白鷺家 宿泊研修前日
「というわけで宿泊研修行きが確定しました。付き添いとして。」
「中々大変ね、大丈夫?」
「うーん.....やばいかも。」
そう、僕はかつて修学旅行で一度ホームシック.....というか千聖と会えなくて発狂しかけた時があった。というのも高校の先生が豪や僕が気に入らなかったのか僕たちのスマホを取り上げられてしまった為、僕は千聖成分を補充する手段を失い死にかけたのだ....
「優希、千聖も寂しい思いしてたのよ?」
「ちょっとお母さん!?」
「千聖もずっと『兄さん.....兄さん.....』ってゾンビじゃないかって感じになってたし、修学旅行行ってた間は千聖、優希のベッドで寝てたのよ。」
「そうなんだ.....」
「に、兄さん。誤解しないで欲しいのは兄さんの匂いが欲しいからって訳じゃなくて単に役でそういうことがあっただけで.......」
「じゃあ僕が一方的なだけだったのか.....ごめんね。」( ´・ω・`)
「うっ(そんな顔するのは卑怯よ!!なんか悪いことしたみたいじゃない.....).....でも、兄さんがいなくて少し寂しかったのは、事実よ。」
「そうか.....良かった。」
「ところで今回は2泊3日って聞いたけどどこ行くの?」
「校長先生の別荘に行くんだって。この学校の伝統らしくてそこてお嬢様というか淑女としての振る舞いとか覚えるんだって。それとプラスして自然観察とか釣りとかテニスとか色々アクティビティも入れてるって。」
「家に行くなんて凄い発想ね。こころちゃんくらいの広さなのかしら?」
「下見に誘われてないから分からないけど結構広いらしいよ。」
「下見に行ってない?どういうこと?」
「いやなんか、僕はそんな紳士らしくないみたいだからまず家が視察を許可しなかったんだって。だから僕だけはなんか知らないけど敷地内にテント張って自炊しろだってさ。」
「凄い格差ね.....兄さん大丈夫なの?」
千聖があんまり反発しないのは実は理由がある。僕達EXTRAもツアーライブの時、交通費と食費は全額自己負担だった。そういう自給自足のような生活をEXTRAがしたことがある為、そこまで心配もないらしい。
「別にいいよ。あんまり緊張する空間にいるのもあれだし。敷地外にもコンビニとか色々あるからそこで済ませるよ。」
「県外じゃなかったらお弁当を届けてあげれるのに.....申し訳ないわ。」
「千聖が謝ることじゃないよ。むしろあんまり千聖には負荷はかけたくないしね。」
「少しは頼ってくれてもいいのに.....じゃあ、お土産話、楽しみにしてるわね。女の子との甘い話以外で。」
「は、はい.....」
そんなこと起きるわけないでしょ.....と願いたい。
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宿泊研修当日 朝
A組担任「ええ.....これから校長先生の別荘にお邪魔するわけですが、上品な振る舞いを心がけるように。」
B組担任「ここで皆さんの日頃の行いが分かります。恥ずかしいマネはしないようにしましょう。」
C組担任(代理)、白鷺優希「楽しむところは楽しもうね。その時間くらいお嬢様とか学校とかそういうの忘れてさ。そういう肩の力抜くのも1つの力だよ。」
こええ.....周りの先生の目線が怖い。でもそういうこと出来るのも1つの技術だと思うんだけどなぁ.....まぁそういう学校なのかな。
「じゃあ僕はバイクで向かうんで。」
そう、何故か知らないけど僕はバスに乗せてもらえないらしい。なので蒼生が暴走族時代に愛用したバイクを借りて行くことになっている。
「ねぇ先生、あたしも乗せてよ!!」
とカリスマさんがやってきた。アクティブだなぁ.....その元気分けて欲しい。
「え?バスで行かないの?」
「なんかバスって狭いから嫌なんだよねぇ。やっぱ開放感大事だと思うんだ!!」
そういうものなんだ.....でもB組の担任の先生がめっちゃ睨んでる。これどうしたらいいんだ.....
「.....乗るかは好きにしてもいいけど、後で何か言われることは覚悟しといた方がいいよ。それに.....」
「それに?」
「ヘルメットないよ?僕2人乗りする予定なんか無かったし。」
「.....あ、そっか!?」
「うん、だから大人しくバスに乗ろうね。」
「......じゃあまた今度どこかで乗せて!!」
「うん、いいよ。」
「お、優希くんも早速仲良くなってるじゃん!!」
「理事長、突然登場ですね。」
「えっと.....君誰?」
「あ、あたしは桐ヶ谷透子です!!」
「うんうん、じゃあ私のヘルメット貸してあげるから優希くんと一緒に乗りな!!」
「え!?貸してもらっていいんですか!?」
「ちょ、理事長!?」
何だこの人は!!せっかく流れでバスに戻そうと思ったのに。普通生徒に2人乗りしてもいいって言う理事長いないからな!!さすが蒼生の姉.....格が違う。
「ただし!!ちゃんと優希くんに掴まっておくこと。ヘルメットは運転してない時以外は外さないこと。いいね?」
「はい!!ありがとうございます!!」
こうして.....やばくなりそうな宿泊研修が始まった。
移動中
ブゥゥゥゥン!!!
「凄く気持ちよくない!?」
「そう?初めて乗ったからじゃない?僕は何回か乗ってるからあんまり新鮮味はない。」
「へぇ、あたしもC組が良かったなぁ。ルイが羨ましい。」
「ルイ?八潮さんのこと?」
「そう。ルイって凄いんだよ。バイオリンとかもめっちゃ上手く演奏するし!!」
「やっぱり上手いんだ....」
というか暑い。カリスマさん、ずっと僕に強くくっついてる状態だから想像以上に苦しい。女の子って結構力あるんだね.....ちゃんと言うこと聞いてるのを見るあたりいい子なんだろうけどさ.....
「先生ってキーボード歴何年くらいなるの?」
「キーボードと出会って今年で.....まぁ3、4年になるのかな。高校でバンド組んで始めたから。」
「うちキーボードいないからどんな感じか分かんないんだよね〜。」
「まぁクラブハウスとか楽器店に行けば色々あるよ。
「ねぇ先生、このバイクに書いてる『漢!!』って何?」
「気にしないで.....うちのバンドメンバーのやつだから。」
「へー、そうなんだ。」
.....あれ?お嬢様だからこういうのは案外知らないのか.....そっちの方が幸せか。
「先生って彼女とかいるの?」
「ぶふっ!!」
「ちょ!?大丈夫?」
いきなり爆弾な質問聞いてきた.....これがバンドメンバーなら『千聖に決まっとるだろバカタレ』と言えなくもない。だがお嬢様相手にそれは絶対に禁句.....どうすれば。
「いないよ。僕あんまりそういうのに興味ないから。」
「いそうだけどなぁ.....あとどれくらいでつく?」
「大体20分くらいだと思う。道は覚えてるから安心して。」
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20分後
「あー、楽しかった!!ありがと先生!!」
なんとか終わった.....あぁ、肋骨あたりが痛い。
「どうだった?女の子と2人で移動は?」
「....肋骨あたりが痛い。」
「あら、それはドンマイ。じゃあ1日目は優希くんあんまりやることないから自由でいいよ。」
自由って言われても.......特にやることないんだよな。テントでも張って寝るか。
「大学の課題とかも片付けてきたし....千聖を愛でたりして疲れを癒しますか。」
それにしても静かでいいなぁ.....こういう所で昼寝したいって1回くらい思ってたし。学校だったら屋上くらいしか落ち着ける場所無かったし。
「優希くんちょっといい?」
「なんですか?理事長。随分と早く戻ってきましたけど。」
「ちょっと色々話しておきたかったからさ.....わかる通り、この学校意識が高すぎるから優希くん自炊というか外で生活する羽目になってるし。」
「別にいいですよ。私有地でも長閑で過ごしやすいですし。」
「まぁそれは良かった.....優希くんの教育実習の達成目標は『お嬢様とかに囚われず生徒と向き合うこと』、これだよ。」
「わざわざ目標設定してくれるんですか.....ありがたいですね。」
「優希くんなら出来ると思うよ。蒼生とかも変えてくれたし。」
「蒼生を変えたのは正確に言えば豪なんですけどね。僕は道の提案をしただけですし。」
「まぁまぁそれでも、目標があった方が何も無く過ごすよりもいいでしょ?じゃ、頑張ってね!!」
お嬢様意識、か。難しそう.......まぁいいや。千聖の写真でも見てほんわかしよう。
さすがにダラダラ教育実習させるのもあれなので今回は目標設定をして進めさせてもらいます。こっちの方が読みやすいと思いますし.....。
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