?どうなのさぁ?」
「こりゃ久し振りに拳で話し合いをつけないといけないみたいだな……」
「ほう……よろしい。ならばクリークだ」
責任の擦り付け合いで血を見ることになりそうになっている。所詮戦争なんてこんなことが原因で起こるんだろうなと、この2人を見ていると思ってしまう光景だ。
「おいガキども。喧嘩やるのは構わんが、店の外でやれよ?テメェらが勉強するって言うから態々臨時休業にしてやったんだ。その上店ん中荒らされたんじゃかなわねぇ」
厨房から巨大な中華鍋を両手に持った状態で、この店の主である厳が出てきた。五月蝿い2人を殴る予定なのだろう。その中華鍋で。
「げ、厳さん……」
「なんで店休みなのに厨房にいるんだよ……」
「しゃぁ~ねぇだろ。今日突然休みにしたんだぞ。いつも通り癖で入っちまったんだよ。お前らの飯でも作っておいてやる。さっさと勉強しろ。ついでに弾の野郎にも教えてやってくれ……んでそっちの子は?」
厳はそう言いながら、一夏と鈴の後ろにいる本音に目を向けた。数馬もそう言えばと言う感じで2人に尋ねた。
「布仏本音で~す!今日はイッチーとリンリンと一緒に勉強しに来ました~!」
「「……一坊/一夏の恋人か?」」
「何故その結論に至った……間違っちゃいないが」
察しの良すぎる2人に若干の気持ち悪さを覚えつつ、テーブルをいくつか移動させて勉強しやすい様にした。並べ終わると上から弾が下りてきて目を丸くしている。
「なんだこの状況?」
「おう弾。ちょうど良い所に下りてきたな。お前も一緒に勉強教えてもらえ。成績が心配だからな」
厳に進められ、一夏たちの用意したテーブルの席に座りノートと教科書を開いた。
「なぁ一夏、その人誰?」
「ん?あぁ、本音だ。再来週テストだから一緒に勉強することになった」
「ほ~ん。弾だ。よろしく。で~…えっと……」
本音と軽く自己紹介を交わすと、鈴の方に目を向けた。しかし、何故か名前を呼ばない。と言うか、鈴と認識しているかが怪しい反応をしている。
「どうした?」
「いや。どっかで見たことあるんだけど……」
「顔面の認識機能死んでんのかよ」
「へぇ~。アンタ、友達の顔忘れるとは良い度胸してるわね~。せっかく会いに来たのに、そう言う反応しちゃうんだ~。へぇ~」
確かに今日はいつものツインテールからポニーテールに変わっているが、それだけで気付かないのはおかしい。そんな弾に、鈴は青筋を浮かべて激しく怒っていた。
「あ、鈴か。すまんすまん。髪型変わってたから誰だか分かんなかったわ。久し振りだな」
「えぇお久し振り。バカは相変わらずの様で安心したわ~」
また喧嘩が始まりそうな雰囲気に突入したが、痺れを切らした数馬がさっさと参考書とノートを開いて勉強する体制を完成させた。これで嫌でも喧嘩ができない。
「さてと。俺と弾の学校は赤点のラインが高い訳じゃない。どの教科も30点未満が赤点だ。それに比べてお前らIS学園組。世界のいろんな国の連中がいるんだ。普通に考えてもレベルは高くなる。だから今回はお前らに合わせて進めていくぞ」
「了~解」
「つー訳で、まずこれ読め」
「ん?ノート?」
国語です数学、科学、英語、IS基礎と書かれた5冊のノートを差し出された。
「取り敢えず、一夏が送ってくれたIS学園の教科書と今までの授業ノートを見て、それぞれの教科の出やすそうな所をまとめてみた。他のは嫌でも赤点ラインを突破するだろうから作ってない」
「お前……この短期間で送ったデータ分全部まとめたのかよ!?」
「カズマンって何者?」
「やめときなさい本音。考えるだけ無駄よ。コイツはIQ380の天才。それ以上は考えない方が良いわ」
「それって、実際の所どれくらいスゴいの?」
「歴史上の人物で言うと、レオナルド・ダ・ヴィンチの2倍だ。想像するだけで頭痛くなる。草加ですら180だってのに。笑わせんじゃねぇよ」
「別に笑わせてねぇわ。つかカズマンってなに?」
「お前の渾名じゃね?」
さりげなく弾の分のノートも渡して、中身を説明していく。そして大体終わった所で、今度は別のノートを出してきた。
「こっちはお前らがやって来た小テストの内容を見て、どの問題が出やすそうなのかをまとめて模擬テストを作った物だ。流石IS学園教師。良い性格してやがる。面倒な言い回しをしてくるから、惑わされない様に気を付けるんだな」
「「「うわぁ~……」」」
「なに引いてんだよさっさと解け。弾。お前にも作ってきてやったから、そっち解け」
数馬に言われた通り、渡されたノートの中身の問題を解いていく。分からない所はその都度教えてもらうと言う感じだ。真面目に勉強してきたIS学園組は躓く事は少なかったのだが、弾が問題だった。
「テメェはさっきから何回同じところ間違ってんだ!一々教えるこっちの身にもなれ!!そんなに分かりにくい教え方してねぇだろ!!」
「苦手な所なんだからしゃーねぇだろ!!他の所で点数稼いでるんだから文句ねぇだろ!!」
「大有りじゃ!何のための勉強だよ!?にがて残すなよ!結果にコミットしやがれ!」
「RIZ○Pじゃねぇんだよ!!コミットもクソもあるか!!」
こんな具合で、進んだり退いたりしている。
「ユニークな友達だね~」
「少し騒がしいくらいだけどね」
「もう暫くしたら慣れるぞ」
そんな感じでやっていると、いつの間にか12時を告げるチャイムが鳴り響いた。もう昼飯時である。
「昼だな。おいガキども、勉強の手を休めて飯にしろ。なんか作ってやる」
「厳さんありがとうございま~す!なんか手伝いますよ」
「おう。ありがとうよ。弾、テメェも手伝え」
「へいへい。おい一夏。お前もこい」
「なんで俺まで。まぁいいや」
一夏、鈴、弾は厨房へ入っていき、厳と共に昼食を作り始めた。意外にも慣れた手付きで一夏と鈴が厨房の道具を使っていく。弾も自分の家の物だからなのか、素早く準備して何かを作ろうとしている。
「ダンダンって料理できるの~?」
「あぁ。この店の店主の孫だからな。鈴と弾が似たようなレベルで、その上に一夏、更にその上に厳さんがいる」
「ほえぇ。なんかスゴいね」
因みに、料理の苦手な数馬は本音と一緒にテーブルの上を片付けて食事ができるように準備をしている。
「ねぇカズマン。3人ってどうやって仲良くなったの?幼馴染みとは聞いてるけど」
「ん?あぁ、まぁ幼馴染みかどうかは微妙だが、仲は良いほうなのは確かだな。全員タイプ違うけど」
「なんかきっかけとかあるの~?」
「そうだな……」
数馬、眼鏡かけてた方が面白いと思ったので、インテリ眼鏡設定にしました。それらしい容姿が出てこなかったので、完全に勝手な想像です。イメージとしては、斉木楠雄のΨ難の窪谷須亜蓮を黒髪にして少し髪の毛を伸ばした感じです。
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