白鷺家のお兄さん   作:面心立方格子

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なんで英語の授業で動画編集ソフトが必要な課題がでるんですかね......
ちょっと来週は動画撮影&編集と課題研究があるのでこの小説を投稿できるか分かりません。


レッツブシドー!!

僕達は若宮さん主導の元、時代劇?らしきものを始めた。台本自体は難しくなく、とある町で働いていた女の子が暴漢に連れ去られたところをある剣士に助けられる。その後にその子は剣士になって救ってくれた1人の剣士を探す.......なんというか、若干の時代錯誤もあるような気がするんだよなぁ。だって町民って小刀は良くても帯刀するのは禁止されていたはずだから剣士になるっていうのも少し不思議だなぁ。

 

「こら、兄さん 」 ペチペチ

「ん?どうした千聖?」

「撮影、始まってるわよ.....大丈夫?」

うん、目の前で心配そうにこっちを至近距離で見つめている天使がいました。え?僕、千聖相手に木刀振り回すの?普通に気が引ける。

 

「いい?兄さん?今から私たちは役者。一旦自分を切り離して、役になりきるのよ。」

「分かってるよ、でもさ.....千聖相手に木刀振り回すの嫌なんだよね。」

「それは同じよ。兄さん相手に木刀なんかむけたくないし、私はこんな重いもの持てないわ。」

「千聖のやつは木刀に見せかけたやつだろ?それなら大丈夫じゃないのか?」

「それはそうだけれど.....まぁいいわ。始めましょ。」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「あ、あの!!名乗ってください!!あなたの名前は.....!?」

「拙者、名乗るほどの者でもございません。ただ通りかかった剣士、それだけです。ではご機嫌よう。」

「何故、見ず知らずの私を助けてくれたのですか!?」

「ただ通りかかっただけです。これ以上交わす言葉はないでしょう。ではお気をつけて。」

「待って.....!!」

 

はい、カットォ!!

 

「あの.....古語で話さなくて大丈夫だったんですか?」

「大丈夫、クライアントがそう希望してきたからね。古語でやれば見直した時に何言ってるか分からなくなるからね。」

「あ、そういう.....」

「チサトさん大丈夫ですか?」

「ええ、もちろんよ。ただ.....」

「ただ?」

「和服の兄さんもかっこいいなって.....見惚れてセリフを忘れるところだったわ。」

「大丈夫ですよ!!忘れてもアドリブすればどうにかなります!!」

「イヴちゃん、案外計算しているのね......」

 

 

 

「次のシーンは、ユーキさんとチサトさんが斬り合いをする場面です!!迫力があるのを見たいです!!」

「若宮さん.....そんな純真な目で見られても.....」

「兄さん、弱気になったら負けよ。やってみせる、それくらいの意気込みで行かないとダメよ。」

「でもさぁ.....千聖、殺陣とか絶対無理だろ。僕が本気を出したら最初の居合で倒せるしね。」

「そこは.....ご愛嬌?というやつでお願いします!!」

「イヴちゃん?多分意味が違うわよ.....」

「それじゃ入るよ。だけど、絶対にカメラは止めないから演じきってね!!」

「やけにハイテンションだな、監督。」

「3、2、1.....」

 

 

 

「む?そなたは.....いつかの娘ではないか。」

「やっと見つけました。あなたに憧れて剣士になりずっと探し続けていました。.....私を一緒に連れて行ってください!!そして.....あなたの弟子にしてください!!」

「否、そうすべきではない。お前は家に帰り母の手伝いをせよ。剣士は向かん。」

「そういくわけにはまいりません!!母上や兄上には話をつけてきました.....今更何も無く帰るわけにはいかないのです!!」

「口では無駄か.....ならば拙者と剣を交わせ。そして私を認めさせてみよ。さすれば、お前を連れていこう。」

「.....!!はい!!必ずや、あなたを.....」

「ふむ、その振る舞い、剣術の基礎は身についているみたいだな。.....来い。お前の刃で拙者を認めさせてみよ!!」

 

 

そこから僕達は殺陣のようなものをした。千聖、もう少し1つ1つの動きを丁寧にしないと.....隙だらけになるよ。かといって僕が手を出せばそれはそれで後々に死ぬほど後悔するだろうから出来ない。

 

「はぁ.....はぁ.....きゃっ!!」

「な、なんだおまえたちは!!」

「さっさと逃げるぞ!!こいつは高く売れる!!」

「なっ....!?くそ、そこをどけ!!」

「へへっ、兄ちゃんはそこでじっとみt「どけと言ってるんだよ!!」うがぁ!!」

そして僕は目の前に現れた暴漢を木刀で叩いた。これって過剰防衛にはならないよね.....?

 

「若宮さん、ついてきて。」

「は、はい!!」

 

 

「ふふっ、全部脚本通りだな、イヴちゃんよ。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「へへっ、あの白鷺千聖だぜ!!これは売れるだろ!!」

「うっ、離しなさい!!.....きゃっ!!」

「あまり暴れると撃つぞ。」

(兄さん.....助けて.....)

 

 

「ここにいたか、悪党共。」

「なっ、さっきの.....こっちに来てみろ!!妹を撃つぞ!!」

「女子に寄って集って拳銃向ける男がおるとは.....恥を知らんか、この

阿呆どもが。」

「な、なにを!!」

「言うたであろう。脅しを使うということは自分が弱いと言っているのと同じだということだ。」

「く、クソガキが!!」

「そこの御仁、これを持て。」

「えっ.....これは木刀!?」

「そなたを信じる。拙者の背中を守れ。」

「しょ.....承知!!」

「この、舐めたマネしやがって!!」

「拙者1人で来ると思っておるのか。よし、背後をつけ。」

「なに、誰も....痛!!」

 

僕はデマで相手の注意を引いた隙に懐に飛び込み木刀でハンドガンを相手の手から離させた。これで遠距離を心配する必要がなくなった。

 

「こ、この野郎!!」

「ふむ、そなたらも刀を.....受けて立つ!!」

「ふざけた口利きやがって!!」

「ふざけているのは貴様らだ。白鷺家の令嬢に手を出して、タダではすまんだろう。その前にそなたらに天誅を下す。」

 

カン!!カン!!

 

「はぁ.....はぁ....」

「どうした?二人がかりで勝てぬのか?」

「ぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

「血迷ったか。とどめをさす。」

「がぁ.....」

「ぐっ.....」

 

 

 

 

 

「今までの無礼お許し頂きたい。そなたはあの白鷺家の御令嬢であったのか。」

「.......ええ?」

「おしえてもらっていないのか。.....白鷺家といえば1級品の刀を作り出す名家ではないか。拙者のこの『天神霧雨刀』もその家で作られたものだ。」

「(もしかしてアドリブ.......)左様でしたか。父はいつも山の小屋に籠っています故、仕事までは存じておりませんでした。ですが、これも何かの縁。どうか、その倅である私に、剣の道を教えてください。」

「.......よかろう。共に旅に出よう。先程の御仁、我が背中を守ったこと感謝する.....消えてしまったか。」

「先程のあの方ですか?」

「そう。女子でありながら中々見事な立ち振る舞いであった。また会えることを願って旅をしようではないか。」

「はい、私もお礼を言わねばなりません。」

 

 

 

 

 

「はい、かっとぉぉぉぉぉ!!!すっっっごく良かったよ!!」

「随分と予想外の展開になりましたがね。」

「あれ演出だったのかしら?」

「うん、一瞬ガチだと思ったけど若宮さんや監督が全然驚いていなかったから多分そうだろうなって。」

「じゃあイヴちゃんに背中を任せたのは?」

「僕の気まぐれ。若宮さん、時代劇とかに出たいって言ってたからさ。僕からの.....なんて言えばいいんだ?サプライズ?みたいなもの。出番は少なかったけどね.....」

「あの時は驚きました!!まさかユーキさんが木刀を渡してきたので!!でも雰囲気に入って一瞬だけ本物の武士になれて面白かったです。ありがとうございました!!」

「気にすることないよ.....良かったぁ、これで怒られたらどうしようかと思った。」

「それにしてもあの適応の早さ、アドリブ能力、アクションをこなせる身体能力、惜しいなぁ。君、俳優にならないか?」

「遠慮します。僕は前に出るのが苦手なので.....」

「そうか.....じゃあ気がのったら声をかけてくれ。私はね、これでも口が利く方だからね。」

「そうなんですか.....それじゃ。」

「今日はお世話になりました。イヴちゃんも一緒に帰りましょ。」

「はい!!カントクさん、ありがとうございました!!」

「いえいえ、今日はパスパレの二人も見れたし、新たな才能の種も見つけたからね。お代はタダでいいよ。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「ルンルン♪」

「若宮さん、ハイテンションだね。」

「そうですね、早く帰って見るのが楽しみです!!」

「そうね、イヴちゃんがどんな感じで出てきたかは気になるわね。」

「うぅ.....そこは恥ずかしいです.....」

「大丈夫だよ、特に変なところなかったし。」

「そうでしょうか.......でも瞑想をして自分の悪い所を見なければなりません!!」

「瞑想は心を無にするやつだったような.....まぁいいか。」

「では!!家がこっちなのでここでお別れですね!!では!!」

「ええ、また明日ね。」

 

 

 

 

 

「ところで兄さん?」

「ん?何?ちさ.....」

 

なんだろう、このただならぬ殺気。というかさっきの時代劇でそれを出せば少しはビビらせれたような.....

 

「彩ちゃんのSNSにこんなのがあったのよ。」

「ああ、クレープ。これがどうかしたの?」

「兄さん?彩ちゃんに奢ったのね?」

「あ.....うん。」

「なぜ交番に行く下りからこうなったのかしら?」

「しゃ、謝礼ですよ。別にやましいことは.......」

「今まで私に何かを奢ってくれたこと、あったかしら?こんな女子高校生らしい何かを、ごく何も無い帰り道で、可愛いクレープのようなものを。」

「えっと、ひとつくらいは.....」

「無かったのよ。」

「さいですか.....」

「それともうひとつ問題なのよ。さっきのは後で奢ってもらうとして、彩ちゃんを抱きしめた、これはどういうことかしら?」

「あ、いや、あれは、その.....」

「問答無用ね、帰って私を抱きしめながら寝なさい。」

「それはこの前しt「それが出来ないなら1週間は無視するわよ」喜んでします。是非、今夜に。」

「最初からこうすればいいのよ。」

 

 

(私も彩ちゃんのように危なっかしいくて少しほっておけないところがあれば.....もっと兄さんも色々してくれるのかしら.....兄さんの愛が足りないわ.....今夜充電しないと.....)

(怖いけど.....膨れてる千聖も可愛いな.....もっと千聖も甘えてくれたらな.....僕ってそんなに頼りないのかな.....?)




まりなさんってあの人1週間でどれくらい仕事してるんだろう.....絶対労基に引っかかるような気が.....

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