今日はハロウィン!!!
毎年千聖の仮装が見られるかもしれないから本当にいいよね。でも千聖って恥ずかしがりなのか僕には仮装を見せようとしないんだよね。
今から3年前だったかな。千聖が仮装する番組の観客席の抽選に当たったって千聖に言ったら「兄さんにみられるのは恥ずかしいからダメ!!!」って頬を赤くしながら食卓で怒ってたなぁ.....写真撮りたかったなぁ.....
だが今年は確実に見ることが出来る。どうやらこの街で仮装パレードというのがあるらしく、千聖も参加するらしい(若宮さん情報)。また、千聖の友達も参加すると聞いて涙が出そうになった。千聖に友達が出来たんだ.....てなったね。
というわけで見に行こう!!!
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「はぁ.....」
「あれ?千聖ちゃん、イベント前なのになんで落ち込んでるの?」
「いえ.....もしかしたら兄さんが来てるのかなって思って。」
「え?別に見られたっていいじゃん?なんで?」
「兄さんに見られるのが恥ずかしいのよ!!!今年なんて、こんなに露出の多い衣装だし!!!」
「あはは.....でも仕方ありませんね。スタッフさんが皆揃ってサキュバスの衣装を着ろって言いましたし。」
「ほんとになんでなのかしら.....?イヴちゃんモデルやってるんだし着ればよかったのに。」
「いえ!!!千聖さんの方が悪女感があってとても似合ってますよ!!!」
「イヴちゃん?それって褒めてるの....?」
「ところで千聖ちゃんのお兄ちゃんってどんな人なの!?ずっと気になってたんだ!!!」
「そうね.....とても優しくて、かっこいい自慢の人よ。」
「すごいべた褒めだね.....」
「うーん、なんかるんって来ないなー。他には?」
「そうね.....少し気の弱いところもあって母性をくすぐるのよ。日菜ちゃんも会ったらわかると思うわ。」
「パスパレの皆さん、そろそろ時間ですので、お願いします。」
『はい!!』
そうして私たちはパレードの準備に入った。.....兄さん来てるのかしら。
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うわ、すごい人混みだなぁ。僕こういうのあんまり得意じゃないんだよなぁ.......
「僕も何かしら仮装してきたら良かった.....皆してるじゃん。」
うーんどうしようかな、まだスタートまで時間はあるけど.....
「やあ、兄さんじゃないか。久しぶりだね。」
「ん?.....薫か。お前成長したなぁ。元気だったか。」
「ああ、もちろんだとも。兄さんは千聖を見に来たのかい?」
「当たり前だろ。ハロウィン唯一の楽しみは、お菓子と千聖の仮装だからな。ほんとに普段の疲れが消し飛ぶよ。.....あれ?薫はなんでここに?」
「私もパレードに呼ばれてしまってね。ああ、この会場のお客さんの視線を奪うなんて....なんて罪なんだ。」
「そうか、なら薫の仮装も楽しみにしておくよ。で頼みなんだけど....」
「なんだい?」
「皆仮装してるじゃんか。僕は私服で来ちゃったんだよね.....だからさ、仮装する服とか欲しいんだよね。コーディネート頼めないかな?」
「そういや兄さんは昔からファッションセンス皆無だったね。分かった。力になろう。心強い助っ人も呼んでおくから、20分後、そこの服屋で会おう。」
「見ないうちに頼りがいのある人になったな、薫。」
20分後
ん?なんか薫の隣にギャル?か分からないけどめっちゃ陽キャパリピみたいな人がいる。
「リサ、紹介しよう。彼は白鷺優希。千聖のお兄さんさ。」
「へぇ、千聖にお兄さんいたんだ。あ、私は今井リサって言います。よろしくね!!」
「あっ...えっと、はい。」
僕こういうコミュ力高い人と接するの慣れてないんです.....頑張らないと。
「それにしても、千聖に似て本当に顔がいいねー。スタイルも文句なしだし!!」
「あ、ありがとうございます。あの...コーディネートやってもらえませんか?」
「うん、任せて!!とびっきりかっこいいのにしてあげるから!!」
「はは、こうなったリサは止まらないよ、頑張ってくれ、兄さん。」
「うん!!こんな感じじゃない!?」
「ああ.....とてもかっこいい狼じゃないか。」
「え?狼なの?めっちゃもこもこしてるとこあるんだけど.....」
なんか犬って言った方がいいような気もするけど.....やってもらったし文句とか言えないね。
「優希さん?でしたっけ。素材がいいから、こういうの着てもかっこいいですよ。今回は少し砕けた雰囲気の狼男にしたから、見方によっては可愛くも見せられるよ!!!」
あっ、そういうことね。それなら納得できる。でも僕男.....
「今井さん?でしたっけ。コーディネートありがとうございました。では僕は観客席に戻りますね。」
「分かったよ。勿体ないなぁ.....ねえねえ、私もパレード出るんだけど良かったら一緒に出ない?」
「.......え?」
一緒に出る?出会って1時間も経たないうちにこうなるのか.....?恐るべきコミュ力。
「今井さんにはお世話になったし.....そちらがしたいというなら喜んで参加させてもらいます。」
「お!!いいね!!じゃああそこに受付あるから言いに行ってね。」
というわけで仮装に参加することになった。でも気になるのが、ガールズバンド仮装パレード? girls?僕男なんだけど.......
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「.......」
「千聖!!!それすっげぇ可愛いなぁ!!!」
今僕の目の前に天使がいます。あぁ...生きててよかった.....目は合わしてくれないけど...
「えっと.....あなたが千聖ちゃんのお兄さんですか?」
「えっと君は?」
「えっとぉ.....まん丸お山に彩りを!Pastel*Palettesボーカル、丸山彩でーっす!!」
「ボーカルか。やっぱりボーカルって明るい人多いんだな.....」
「あれ?バンドの分析はじめちゃったけど....」
「ごめんなさい、彩ちゃん。兄さんはこういう所があるの。」
「じゃあ僕も自己紹介を。僕は白鷺優希。白鷺千聖の兄にあたる人間です。」
「あ、ご丁寧に.....お兄さんのことは普段千聖ちゃんから『彩ちゃん?』.....なんでもないです。」
「?」
今とんでもない殺意とんでなかった?
「あ、ユーキさん!!お元気でしたか!!」
「お、若宮さん。その仮装は.....何?」
「これですか!!雪女の衣装です!!日本の妖怪もとっても怖いですから!!」
へー、でも若宮さんに和服って案外似合ってるな。
「あー!!この前の店員さんだー!!!」
「あ!!えっと名前なんだっけ?ひ.....氷川さんだっけ?」
「そうだよーー!まさか千聖ちゃんのお兄さんって店員さんなんだ!!!」
「まさかあの時の子がこんな所にいるのが驚きだよ。」
『え?』
「え?えっと.....君たちがバンドだというのは分かったんだけど.....ごめんね、僕テレビとか見てないから千聖と、会ったことのある人間以外分からないんだ。」
「じゃあ自分も自己紹介をした方がいいですね。自分、大和麻弥といいます。趣味は機材に触れることです。」
「大和さんね.....それは.....犬?」
「はい。でもなんか動きずらいんですよね、これ。」
「確かに動きにくそうですね.....もしこけたり怪我したら抱えてあげるから安心してくださいね。」
「はい、ありがとうございます。」
「.......兄さん?」
「うん、どうしたちさ.....」
あれ?拗ねてる?ちょっといじけてる千聖も可愛いなぁ。
「大丈夫だよ、千聖が怪我した時もちゃんと助けるからね。」
「.......」
「でも優希さんって男の人ですから、どう出るのでしょうか?」
「それは僕もまだ聞いてなくてね.....何するんだろ?」
『白鷺さん、そろそろ本番ですので、こちらに来てください。』
「はい、分かりました。じゃあ皆、また後でね。」
「はい!!頑張ってください!!」
「優希さん、かっこよかったなぁ.....」
「彩ちゃん?兄さんの魅力はあんなものじゃないわよ。」
「.....千聖ちゃんがそこまで言うなんて.....」
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「皆さん!!ハロウィン楽しんでいますか!!」
『いえーーーーい!!!』
「今日は、最近人気沸騰中のガールズバンド達中心の仮装パレードが今宵開催されます!!思いっきり楽しんでください!!!」
「今回は夜の部です!!昼間、Poppin’PartyやAfterglow、そしてRoseliaのメンバーを中心にとても盛り上がりました!!そして夜は!!Pastel*Palettesとハロー、ハッピーワールド!の2バンドを中心にパレードが行われます!!そして、Roseliaの今井リサさんは、夜の部も参加しています!!!ではパレードの開幕です!!」
あ、パレード始まったよ。くそ.....パレードしてる千聖をビデオに収めたかったなぁ.....仮装した写真は手に入れたからいいんだが。というか花音さんいるじゃん。あの人もバンドやってたのか.....薫も演技口調になったとはいえ、やっぱり変わってないな。楽しそうじゃん。
ん?皆がお菓子をばらまいている?千聖が投げたやつほしかったなぁ。
「そして今回!!!特別ゲストが参加されました!!!知る人ぞ知るバンド「EXTRA」のメインキーボード、YUさんが参加されました!!!」
「え!?EXTRA!?」
「YUってあの.....」
ちょーーーーーー!!!!!!ハードル上げすぎ!!司会者さんわざとしただろ!!!バレるのは仕方ないとしても、ハードルは上げないでくれ!!!僕そこまで前にでるの得意じゃないから!!!
「大丈夫!!あたしもいるから!!!」
「よかった.....今井さんがいるならまだマシだな。」
『YUーーーー!!!!!』
「なんか可愛いな。」
「えっと.....トリックオアトリート?お菓子をくれないと.....これ本当にいうの...?.....皆をハロウィンの夜から返さないぞ。」
「きゃーーーーーーー!!!!!」
「うんうん!!!凄い人気だね!!」
「今井さん.....僕は緊張と恥ずかしさのあまり死にそうだ.....」
その後、お菓子をばらまいてすぐ帰った。今井さんと歩いたことにより、SNSで少し話題になったらしい。
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「ふふっ、頼んでおいた通りね。」
本来なら最初に兄さんが出るはずだったけど、兄さんが頑張る、というかあたふたする所を見たかったからスタッフさんに頼んで順番を入れ替えてもらった。
「綺麗に撮れたわ....兄さん。でももう少しテンパってるところは見たかったわね。」
リサちゃんがいたからかもしれないけど、兄さんの緊張は少し解けていた。とは言え、イタズラが成功したのは嬉しかった。普段から兄さんには結構ドキドキさせられっぱなしたがら少しは兄さんもドキドキしてほしかった。....リサちゃんに靡かなかったのもあれだけど、緊張は少しはしてたから、意外な所を見れた。
「普段は立場が逆だから....今日くらいイタズラしてもいいわよね、兄さん?」
ハロウィンでしたね。出来ればもう少し早く投稿したかったのですが、何かと今日忙しくて、投稿するの遅れましたね。
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