どうも、奥沢美咲です。私は今、白鷺さんの部屋を掃除している。といっても家の中である程度役割が決まっていて白鷺さんは買い物の荷物を持ったりとか妹達と遊んだりと体力や力が必要な仕事をしてくれている。なので私はせめともということで掃除をしている。こころ達から解放されて、かつこんなにゆっくりできる休日は久しぶりだなあ....
「にしても....整ってる。掃除しようにも全然ホコリとかないし....やっぱ千聖さんのお兄さんなだけあるなぁ。」
.....と思ったら何冊かの本らしき何かが目に入った。
「これなんだろう.....日記?」
少し色褪せている辺り結構昔の日記なんだろう。....って
「これ千聖さんの日記じゃん!!どうして持ってるんだろう.....」
まさか....ないよね。まぁいいや。どんな内容なんだろう.....
○月✕日
今日はお兄ちゃんに覚えた台本の演技を見てもらった!お兄ちゃんは上手だねって褒めて私の頭を撫でてくれた。とっても嬉しかった!!
「ふふっ、やっぱり千聖さんも子供の頃は子供っぽいところがあったんだ。」
私は少し意外に感じた。
「続きどんなんなんだろう.....」
○月△日
今日は稽古をしたけど、監督さんに下手だって怒られた。何回も練習したのに駄目だった.....悔しかった。でも、お兄ちゃんが慰めて練習に付き合ってくれた!
「.....やっぱり白鷺さんが好きなんだ....今でもそうだけど、こういう事があったからなんだろうね。」
△月✕日
子役をやってるから分かるところもあるんだけど.....やっぱり自分が出たテレビを見られるのが怖い。私は子役で、自分を偽って演じるのが仕事.....でも、それが皆に私の一面って思われたら.....
「.....役者なりの苦労、か。千聖さんも悩んでいたんだ。」
△月○日
ある日クラスメイトから「白鷺さんって人形みたいだよね」と言われた。発言の意味は分かる.....私が色んな役を演じていて本当の私が見えない....そういうことね....正直傷ついた。私を理解してくれる人はいないの.....兄さんは心配してくれているけど、私の問題だから兄さんに迷惑なんかかけたくない.....
「ページ抜けてるから日にちが一気に過ぎてる.....」
✕月○日
周りから色々言われることは無くなったけれど、次は私を役者としてしか見てくれない人が多くなった.....薫とも別の学校に行って.....どうしたらいいのかしら.....そして兄さんに悩みがバレてしまった.....絶対に知って欲しくなかった。兄さんにだけは.....こんな私.....
「......」
私は想像できなかった。千聖さんが白鷺さんに弱みを見せたくないなんて言うのは....
✕月□日
兄さんがバンドを結成したらしい。今まで兄さんが誰かと積極的に関わるところは見たことが無かったから意外だった.....でも兄さんにそういう仲間が出来たのがめでたいと思うと同時に、そういう生活ができる兄さんが妬ましかった。女優の妹を持ってもなお普通に学生生活を送れる兄さんを.....兄さんも、私のことを少し疎ましいと思っているのかしら.....
□月✕日
兄さんの友達の湊さんという人と出会った。私と同じで兄さんの事が好きなのはすぐ分かった....それに湊さんは兄さんに自分を見せていて羨ましかった。湊さんは私をしばらくじっと眺めていた。
□月○日
初めて兄さん達のライブに行った。湊さんも一緒にいてライブを見た。私は音楽経験が無いから全く分からなかったけれど.....とても気分がのっていて、そしてその時だけは悩みを忘れられた。湊さんも遠くを見ているような感じで、兄さん達も全力で楽しんでいるように見えた。その時のライブの目標が『ファンも俺たちのありのままに!自分たちをだそう!』だった。ライブが終わった後、私は兄さんに呼ばれてステージ裏に行った。.....兄さんはどこか悲しそうな目をしていた。そして「千聖、何か悩んでるんだろう.....僕には話してくれないのか.....」とどこか悲しい目で聞いてきた。私の問題だから話したくはなかった.....けどあんな目をされたら拒否する方がよっぽど辛かった。私はライブの余韻もあったからか悩みを打ち明けた。湊さんも私の横でそれを聞いていた....それを聞いた兄さんは「そうだったのか.....なら僕達がその理解者になるよ」と言った。私は一瞬驚いた。こんな悩みを打ち明けても困るだけだろうって....結局はどうしようもないという結論になると思っていた。
「僕は兄でありながら千聖の悩みを理解してあげられなかった.....僕は万能な兄じゃない。けど、たとえ千聖がどんな自分を持っていても僕はそれをちゃんと受け入れるよ。それに千聖は人形なんかじゃないよ。僕の大切な妹で、子供っぽさもあってどこかで自分で区切りをつけようと背伸びしてがんばってる、1人の女性だよ。」と笑顔で私の頭に手を置いた。このぬくもり.....どこか懐かしかった。.....私はどこかで壁を勝手に作っていたのね。それに実はこのライブは私の為に兄さんが計画したものらしい。メンバーの方々も俺たちに出来るならって協力してくれたらしい。.....感謝しかなかった。私から勝手に遠ざかったのにそれでも私を受け入れようとしてくれた。.....その温かさがとても嬉しかった。
「.....千聖さん、羨ましいな.....」
「あのー、奥沢さん?」
「....ふぇ!?い、いつの間に!?」
「さっきから後ろにいて声掛けてたんだけど.....読むのに夢中になってた?」
「は、はい.....というかなんで千聖さんの日記持ってるの?」
「あー、それね。こっちに荷物持ってきた時に紛れ込んでてさ、さすがに返したら絶対に読んだってことで機嫌損ねそうだからそっとね。」
「あぁそういう....懐かしいな、この写真。」
そう言って白鷺さんが日記の後ろの方から取り出したのは.....EXTRAと湊さんと千聖さんが写った写真だった。
「これ、ライブ後に撮った写真でさ.....俺たちがばあちゃんを初めて納得させられたライブなんだよなぁ。」
「どこか千聖さんと湊さんが幼く見えるね。」
「そう?まぁ今から数年前だからねぇ.....あっ、そうだ。」
「ん?どうしたの?」
「奥沢さんも何かあるの?この前遊園地行った時もそうだったんだけど.....どこか目線が下がってたし悩んでるようにも見えたけど....」
「.....なんか薫さんと話してる気分。」
「薫と?」
「.....なんか見透かされているというか私の心理が見えているみたいな.....」
「薫は昔から察するからね。千聖を幼馴染に持ったっていうのも大きいと思うよ。」
「そうだね.....ねぇ白鷺さん、女の子らしいってどういう事だと思う?」
「女の子らしい....どういうこと?」
「ほら、私って...ミッシェルで動いたりこころ達を抱えたりすることが多いからさ.....花音さんみたいなか弱さが消滅してるし.....胸も、有咲やこころみたいな感じじゃないし.....薫さんみたいな美脚でも無いからさ.....」
「そんなので女の子の価値って決まるものなの?僕は男だからよく分からないんだけどさ.....」
「でも、やっぱり女の子って言えばそういうのでしょ?」
「うーん.....まぁそういうところがあるのは否めないね。.....僕は女の子じゃないからその悩みを完璧に解決できる道を教えるのは不可能だから......とりあえず誰かと比べないことだね。」
「比べない?」
「内心わかってる部分もあるんじゃないの?比較しがちなところがあるって.....今の話を聞く限り、全部誰かと比べてるしね。」
「.......そうかも。」
「......奥沢さんは奥沢さんであってそれ以上でもそれ以下でもない。誰かと比較して自分を卑下するんだったらさ、自分にしかない何かを見つければいいんじゃないかな....」
「....それが難しいんだって」
「誰も1人で探せなんて言ってないよ。家族の人や、花音さん.....薫とかハロハピの皆と探せばいいじゃん。まずは自分が笑顔になれなきゃ、ね。」
「.....なんかこころと似てる。」
「そうかな?」
「.....じゃあ白鷺さん.....ううん、優希。私がその自分を見つけるまで、ちゃんと一緒にいてね。」
「.....ん?」
「だって提案したのは優希だよ?だったらちゃんと責任とか果たしてね。」
「は、はい...(あれ?予想してたのと違う.....)」
「勿論ハロハピの皆も頼るけど、私が少なくとも誰かと比較する癖をなくせるまでは一緒にいて。」
9月入学制とか出てるんすね.....残暑ある中入学ってなんか嫌ですね。それに熱中症とかがある時期に受験ってのも酷ですよね。
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