どうも、お昼ご飯が豪華すぎて胃が追いつきそうにない白鷺優希です。肉の質といい.....うん、さすがの一言しかないよ。
「優希くん!!答案の採点しながらご飯食べたら消化に悪いよ!!」
「いや、午後から練習だから少し進めようかと.....」
「そ、れ、で、も、だよ!!優希くんってお兄ちゃんなんだよね?」
「うん、一応。」
「うーん.....どっちかと言うと弟にも見えちゃうなぁ.....」
二葉さんがごもっともなことを言っている。
「二葉さんは妹とかいたんだっけ?」
「はい!!私、お姉ちゃんなんですよ!!」
o(`・ω´・+o) ドヤァ…!と言わんばかりである。でも皆やっぱり行儀がしっかりしてるんだなぁ.....高校の時の蒼生はナイフの使い方を思いっきり間違えてたなぁ.....突き刺すもんじゃないよ。
「じゃ、練習始めるか....ところでどこでやるの?」
「地下です。案内するわ。」
そう言って八潮さんがポケットから鍵を出して地下室らしき鍵を開けた。そこには楽器と機材、防音素材までちゃんと整えられていた。
「ここまでやってくれるとは.....」
「それほど先生にお世話になったということですよ。」
「お世話に.....もしかして家庭訪問の件?」
「はい、あれ以来お父さんの立場も上がって今では対等に話してますし、お互い遠慮している気配もありません。」
「そっか、それなら良かったよ。さてと.....」
「....なんでマイク2つ立てたの?」
「一応今回はましろちゃん達の練習を見て各パートに指示を出せるようにするよ。ヴァイオリンはちょっと厳しいかもしれないけど.....止めたら即そのパートを練習する、後は多分熱中したら時間を忘れる可能性があるからタイムキーパーとしての仕事もするよ。さっき皆が遊んでいる時にとりあえずスコアには目を通しておいたからそれ見ながら指示出せたらいいと思う。」
「うん、分かった。」
そして各自準備を始めた。全員真面目な雰囲気になったからおそらく2時間はちゃんと持つだろう。
「とりあえず見た感じ練習はしてるみたいだから1回通す。その1回の間にできていない部分を確認、その後個人練習でいくよ。」
10分後
(…σ_σ…)♡ジーッ
「ん?」
「あ、えっと...」
なんかさっきからましろちゃんの目線がやけに凄いな.....歌自体はそこまで問題はない。
「ボーカル、そこの音程はおそらく半音低いよ。」
「は、はい!!」
「ドラム、テンポが速くなっている。もう少し、落ち着いて弾いて。」
「はい!!」
「ギター、聞こえにくかったかもしれないけど今のところ音ごまかした?」
「あ、ご、ごめん.....」
などなど完成度に関しては練習しているんだなぁというのは感じられるが少しだけ細かいミスがみられている。広町さんと八潮さんに関してはほぼ完璧になっている。やっぱりこの2人は.....
「ゆーゆー、何かある?」
「いいや、そのまま続けてくれていいよ。」
「.......むぅ。」
何か不満げな所があるのかな?
「何か不安なところがあるの?」
「別にそういうわけじゃ.....」
ん?ますます疑問になった.....なんだろう。少なくとも不自然なところは無いしタイミングも完璧。
「先生。今のはどうでしたか?」
「楽譜の読むのが少し難しいけど.....合ってると思うよ。」
「そうですか。」
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2時間後
「一旦休憩にするね。各自水分補給と汗ふくの忘れないように。」
ちょっとだけキーボード弾くか.....皆休憩で部屋出てるしいいよね?
「ふぅ!!優希くん、結構厳しめだったね!!」
「そうかしら?あれでも割と我慢している方よ?」
「ルイ分かるの?」
「ええ。だって私たち自身がまだお互いの間違いや不協和音を指摘出来ていない。それをマシにしようとしているのが先生。」
「でも、私たちの演奏、そこまで悪くなかったと思うけどな〜。」
「ええ、前のライブよりは確実に良くなっていると思うわ。」
「.....やっぱりしっかりしなくっちゃ。」
「ん?シロ?どうしたの?」
「あ。なんでもないよ。もっと練習しないとなぁって.....」
「ま、それしか道はないよね。」
(ここで私が指摘をしたとしてもおそらく空気が悪くなるだけ.....先生はどう動くのかしら?)
「そろそろ時間ね.....戻りましょう。」
「あ、そうだね!!行こう!!」
地下室
「え、あれって優希くんだよね.....?」
「何か演奏してる?」
『限界なんて本当はそこにない覆せ、塗り替えて.....』
「....綺麗な歌声。」
「しかもあれ弾きながらだよね.....?」
「手元を見てない.....」
「........」
「ふぅ....って帰ってきてたの!?」
「あ、あのえっと.....」
「聞かれてたならいいよ.....じゃ、練習の続きする?」
「もう少しだけゆーお兄ちゃんを見ていたいな....今の続き。」
「え?で、でもあれあくまでプライベートだし.....」
「....そっちの方がいいかもしれないわね。」
「え?」
「あなたの演奏を聞いておく方が今後の為にもいいかもしれないわ。」
「八潮さんまで.....分かったよ。でも、明日はあいつらも来るから結構ハードになるよ?」
「それでもいいわ。」
「じゃあ.....」
カバーでいくつか弾きたいやつを弾いた。思った以上に皆が真面目に聞いててくれてびっくりした。
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その夜
僕は外の風に当たって涼んでいる。なんかアニメとかだったらこういう海辺に月の光があって明るいかと思ってたけど見渡す限り暗黒。月は見えるけどそれ以外全く何もない。あのアニメの月の光の強さは一体なんなんだろう....
「先生、少しいいですか?」
「八潮さんと.....カリスマさん?」
まさかの組み合わせだった。八潮さんはともかくカリスマさんまでやってくるとは思わなかった。
「2人揃ってどうしたの?」
「先生....今日の練習の素直な感想を聞かせてください。」
「あたしもそれ超きになるんだ!!教えてよ。」
「普通に前に比べれば良かったんじゃないかな....」
「お世辞はいいから。」
穏便に済まそうとしたらカリスマさんに遮断された。しかも地声。普通に一瞬怖かったんだけど.....
「....素直に言っちゃえば普段のバンド練習って何やってるの?」
「何って.....」
「スコア通りに弾けてるのはいいんだけどさ.....それだけ?」
「.......」
「別にそこは皆が決めることだから僕はとやかく言う余地は無いけどさ。それでも気になった .....合ってないところは分かっても不自然なところは分からない。」
「それって違うの?」
「まぁ、ね。それが分かってくれたら嬉しいんだよなぁ.....今日の広町さんはそれを言わずに変えてたし。後は今日の結果をどう生かすか、だよね。」
「やっぱり変えてたんだ.....なんか合わせやすいなって思った。」
「.....先生、教えてください。これまでの練習を見て、私たちのバンドには誰かの道を照らせる.....可能性はありますか?正直なところ今日の練習は普段やっている練習と全く変わりありませんでした。」
「ちょ、ルイ!?」
「遠回しなのも無しで教えてください、先生。」
.....なんか練習の話をしていたらいつの間にか話がとんでもない方向に進んでいた。ちょっと待って。
「それって今日の練習と関係が.....?」
「はい。場合によっては合宿を途中で打ち切ってもいいかもしれないという判断です。」
.....この2人な理由が分かった。おそらく残りの3人がいたらまた揉めるだろうしそれにメンバーから遠回しに低評価されてるようなものだからな....こういうストレートなのは良いのか悪いのか.....
「うーん.....率直に言えば可能性は.....分からないや。」
「.....理由は?」
「だって現状をどうするかによって変わるんだし。今日の練習がダメなら改善して明日やる。それでいいんじゃないの?」
「ゆーくん、多分そういうことじゃなくて.....」
「え?違った?.....ああ、はい。分かりました。八潮さん、意見自体はさっきとあんまり変わらないんだけど、まずは向き合わないとね。」
「向き合う?」
「八潮さんはおそらく今までの練習体勢を見てこのバンドがずっとこのままだと思った.....それで合ってる?」
「はい。」
「だから変わる可能性が低くてこのままここにいても何も可能性は無いってことだよね?」
「はい、だから聞いているんです。」
「どこまでも実直だね.....まずは結果に向かいあうしかないよ。まぁ皆さすがに失敗したりしたら何からと見直すけどさ。『結果を生かせなかったら結局のところ成功だろうと失敗だろうと無意味になる』だったかな.....この現状ならこれが1番じゃないかな?」
「そう、ですか。」
「ちょっとイキって表現するなら、君たち5人のスポットライトがひとつの道を色んな光で照らして、様々な可能性に気づかせるためにはその光は個々の特徴を潰さず、そのまま光る。今はその光が薄く、同じ色になりそうになっている。.......カリスマさん、言ってるの恥ずかしいから録画しないで!!」
「えー?だってゆーくんが珍しく大人な顔してたし生かしたこと言ってるから思い出がてら残してるだけ!!」
「んん....まぁとりあえずまずは結果を受け止めてそれを見直していくだけだ。ばぁちゃんも言ってたけど技術云々とやりきることも大切だからね。自分たちらしくやっていかなきゃ、ね。」
「結果を生かす、私たちらしさ.....」
「ま、まぁまぁ色々やることありそうだけど、まずは1歩ずつやってこ!!」
因みに優希くんが歌っていたのはシャイニーカラーズの『Dye the sky.』という曲のサビです(シャニマスやってる人は知ってますよね?)。
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