色々な異世界飛ばされる俺が現世の知識と新しく得た力でその世界の俺に憑依して全てをHAPPY☆ENDするぜ!!!!(+After)憑依が抜けた後の俺もやらかします★ 作:仏のマスター
尚来月予定はまだ未定である
「やはりザコの魔神兵どもでは相手にならんか」
「どうする? 逃げるなら今の内じゃが、もちろん逃がすつもりは無いがの」
一般歩兵とは対等にやり合えても、戦国乙女相手には手が出らず数をドンドン減らしていく魔神兵に苦言をあげるカシン(ヒデアキ)であったが、突然そんなことはどうでも良いかのごとく笑いだす。
「何がおかしいのじゃ?」
「ククッ、別に奴等など居らずとも、我一人で十分じゃからだ」
「言いおったな……ならば滅びて我が一部となるがいい!」
カシンの放った黒い炎がカシン(ヒデアキ)を包み込もうとしたが、当たる直前で展開された魔法障壁によって弾き飛ばされた。
「完全体ならまだしも……気を分割して抑えている今の未完全なキサマの攻撃など、強化された我には効かぬ! 逆に我がキサマを吸収して、真のカシン居士として世界を滅ぼしてくれよう」
そう言ったカシン(ヒデアキ)が力を解放すると、それは今のカシンを遥かに超える悪しき気の魔力を有しており、本来のヒデアキの肉体能力をも遥かに強化したものであった。
「カシン、手伝いましょうか?」
「……いらぬ……じゃが、一時的にユウサイが抑えている我が悪しき気の力を我に戻せ」
「飲まれるんじゃないですよ」
「分かっておるわ! サッサと寄越せ!」
ユウサイが一時的に封印を解き、抑えている力をカシンに戻す。その間に大鎌に力をチャージしたカシン(ヒデアキ)が大振りの一撃を二人に向け振り下ろす。
「フハハ、仮の器と共に消え去るが良い!」
「失礼な――私には北条ユウサイというちゃんとした名がありますので」
カシン(ヒデアキ)の振り下ろした一撃をユウサイの魔法障壁が抑える。
「カシン――いきなさい!」
「フン……滅びよ【滅界】!」
再び抜き返した悪しき気の魔力によって放たれたカシンの必殺技がカシン(ヒデアキ)を飲み込み、纏っていた気を消滅させた。
「バカな……これが完全体の力だと……」
「因みに、まだ大和が封印している分もあるから、これでも未完全ですよ」
「…………」
最後沈黙したカシン(ヒデアキ)が通常のヒデアキの姿に戻ったところで崩れ落ちそうになったところを、駆け寄ってきたモトナリが抱きかかえて、ゆっくりと座る。
「あなたたち……ヒデアキは……」
「悪しき気は消滅させた。後はその娘の精神力次第じゃな。ゆくぞ、ユウサイ。まだザコが残っておる」
「はいはい。ですがとりあえず、また気を私に戻しておきなさい」
「ムウゥ…………」
「もしもがあれば、大和が悲しみますよ」
「ぬぬぬ……もう少しこの力でザコ相手に暴れたかったところじゃが仕方ない」
そう言ってカシンは元と同じくらいの割合をユウサイへと戻し、残兵への対応に向かっていった。
「そういえばあのヒデアキという娘に渡していた悪しき気は消滅させましたが良かったのですか?」
「……あの程度構わん。それに今の我は世界滅亡ではなく、大和の側に居れるだけの力があれば十分じゃからな」
「まだ、諦めて無いのですね」
「当然じゃ!! 隙あらばいつでも奪ってやるわ!」
そう言ったカシンは両手に魔力球を浮かび上がらせ、敵兵の中へと突撃していった。そしてユウサイも後に続く。
「さて、私も行きますか……そしてヨシテル様に追いつかねばなりませんし」
「ヒデアキ……起きなさい……隆景……彼女に力を貸してあげて…………」
抱きかかえたヒデアキの耳元で優しく呼び掛けるその姿はまるで母と子の自愛に満ちた光景のようであった。
「……うっ……モト……ナリ様?」
「おかえりなさい、ヒデアキ……もう大丈夫だから……」
「ふ、ふえっ!?……モトナリ様ァァァァァ!」
優しく包まれたモトナリの胸の中で、一人の少女が無事帰還を果たした瞬間であった。
あと三話か四話で、本編完結予定!