葬儀者の配達人   作:ねこねこさん

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サムから見た彼女の話

俺の名はサム。配達人だ。

 

巷では伝説の配達人なんて言われているが、俺はちっともそうは思っちゃいない。

子供だった頃、この世界で生きていくためには配達の道しか無かった。

少しBTを感じれる力と帰還者であったから今も生きているだけだ。

偶然、偶々生きているだけで、

10年前から俺の時は止まったまま歳だけを取っている。

 

あー、フェネラルの話だったか?

 

 

 

彼女の事は配達人なら誰もが知っているだろう。

かといって俺自身、そして周りの人間も彼女の事をそこまで詳しく知ってるわけでもない。

 

知ってるのは、

他者とあまり関わり合おうとしない。

俺よりもBTがはっきりと視認でき、時雨の影響を受けない。

そして、彼女は双子の妹と繋がっていると言うことだ。

 

どういう理屈かは分からないが、

死亡した妹と繋がっていて、彼女自身のメンタルによってシンクロの度合いも左右されるらしい。

 

彼女が喜べば妹も喜ぶし、悲しめば悲しむ。

遺伝子レベルで近い為か?

 

科学では説明不可能な意志の力か?

まあ、現在ですらBTのことBBのこと、DS自体ほとんど解明されていない。

分からないから、分からない。

とにかく彼女は特異体質と言うことは分かったか?

 

 

配達人としてもかなり特殊な部類にいる。

俺たちは配達人は、

救急キット、ワクチン、対bt兵器、遺伝情報、ありとあらゆるものを運ぶ。

死体も例外では無く、荷物の1つだ。

人は死ぬと48時間後にヴォイドアウトしてしまう。

かといって荒野で燃やしても

タイムフォールを引き起こす時雨を降らせるカイラルスモークが発生し、都市を通過してしまう恐れがある。

 

 

だから2つか3つの山の向こうの山頂にカイラル火葬場が存在する。

 

基本的には雲より高い位置においてあるそれは、時雨によって劣化するのを防ぐとともに、カイラルスモークを都市から遠ざける役割もしている。

 

一部例外もある・・・

よほどのことでない限り行われない危険行為だが、BTの座礁地帯へ死体を持っていくこともある。あらたな座礁地帯を増やさないための措置だが、都市がなくなる危険性もあるので、非常に危険だ。

 

彼女は、死体を運ぶ配達人をしている。

俺がBBを運ぶと同じように彼女は脳と心臓を胸に抱えて運ぶ。

処理も自分でわざわざするし、配達まで一貫して行う。

昔は埋葬や葬儀なんて風習があったが今じゃそんなことは不可能だ。

 

 

 

彼女の時もまた止まっているというか、彼女だけは、ds以前の”死の風習”を今でも大切にしている。

彼女は都市から離れられない。

ママーのように物理的というわけではなく、葬儀者の担い手が他に居ないのが問題だ。

 

時雨に当たる危険性や、遭難、他者からの攻撃等、極限状態の中で俺たちは配達を行っている。もし道中で死ねば地表でヴォイドアウトが発生してしまう。

そんな中でバラした人間の身体とまだ生きている脳と心臓を運ぶなんざ続けていたら確実に狂うだろう。

 

それをもう10年も続けられている彼女は、頭の方も特異体質と言える。

平然と人を解体し、それを配達し、昔の風習を未だに実行し、俺と同じように人とつながろうとしない。

 

 

 

変わった人間、それがフェネラルを説明するのに一番簡単な言葉だろう。

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