今回は流れが逆と言えばいいかな.....
というかこの小説、呼び方とか全然統一出来てないじゃん.....気をつけます。
そう.....私は悩んでいる。私は.....女の子らしいことがあまり得意じゃないということ。これは前々から悩んでいた。私は兄さんにバレンタインの時以外クッキーとか作って渡したことがない。バレンタインも毎年あまり上手くいってなく、兄さんの「美味しいよ!!」がとても申し訳なく聞こえるくらいの出来.....。そして、兄さんがあまり女の子達と関わりが無かったからこそ、そこまで重く考えなくて良かったことだったけれど、今兄さんは女子力が高い子達(リサちゃんやひまりちゃん、彩ちゃん、つぐみちゃんetc)と知り合ってしまった.....。
これは緊急事態ね。せめて他人に見せて恥ずかしくないくらいまでは身につけなくちゃ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「ふーん、それでアタシは何を教えればいいの?」
「そうね、クッキーとか手ごろなお菓子を作れればそれで今は満足だから.....そういう基本的な所からお願いしていいかしら?」
「オッケー♪でも千聖忙しくないの?最近はパスパレとか映画とか色々やってるし...彩もパスパレ以外にもバラエティとかで忙しいって言ってたし.....そういう時間はあるの?」
「問題ないわ。私は彩ちゃんよりも芸能界入りが早いし、そこらへんのスケジュール管理は万全よ。毎年、12月25日と1月1日と2月14日と3月14日と9月9日は開けているのよ。」
「へぇ.....クリスマス、お正月、バレンタイン、ホワイトデー.......あと一つは何?」
「兄さんの誕生日よ。この日だけは何があっても絶対に空けるようにはしているの。」
「さすがだね.....自分の誕生日は空けてないの?」
「基本的には空けてないわ。仕事が終わった後の....兄さんの手紙とプレゼントが本当に楽しみなの。なんというか....その日だけはそれを楽しみに仕事を頑張ってる気がするわ。」
「そうなんだー。でも優希の誕生日知れたのはラッキーかな。今度プレゼント渡して一緒に驚かそう♪」
「そうね、でもそのサプライズは私が計画していいかしら?」
「勿論!!それで少し話がそれたけど.....アタシは千聖にお菓子作りの基本とかそういうのを教えればいいんだよね?」
「ええ、せめて人並みにはね。あまり学ぶ機会が無いから丁寧に教えてね。」
「任せて!!これでも教えるのは結構得意だから!!」
(しまった.....会話が弾んで兄さんの誕生日教えちゃった.....)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
一方その頃
「あの、友希那さん、そろそろ離れてくれないかな?」
「つれないわね、こうやって体を寄せあって温め合うというのも悪くないものよ。近い将来はこれが日常になるわけだし。」
「え?いつの間に確定してるの?とりあえず離して.....僕これからバイト.....」
「そう.....ごめんなさい、では離すわ。」
「でもこの前友希那さん聞いたよ、『好意を向けられるのは苦手ね。音楽に集中したいの。』って。僕にこうやって接してくれるのは良いのだけれど、それだと音楽に集中出来ないのでは.....?」
「.....これは例外よ。それにあなたはこれから私の旦那になるというのに、私が旦那とこういうことをしたことが無いという事実の方が気になって余計集中出来ないわ。」
「だから何で僕が友希那さんの夫になる予定になってるんだよ.....はぁ......というか僕が千聖一筋って知ってるよね?」
(リサがいたら.....何かしら言われそうね.....)
「あれ?聞いてない.....」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「あ、いらっしゃい!!」
「ええ、お邪魔させて頂くわ。」
「じゃあお菓子作る準備してくるからちょっと待っててね♪」
「悪いわよ、私も手伝うわ。」
「大丈夫だよ、好きでやってるしね♪それにお客さん働かすのはなんか気が引けるしねー。」
「どちらかと言えば私が頼んだのだけれど.....分かったわ、ご好意に甘えるわ。」
「うんうん、そうでないとね!!」
お菓子作り中
「えっと.....リサちゃん?白っぽくなるってどのくらいなの?」
「もう少し混ぜてもいいよ!!まぁそういう色具合は経験しとかないと分かんないよね。」
「ええ、難しいわ。リサちゃんは凄いわね。」
「そうかなー?でも千聖も器用だからすぐできるようになるよ!!」
「頑張ってみるわ。」
今私はとりあえず動物の形を模したクッキーを作っている。殆どリサちゃんの手助けを借りながらだけど.....
「こうやってパーツ毎に作ってくっつけるのね。」
「うん!!型とかにはめて作るのもいいけど凹凸とか付けるならこっちの方がいいかなーって。どうせ作るなら可愛い方がいいでしょ?」
「それは勿論ね。」
「でもさー、千聖って少し紗夜と似てるよねー。」
「紗夜ちゃんと?どういう所が?」
「さっきもgとか正確に測ろうとしてたし、前に紗夜のお菓子作り見た時あったんだけどなんか似てるなって。それにさっきの白っぽくってところを聞いてくるところも似てたよ。」
「そうね.....経験が無いとどうしても感覚というよりかはレシピ通りに正確に作ろうと思ってしまうのよ。私も今は役を演じる時に私ならって事とかを入れるようにはしてるけど.....」
「確かに最近の千聖が演じる役ってすごい馴染んでるよねー。」
「昔は台本通りに、ただ情景に合うようにって考えて演じてたから恥ずかしいわ。お菓子作りもそれと似ているのかしら?」
「うーん、そうかもね。アタシもいきなり演劇とか演じようってなったら多分慌てるし、多分台本通りにってなりそう。」
「ふふっ、こうやってリサちゃんとお話するのは初めてね♪」
「そうだね、アタシも千聖とこうやって話すのは初めてか...。でも緊張しないんだよねー。結構緊張するかなって思ってたけど。」
「素直な感想ね。でも砕けて接してくれる方がありがたいわ。」
「そうなんだ....じゃあ千聖も今度買い物一緒に行かない?もっと知りたいしね♪」
「ええ、楽しみにしているわ♪そろそろかしら.....?」
「30分だね、じゃあ生地取ろうか。」
冷やした生地をオーブンで焼く.....聞くだけだとシンプルだけどここに至るまでが結構大変だったわ.....リサちゃんやひまりちゃんは普段からこれをしているのね....プロフェッショナルね。
「.........」プルプル
「緊張したら失敗するよ♪練習する?これ余ってるし。」
「ええ、お願いするわ。」
今私は仕上げ.....ミルクチョコレートで目のところを書く.....失敗は絶対に出来ない。
「本番とかに強いと思ってたけど、なんか意外。」
「ただの友達や、彩ちゃんみたいに親しい友人ならそこまで緊張しないのよ。勿論失敗はしたくないけれど.....不思議と安心感があるのよ。兄さんに渡すと考えたら緊張で震えるわ。」
「え?一番優希とかが失敗しても一番気にしないと思うんだけど.....むしろ日菜とか相手にする方が緊張するような.....」
「妹に渡すならともかく、相手は兄さん。兄さんには絶対においしいというか綺麗に出来た物を渡したいの......」
そう、失敗は出来ない....やるのよ白鷺千聖、舞台を乗り越えたのだからこれくらい.......
「い、いくわ。」
「おー!!上手く出来たじゃん!!じゃあこれ少し冷やすから待っててね♪」
「はぁ.....戦い抜いたわ。」
これを造作もなくやっていく女子高校生はすごいわ.....人並みに出来たらと思っていたけれど考えが甘かったわね。けど今日私は『ある程度』や『こんな感じ』といった感覚と出会えた。それは人によって違うけれど自分ならではのおいしいお菓子を作れる.....女優としていい物を学べたわ。....あれ?趣旨こんなんだったかしら?
「で、千聖?お菓子作りどうだった?」
「そうね....まだ少ししかしていないから結論を出すのは難しいのだけれど.....まだ足りないわね。経験が無いわ。だからこれからも機会があれば挑戦してみるわ。その時は味見してね♪」
「うん!!いいよ!!アタシに聞いてくれたらいつでも力になるし、ひまりとかもきっと親身に教えてくれるよ!!.....それはさておき1つお願いがあるんだけど.....」
「そうね、何かしら見返りがないと不公平ね、何かしら?」
「いや、見返りというわけじゃないんだけど.....前々からお願いしたかったんだ。優希のライブ、録画とかあったら欲しいんだ。」
「ええ、いいけれど.....どうして?兄さんはベースじゃないわよ。」
「ううん、それ見てみて今のRoseliaに足りない物を探したいんだ.....友希那にもお願いしたんだけど『先輩のライブ?それは生で見るのが1番よ。場の雰囲気は録画では味わえないもの。』って言って見せてくれなんだ。」
「おそらくそれは.....生を知っているからこそ動画で先に知って欲しくないのかもしれないわね。先に生で、肌で感じて欲しいのよ、多分だけど.....」
「そうなのかなー。じゃあライブがあったらチケットお願い出来ないかな?」
「それは直接兄さんにお願いしたらいいじゃないかしら?」
「お願いしたいんだけどさー.....この前優希との話をしたら友希那がなんか感じが変だったし.....それに優希も忙しいだろうからお願いしにくいんだ.....。」
(まぁ、確かに友希那ちゃんは兄さん大好きだし....リサちゃんと進展があると困る、とか考えてるのかしら?兄さんは.....確かに忙しそうね。何かとプライベートが多かったから最近はレポートに追われてるし.....)
「.....分かったわ。ペアチケットお願いしてみるわね。」
「ありがとう!!千聖!!」
「別にお礼を言われる程でもないわ。今日はお菓子作りを1から丁寧に教えてくれたもの。」
「あれくらい普通だよ♪じゃあ、また一緒に作ろうね!!」
「ええ、じゃあお邪魔するわ。」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「兄さん....その、ちょっといいかしら?」
「ん?どうしたの、千聖?」
「こ、これ.....パンダのクッキー.....作ってみたの。良かったら.....たべて.....」
「どうしたの?顔が赤いけど、熱あるの?それに最後の方、声小さかったし。」
ああ、緊張してしまう、今までこんなことあった?俳優相手にも一切動じないのに.....こうなったら
「これ.....私の手作りクッキーなんだ。食べてくれたら.....嬉しいな。味の感想はまた今度聞かせてね.....♡」
私は少し目を潤わして上目遣いでこう言った。いつもこうやって演じて誤魔化してるけど.....いつになったら素で渡せるのかしら.....
「!?.....うん!!ありがたく頂くよ!!でもとりあえず晩御飯もうすぐだから感想は今日の夜にね。」
こういう子供っぽいところも可愛いのよね......兄さんが犬だったら絶対に甘やかしそうね、私。
「ええ、楽しみにしてるわね♪」
次の課題は.......兄さんに緊張せずに話しかけること......これは難題ね。
千聖さんってお菓子作りとかってどうなんですかね....?この二次創作ではあまり得意ではないという位置づけはするのですが.....何かと器用だから出来そう.....絵を書くのは苦手なのにね。クッキー作りは普段僕がする時にやってる方法を参考に書いてます。おかしい所がないといいのですが.....
優希くんの誕生日は9月9日という設定を出すのは多分これが初めてだと思います。もしそうじゃなかったら.....後で訂正します。
不定期更新リクエスト
-
優希くんと千聖ちゃん
-
EXTRAと千聖ちゃん、友希那ちゃん
-
他の妹との交流