「ここが俺の部屋…」
範馬刃牙に与えられた部屋
それはただの学生にしては特例と言えるものであった。
「地下室…」
自らの家の地下室に似たものが用意されていた。
まるで
「知られてるのか…?」
木原電脳と名乗る男
まるで霧の様に正体の知れぬその男は確かに格闘家の影を匂わせていた。
確実に『こちら側』に関わりのある
「まァ…」
強く有る
それだけがここで彼に与えられた使命だった
「試合してェ〜…」
かつてない種類の強敵
衝撃を前に彼の細胞は歓喜していた。
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「…」
「ということで貴方にはこれから学園都市に入学していただきたいと」
「…」
寡黙な侠客
花山薫は喋らない。
「範馬勇次郎……本当に来るんだな…」
「それだけじゃありません…きっとあなたにとってはもっと素晴らしい出会いが待っていることでしょう‼︎」
木原電脳は大袈裟に両手を広げて演出して見せた。
だがその言葉に嘘は感じられない。
「私はこれまでの半生をかけてここまで築き上げてきた…あなた方を小手先の嘘で騙す様な小さな存在ではない‼︎‼︎」
「…」
「勿論、素晴らしい出会いの中には私も含まれているのですよ…」
「!」
瞬間、花山の隣には木原電脳の拳があった。
目に見えない拳
頬に一筋
「どうです? 話に乗っていただけないなら実力行使に出ますが」
「それも悪くねェが…」
巨体が立ち上がる
初めて見た人間はそれを岩と見間違えることこそあれ、高校生だとは思うまい
「その話、乗る」
花山薫、学園都市に入門す
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「…ということで今日から特別講師が来てくれるじゃんよ」
黄泉川愛穂
学園都市にあるとある高校の体育教師の隣にいたのは特別教師として登場するにはあまりにも頼りのないシルエットだった。
「じゃあ渋川先生、よろしくお願いしますじゃん」
「ただいまご紹介に預かった通り今日から特別講師としてここに来た『渋川剛気』といいます。 以後お見知り置きを」
小さな
まるで年端もいかぬ少女のような体躯の老人は深々とお辞儀をした。
まるで頼り無い…
「とは言ってもこんなに小さい老人の言うことなんて信じられんじゃろ?」
「…」
「そこまで畏まらんでもええが…この中で一番真面目なのはおるかね?」
「それなら…」
「わ、私?」
全員の目線が静かに吹寄制理の元へ集まる。
「嬢ちゃん、随分慕われとるようじゃの?」
「き、恐縮です…」
ささ、と促されるままに吹寄は渋川の真正面に着き
渋川は一瞬きっと睨みつけると
「とは言えいきなり激しくやるつもりはありゃせんよ。礼儀の基本は握手から…」
「は、はい…ッッッ‼︎」
渋川の『華奢な手』が吹寄の手によって覆われるたその直後
しっかりと地を踏みしめていたその両足はまるで骨が無くなったかのようにへたり込む。
握手
ただそれだけのことのように見えた
「すまんすまん、驚かせてしまったの…でも、これで本物って分かったかの?」
月詠小萌が「達人って言われてるすごい人らしいのですよー!」と軽く言っていた程度であり、一部学校にいる武道好きな生徒がざわついているから漠然とすごい人だとは思っていた。
だがこれは…
「まるで魔法だ…」
誰とはなしにそう呟き始めた。
この科学技術が発展しきったような街で
「魔法…のぉ」
「いいえ、本当に魔法のよう…」
吹寄制理が渋川剛気に手を引かれて立ち上がる。
「いや、こんなに上手くいったのも嬢ちゃんがワシを信頼してくれとったからじゃな…あ、悪い意図はないんじゃよ? 変に抵抗されたりしたら無傷にならない可能性もあったって話で…」
静寂
握手を抵抗したら無傷ではない
今までケンカといえば腕力か能力だったところに横から全く異質な『技術』が入り込んできた。
「と言うことで、疑ってるなら前に来てくれれば見せるが、あまり堪えすぎると大怪我するから気をつけての」
渋川剛気の前には誰一人立ちはだかることはなかった。