「すみません、付き合ってもらって。」
「いやいや、家族招待で僕まで来させてもらったのは嬉しいよ。」
今は遊園地に奥沢さん一家と一緒に来ている。ここはどうやら以前にハロハピが頑張って賑やかさを取り戻した遊園地らしく、招待状を貰ったらしい。
「でも....なんでジャージなんですか?」
「あ、これは....私服が無かったからこれくらいしか外に出ても大丈夫なやつ無かったから.....スーツとか嫌でしょ?」
「明らかに雰囲気が違いそうですね。それ高校のジャージですか?」
「うん、ライブとかで着たことあるんだよ。」
「それバレなかったんですか.....?」
「いや、バレてはいたんだけどそこまで騒ぎは出来なかったね。」
「こころたちもかなりですけど白鷺さんのバンドもだいぶやばそうですよね。」
「どうだろうね.....」
多分僕達とはベクトルが違う。奥沢さん達のバンドは発想が飛び抜けてるけど、僕達のバンドは常識からぶっ飛んでるからね.....あれ?一緒?
「そういう奥沢さんは私服似合ってるよ。」
「そうですか?普通に着ただけですけど。」
「パーカーとかが好きなの?前に会った時もパーカーだったような気がするし。」
「そうですか?別にパーカーが好きとかそういうのは無いんですけどね。」
違ったみたいだ。でも合ってるよな.....千聖からメールで『美咲ちゃんのこともちゃんと見てあげてね』と書いてきたんだけど.....これどういう意味なんだろう。千聖が無意味にこんな事書いてくるハズないし。
「それより、白鷺さんスマホの背景千聖さんにしてるんですか?」
「最近はそうしてるよ。千聖と会う機会が減っちゃったからね.....こうでもしないと成分が足りないよ。」
「やっぱりそうなんですね。家にいる時もスマホの画面見てうっとりしてますし。」
「あれ?僕部屋でしか見ていんだけどなぁ.....」
一応僕が家にいてもいいというのはご両親が承認の上で成り立っている。だから空き部屋に住まわせてもらっている。そこは物置みたいになってたけど僕は屋根があるだけ嬉しいので特に気にしてはいない。
「一応過ごしていて不憫ないか聞こうと思ってるんですけど、部屋のドア開けたらいつも他の世界に行ってるみたいで話しかけづらいんですよね。」
「あ、そうだったの。それはごめん.....あと別に丁寧語使う必要ないよ。むしろ本来なら僕が使うべきなんだけどね....」
数ヶ月とは家にいさせてもらってるのに相手に気を遣わせるのはさすがに気が引ける。今のところ家事の半分くらいは僕がやってるし生活費もちゃんと自分の分は出している。
「え?さすがに年上の人に丁寧語を使ってもらう必要ありませんし、それに知り合いですから。」
「でもいちいちこっちに気を遣うのはめんどくさいでしょ?別にタメ語使ったからって怒ったりはしないからさ。」
「.....そう?なら普通に話すけど。」
タメ語になってくれた。気を遣わせる方が申し訳ないからね.....郷に入ったらなんとかって言うし。
「でも、ある意味意外かも。」
「意外?」
「うん、年上の人にこうやって話すのはある意味初めてかも。花音さんや薫さんでも一応敬語は使ってるし。」
「そうなんだ。まぁ居候期間はそうしてもらった方がお互い楽かなって。」
「じゃあしばらくはお兄さんとして頼ればいいのかな.....千聖さんもそうしたらいいって言ってたし。」
「え?千聖が?」
「あ、いや.....なんでもない。」
千聖....何か考えているのか。まさか.....また嫌われた!?いやそんなことはない.....はず。女子校に行ってるのは紫吹さんが原因だし特に女の子と関わってることも無い.....なぜだ。
「まぁ考えてもあれか....ところで家族の方どこ行ったんだ?」
「え?.....あれ、はぐれた?」
ん?なんかメールがきてる.....『美咲と2人で楽しんでくださいね♪あ、でも6時には帰るから入口に来てくださいね』.....なるほど。
「.....どうかしたの?」
「なんか僕と2人で遊んだらって。」
「え?何で?」
「知らない.....あれじゃないかな?奥沢さんが結構悩んでる顔してたから気を遣ったのかな。家族には話しづらい話とか。」
「そんなの無いんだけど.....まぁいいや。時間もあるし色々行こ。」
「あれ?僕リードされてる.....」
「白鷺さん前に花音さんと迷ってたよね?」
「あぁ....あれは地図が読めないだけで」
「だから心配なんだよ。どっか行きそうだしこういう施設だとマップとか頼りにしがちだし。」
「.....じゃあお願いしてもいいかな?」
「はい、任されました。じゃあ行きますか。どこから行く?」
「うーん.....じゃあジェットコースターみたいなのか行く?」
「ジェットコースター.....あったっけ?.....いや、あった。」
「じゃあ行こうか。」
「白鷺さん、逆。そっちじゃないよ。」
「あれ?地図だとこっちのような.....」
「なんか花音さんが2人いる気分.....」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「意外とハードだった.....」
「大丈夫?休憩する?」
「うん.....少しだけ。」
まさかジェットコースターでこうなるとは.....不覚だ。やっぱりお腹空いた状態で乗るべきではなかったね。
「.....隣に座ってるから良くなったら教えてね。.....あっそうだ。」
「ん?どうしたの?」
「前から聞きたかったんだけど.....花音さんとどうやって打ち解けたの?」
「花音さんと?どうして急に?」
「いや、白鷺さんにこころほど行動力あるとは思えないし、千聖さんのような出会いがあった訳でもないし、気になったから。」
「あぁ.....まぁバイト先が一緒だったしシフトが被りやすかったから打ち解けたって感じかな。....あ、出来事自体はあった。」
「どんなの?」
「えっと.....僕が入ったばっかの時だったかな、うちのメンバーが遊びに来て花音さんを困らしたことがあってさ.....花音さんって流星の妹だからさ。」
「あぁ.....そうだった。」
「それで僕がちょっと制裁を加えて帰した時にちょっとだけ話してから次第に話すことが増えて。まぁ話題の9割は流星関連だったけど。」
「花音さんってそんなにお兄さん好きなんだ。」
「まぁ.....流星は普段は頼りなさそうって言われるくらい弱々しいけど、それでもあいつは一本芯があるからね。元々習得するスピードが速くてさ、そのせいかプロにも目をつけられて。」
「そんなに凄いんだ.....花音さんがドラム上手い理由もそれかな.....」
「まぁ、花音さんのことは分からないかな。であいつにもスカウトが来たんだ。」
「なんかRoseliaでも同じような話があったような。」
「そうなの?それであいつ断ったんだよ。『僕は頂点とか興味無い.....僕は皆と見る景色が好き。1人で見たって寂しい.....』弱々しいかったけど凄いよ。大手のスカウトマンにそう言い放ったからね。」
「へぇ.....そういう芯の強さやブレなさは花音さんと本当に似てますね。」
「花音さんそうなの?」
「うん、無人島に行った時それを実感したよ。」
それにしても.....奥沢さん無防備じゃないかな?仮にでも男の前で生足見せつつちょっと見下ろす感じで会話してるけど.....この距離どう見たっておかしいよ。付き合ってるとかそういうレベルの距離だけど.....大丈夫かな?
その後色々回って時間になった。少し奥沢さんが不貞腐れてるみたいに見えたけど.....何かあったのかな?
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
電話
「そう.....何か素振りはなかったのね。」
「はい、千聖さん、一体白鷺さんにどういう教育をしたんですか?」
「私は親じゃないんだけど.....どうかしたの?」
「今日遊園地でですね、私、結構頑張ったんですよ。普通の男の子だったら結構どきどきしてもおかしくないと思うんですよ。」
「何をしたの?」
「まず近くのいすで白鷺さんが寝ていたんですよ。で、私生足出した状態で隣に座ったんですよ。ズボン短めでしたから太腿とかも見えてましたし。それで白鷺さんと話す時もちょっとかがんだりしたんですよ。」
「.....それで?」
「何一つ動揺する気配が無かったんですよ。これ、私に魅力がないからですかね....?」
「兄さんにそういった仕掛けは効かないわよ。だって私が下着だけの状態の時も『はやく服着なよ!!』とも言わず、『風邪ひくよ?』って言うのよ。だから兄さんを落とせたらそれは女神くらいしかいないわよ。」
「そ、そうなんですね.....」
「また何かあったら電話して。愚痴でもアドバイスでもなんでもいいから。」
「はい、ありがとうございます。」
ピッ
「白鷺さんを落とせば.....女の子らしいって思えるのかな.....」
投稿ペースが落ちますが.....呼んでくれたら嬉しいです。
不定期更新リクエスト
-
優希くんと千聖ちゃん
-
EXTRAと千聖ちゃん、友希那ちゃん
-
他の妹との交流