BanG Dream!〜世界を笑顔にする剣客〜   作:ズラマヨ

12 / 19
今年最後の投稿になります。来年もこんな感じでマイペース投稿でやっていくのでよろしくお願いします。ちなみにですが要望や質問等があれば気軽にどうぞ


比古清十郎

「見ちゃ駄目!見ちゃ駄目!!」

 

どうして…俺なんか…

 

「お願いこの子だけは!………」

 

茜さん……霞さん……

 

「この子を助けて…この子を助けて…この子を助けて…この子を…」

 

さくらさん…なんで…

 

「心太…心太…あんたは生きることだけ考えて…あんたはまだ小さいから私達みたいに自分で生き方を選ぶことはできないの…だからせめて…生き方を一人で選ぶことができるまで生きなきゃ駄目なの…」

 

さくらさん…

俺の目の前で3人は殺された…

 

「小僧…おい小僧!おいってんだ!たった一人生き残ってもこの先てぇへんだよな、な?楽にしてやるよ!」

 

 

「うわっ!……」

 

 

「なっ!なんだ貴様!」

 

「…これから死ぬ奴に名乗っても意味ねぇよ」

 

突如現れたその大きな白外套(しろマント)を纏った大男は野盗達を一瞬で肉塊にしていく

 

「運が悪かったなボウズ。二年前の黒船来航以来幕府の治安系統が乱れこの辺は特に浪人崩れの野盗が多くなってんだ」

 

「通り合わせたのも何かの縁。とりあえず仇は討った」

 

「……」

 

「恨んでも悔やんでも死んだ人間は黄泉返りはせん」

 

「昨今の日本ではこの様な事は何処何時でも起きている。己が生き延びれただけでも良しと思うことだ」

 

「……」

 

「ふもとの村へ行って事情を話せば身の振り方は村人がなんとかしてくれる」

 

ーーーーー

 

「………」

 

「………」

 

言葉が出ない…私達は聞いちゃいけないことを聞いてしまったのかも知れない…剣心さん…

 

「…その時始めて会ったのが拙者の師匠。第十三代目比古清十郎。飛天御剣流の継承者にして拙者が知る限り最も強い剣客」

 

「師匠よりもですか?」

 

「凄いですね、剣心さんより強いなんて」

 

「拙者が本気になっても比古師匠には敵わないでござる」

 

比古清十郎。それは飛天御剣流のすべての技を会得した者だけに受け継がれる最強の証

 

ーーーーー

 

「来てない?」

 

「ンだ。この一週間そんな坊主はおろか迷い猫一匹この村には来ちゃおらんよ」

 

「………」

 

世を儚みその場で自害したか…

だがそれもよくある事だ

 

飛天御剣流の理に従い刀をふるっても結局誰一人救えなかった事など今まで何度もあった…

斬っても斬ってもウジ虫のようにわいてくる外道悪党に日ごとに波乱へと向かう歪んだこの時代

そんな事はこれからもっと多くなる

 

俺が確実にできる事といえば犠牲者の骸を葬ってやる事ぐらい…か…

 

「…!!…」

 

そこにあったのは大量の墓。そして一人たたずむ子供

 

「…親だけでなく野盗どもの墓もつくったのか…」

 

「親じゃなくて人買い。親は去年虎狼痢(ころり)で死んだ」

 

「……」

 

「でも野盗だろうと人買いだろうと死ねばただの骸だから…」

 

「墓をつくってやった…か…その三つの石の墓は…?」

 

「霞さんにあかねさんにさくらさん。3人とも借財のかたに親元から無理矢理引き離されてきたんだって。会ってまだ一日だけど男の子は俺一人だしどうせ親はいないから」

 

「命を捨てても守らなきゃと思ったんだ」

 

「でも…だからせめて墓ぐらいはといい石を探したんだけどこの辺にはこんな石しかなくて…添える花も探したんだけど一輪も見つからないんだ…」

 

「男でも女でも美味い酒の味も知らんで成仏するのは不幸だからな。俺からの手向けだ」

 

俺は三つの墓に酒をかけた

 

「坊主名は?」

 

「心太…」

 

「優し過ぎて剣客にはそぐわないな。お前は今日から"剣心"と名乗れ」

 

「…!」

 

「お前には俺の飛天御剣流(とっておき)をくれてやる」

 

ーーーーー

 

「それから師匠との修業の日々が続きやっとの思いで拙者はさっきの飛天御剣流を会得したでござる」

 

「そもそもその飛天御剣流とは一体どのようなものなのですか?」

 

「以前彩殿には話しでござるが飛天御剣流は戦国時代に端を発する神速の古流剣術。そしてそのすべての技を会得した者が比古清十郎の名前を襲名することができる」

 

「では師匠もいずれは…」

 

「いや、拙者は比古清十郎の名を受け継ぐつもりはないでござるよ。拙者が受け継ぐのはその理だけ」

 

「そうなんですね。では今も飛天御剣流の継承者はこの世界のどこかにいるということなんでしょうか?」

 

「どうでござろうか。確かにいても不思議ではござらんが、そもそも飛天御剣流が要らぬ世になりつつある今、果たして存在するのかどうか」

 

「確かにそんな人がいるなんて聞いたことないよ」

 

「まぁ、それが一番でござるよ。それだけ今は平和という証でござる」

 

「なんか…少し残念です…」

 

気持ちは少し分かるでござるが、これこそが一番なのは間違いない。刀を持たなくとも人々が幸せに生きていける方がよっぽどいい

 

「師匠!では修業を再開しましょう!」

 

「よし」

 

拙者とイブ殿は再び向かい合って竹刀をむける。そこから一瞬で理解できた、先程までのイブ殿とは明らかに違う。きっと拙者の話を聞いてよりやる気が出たのかもしれない

 

その後はしばらく竹刀と竹刀の打ち合いが続いた

 

ーーーーー

 

「………」

 

「あっ!彩じゃない。こんなところでどうしたの?」

 

「こ、こころちゃん?それはこっちのセリフだよ」

 

「私は最近1人で帰るのは絶対にダメって黒服の人に言われてるの。普段は美咲やはぐみ達と帰ることが多いけど、今日はみんな用事があってすぐに帰っちゃったからどうしようかと思ってたんだけど、そしたら剣心がいるって聞いてここに来たの」

 

「へ、へぇー…でもなんで1人で帰ったらダメなのかな?」

 

「なんでかしらね?」

 

多分いろんな事情があるんだと思う。考えても理由はよく分からないから気にしないようにしておこう…

 

「今日はイブの稽古の日だったのね」

 

「うん。剣心さんは本当に強いからイブちゃんもそれだけ燃えてるみたい」

 

「そうでしょ!剣心はね、海賊さん達を一瞬でやっつけることができるのよ」

 

「か、海賊?」

 

「えぇ、そうよ」

 

な、なにそれ?ちょっと気になる…今度花音ちゃんに聞いておこう

 

「イブー!けんしーん!頑張ってー!!」

 

 

「…おろ?こころ殿?」

 

「隙アリです!」

 

 

バシン!!

 

 

「おろろ〜」

 

剣心さんの面にイブちゃんの渾身の一撃が炸裂!それはイブちゃんが剣心さんから始めて取った一本です

 

「やったね!イブちゃん!」

 

「はい!ありがとうございます!」

 

「こころ殿はどうしてここに?」

 

「どうしてって剣心と一緒に帰ろうと思ったからよ」

 

「あっ、そういえば…」

 

拙者はこころ殿の用心棒だった

 

「よし、イブ殿今日はこれで終わりにしよう」

 

「ありがとうございました!」

 

私達は後片付けをして武道場を出ました

 

「ねぇ!せっかくだから4人でファミレスでも行こうよ!」

 

「いいですね。ちょうどお腹も空いてきました」

 

「最高ね!行きましょう!」

 

「ふぁみれす?」

 

「行ってみたら分かりますよ!よーし!レッツゴー!」




初っ端から鬱展開で申し訳ないです。がやはり比古清十郎の話をするには必ず通る道でした。なので後半は無理矢理明るい方に持って行きました。まぁこの後の彩ちゃんのSNSにはファミレスの画像がアップされることでしょう(笑)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。