在りし日の出来事
数年前、地下練習施設にて
僕達は文化祭でのライブを申請し、PTA及び学校関係者が納得できる演奏なら良いと言われたので、その為に練習をしている。
豪「あーーーっ!!!」
友希那「声がブレているわよ。その声で、全員の調子を乱す気かしら?」
「友希那さん、僕達のことはいいから.....」
「先輩が言うなら....いい、こうよ。あーーーーっ!!!」
豪「あーーーーーっ!!」
翔世「おっ、やってるやってる!!」
蒼生「にしても、休憩中だってのによくまぁやってられるよな。休憩しないと、練習の質が落ちるぞ。」
僕達はいつものように練習している。豪は友希那さんの指摘を受けながら、より強い、響きやすい声を目指している。
「でもあんなに声出してたら喉が痛むんじゃないかな.....」
流星「そういう優希だって.....指、少し手荒れみたいな状態になってるじゃん。」サクサク
「そう?全然気にならないけど.....」
翔世「その点、蒼生は手は綺麗だな!!」
蒼生「うっせ。手が荒れてたら燐子の頭を撫でるのに燐子にいい感触が伝わらなくなるだろ。」
翔世「羨ましいな。俺なんか背が届かないからたえの頭を撫でられないんだよ!!」
蒼生「まぁ翔世はおちびちゃんだから、な!!」
翔世「んだとコノヤロー!!」
ガチャッ
千聖「ふふっ、休憩だからってあんまり騒ぎすぎるのも関心しないわね。」
蒼生「げっ、優希の妹じゃねえか!!」
千聖「あら?私を見て何を怯えているのかしら?」
「あれ?千聖、来てくれたんだ。」
千聖「兄さん達に差し入れをあげれたらなって思って。ごめんなさいね、さっき撮影が終わって来たからあまり豪華なものじゃないけれど.....」
「ううん、千聖がこうやって考えて動いてくれたのが1番嬉しいよ。ありがとう、千聖。」ナデナデ
「ふふふっ.....あら?少し違和感があるわね.....兄さん、手を見せてもらえるかしら?」
「え?いいけど何か....」
そう言って千聖は僕の手を掴み、指を順番に開いて状態を確認している。あぁ千聖の指は暖かいな.....なんか殺意が飛んできた。
「手荒れがあるわね.....兄さん、ちゃんとケアしてる?」
「うん、ちょっとは心がけてる.....」
「兄さんは自分の管理が下手なんだから.....帰りにハンドクリームとか買ってくるからそれでちゃんとやってね。」
「うん、分かったよ。」
「じゃあ私も次の撮影があるから.....またね、兄さん。」
千聖は手をひらひらと振って階段を上がっていった。千聖がミニスカだから一瞬見えそうになってたけど気にしないでおこう。
翔世「なぁ蒼生、さっきのお前に対する千聖ちゃんの威圧感、半端なかったな。」
蒼生「ああ、俺ら暴走族と引けを取らない雰囲気だぞ。あれは。」
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練習終了後 コンビニ
豪「ぬわぁぁぁぁぁん、疲れたもぉん。」
流星「チカレタ....」
豪「今日もきつかったなぁ練習。」
「まぁ豪が友希那さんに一方的に指摘され続けてたからね。」
豪「でもそのおかげか大分マシになったぜ。レイに比べたらまだまだだろうけど頑張るぜ!!」
紅蓮「その、レイって誰なんだ?豪の彼女?」
豪「んなわけねぇだろ!!俺の妹であり嫁だ。」
蒼生「.....なぁ豪、気持ちは痛いほど分かるんだが、コンビニでそれを言うなよ。」
豪「えっ.....やば!!」
「まぁお客さんがそこまでいなかったのが不幸中の幸いだったね。」
友希那「あなた達って、全員そういう類の人間なのかしら?」
「そういう類って?」
「その....妹好きなところよ。」
『それは勿論全員そうだけど?』
「そ、そうなのね。先輩もそうなの?」
「まぁ豪ほど嫁とまではいかないところもいるよ。大切な可愛い妹だからね。」
流星「まぁ僕も.....おっちょこちょいな花音がお嫁さんだったら.....幸せにはなれるけど苦難が増えまくるよ。」
「そう?花音さんバイトではすごく頼りになるよ。」
流星「優希.....よく考えて。僕と同じレベルの方向音痴だよ?」
「あっ(察し)」
紅蓮「その点うちの有咲は優秀だな。盆栽も嗜んでるしなんといっても可愛い!!これに尽きる。」
蒼生「だからお前ら妹の愛をコンビニで語るなよ。さっさと会計済ませるぞ。」
翔世「.....あ」
「ん?どうしたの?」
翔世「財布ないわ。」
蒼生「ちっ、しっかりしろよ.....今日は俺が奢ってやるから明日練習の時に返せよ。」
翔世「おう!ありがとよ!!」
豪「やっぱ練習後のアイスとお菓子は最高だぜ!!」
紅蓮「お前らゴミはちゃんと持って帰れよ。」
「分かってるよ。でも、文化祭ライブも近くなってきたね。」
紅蓮「ああ。これからのスケジュールは.....まぁ間に合うな。俺もその他のプリントとか申請は済ましてあるから通ればすぐに準備出来るようにはしてある。」
蒼生「相変わらず世話になるな。」
翔世「紅蓮、俺たちにも何かあるなら教えてくれ!!お前ばっかに仕事を押し付けるのもあれだからな。」
紅蓮「心配ない。それにこれが俺の本来の仕事だからな。お前らに手伝わす訳にもいかないだろ。」
豪「そう硬いことを言うなよ!!俺たちのライブだ。その下準備も俺たちでやる方がいいんじゃないのか。まぁ俺はともかく.....優希や流星は頼りになるんじゃないか?」
翔世「おい待てなんで俺が抜けてるんだよ!!」
「翔世、高校に入ってから何回プリントなくしてる?」
翔世「うっ.....えっと、20回くらい。」
豪「もっと多いだろ。まぁとにかくだ、俺たちにも手伝わせてくれ、紅蓮。」
紅蓮「あぁ、まぁ今はなんとかなっている。忙しくなったらその手を借りるよ。」
「おう!!あ、そうだ。友希那ちゃんって、文化祭とか行かないのか?」
友希那「興味がないわ。不参加よ。そういう時間があるなら練習するわ。」
豪「だってよ、優希。なんか言ってやれよ!!」
「え?豪が言えよ.....」
豪「ダメだ。友希那ちゃんは、お前のいうことしか聞いてくれないからさ。」
「それは豪が勢い強すぎる状態で友希那ちゃんに話したからだろ?少し抑えたら良かったのに.....」
豪「だー!!うっせ!!いいから頼む!!このままだと友希那ちゃんバンド組む可能性減っていくぞ!!!」
「分かったよ.......友希那さん?」
友希那「何かしら?先輩。」
「えっとさ。学校の催しはさ.....本番行かなくても準備くらい行ったらどうかな?」
友希那「先輩.....私はそれは時間の無駄だと思ってるの。」
「それはそういう見方しかしてないからね。視点を変えてみるんだよ。そういう一般的な物の中に歌を作るヒントが案外隠れてるものだよ。だからさ.....最初から否定するのもいいけど、行って価値を見出してくるのもいいんじゃないかな?」
友希那「それも.....そうかしら。分かったわ、少しずつ頑張ってみるわ。」
『おお〜。』
「うん、そう言ってくれたら嬉しいよ。」
友希那「ええ.....ところで先輩、その.....」
「うん?どうしたの?」
友希那「さっき、白鷺さんのこと、撫でていたじゃない....だから、今の決意した私になでなでしてくれても.....いいんじゃないかしら?」
ふと下を向くと、頬を赤くしてもじもじとしながらこちらを見つめている友希那さんがいた。ちょっと近づいて『撫でてください』と言わんばかりに手の方に寄ってくる。
「う、うん.....よく決心できたね。」ナデナデ
「ふふふ.....確かに白鷺さんの言う通り、手の荒れが分かるわね。」
「やっぱり頭って繊細なのかな。」
(またリサにそういうのがあるか聞いてみようかしら....)
財布ないわは元ネタが存在します。
あらすじのところに新しく投稿した小説のURLを貼っているので良ければ見てください
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