怖がりさんがテイマーを始めたらNPCをテイム出来ました。   作:かえねこ

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スキル振り

「あ、丁度終わったみたい」

 

 キャラクタークリエイトの完了通知と同時にゲームのインストールが終わる。

 今すぐ起動の選択ボタンを押して、桜はヘッドセットを被った。

 

 説明書とにらめっこしていたので基本的な操作は分かっていた。意識がふわっとする感覚が数秒続き、次に目を開けた時には見知らぬ森の中。

 

「わー……すっごいよく出来てるなあ」

 

 本物と遜色ないフィールドの風景に感動した後、次ぎは自分の身体を確認する。メニューから手鏡が選択できた。

 

 自動設定した通りのポニーテール(茶)、どこか自分と雰囲気の似ているアニメ調の顔。実は瞳の色だけ綺麗な空色にいじってある。

 

 身長も現実と同じく設定されていて、元々150センチもない桜はキャラクターのデザインも相まって更に少しだけ幼く見えた。

 

 

 一通り外見を確認して満足すると、次に目を向けたのは周囲の人々。

 顔や髪形は様々だが服装はみんな似たようなものであり、この辺りは始めたばかりの初心者がたむろしている。

 

「……これ、みんな本物の人間なのかなぁ」

 

 ネットゲームが初めての桜にとって、それは不思議な感覚だった。ゲームなのに自分と同じ場所に他の人間が存在している。

 

 慣れた手つきでメニューを操作していたり、さっそくポイントを振ったらしい初級スキルの試し撃ちをしていたりなど、ネットゲームやVRに慣れていそうな人間ばかり。

 

 少し話してみたかったが、知らない人は怖い。

 それに、どれもこれも完全初心者であることが何だか恥ずかしくなって、桜はそそくさとその場を去ることにした。

 

 

 

 ◆

 

 

 

 どうぞここを進んでくださいと言わんばかりの細道があったのでそこに入り、しばらく歩くと誰かがいた。

 

 それは桜の頭くらいの大きさしかない小さな妖精。目が合うと、妖精の頭上に緑色の文字が表示される。

 

 ≪初心者案内人 妖精リーン≫

 

 それは属にいうNPCというやつで、桜もそれくらいは知っていたので警戒心を解く。ゲームのキャラクターなら怖くない。

 

『こんにちは、あなたは新しい冒険者ですか?』

 

 リーンは多くの冒険者にそうしてきたように定型文を発する。

 

 桜が頷くと、妖精は挨拶もそこそこにステータスやスキル、戦闘の基本といったものの話を始めた。

 

「よしよし、だいたい説明書の通りだね」

 

『では一緒に設定してみましょう。メニューからステータスとスキルが開けます。まずはステータスから』

 

「えっと……STRにINTに……わたしはどれにするのがいいのかな?」

 

『職業やスタイルによって違いますね。戦士職ならSTRやVIT、魔法職ならINTやDEXに。AGIに振れば移動速度やジャンプ力など、身体能力が上がります。

 えっと、ミカサさんの職業は……え? テイマーですか?』

 

「わたしモンスターとか外見が怖くて。代わりに戦ってくれるって書いてあったから」

 

『間違ってはいませんが、テイマーですか……。このサーバーでは初めてですね』

 

「そうなの?」

 

『ええ。みなさん、サクサクと進められる戦士職や魔法職などを選んでいきますから

 ……とりあえず、初回は自動でステータスポイントを振り分けます』

 

 

 リーンはそう言って、桜のINTに3、DEXに2ポイントずつ振り分けた。

 テイマーは魔法職だと、桜はこの時理解する。

 

「なんだか賢くなった気がする!」

 

『それは結構です。続けてスキルですね。

 これは基本的な【職業スキル】と、プレイヤーの行動や装備の効果によって獲得できる【アクティブスキル】、

 特殊な称号を与えられることで獲得できる【ユニークスキル】があります』

 

「なんだかいっぱいだね……」

 

『最初は職業スキルだけ覚えれば大丈夫ですよ。さて、これは自分で振ってみてください』

 

「はーい!」

 

 初心者と言えど、スキルという目に見えて効果の出る設定はワクワクする。とはいえ、レベル1ごとに手に入るポイントは1つしかない。

 

 桜は意気揚々とスキルウィンドウを開き、とりあえず【テイム】のスキルを上げた。

 

 

 

 Lv 【1】

 職業【テイマー】

 スキル【テイム LV1】【詳細確認 Lv1】

 

【テイム LV2】

 自分のLv≪-28≫の非アクティブモンスターをテイムできる。【下限1】

 成功確率【10%】

 再使用可能時間【10分】

 

【詳細確認 LV1】

 対象のステータスを確認する。

 【Lv】【HP】【MP】

 

 

 

「ま、マイナス?」

 

 桜は目を丸くした。

 

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