僕と千聖はお互いの事が好きな兄妹だけど、ある意味正反対でもある。物心着いた時には千聖がいたし、昔は一緒に遊んでいた。千聖が子役になってからはその機会も減ったけど僕はそれを見ていて嬉しかった.....周りが変わらなければ。僕はどこかへ行く度に千聖のことばかり聞かれたり、僕だけは何故か冷遇されることが多かった。....おそらく妹が子役なのに自分が何もしていなかったことが周りからしたら不思議で仕方がなかったのだろう。それは今でも続いているが、僕は常に千聖と比べられる為にいるような存在だった。そしてお互い成長して、今度は千聖がそう思い始めた。
「何もかもが違う、か.....そうだろうね。」
「.......!!」
千聖は小学校高学年になってから常に女優としてしか見られないようになった。つまり、誰も千聖本人と仲良くしたい風に見えなかったのである。勿論そういう子もいただろうがどうしても女優という外套膜がそれを邪魔した。そしていつしか僕達は遠い関係になってしまった。千聖は本当の自分が見えなくなって、僕は引き立てる為の存在でしか無かった。
「はっきり言えば、僕だって今も自分というものを探している。千聖だって今まで僕がどういう扱いを受けてきたかくらい知ってるだろ?」
「.........」
「でもだからこそ千聖のことを知りたい、解りたいと思うんだ。所詮僕は僕でしかない.....千聖の事を全部分かるわけがない。だからこそ改めて聞きたいんだ.......千聖にとって、僕は遠い存在なのかな?」
「......ええ、遠いわよ。」
静かに千聖が口を開いた。そして、また泣きそうになっている。
「私にとって、家族は.....特に兄さんは私の事をずっと受け止めてくれる存在だった。でも忙しくなって.....兄さんはバンドを始めて私はより一層女優として見定められて、どんどん遠のいていくのよ。だからこそ今の私にとって兄さんは.....羨ましくも妬ましい、遠い存在なのよ。」
....そんな風に思っていたんだ。
「......本当の自分は一体どこにいるんだろう。」
「え.....?」
「千聖、僕はさ.....今でも暗い道にいるよ。豪達にバンドに誘ってもらって改めて自分という存在と向き合って.....はっきりとした答えも見つかってないんだ。でもね千聖」
僕は千聖と目を合わせ、頭を撫でた.....兄だからこそなんとかせねば
「その『手探りでも自分を探そうとしている自分』は紛れもない本当の自分だと思うよ。」
「......!!」
「どんな自分だって自分......薫にも昔言ったかな。でもその自分は必ずしも皆から賞賛される自分である必要はない。何も無い自分なんていないんだよ。」
「兄さん.....」
「それにもし本当に無いって思い続けても.....その時は無いものを埋めればいいじゃん。生きていくうちにきっとそれは見つかるし、無かったら誰かを頼ればいいんだよ。僕は絶対に千聖の隣にいてあげるから。」
「.....約束よ?」
「うん、約束。」
僕と千聖は指切りをした。指切りなんてしなくても僕が千聖から離れていくことなんて有り得ないんだけどね.....
「すぅ.....」
「あら、寝ちゃった。」
さすがにこんな夜中まで起きてたら疲れるよね、しかも仕事の後なら尚更だよ。でも良かった.....千聖が悩みを意外と早く教えてくれたから
「明日っていっても今日か.....頑張れよ千聖。」
僕は千聖をベッドに運んで毛布を掛けてあげた。少し暑いかもしれないけど今はゆっくり休んで欲しい。
ガチャ ||.c( ゚ω゚`|
「.....やっぱ聞いてたのか、母さん、レオン。」
「わふっ!」
「よしよし.....ちゃんと千聖とは話したよ。明日には元気になってるといいな....」
「優希もお兄ちゃんらしくなったねぇ。お母さん安心したわ。」
「そう?」
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花咲川女子学園
「ということがあったのよ。」
彩「へぇ.....優希さんとそんな事があったんだ。じゃあ今度の役柄って。」
「ええ、まさにこの時の私とぴったりなのよ。偶然もあるものよね。」
花音「千聖ちゃんいいなぁ.....私もお兄ちゃんとそういう事があれば」
「でも実際あの時は役柄とか関係なく本当に悩んでいたから、兄さんには本当に感謝しているのよ。」
「でも実際にそういう事があるのは羨ましいよ!私も優希さんみたいなお兄ちゃんがいたらなぁ....失敗しても慰めてくれるかな?」
「ふふっ、彩ちゃんの場合はそっちの方が視聴者さんに愛されてるから逆に可愛いって褒められるんじゃないかしら?」
「うっ.....それは複雑かも。」
忙しくなって休日くらいしか投稿できそうにないですね
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