「いらっしゃいませ.....千聖先輩?珍しいですね。」
「えっと.....沙綾ちゃんで合ってるわよね?」
「はい、合ってますよ。そういえば私たちこうやって会ったことありませんでしたっけ?」
「そうね、私はまだ沙綾ちゃんとあこちゃんのお姉さんと全く関わりが無いのよ。」
「巴と会ったことないんですか?商店街じゃ結構有名ですよ?」
「毎年夏祭りで太鼓を叩いているのは知っているのだけれど....見たことないのよ。何故かいつも収録と被って。」
「それは大変ですね.....」
「それはそうと、今日はお願いがあって来たのよ。」
「殆ど対面ない私に、ですか?それは.....」
「私ってこう、女優だから普通の女の子みたいにおしゃれとかそういう時間があまりないのよ.....そのせいかファッションならともかく、アクセサリーとか何がいいか全く分からなくて.....それで色々相談していく中で着いたのが沙綾ちゃんなのよ。」
「私にですか?それどういうルートですか?」
「えっと.....花音→彩ちゃん(仕事のため対応出来ず)→ひまりちゃん(ライブ前の為あまり遊べない)→有咲ちゃん→沙綾ちゃん、というルートで来たの。」
「....どういう頼み方したんですか?」
「私はあまり口で言われてもよく分からないから実際に一緒に来て見て欲しいって頼んだのよ。」
「リサ先輩とかはどうだったんですか?」
「リサちゃんは友希那ちゃんを連れて遊びに行くって言ってたから誘いにくかったのよ。」
「でもよく分かりましたよね?私があと少しで店番終わるって。」
「有咲ちゃんに教えられたのよ。でもタイミングは恵まれたわね。」
「じゃあ少し準備してくるので少し待ってもらえますか?」
「ええ、一緒に来てくれるのね、ありがとう♪」
「いえいえ、私も偶にはこうやって他人のアクセを選ぶとかやってみたいですし。」
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「千聖先輩って、私より小さかったんですね.....てっきり同じか高いと思ってました。」
「身長は有咲ちゃんと同じくらいよ、でもどうして私は背が高く思われるのかしら....?」
「雰囲気じゃないですか?やっぱり大人っぽい雰囲気がある人って背が高いイメージありますし。」
「そうかしら.....?だから沙綾ちゃんも高く見えるのかしら?」
「私が?そうですか?」
「ええ、さっき弟さん達をなだめてるところを見てね、少し思ったわ。」
「あれ、見てたんですか.....恥ずかしい。」
「いいえ、立派にお姉さんをやっていて凄いなと思っただけよ。私は兄がいるからそういうことをされる側にいるのよ。」
「.....え!?千聖先輩お兄さんいたんですか!?」
「皆その反応ね.....そうよ、優しくてかっこいい自慢の兄よ。沙綾ちゃんは会ったことある.....?」
「白鷺、ですよね.....?ううん、会ったこと無いですね。お店に来たこともありませんでしたし.....」
「でもそのキーホルダーってEXTRAの物でしょ?」
「やっぱり知ってますか?私もこのバンド大好きだったんですよ。あの人たちのライブは元気が貰えるから好きなんです。私もそんなふうになれたらなって.....」
「そのキーボードの人、私の兄よ。」
「.....え?YUさんが.....千聖先輩のお兄さん!?」
「普段はもっと大人しい人よ。これは本人曰くライブモードらしいのよ。」
「へぇ.....知らなかった。この人たち、本名が未だに知らない人が多くて有名なんですよ。FWFに出場しているのに珍しいですよね。」
「兄さんはあんまり社交的じゃないからあんまり名前を見られるのは嫌でしょうね.....」
「今度、会わせてもらってもいいですか?」
「それは.....兄さんに聞いてみないと分からないわ。でもこの前香澄ちゃんとも会ったとは言ってたし.....その時にバンドの練習見てくれって言われたって言っていたからその内会えるわ。もし会いたいなら.....これ、私の電話番号だから仕事の時以外なら兄さんのことを教えるわ。」
「ありがとうございます!!offのYUさん、どんな感じなんだろう.....」
「因みに沙綾ちゃんは誰が好きなの?」
「同じドラムのSSさんも好きですけど.....1番はYUさんですね、vocalのGOさんを、グループを支えているっていう印象が凄くて.....尊敬してるんです。」
「そう、それは兄さんも喜ぶと思うわ。(あれ?またライバルが増えている.....?)」
「とか言ってる間につきましたね、千聖先輩はどんな感じがいいんですか?」
「そうね.....アバウトかもしれないけれど、私の雰囲気と合う、というかアクセサリーだけが目立たない感じがいいわ。」
「なるほど.....じゃあヘアアクセと他にも何か選ぶって感じでいいですか?千聖先輩に似合いそうなのを思いついたので。」
「沙綾ちゃん、急に本気になったわね.....」
「勿論ですよ♪こうやって他人のアクセにアドバイスするのは随分と久々ですし、楽しいんですよ!!」
「そうなの.....意外とアクティブなのね。」
「そうですか?私からしたら.....ちょっと失礼かもですけど千聖先輩がこうやって人に頼むのも意外ですよ。結構なんでも自分でこなせそうですし。」
「私にも至らないところはあるわよ。それにこうすることでコミュニティが広がるというのも最近学んだのよ。」
「やっぱりそういうことって気になるんですね.....」
「ええ、私も一応女子高校生だもの.....そういう気持ちくらいはあるわよ。」
「でも今日千聖先輩とこうやって話せてますし私も嬉しいですよ。じゃあ選びますか!!ついてきてください、色々付けながら試しますから!!」
「ええ、お願いするわね♪」
「千聖先輩、このアクセとかどうですか?」
「赤色?.....似合うかしら?」
「良いと思いますよ!!変に目立ってませんし、後はこのリボンとかもいいかな.....」
「これ.....?こうかしら?」
「千聖先輩.....リボン似合いますね。可愛らしいですよ♪」
「そうかしら....確かに柔らかさが出たわね。他には何がオススメかしら?」
「そうですね.....千聖先輩って髪を括る時に何使ってますか?」
「いつもはこの黒色のヘアゴム使っているわ。」
「うーん.....それも凛としてて良いんですけど.....これはどうですか?」
「これは私には少し派手ね.....」
「そうですか?じゃあ.....これの薄い色はどうですか?」
「これなら.....あまり目立たないし良いわね。じゃあさっき選んだリボンと髪留め、このヘアゴムを買うわ。」
「じゃあ店の外で待ってますね!!」
「ええ、ちょっと待っててね。」
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「今日は本当にありがとう♪助かったわ。」
「いえいえ、こちらこそいい仕事をさせてもらいました!!....あのそのお礼と言ったらなんですけど、相談したいことがあるんですよ.....」
「相談?私で解決できることなら聞くわ。」
「さっき千聖先輩、お兄さんがいるって言ってたじゃないですか.....やっぱり弟とか妹って兄や姉から早く卒業したいんですか.....?」
「それはどういう?」
「私も純と沙南がいるので....時々思うんですよ。いつくらいから弟や妹が姉離れするのかなって。あんまり関わりすぎてうざがられるのは嫌なので.....」
「そうね.....私はまだ兄さん離れはしていないわ。」
「意外です.....」
「そうでしょうね、世間での私のイメージは結構大人びてるみたいだから。兄さんは私の足りないことを何でも分かってるのよ.....こうやって長年女優をしているけれど兄さんは色々指摘してくれて.....褒めてもくれるし叱ってもくれる。どうしても周りから期待をかけられることがあってプレッシャーを感じた時も兄さんは私のことを受け止めてくれて緊張とかをほぐしてくれたこともあったわ.....やっぱり妹や弟にとっては兄や姉がよっぽどのクズ人間じゃない限りは心の中での目標になることが多いわよ。一概にそうとは決められないのだけれど.....でも店番しながら弟や妹の面倒を見ている沙綾ちゃんは立派よ。今日がある意味初めてあなたのことを詳しくしったのだけれどあの一部分を見たら分かったわ。きっと弟さんや妹さんは大きくなった時に沙綾ちゃんのことを改めて尊敬すると思うわ。」
「そ、そうですか....」
「だから今はまだ姉離れは考えなくても大丈夫よ、それに離れても決して尊敬しなくなったって訳じゃないからちゃんといつも通り過ごせばいいと思うわ。」
「相談にのっていただきありがとうございました。心がだいぶ軽くなりました。」
「別にいいのよ、また何かあったら相談してね♪力になれる限りなってあげるから、先輩とか気にせずに気軽にね♪」
「はい、ありがとうございます!!」
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「と、いうことがあったのよ。沙綾ちゃんって偉いわね。」
「そうだね、というか僕が尊敬されてるとか意外だよ。てっきり流星だと思ってたよ。」
「それで.....何か言うことがあると思うのだけれど.....」
「何か?何だろう.....あっ!!アクセサリーか!!なんか雰囲気違うと思ったらそれだったのか.......」
「兄さん.....言われなくても気づいて欲しかったのよ,.....」
「ご、ごめん!!千聖が自然に付けてたから雰囲気の違いは分かったけど気づけなかったよ。」
「もう....兄さんのバカ!!」
「うっ....さっきの話聞いたら兄離れとか起こりそう.....病んじゃうかも。」
千聖さんのリボンはダウンロード画面の時の千聖さんが付けている髪飾りつけてるあれみたいな感じです(あそこをなんて言うのか分かりません.....)
いよいよ最期のセンター試験ですね(来年は共通テストとかに改名するとか.....)
読者さんの中に受験生がいるかは分かりませんがベストを尽くせるよう頑張ってください!!マークミスみたいなケアレスからおこることには注意してくださいね.....
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