白鷺家のお兄さん   作:面心立方格子

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Roseliaコラボは引きたいし、別のゲームでも推しが出たりと課金するお金が足りなくなります。


お茶会

「まったく兄さんたら.......」

「すまんな、千聖。」

「ごめんね、千聖ちゃん。」

 

あの後私は駅から花音の家まで行って羽沢珈琲店に帰ってきた。本当に遠くて運動苦手な私からしたら久々に疲れたわ。

 

「ご注文は何にしますか?」

「そうね.....アイスコーヒーお願いするわ。」

「じゃあ私は紅茶で。」

「僕は.....この前の約束通りケーキとキリマンジャロ貰おうかな。」

「はい!!すぐお持ちしますのでお待ちください。」

 

 

「羽沢さん.....真面目だね。この前は砕けてたのに。」

「白鷺くん、ここに来たことあるの?」

「以前ね.....ブラックコーヒーを飲みに。」

「へぇ、白鷺くんブラックコーヒー飲めたんだ。」

「イヴちゃんがそういえば言っていたわね。結局何がしたかったの?」

「それは言えないね。」

「そう。ところで花音、あなたいつまで兄さんの手を握ってるの?」

「え.....あっ.......」

「まったく.....兄さんに触れていると安心するのは分かるけど、それは事が済むまでよ。」

 

私も昔はあんな風に兄さんによく手を繋いでもらってたわね。今でもたまに部屋に入って寝てるところにこっそり入ることはある。......あら?幼い時よりもひどくなってる?

 

 

 

 

「さてと.....なんか話すことないかなぁ。」

「そうね、私と花音なら学校とかバンドの話とかで盛り上がるのだけれど、兄さんは年齢が違うし.......」

「じ、じゃあ!!白鷺くんが入ってたバンドってどんな感じだったの?」

「僕が?うーんとね....自由な奴らの集まりだよ。僕たちのバンドは少し変わってて、目隠ししながら演奏したりとかくじ引きでどの楽器を担当するかとか、レパートリーの中からファンの人の投票でその曲を即興でやったりとか.....そんな感じだったよ。」

「す、すごいね.....こころちゃんたちでもそこまでしないよ。」

「確かにはちゃめちゃだったわね。私も何回か聞きに行ったのだけれど、凄かったわ。会場の人よりも楽しんでるって気持ちが伝わってきたのよ。しかもそれに裏打ちされた実力もあった。今パスパレをやってるからこそ兄さんたちの凄さが身に染みて分かるわ。」

「千聖、バンドやってるなら早く言ってくれよ。練習くらいならスコア見せてくれたらいつでも手伝ったのに。」

「兄さんは大学とかで忙しいでしょ?変に負担はかけたくないわ。」

 

兄さんと練習できるのは嬉しいのだけれど......自分のことは自分でやらないと。それに兄さんと合わせることになったら兄さんを意識しすぎてベースに集中できないわ。

 

「白鷺くんって、ベースやってたの?」

「いや、僕はキーボードだよ。何で?」

「千聖ちゃんがベースだったからそうなのかなぁって.....」

「あれはマネージャーが決めてたのよ。そういえば兄さん、マネージャーに喧嘩売ってたわね。」

「まさか千聖関連とは全く知らなかったけどね。バンドにやらせなんかを強要してるって聞いたからうちのグループ全員で叩きのめしに行ったよ。」

「叩きのめしにって.......」

「僕らも昔バンドをやっていた頃にいきなり時間変更とか言われたりしてね、1番最後だったのが1番最初になったりしたこともあったね。.......この話聞いてて面白い?」

「はい。白鷺くんがどんな感じだったのかなって。面白いですね。」

「というか花音さんよ、僕に敬語とか使わなくてもいいからね。むしろフレンドリーというか気楽に話してくれていいからね。」

「え?別に気を使ってはいないんだけど.....」

「そうなの?千聖からはそうk『兄さん!!ストップ!!ストップ!!』」

 

(千聖ちゃん、どうしたの?)

(兄さんを誘うのが恥ずかしくて.....その.....花音が少し気にしてるって言っちゃって.....)

(そういうことだったんだ.....別に気にしなくていいよ。白鷺くんと話せるのは嬉しいから。)

(ありがとう、花音。)

 

「ちょっと、お手洗い行ってくるね。」

 

 

 

 

 

「.....(気まずい)」

「あの.....兄さん.....」

「ん?どうした?千聖?」

「普段と兄さんと話せてないから.....その.....少し甘えさせてくれない?」

「.....何するんだ?」

「少し寝不足なの.....今日が楽しみだったから.....少し膝枕してくれる?」

「はは.....まぁいいよ。おいで、千聖。」

「うん.......」

 

そして私は兄さんに膝枕してもらった。気持ちいい.....兄さんの匂いがする.....これは危険だわ.........兄さんも撫でてくれてるし、これは癒しだわ.....

 

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どうしよう、めっちゃどきどきしてる。今俺の膝で天使がすうすうと可愛く寝ている。しかも気のせいか千聖の匂いもする。女の子っていい匂いがするって言ってたけど、それって香水とかの影響じゃないんだ.......

 

「あれ.....?千聖ちゃん、寝ちゃいました?」

「うん。少し寝不足なんだって。」

「そうなんだ.....ところで、白鷺くん。」

「どうかした?」

「その.....これからは優希くんって呼んでいいかな?その.....あんまり距離を感じたくないから.....いいかな?」

「別にいいよ。というか自由に呼んでくれて構わないよ。」

「あと.....千聖ちゃんは優希くんのこと嫌ってなんかいないから安心してね。」

「そうか.....普段は素っ気ない態度しか取ってくれなくてな。嫌ってるというか避けられてるというか。でも、たまにこうやって見せる1面が本当に可愛いんだ。それだけで心が癒されるよ。」

「私は普段千聖ちゃんに助けられっぱなしだから、こういう一面は知らなかったんです。」

「そうなのか?千聖も去年?だったかな。やっと自分を普通の女の子として見てくれる友達が出来たって母さんに喜んで言っててな。兄としては本当に一安心だよ。それが花音さんなのかな。」

「私も....こう引っ込み思案なところがあるから、千聖ちゃんが仲良くしてくれて本当に嬉しかったんです。」

「そうか.....これからも千聖をよろしく頼むよ。」

「はい、こちらこそ。」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「んん.....」

私はふと目が覚めた。そこはもうすぐ沈みそうな夕焼けが綺麗に照らされていた。

 

.....え!?兄さんにおんぶしてもらってる!?.......恥ずかしいけど、兄さんの暖かさが伝わってくる.......もう少し寝たふりをしようかしら.....

 

「千聖、良かったな。花音さんみたいないい人が友達になってくれて。僕は安心したよ。千聖が僕を避けてる理由は分からないけど、これからも誇れる兄さんになれるように頑張るよ。それに、甘えたくなったらいつでも来ていいんだ。僕は千聖を嫌ったりなんかしないからな.......なんて独り言だから言えるけど面と向かったら言えないよな。」

 

兄さん.......今、私の心臓の鼓動が大きく感じる。どきどき.....しているのかしら。背中越しに伝わってないといいんだけど.......本当に嬉しい。こんな私のことを受け入れてくれるのだから.......

 

 

 

それはそれとして、少しはどきどきしなさいよ!?妹とはいえ、年頃の女の子の胸が押し付けられてるんだから躊躇うなりしなさいよ!!!この鈍感!!!

 




少し暖かい日常を書いてみたんですが.....どうですか?僕はこういうジャンルを書くのは初めてですから、何かおかしければ、ご意見、ご指摘してください。
今回は誤字脱字報告が少ないといいな.......

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