あれから一夜明け、千聖も歩けるくらいには治った。本当に良かったぁ.......
ピリピリ
「あれ?電話?誰だろう?もしもs『ねぇ、あんた誰?』ん?」
あれ?いきなり因縁つけられたんだけど.....なんで?
「えっと.....僕はただの一般的な大学生ですが『ならなんであたしの番号知ってるわけ?警察に言うけど』え!?ちょっと待って!!」
なんで?何故に警察に出されるんだ?というかかけてきたのそっちだよね!?なんで?
「とりあえず落ち着こう。とりあえず名前教えてくれる?」
「あんたには絶対に教えたくない。」
「じゃあ.....とりあえず話し合いたいから今日の昼に羽沢珈琲店に来てくれる?そこで少し話すよ。」
「なんか怪しい.....保護者同伴でもいい?」
「別にいいよ。保護者でも警察でも連れてきても。僕も清廉潔白を示したいしね。」
「分かった.....逃げないでよ。」
「((;゚Д゚))」
なんかこの子めっちゃ怖い。いきなりかけてきて圧力的だし、どうしよう.....
「どうしたの、兄さん。」
「千聖か.....なんか知らない人から電話がきて、いきなり因縁付けられたんだよね.....僕何かしたのかな.....」
「ちょっと見せて.....これ蘭ちゃんの番号ね。」
「蘭ちゃん?千聖の知り合い?」
「ええ。Afterglowのボーカル兼ギターの子よ。でもどうして兄さんの.....って、兄さん色んな子の連絡先入れてるじゃない?.....どういうことかしら?」
「え!?なんで千聖も怒ってるの!?うーん.....前に氷川さんに携帯貸した時に勝手に入れられてたからかな。」
「それね。なら私も行くわ。」
「いやいいよ。千聖には迷惑かけたくないし。」
「私のバンドのメンバーが原因なのだから、私が行くのは当然よ。.....それに兄さんがまた自然と口説くのを防ぎたいし.....」
「最後らへん聞こえなかったけど.....まぁ行こうか。」
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「いらっしゃいませ!!千聖さんと来たんですね。」
「うん、この前の約束通りケーキを食べにきたんだ.....」
「え?何かあったんですか?」
「ねぇつぐみちゃん、蘭ちゃんは来ているかしら?」
「はい。さっきお父さんと一緒に来ましたよ。最近仲も良くなってきたみたいで嬉しいですね!!」
「ならそこに案内してくれる?蘭ちゃんに用があるの。」
「はい.....もしかして優希さん、蘭ちゃんにプロポーズするんですか!?」
「違うよ!!ちょっと話し合いに行くだけだから.....」
「(蘭ちゃんと何か関係があるのかな.....ちょっと気になる。つ、付き合ってるとかじゃないよね!?)あ、あの、私も同席していいですか?」
「え....部外者は巻き込めないしな.....」
グイッ
「な、何?千聖?」
千聖の顔が近くに.....いい匂いだな、じゃなくて。
「(.....つい勢いでやったけど、兄さんの顔がこんな近くに.....かっこいい。兄さんの匂いがする.....じゃなくて!!)兄さん、つぐみちゃんも一緒にいてくれれば蘭ちゃんの誤解も解けやすいかもしれないわ。ここは同席してもらいましょ?(小声)」
「え?そうなの.....?」
「あの.....千聖さん?顔が赤いですけど.....」
「え!?.....べ、別になんでもないわよ。とりあえずつぐみちゃんも一緒に来てくれる?」
「はい!!」
「ど、どうも。」
「あんた.....思ってたのと違う。弱そう.....あれ?千聖先輩?なんでここに?」
「蘭ちゃん、少し話しましょうか。」
「はい.....(千聖先輩、なんか少し怖いな.....)」
「待ちたまえ、まずそこの男は誰だね。」
「あ、すみません。自己紹介が遅れてしまいました。僕は白鷺優希ともうします。ここにいる白鷺千聖の兄です。」
「ふむ.....どうやって娘の個人情報を手に入れたのか説明してもらおうか。」
やっぱり父親のほうは警戒心が凄いな。きっと娘さんのことが大切なんだろうな.....
「先日、というか昨日のことなんですが、僕が知り合いにスマホを貸した時に、その人が勝手に色んな人の連絡先を登録してまして.....僕も昨日の夜気づいたのですが.....何かしら対策を行わなかったことに関しては謝らさせてもらいます。すみませんでした。」
「その知り合いって誰?」
「日菜ちゃんよ。」
「日菜先輩ですか.....ちょっとかけてみますね。」
プルプル
「ん?蘭ちゃん?どうしたのー?」
「あの、日菜先輩、千聖先輩のお兄さんに連絡先教えました?」
「あれ?そのことはちゃんとメッセージで送ったんだけどなぁ.....安心してね!!おにーさんはいい人だから!!勝手に入れちゃったのは謝るけど.....別にタラシとかそこら辺の変な男じゃないから安心していいよ!!」
「メッセージ.....?あっ.....本当だ、送られてる。あの因みに、そのいい人ってどのくらいですか?」
「おねーちゃんが認めるくらいだよ!!」
「紗夜さんが.....それなら.....」
「じゃあ切るね!!今から仕事があるから!!」
「はい、ありがとうございました。」
「あの.....すみませんでした、勝手に疑って。」
「え?気にすることないよ、至って当然の反応をしてるんだし。僕なら問答無用でブロックするけどね。」
「兄さん.....それ大学でもやってるの?」
「いや、ちゃんと面識のある人ならokだけど、つてとかで来る人は基本的にはブロックしてるよ。」
「それじゃあ交友関係が広がらないわよ.....心配だわ。」
「ゴホン.....いいかね。」
「あっ、すみません。」
「とりあえず今回は娘の確認不足もありました、早とちりしてすみませんでした。」
「いやですから、娘さんは当然の反応をしたまでで全然悪くないですよ。」
「ですが.....ではお詫びに何かしますが、何がいいですか?」
「いや、そういうのもいらないですって。僕は別に不快な思いはしてませんし。」
「それだとこちらの気がすみません.....」
「だったら.......大学で何かアンケートをとる時とかに協力してくれませんか?それ以外特に思いつかなかったんですが.....」
「それくらいのことなら喜んで協力しよう。」
「ありがとうございます.....ところで君の名前は?」
「美竹蘭.....です。」
「こんなことがあったらこれ言うのもあれだけど.....よろしくね。」
「よろしく.....」
とりあえず一件落着ってことでいいのかな?
「良かったぁ、蘭ちゃんが付き合ってるのかと思っちゃったよ。」
「つぐみ!?いつからそこに?」
「ずっといたよ。気になってたし.....蘭ちゃんが変な事に巻き込まれてなくてよかったよ。」
「.....では私はここで失礼させてもらいます。」
「アッハイ。ご迷惑をおかけしました。」
「それはこちらのセリフだね.....君は見た目に反して誠実なのだね。」
「え!?」
「冗談だよ、では失礼させてもらう。」
そう言って美竹さんは帰っていった。.......丸く収まって良かった.....
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ガールズトーク
「つぐみって白鷺さんのこと知ってるの?」
「うん、たまに来てくれるんだ。初来店の時は、ブラックコーヒー飲んでたんだよ。大人びてたなぁ.....」
「兄さんは少し背伸びするところがあるからね。そこが少し可愛いのよ。」
「そうですか?大人らしくてかっこよかったですよ!!」
「へぇ.....華道とか分かるのかな?」
「少し位は知ってると思うわよ。やらせれば多分すぐ慣れるわ。」
「日菜先輩みたいですね.....」
「そういえば白鷺さんってピアノとかやってたんですか?指が綺麗だったので。」
「そうね、経験者よ。高校時代はキーボードもやってたし。」
「へぇ.....つぐみ、今度見てもらったら?」
「できるなら.....見てもらおうかな。」
「でもなんかひまりと意気投合しそう。モカとも少し雰囲気とか似てるし。」
「そうかな.....少し大人しいからひまりちゃんに引っ張られそうだよね。」
「兄さんは雰囲気にのるのが苦手な人だから.....多分落ち着いた人とかの方が合うわ。」
「じゃあモカだね。」
「でも、意外とコミュニケーションは取れるのよ。リサちゃんと仲良くなってたし。」
「リサさんと.....意外とすごいね。」
「ただ、少し問題があって.....女の人との関わりが極端に少なかったからどうしてもナンパに聞こえるようなセリフをサラッと言うのよね.....心配だわ。」
「千聖先輩って、お兄さん大好きなんですね。」
「え.....?べ、別にそんなんじゃないわよ!?.....でも兄さんのことは好きよ。慕っているもの。」
「お兄さんかぁ.....憧れるなあ.....」
「ん?皆揃って何話してるの?」
「な、なんでもないわよ!?さてと用も済んだし帰りましょうか。」
「そうだね、とりあえずさっき頼んでおいたケーキも食べたし、最後にコーヒー飲んでから帰ろうか。」
「はい、かしこまりました!!種類は何にしますか?」
「とりあえずキリマンジャロ。千聖は?」
「私はアイスコーヒーをお願いするわ。」
「はい!!すぐお持ちしますので少々お待ちください!!」
「ねぇ、白鷺さん、お願いがあるんだけど.....」
「ん?どうしたの?」
「......付き合ってよ。」
.....え?
一応この小説では、基本的に皆面識がある形で書くので、呼び方が多少不自然になるかもしれません.......そこはご了承を。
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