「えっと.....本日は家に来てくれてありがとうございます。」
「なんでそんなに仰々しいのよ。」
「いやだってさすがに緊張するよ。ホワイトデーなんか千聖と友希那さんしか経験ないし、普通の大学生が後輩にどんなプレゼントすればいいかとか分からないからね。」
「ふふっ、私はその気持ちだけでも充分よ。というかどうして薫がいるのかしら?」
「私も子猫ちゃん達にお返しをしなきゃいけなくてね.....ひまりちゃんには返さないといけないんだ。でも今日は兄さんの家にいると聞いたからこうやって参ったのさ。」
「薫も大変だな、僕よりもお返し大変じゃないのか?数的に。」
「ふふっ、心配いらないさ。子猫ちゃん達から貰った愛はちゃんとかひとつずつ返さないといけないからね。」
「じゃあ改めて.....バレンタイン、ありがとうございました。僕はチョコがあんまり好きじゃなかったから皆気を遣ってホワイトチョコとかにしてくれたんだよね....だから僕からもあんまり喜んでくれるかは分からないけどお返しを考えて作ったり買ったりしたんだ。」
「へぇ.....すごいねー。」
「じゃあひまりちゃんから渡そうかな。皆からお返し貰うので大変そうだし。」
「別に気を遣わなくてもいいですよー。中身は.....これ、マスコット!?」
「うん、僕は裁縫はあんまりできない方かもしれないけど作ったよ。なんか以前Afterglowにマスコットみたいなのがいるって聞いたからそれを真似しつつ作ったんだけど.....どうかな?」
「私より全然上手いですよ!!ありがとうございます!!大切にしますね!!」
「じゃあ私からも.....こんなものでよければ。」
「これは.....薫さんが前の演劇で使った杖じゃないですか!?」
「ああ、この前は最前列にいたからきっと楽しみにしていたと思ってね。」
「あ、ありがとうございます!!」
「次は.....丸山さんかな?」
「は、はい.....(緊張する.....何返すのかな?)」
「これ.....喜んでくれるかな。」
「これは.....時計?」
「丸山さん前に僕に1回相談があったでしょ?だからこれを活用したら1日にどれくらい運動するかも分かるし。」
「あれから一応痩せましたよ!!」
「でも知っているわよ、彩ちゃん、SNSでよくスイーツをupしてるじゃない?」
「それは.....可愛かったし美味しかったから....」
「それはなんか最近有名なやつでそういう消費したエネルギーを表示してくれたり色々できるやつだから是非活用してね。」
「ありがとうございます。(優希さん、これが善意だから攻めにくいな.....嬉しいけど複雑だよぉ...)」
「次はアタシ達だね♪」
「先輩、別に先輩自身がお返しでも私は構わないわよ。」
「それはさすがにしないよ.....こっちがリサさんでこっちが友希那さんだよ。」
「アタシは.....これは編み物の道具と犬のフェルトの人形?しかも道具はアタシがちょうど欲しかったやつじゃん。どうして分かったの?」
「お隣さんに少し協力してもらってさ。リサさんって基本的に女子が好きそうなことは大抵高レベルで出来そうだから本当にお返しに悩んでね.....」
「そこで先輩が私に相談をしてきたのよ。私もリサから貰っているからどうお返しをしようか悩んでいたの。だからそれは私と先輩の両方からのお返しということよ。因みに私は猫の方がよかったのだけれど.....先輩がリサとは犬で何かと縁があるからって言ってその人形を作ったのよ。」
「犬.....確かに、ハロウィンの時も紗夜と一緒にいて会った時も確かに犬が関連してる。」
「ちょっと気持ち悪いかもしれないけど.....受け取ってくれるかな?」
「うんうん、全然そんなこと思わないよ♪優希がアタシとの出来事をそうやって覚えてくれてて嬉しいよ!!(友希那が好きになる理由も分かるなぁ.....ああいう些細なことを覚えてくれてるのって案外嬉しいんだよねぇ.....)」
「そう言ってもらえたら....」(普通ならここで、なんで覚えてるの?キモっとか言われるんだろうな.....今井さんが優しくて良かった。)
「それで私へのお返しはどれかしら?」
「それも悩んでさ、こんなものになってしまったんだけど.....」
「本....!!!!」
「友希那?鼻血出てるよ。はい、ティッシュ。」
「ありがとう....本当にこんなもの、貰っていいのかしら?」
「EXTRAのメンバーに相談したら、これが一番喜んでもらえるって結論が出てさ。あんまり価値がないかもしれないけど.....」
「いえ、これに価値がない訳ないわ。ありがとう、先輩。これで1年は確実に辛いことがあっても強く生きていけるわ。」
「何貰ったの.....え、可愛い。」
そう、僕があげた、と言うよりかはあげろと言われたのは.....猫と僕がじゃれついてる写真& 僕の家での私生活の写真。最初これに決まった時は僕も疑ってしまったけど友希那さんが喜んでる様子をみて.....安心したかな。
「本当にこんなのでいいの?」
「ええ、これは間違いなく宝よ。どうして私が知らない写真がこんなにあるのかしら.....」
「あはは....でも、ありがとう、優希♪これ、大事に飾っておくね♪」
「うん、ありがとう.....」
「ありがとう、先輩。来年は婚姻届の印鑑か結婚指輪をお願いするわ。」
「そ、それは....約束できない、かな。」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
2時間後
「ねぇ兄さん....いつまで固まってるのかしら?」
「千聖に渡す緊張感だけは....いつもやばいんだよ。」
「FWFと私、どっちの方が緊張するの?」
「千聖。あれの比じゃないよ.....」
「そう.....じゃあその箱、貰うわね。」
「は、はい、ど、どどどうぞ。」
「彩ちゃんみたいになってるわよ。そこまで緊張しなくても.....」
「千聖にあげて喜べるものじゃなかったらもうやばいよ.....生きていけない。」
(まぁ兄さんには演技が通じないから下手に喜んでもバレるものね.....さて、中身は何かしら.....)
「千聖は覚えてる?この衣装の思い出を。」
「ええ.....覚えているわ。懐かしいわね。」
僕は、かつてFWFに出場した時の衣装を、僕なりにちょっと加工して渡した。この衣装の思い出.....かつて僕達がFWFに出た時、出場者の中に卑怯な奴らがいた.....というのもそいつらは元々事務所に所属していて、色々根回ししていたらしい。僕達が邪魔だったか知らないけど、彼らは僕達の衣装を刃物で傷つけてきて、おまけに大人を数人連れてきて僕達を倉庫に閉じ込めた。それを当時目撃した蒼生のお父さんがその大人をボコボコにして、千聖達に伝えてくれた。僕達は時間もないから倉庫のドアを全員で蹴ったり体当たりしてドアを破壊して出てきた。その時に千聖たちが『こんな衣装で出るのかしら?それはダメよ。』と言って僕達の衣装を取ってどこかに行き、綺麗に修繕された衣装が返ってきた。.....あれ?僕達って相当な問題児?
「あの時、もしかして.....」
「ええ、まだ殆ど初対面だったけど花音やたえちゃん、有咲ちゃん達と協力して直したのよ。本当にあの時は大変だったわ。」
「今思えばあれ普通に退場ものだったね.....」
「そうよ、閉じ込められたとはいえまさか設備を破壊して出てくるなんて私も考えなかったわ。でも結果的にそれが1番速かったし、後でそこをちゃんと修理したんだから大丈夫でしょ?」
「あの時は本当に千聖が女神に見えたよ。」
「あら?あの時は?」
「だってそうだよ。普段の千聖は天使みたいに可愛いじゃん。あの時は女神みたいに逞しく見えたよ。皆ライブの後、優勝したことよりも妹が成長したのを見れて泣けるって言ってたし。打ち上げでも皆泣いてたよ。」
「そうだったのね.....因みに時間稼ぎをしてくれたのは誰だと思う?」
「誰?」
「友希那ちゃんよ。あの時は私も知り合っていなかったから何も知らなかったのだけれど、後から聞いたら『あなた達、私の歌を聞きなさい』って言って兄さん達が来るまで持ちこたえたのよ。」
「そうだったのか.....友希那さんにも感謝しないと。でもなんで言わなかったんだろ?」
「それは『仲間として助けるのは当然でしょ?』って言ってたのよ。」
「すげぇ....」
「だから.....懐かしいわね。あれももう昔に感じるわ。」
「うん.....だからこそ、僕達も感謝の気持ちを伝えたいんだ。特にこの衣装は千聖達に1番助けて貰った衣装だからさ。それを今度は僕達なりに頑張ってアレンジして作り直したんだ。受け取ってくれる?」
「ええ、勿論よ。その気持ちだけでも私は嬉しいわ.....」
「え!?千聖、なんで泣くの!?」
「嬉しいのよ。兄さんがくれたものよ.....」
「実は今回さ、皆この衣装をお返しにどうかな?って話してたんだ。だからこれは白鷺千聖限定の衣装だよ。」
「ええ、分かっているわ.....今日は寝れそうにないわね。」
「そこまで喜んでくるなら....作った甲斐があったよ。」
隠しててもわかるわよ.....気持ちくらい.......そんな絆創膏だらけの手を見たら。兄さんがどれだけ気持ちを込めて作ってくれたか。おそらくひまりちゃんたちのも含めての怪我でしょうけど.....ふふっ、強がるところも兄さんらしいわね。
どうなんですかね?ウイルスも流行ってますし、ホワイトデーのお返しとかってどうするんでしょうか.....4月に渡すのかな?
おかしなところがあったらご指摘お願いします!!
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