それはそれとして、千聖さんの誕生日ですよ!お祝いです
「.........」スッー
「.....前々から思っていたのだけれど、その器具とか技術はどこで学んだのよ.....」
「友希那ちゃん、静かに。盗聴中だから.....」
「はぁ.....」
今、私と友希那ちゃんは、いわゆるとうちょ.....もとい、安全管理をしている。.....兄さんが、知らない女の子に何かされないかと。
事の発端は昨日のこと
「明日、晩御飯いらないよ。」
兄さんのこの一言から勃発した。
「あら優希、大学のお友達と食べに行くの?」
「うん、なんか奢ってくれるらしくて、来てくれって言われたんだ。」
お母さんと兄さんがそんな会話をしていたものだから、少し入らずに影で聞いていた。
「ふふっ、いいわね。ところで優希、誰と食べに行くの?」
「聞いたところだと、同じ学科の人。僕はあんまり関わり自体は薄いんだけど、誘われちゃったから.....」
兄さん、誘われると弱いのよね昔から.....私がどれほど誘ってものってこないのに。
「へぇ.....もしかして、合コン?」
「へぁ!!?」
つい変な声が出てしまったが、咄嗟に抑えたのでバレてないバレてない.....え?兄さんが、合コン.....?
「うーん.....そうなのかな。確かに男女合同みたいなノリはあったし。」
ノリはあったし、じゃないのよ兄さん!!そこ1番重要なところじゃない.....?
「人付き合いは大事だし、行ってきたら?千聖が拗ねちゃうかもしれないから、ちゃんと声かけておくんだよ。」
母さん、私の性格をよくご存知のようで.....て、そうじゃない!!!止めてよ!
「千聖が.....食事に行くだけなのに、拗ねるの?」
兄さんも兄さんで鈍感にも程があるでしょ!!誘われてるってことは狙われてるのよ!!.....でもあのポワワンとした顔もまた可愛いわね......
「でも、千聖だって業界の付き合いとかで俳優さんや監督さん、同い年の同業者と食事やおでかけだってあるものじゃないの?」
ここで兄さんが詭弁を語る.......。甘いわね兄さん。確かにそういうお誘いはあるけれど、今のところ全部断ってるのよ。仕事の話は仕事場で。これが私の中のマイルール。花音と仲良くなってから自分なりに考えたもの。
「千聖、そういうの断ってるらしいわよ。本人が『そういうお誘いは断ってるのよ。だって、兄さんがいるもの。』って。」
お母さん!!!口が!口が軽い.......!!!!まずいわね.....私の心の中身が、母さんの良心によってドンドン暴かれていく。
「昔から千聖は僕との時間を優先してくれてるからね.....個人的にはもっと同業者の話とか、色々聞きたいんだけどね。」
.....こうやって、否定せずに受け入れてくれるところが、ずるいのよ。私は、ただ単に兄さんとの時間がもっと欲しいのに.....
「なら合コンに行って、その話をしてあげれば?そしたら千聖の気持ちも分かるかもよ?2人とも根本的な性格は似てるんだから。」
母さん、話の流れを嫌な方向に戻したわね.....この空気で行かないの結論に持っていってくれても良かったのに。
「うん、そうしてみるよ。」
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そして今に至る。場所はファミレス。まぁ合コンにしては雰囲気に欠けているけれど、気軽に話が出来るのは魅力よね。
「白鷺さん、そこは普通に引き止めれば良かったじゃないの。」
「そういう訳にはいかないわ。私個人の気持ちで、兄さんに不自由は極力与えたくないの。」
「はぁ.....どの口が言ってるのかしら。」
「友希那ちゃんが言えたことではないでしょ?もし兄さんが合コンに行こうとしたら、どうする?」
「縛る。」
「束縛してるじゃない。」
私と友希那ちゃん、兄さんに対して求めるものがかなり似てるわね.....そして盗聴に戻る。
『へぇー、バンドやってたんだ!すごいじゃん!!』
ピシ.....
「友希那ちゃん、それファミレスのコップよ。握ってヒビ入れちゃダメよ......」
「.....バンドなんて、今の時代やってる人は沢山いるじゃない。なんで先輩にフォーカスが.....」
確かに兄さんたちが頑張ったことで、ガールズバンドだけじゃなくて、ボーイズバンドの流れもそれなりにある。
『それでそれで!何やってたの?』
『キーボード.....です。』
『キーボード.....?ベースとかじゃなくて?』
『はい.....まぁ。』
『へぇ.....男の子でベースとかギターじゃないって、なんかイメージ違いだよね!!あれ?360度キーボード?』
『それは、おそらく別のアーティスト.......』
パリ.......
友希那ちゃんが、素手で氷を握りつぶした。コップはダメって分かったから狙いを変えたのね.....意外と真面目。
「イメージ違い.....?この人たち、バンドをなんだと思ってるのかしら。」
「さっきまでバンドなんてって言ってた人のセリフじゃないわね.....でも、兄さんがちょっとバカにされた感じがしたわね。」
悪意が無いのは分かるし、確かにそういうイメージがあるのも事実だけれど.....言い方に問題があるわね。
『でもでも〜、なんか元はいいよね白鷺くんって!!黙ってペン書いてる姿とか、結構かっこいいよね!』
その姿.....私は知らない。普段机に向かってる時の兄さんの顔は知ってはいるけれど、あれとは違うのかしら.....
「白鷺さん、目が死んでるわよ。」
「私、、そんな兄さん.....知らない.....今度、運営が学年上げてくれるみたいだから、潜入しようかしら.....」
「メタな話は辞めなさい。興醒めになるわよ。」
そして私が考えている間も、合コン会話は続く。
『それでそれで、バンド名ってどんなの!?ほら、パスパレとかめっちゃ有名じゃん!!』
『EXTRA.....』
『うーん、聞いたことないや。なんか文化祭とかでバズったの?』
『プロ顔負けの大会に出たくらい.....』
『へぇ、すご!!』
『白鷺って、普段静かなのに意外とそんな事してたんだな!!』
HAHAHAと笑い声が聞こえてくる。もしかしてこれ合コンというより懇親会.....?全然合コンの気配がない。
「ねぇ、白鷺さん。これ、ただの飲み会じゃないのかしら。全然合コンの気配が皆無よ。」
友希那ちゃんも同じことを言う。やっぱ思考回路似てるわね。
「杞憂.....だったのかしら。でも兄さん、今までこんな事無かったのよね.....」
「まぁいいじゃない。先輩には先輩の人付き合いがあるのよ。」
そしてコーヒー(角砂糖飽和状態)を飲みながらわずかに微笑む。なんか、大人らしさを見せつけられてる気がする.....
「寛容な私、どうかしら。」
「コーヒーに砂糖が無ければね.....というかやっぱり演技だったのね。本音は?」
「前へ進むなら立ちはだかるまでよ。前に立っていれば先輩を正面から見れるし、万が一前に進まれても横で歩けるのよ。」
いい事言ってるふうに聞こえるけど、要は逃がさないって事よね.....
そして、その時、恐ろしい言葉が聞こえてきた。
『なんか白鷺くんいい人ぽいっし、私タイプかも。付き合わない?』
『え!?あっ、その.....』
パリパリパリ.....
私も、友希那ちゃんもほぼ同時に氷を握りつぶした。私は3個くらい一気にやったかしら.....
「......ふふ。すぐに断らないのね、兄さん。」
「ええ、これはさすがにダメね。行きましょう。」
「えっ、千聖!?友希那さん!?なんでここっ.....」
その後、私と友希那ちゃんでお話した。兄さんがここまで恐怖で引きつるのは初めて見るわね。
バンドリメンバーって、大学生になったらどうなるんだろ?やっぱオシャレして、人間関係とかも結構広くなるんですかね
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