「これ、疲労回復に効くんですって〜♪」
「母さん、どこでこんな怪しそうな液体買ってきたんだよ......」
「え、訪問販売よ?芸能人の方からも評判良いんだって!」
「我が家に芸能人がいることをお忘れなのか母さん。」
少なくとも千聖からこんな液体の話は聞いたことすらない......ただ、それが入ってる箱を見ると、めちゃくちゃ細かく成分表示と効果が書かれている。確かにただ広告だけじゃなくて、こういうのもあると信じちゃうわな.......
「とりあえず危ないし、捨てた方がいいよこれ。」
「えー?試してみたいと思わない?だってこれ見る限り、化学毒性物質は無いし、さっき色々試して見たけど、人体には大丈夫そうよ。」
ここでいきなり母さんの経歴を思い出す。この人、毒劇物を扱える資格か何か持ってたんだっけか........変なところで賢くなるよな........
「疲労回復、かぁ........さすがに千聖には飲ませられないし、父さんは疲労に対して異常な耐性があるし......」
人体には異常は無さそうだけど、色的に絶対に水道に捨てちゃいけない色をしている。
深夜
「ただいま...お母さん、あれ届いてる?」
「ええ、そこに置いてあるわよ。.......千聖、それ、毒はないとはいえ、ホントに飲ませて大丈夫なの?」
「大丈夫よ、お母さん。開発者さんが自分で飲んで確かめてるの、ちゃんと見届けたもの。」
.....この薬は、私が長年ずっと欲し続けたもの。これさえあれば、今の均衡を破壊して、私が兄さんを思い通りにできる......兄さんを力で組み伏せることすらできる、魔法の代物。効果は48時間と短いものの、堪能するには充分すぎる時間。
そして適量の薬品を試験管に入れ、兄さんの部屋に入ろうとする。
「あら......?鍵がかかってる?」
寝込みを襲われるのを警戒しての事かしら.....当然よね、怪しい薬が来たんだから、自分の身を守るのは当然。けどね兄さん。
「私がピッキング技術を持ってることを忘れてるのかしら兄さん、こんな障壁は無駄よ。」
ポケットからピッキング工具を取り出し、解錠にあたる。鍵の形も覚えているし、2分もしないうちに解錠する事が出来た。ドアノブをゆっくり引き、他に罠が無いかを慎重に調べる。そして足音を殺しながら、兄さんのベッドの真横に行く。少し幼さの残る寝顔が愛くるしい。
(顔が幼いとはいえ、綺麗な姿勢で寝ているわね.....口を開けようと触れたら起きるかしら。)
「....友希那さん...」
「は?」
聞き捨てならない名前が出てきた。寝言とはいえ、まさか友希那ちゃんの名前が出てくるなんて.....へぇ、私より友希那ちゃんなのね。
「そんな浮気性は兄さんには....ピッタリね。」
口が開いてるのを見計らい、兄さんの口に液体を流し込む。とりあえず、噎せたりせず入ったのを確認する。
「翌朝が楽しみね。」
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翌朝
「ふぁぁ....」
休日ということもあって久々にぐっすり寝た。気持ちよく寝れたからか、少し声の高い伸びの声が出た。とりあえずベッドから降り....
「あれ......?こんなにベッドって高かった?」
普段ならすぐ足が付けるくらい低く見えるのに、何故か今日はやたら高く見える。疲れは取れたはずなんだけどな.....
「よいしょっと......え」
やっと異変に気づけた。ベッドから降り、目の前に見えたものはやたら高いドアノブ。僕.......身長、縮んでる......?
「...........どうしよ。」
心当たりが全くといっていいほどない。昨日はちゃんと部屋に鍵をかけて寝たし、変なものを食べた覚えもない。.....ほんとなんだろ。
ガチャァァァァァァァン!!!
「千聖、ドア開ける時はもう少し優しく.....って!」
「か、かわいい.....!!!可愛いわ兄さん!!」
千聖が僕を抱き抱えてくる。身体の大きさ的におそらく小学校低学年で、それなりに体重はあるのになぁ.....
「千聖....何したの?」
「え?何かしら?」
「いや......身体、縮んだんだけど。江○川コ○ンじゃないんだし。何か、変なの入れた?」
「ええ、昨日薬品届いたでしょ?」
「あれかぁ......」
てことは、おそらく千聖が鍵を開けて、僕が寝てる間に飲ませたのか......これは大変。
「ねえねえ兄さん、怒った?」
「うーん.....色々とお説教したい事はあるよ。」
「じゃあじゃあ、『お姉ちゃんなんか知らない!!!!』って言ってプイってして!」
「千聖、僕の妹だよね?」
「細かいことは今はいいのよ。」
いつの間に兄妹の立場が逆転したんだろうか。でも振りほどこうにも力が出ない......
「......お。」
「お?」
「お姉ちゃんなんか、知らない!!!!」プイッ
「!!!!!!!!!!!!!!!」(反則......反則......♡)
効果抜群なのか、千聖の抱きしめる力が弱まって、なんとか拘束から逃れることは出来た。
「.....大学どうしよ。この体で行くと絶対怪しまれるよな......」
顔自体はあんまり小さい頃から変わっていないから認識はしてもらえるだろうけど、さすがに縮小した体を受け入れてもらうには無理があるよな........
「兄さんが対面で受けてる講義で、出席取ってる授業の先生にはもう体調不良でメールを送ってあるわ。兄さんはサボらないからすぐに信じてもらえて助かったわ。」
「やめなされ、やめなされ.....僕の授業の先生と繋がるところまでいくのは止めなされ.....」
本当かどうかメール画面を開いたら、本当に送信されていたし、すごく丁寧な文章で書かれていた.......さすが女優。業界にいるだけあって礼節とかはちゃんと身についてるんだね。
「それなら一安心....じゃないけどね。千聖、今回のはやりすぎだよ。そこに居直りなさい。」
「は、はいぃ.......」
千聖を座らせて説教をする。普段のとは違ってこれは薬だから最悪命の危険性もある。今回は体が縮んだだけで済んだけどこんな危険なことはしてはいけない(戒め)。
(あぁ兄さん可愛すぎ.......怒られてるのに顔がにやけてしまうわ。)
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お説教を終えて、朝食を取る。プンスカして欲しいと千聖にねだられたけど、本当に反省してるよな.......?してるよね....?
「子供がいる母親ってこういう気持ちなんでしょうね。プンスカされても可愛いって。」
「そんなもんじゃないわよ。いつ泣くか分からないしなんで泣いてるか分からないし、おまけに勝手に色んなもの触るし口に入れるし.....もう3人育てるの大変だったのよ。」
「母さんも便乗してないで、千聖を叱りなよ....長男がコ〇ンみたいに縮んでる超常現象起きてるのに。」
「でも時間制限はあるみたいだし、優希は全国巡る時に色んなもの胃に入れてサバイバルしてたから今更よね。」
「ねぇ待って母さん、少しは息子の心配して?」
白鷺家の女性陣はどこか強かなところがある......強かなのはいいけどその方向性がなんか変。
ピンポーン
そうこう会話しているうちに家のベルが鳴らされる。こんな朝から誰なんだろ。
「どちらさm」
「先輩!!!!!先輩なのね!!!?」
ドアを開けると、鼻息の荒い友希那さんがいた。
ガチャ
「見間違いだね。」
開けてはいけないと、本能が囁いた。
バイト入れすぎて8月は疲れました
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