今回は優希くんが高校生だった時の話です。千聖ちゃんと優希くんの距離が明らかに縮まったきっかけ?みたいなのを書きます。
「はぁ....はぁ.....」
千聖が夕方に帰って外に行ったっきり帰ってこない。.....今の時間は朝の1時半。.....つまり、もう6時間近く帰ってきていない。特に何か置き手紙をしたり、連絡を入れていない....まず携帯が家にあった。普段から持ち歩いている小物入れすら置いてあったということは恐らくらなにも持たないでどこかに行った.......今は僕たちと蒼生の仲間達と力を合わせて探している。どこに行ったんだ.....雨も降ってるし、風邪ひくぞ.....
「ここにもいない.....どこにいるんだ...」
蒼生「優希!とりあえず怪しいところは全部当たったが誰もいねぇ。おそらくだが誘拐の可能性はゼロに等しい.....前に拉致られた時に俺らがしっかりケリをつけただろ?」
「だとしたらどこに.....」
「....俺らはとりあえず検討つけて探す。優希も自分の思い当たる場所を探してくれ。」
「あぁ。」
「それにしても雨は厄介だな.....優希、ちゃんと折りたたみか広い傘持ってるな?」
「あぁ。千聖は多分何も持たずに家を出たからな。」
そして蒼生達も動いた。今は深夜だからあんまり声を出して探すことも出来ない。つまり、検討の着くところを全部探していかないといけない。でもどこに....雨が降り続く中、僕はひたすら走った...,千聖。
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千聖side
「何で.....何でなの.....」
誰も『本当の私』を知らない、慣れてはいた......それでも耐えられなかった。普段通り飾った笑顔で過ごして同級生と話して、仕事をして.....いつもの様に『本当の私』はどこにもいなくて.....それでも大好きな兄さんの前では絶対に笑顔でいなきゃいけない.....辛い.....あんな、あんな役に、あんな物語に出会わなければ......
「私は、何も無いのに.....」
そして....兄さんはバンド活動を始めて知らない自分と、新しい自分と出会って.....離れていくようで.....今は空から降ってくる雨すらなんとも感じない.....むしろ自分を洗い流しているようで....
「.....あなた、こんなところにいたのね。」
「友希那ちゃん....どうして.....」
「あなたがいなくなったと聞いて、先輩から連絡が来たの。先輩ったら、一斉送信で私にまで送ってきたのよ。それで先輩が話していたところをあたっていたらあなたがいた、それだけよ。」
「.........」
「.....白鷺さんが今、何で悩んでいるかは分からないわ。でも、悩む場所と時間帯ぐらいは弁えないと迷惑よ。」
「分かってる.....」
「とりあえず先輩にはメールを送っておいたからすぐにここに来るはずよ。」
「....友希那ちゃんは」
「?」
「友希那ちゃんは.....本当の自分が、見えているの.....?」
私は聞いた。.....こんな意味もないのに。本当の自分なんて.....ありのままの自分なんて.....ないのに。そんな事を他人に聞く。たんなる当てつけかもしれないし.....
「何を言っているのか分からないわ。私の中に嘘の自分なんてものは無い.....あるのは私だけよ。」
あっさりした解答で.....そして強い答え。私には到底そんなはっきりと言えることではない.....友希那ちゃんは強いわね。
「はっ.....千聖!」
「にい.....さん.....」
声のした方を向いた.....傘を持っているにも関わらず傘をささず髪はびしょ濡れで.....肩で息をしている兄さんがいた。
「じゃあ先輩、私は先に帰っておくわ。.....このお礼として、明日ちゃんと婚姻届と印鑑を持ってきてちょうだい。」
「そ、それは遠慮させてもらいます.....でも、ありがとう。見つけてくれて。」
「いいえ.....失礼するわ。」
そのまま友希那ちゃんは歩いてすぐ見えなくなった.....雨のせいで視界が安定しない。
「とりあえず.....一旦家に帰ろう。」
「何も.....言わないの?」
「ん?」
「私が.....勝手に出ていって迷惑かけたこと.....」
私は兄さんに見つかってこうなるのを恐れていた。私が時間も考えずに勝手に出ていって挙句迷惑をかけた.....もう、見捨てられてもおかしくないもの.....
「.....まぁ、蒼生達には後で謝らないといけなくなるだろうけど.....今は後回し。一旦家に帰るよ。さすがに濡れっぱなしだったら風も引くだろうし。」
そして兄さんは私をおんぶして、そのまま家まで連れて帰った。
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白鷺家
千聖にお風呂に入るよう促して、暫く濡れた頭を拭いて服を洗濯カゴに出す。まさかあそこに行ってるなんてな.....千聖らしいといえば千聖らしいけど。
「くぅーん.....」
「レオン、大丈夫。千聖のことは僕に任せて。ちゃんと笑顔になるように頑張るから....」
千聖の悩みや考え方は分からないところの方が多い。けど兄として.....親身になれる人間として抱え込みやすい千聖を....今回みたいに爆発した千聖を放置はしておけない。せめてアドバイスくらいあげたらいいなって思う.....千聖は導かれるよりも自分で考えて答えを出す方が納得してくれるだろうし。
ピロン
「ん?メールの通知.....」
先輩へ
白鷺さんは『本当の自分』に悩んでるらしいわ。力になってあげて。
「本当の自分、か.....千聖からしたらおそらく自分らしさ、だろうな。」
友希那さんに感謝のメールを折り返し送った後、ソファでスコアを見直す。母さんも心配こそしていたけど、千聖を叱るわけでもなくいつも通り迎えていた。こういうところは母さんと千聖は似てるんだろなぁ....
「.....上がったわ。」
「.........うん。」
こういう時なんて返せばいいか分からないから返事しか出来なかった。あとで千聖の部屋に行くか.....あの様子だとまだ寝そうにもないし。
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千聖の部屋
千聖の部屋に入るのはあれこれ4年ぶりくらいかな......棚には台本や立ち振る舞いに関して書かれた本、そして学校の教材.....真面目だと感服する部屋である。.....そして床には何故か国語の教科書が落ちていた。
「.......何か力にはなれないのかな?」
「出ていって.....兄さんがいるだけ迷惑なのよ。」
「迷惑.....どういうこと?」
普段の千聖からは滅多に見られない憎悪.....しかもかなり強いものだ。
「.......言葉そのままの意味よ。」
「そこで『はいそうですね』とは引き下がれないよ。千聖をここまで追い込んだのは何か.....教えて欲しいんだ。」
「..........で」
「ん?」
「もう....兄さんの顔なんか見たくないのよ!!!」
「え.........」
「もう....自分を追い詰めるものなんか何も見たくないの.....」
千聖は涙を流しながらも僕から目を絶対に離さない。.......本当に何があったんだ。
「千聖.....ハッキリ言ってくれ。僕の何がそこまで千聖を追い込んでるんだ。」
「だから.....兄さんそのものなのよ!」
「千聖の方が色々優れてるじゃないか.....何を」
「ふざけないで!!!兄さんには......『自分』があるじゃない.....私には何も、無い。バンドを始めて、自分を分かってくれる仲間が出来て.....それなのに何も背負うものがない兄さんとは何もかもがちがうのよ!」
.....大体分かった。千聖らしい悩みだ。
今年のイベント周期とかを考えると、千聖さんがクリスマスに来てくれるのでは?という考察が生まれました。そうだったらいいなぁ....
報酬の千聖さんが尊いです。なんだあれ.....星3のクオリティじゃないでしょ
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