学戦都市ッッッ   作:明彁音

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バキ4部が執筆されていた頃に構想していた、これまでバキが残していた伏線のようなものを回収しつつ、終わり得ないあの物語を終わらせたいという構想と、花山薫が学園都市にいくSSを見た影響で「このクロスオーバーはいいんじゃないか」と思った直感の混合物です。
主人公やら何やらはそのままなんですが、一部オリジナルキャラクターが登場するので、そこに関しては要注意です。
ゆっくりとやっていきますが、大体5、6部に分けられるものになると思います。
最初は導入部であり、基本的には以降のストーリーのためにいろんな部分に根を伸ばしつつ、本筋は「とある」3巻くらいまでの内容を組み込み、二つの世界観を馴染ませる話になるかと思います。


入門

カッ、カッ、カッ、

と黒板に軽快になるチョークの音。

そして雲ひとつない青空。

『外』の者からすればその『異物』は雲よりも優先するべきはずなのだが、この街の人間にはそれは当たり前のようである。

 

「つまりここは……」

「先生…」

 

同じ様に気付かなければそのまま当たり前の様に成っていた。

全員が等しく感じる体の異変。

かつてない異物の予感。

 

「体の震えが止まらないので保健室に行ってもいいですか?」

 

来たる災いと希望を。

この街に住む全ての生物が感じた。

 

「俺も…」

「それ私も……」

「あ、あれ? 先生も…不思議ね?」

 

その予感が超能力を凌駕する超暴力である事を

この街の人間はまだ知り得ない。

 

_________________________________________

 

同時刻

この街に一人の青年が入門(はい)ろうとしていた。

彼は嘗て『地上最強』の名を冠した者。

世界一を果たし、敗北を与え、4000年を嘲り、古代を超越(こえ)、地上最強の生物をも凌駕し、史上最強を土に還し……

そして今

彼は未来を超越(こえ)

 

_________________________________________

 

「ようこそ学園都市へ…範馬刃牙クン?」

 

黒髪の男が入り口で範馬刃牙を出迎える。

その男は表情(かお)は確かに慈愛に満ちているがその中の殺意が隠しきれていない。

 

「オッサン…無害偽るんだったら殺意(やる気)位隠したほうが良いぜ」

「すまないねェ…でもあのオーガの倅って聞いてたから期待してるんだ。少しはコッチの事情も察してくれると嬉しいな。 実は私も彼の伝説は常々聞いていてね」

「そんなに楽しみなら…」

 

刃牙が実力を誇示するかのように寸止めのジャブを放とうとするが

 

「成る程。 0.5秒をも上回る…噂通りのジャブだ」

「‼︎」

 

男はその腕を難なく掴み、合気を使って刃牙の体を一回転させた。

 

「無論私には効かんがね?」

(強い…!)

 

ストン。と刃牙は優しく着地するが、それは刃牙の必死の抵抗の結果では無く寧ろ何も出来なかった刃牙を気遣ったとも言える程のもので、その一撃とも言えぬ技は確かに刃牙のプライドを傷付けた

が、

 

「だが、落ち着きたまえ…私は君に敵意はない。 だからこそ君は私の動きが読めなかったし、私は君の動きが読めたのだよ。 それにここで戦うのは君にとっても私にとっても利益がない。 そうだろう?」

「確かにな…」

 

この男

実力はあるが、確かに殺意を感じない。

優しい拳は誰をも殺さぬが、それ故誰にも悟られぬ。

かつて渋川剛気がマホメド・アライJr.にあっけなくやられてしまったように

愚地独歩が、わざわざ『菩薩の拳』と呼ばれる技を作ってまで殺意を消したように

殺意の有無こそ

殺意を察知されるかこそが勝敗を大きく左右する。

それ故(こころ)は試合を握る。

 

「まァアンタとは、そのうち()りあうことになるだろうし」

「もちろん…っと、自己紹介を忘れていたね。 私は木原電脳、暫く仲良くさせてもらうよ」

 

木原電脳は範馬刃牙と握手を交わすと

 

「‼︎」

「ふふふ…」

 

範馬刃牙がべシャンッ、と

まるで突然自重に耐え切れなくなったかのように潰れる。

合気

 

「すまないな…驚かせるのが好きなものでね」

「あぁ……」

 

範馬刃牙は飛び起きると同時

豊饒(ほうじょう)な、それでいて厳かな上段廻し蹴りを繰り出す。

まるで芸術作品のようなその美しい一連の動作は、木原電脳に反撃の余地も与えずに意識を数瞬ではあるが遠くへと誘った。

 

「…流石だ、この私でも対応できない攻撃が存在していたなんてな」

「計算尽くの科学者には辿り着けない領域があるッて事さ……」

「やはり調整が必要みたいだな…」

 

木原電脳はそんな蹴りを食らっていて尚

決して地に伏す事はなく

寧ろ倒れかかる前に戻った意識は瞬時に自らの状況を判断し、地に着いた手を起点に蹴りを放った。

それもまた範馬刃牙の手によって防がれたものの、互いの力量は完全に把握した。

 

「なるほど…ね」

「やはり武術は机上の空論ではどうにもならんな…はは」

 

握手を交わすが、決して互いの闘志は消えてなどいない。

だが、ここで燻り続ける場合でもない。

 

「一先ず…この学園都市の『最高権力者』の下まで案内しよう」

「さ、最高権力者ァ…? 何のために俺をそんなところに…」

「私がこの科学の街に武術の誘致を行った。 君の力を以てその価値を認めさせてやって欲しい」

「なるほどな…」

 

兎にも角にも範馬刃牙という怪物が学園都市という要塞に入門した。

数多くの変化と共に

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