閃空の戦天使と鉄血の闊歩者と三位一体の守護者   作:ガイア・ティアマート

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※重要事項(2020/06/10追記)

この小説でもちょくちょくビークルが登場する私がプレイしているSteamゲーム「From the Depths」に大規模なアップデートが到来し(解っている範囲だけでも主に資源関係とキャンペーンの仕様に大幅な変更が発生)、その結果既存のビークルが全て作り直しとなってしまいました。

現在実働中のビークルだけでも相当数存在し、それら全てを見直し、修正するには時間がかかりそうですが、そっちを片付けないと気になってとても小説に集中できそうにありません。

ちょうどこの22話で第一章が終了し、次話から第二章に突入するため、それらの準備も含めて次(14日)とその次(28日)の最新話投稿を見送り、7月12日に23話を投稿することにします。

約1か月時間が空きますが、ご了承下さい。


【22】明けましておめでとうございます! -今年もよろしくお願いします!-

*国見島 りんご神社初詣用臨時分社前*

 

この鎮守府の神社は虹見島のりんご神社しかないのだが、鎮守府関係者が大勢で押しかけるには敷地が足りない。

 

だから、国見島には初詣用の分社が設置できる敷地があり、元旦から一週間の間ここに臨時分社が設置される。

 

周囲には出店や屋台なども展開され、本国での初詣に勝るとも劣らない大規模な祭りのような様相を呈する。

 

一同「明けまして、おめでとうございます!!今年もよろしくお願いします!!」

 

新年のあいさつと共に初詣が始まった。

 

皆着物を着ているのだが、ロイヤル出身やユニオン出身等着物の着付けができない艦娘達はできる艦娘達に着付けてもらったらしい。

 

第一世代のドイツ艦娘たちは既に全員自前で着付けができるようになっているというから驚きだ・・・。

 

因みに俺は持ってきているわけもないので居酒屋鳳翔の鳳翔さんに着物を貸してもらった。

 

一夏「にしても、凄くにぎやかだな。」

 

サラァナ「皆さんこういうのがお好きなようですからね。」

 

????「皆メリハリをきかせているんだよ。何かあればすぐに戦場だからね。」

 

聞きなれない声に振り返るとミドルロングの銀髪でやや色黒な成年が立っていた。

 

一夏「あれ?貴方は?」

 

ゼハート「あっと済まない。そういえば自己紹介がまだだったね。僕はゼハート、ゼハート・ガレット。第四航空小隊の小隊長をさせてもらっている。」

 

一夏「初めまして、織斑一夏です。あれ、ガレット・・・?もしかして、整備班長のデシルさんは?」

 

ゼハート「ああ、僕の兄だよ。よく全然似ていないって言われるけどね・・・。」

 

一夏「ほぇ~・・・。そういえば、何故今まで会うことがなかったんですか?」

 

ゼハート「9月からずっと新人教習のためにトラック本島に出向していたからね。それ以前は天見島や所用で宇宙にいることが多かったから接点が無かったのだろうね。因みに帰ってきたのは昨日の午後五時ごろだったんだ。食堂にはいたけど結構離れた位置にいたし、途中で疲れて眠ってしまったからね。」

 

一夏「そうだったんですか。お疲れ様です。」

 

ゼハート「そうでもないさ。そういえば、君の事も兄さんから聞いているよ。初陣で敵艦を4隻も沈めたって。」

 

一夏「あはは・・・たまたまですよ。敵が艦船型中心だったってのがありますし。」

 

ゼハート「謙遜する必要はないさ、初陣で4隻というのは誰にだってできるような事じゃない。でも、その謙虚な心は忘れてはいけないよ。人間驕ってしまうとつまらないミスを犯すようになってしまうからね。」

 

一夏「肝に銘じておきます。」

 

ゼハート「ははは、そんなに固くならなくていいさ。君が自分の世界に帰るまでもう日にちが残り少ないんだろ?なら思い出づくりに専念すべきだよ。まぁ、帰ったからって二度と来れないわけではないけどね。」

 

一夏「え?それってどういう意味ですか?」

 

ゼハート「過去にこの世界に来て、そして自分の世界に帰って行った人たちは何人もいるけど、帰った後でも時折遊びに来る人もいるんだよ。それに、どうやらルウさんたちも君の世界に同行するみたいだからね。」

 

一夏「・・・はい?それって・・・?」

 

ゼハート「僕も詳しいことは知らないけど、ルウさんたちは君の世界に何か思うところがあるみたいなんだ。行方不明になったままのガイアさんの捜索以外にも何か理由があるみたいでね。ここから先はルウさんに直接聞いた方が早いかもしれないな。」

 

と、いうわけで・・・。

 

ルウ「ええ、私とあと火逐も同行する予定よ。」

 

一夏「何故ですか?別に迷惑ということは無いんですけど何故?」

 

ルウ「座標特定の時に妙な反応を検知したのよ。それが何なのかはまだ分からないけど、あまり良いものではなさそうだったからガイアの捜索も兼ねて調査しようと思ってね。」

 

一夏「そうなんですか・・・。」

 

ルウ「まぁ、この間本部から『溜まりに溜まった有給をいい加減消化して来い』って言われて、その有給消化も兼ねているってのも、まぁ、五分の二程度はあるんだけどね・・・。」

 

普段ルウさんが見せない凄く疲れた様な表情に俺は少し驚いた。

 

一夏「えっと、どれくらい溜まっていたんですか?」

 

ルウ「たしか2年ちょっとだったかな?」

 

一夏「に、2年!?」

 

有給2年だなんて聞いたことが無い。というか、そんなに大量の有給どうやったら溜まるのだろうか?

 

ルウ「まぁ、原因の一つとして私達が長時間を要求するような趣味を持っていないというのがあるけどね。普段やっている釣りや農園での収穫作業も業務内容に入っているし、艦娘達との交流も業務内容に入っているからイマイチ消化する機会がなくてね・・・。」

 

一夏「あらら・・・。」

 

ルウ「まぁ気分転換にはなるだろうし、座標が解っているからこっちで何かあったらすぐに戻れるからね。それにISというものにも個人的に興味があるからね。人類が宇宙に飛び立った時を見越して生み出された宇宙作業用パワードスーツ・・・モビルスーツとよく似ているよ。」

 

一夏「対ELID用の兵器としての側面もあったけど、現実は中々うまくいかなかったんですけどね・・・。」

 

ルウ「もしかしたら私たちが持っている技術と融合させれば本来の夢に近づく一助になるかもしれないし、私たちとしてもフォーリナーとの三度目の戦いに備えてまだまだ守るための力が必要だからね。只の機械ではなく、共に歩む相棒というのも気に入ったし。」

 

一夏「束さんが聞いたら喜ぶかもしれませんね。」

 

ルウ「まぁ、そうでなくとも貴方の関係者には一度挨拶しておかないとだからね、どのみち向こうには一度行く予定でしたよ。まぁそれは今は置いておいて、思い出づくりにも今を精一杯満喫してください。」

 

そういわれて俺は送り出され、再び祭りの喧騒の中に入っていった。

 

ひよこの姿をした謎の生物「饅頭」が作るたこ焼きの出店、艦娘の艤装の細かい制御を行う「妖精さん」が出店した射的屋等。

 

自称「おばけ」の不知火さんも装備箱型の個人仕様のストレージコンテナを特価で販売していたので、俺もお土産を兼ねてTech4の箱、通称「金箱」を一つ買った。

 

不知火(アズレン)「ふふ、毎度ありがとうございます。」

 

このストレージコンテナは見た目こそ両手で抱えられる程度の大きさしかないが、フォーリナーの技術を応用した技術を用いることで内部空間が非常に大きくなっており、箱の口を通る物であれば見た目をはるかに上回る容量を収納し、また簡単に取り出すことができる優れモノだ。

 

箱自体は装備箱の流用品だが、ストレージコンテナへの改造が手間でどうしても高値かつ希少になってしまうらしい。

 

一応容量が小さいTech1の通称「桃箱」とTech2の通称「水箱」はそこそこな値段で売られていて、俺も過去に「桃箱」を1つ買ったことがあるが、せっかくだからと今回「金箱」を買ったのだ。

 

因みにTech3の箱は通称「紫箱」だ。

 

他にも最上位と言えるTech5の通称「黒箱」もあるにはあるらしいのだが、元々の箱の母数が金箱と比べて圧倒的すぎるほどに少ないこともあって極々稀にしか店に並ばないレアものだ。少なくとも俺は見たことが無い。

 

続いて舞台の方を見てみると、長門さん(アズレン)が刀を用いて何やら奉納の舞を舞っているようだった。

 

一夏「剣・・・か。俺の剣は最早「道」じゃなくて「術」だけどな・・・。」

 

俺は遠巻きにそれを眺めながらぼんやりとそう呟いた。

 

昔俺は篠ノ之家が開いていた剣道道場に通っていて、そこで剣道を学んでいた。

 

生活費稼ぎのために俺もバイト漬けに成らざるを得なくなったために不本意ながらも道場を辞めて以降も、俺は時間を見つけては我流で剣を扱う練習はしていた。

 

それはここに来てからも同じだ。高雄さん(アズレン)などに鍛えてもらったり、道場で素振りの練習をしたり・・・ただ、ここでの剣は実戦向けな為、自然と俺の剣も道ではなく術になった。

 

それ自体に後悔は無いが、いつの間にか日常が遠くなってしまったなと、そうしみじみ思えるのだ。

 

そういうことをぼんやりと考えながら俺は近くの出店で買ったりんご飴を舐めながら遠巻きにそれを鑑賞していた。

 

一夏「りんご飴・・・か、昔篠ノ之神社の夏祭りでも同じように買って舐めていたなぁ・・・。そういえばマドカはりんご飴が好きで毎年買っていたなぁ・・・。あと千冬姉も。」

 

二人ともりんご飴が大好きで、それに付き合っているうちに俺自身もこの味がやめられなくなったのだ。別に好きというわけではないのだが、見かけたらつい買ってしまうのだ。

 

一夏「まぁ、あとちょっとだけだ。あとちょっとだけ待っててくれよ・・・。」

 

俺は個人的な都合によって待たせてしまっている自分の世界の家族や友人、恋人たちに心の中で詫びつつそう呟いた。

 

・・・

 

・・・・・・

 

そのあと色々な人と出会って挨拶を交わしたり、様々な出店を回ったり・・・そうそう、本筋である初詣も抜かりない。

 

・・・強いてツッコミどころがあるとすれば、デシルさんは着物の背中にまで「魔中年」と妙に達筆で書き込んでいた点だ・・・。口には出さなかったけど、それは流石にどうだろうか・・・。

 

・・・まぁそれは置いておいて、思い出とお土産をしっかり確保して帰りたい。

 

・・・こっちでの生活を満喫しまくっていると鈴あたりに蹴り飛ばされそうな気もするが、そこは勘弁してほしい・・・。今でこそ五体満足で活動できているが、俺も危うく死にかけたんだ。

 

???「・・・コン!」

 

一夏「ん?」

 

物思いにふけっているとふと足元から何かの鳴き声のような音がしたので視線を落とすと・・・。

 

青い狐「コン!」

 

一夏「あれ?可愛らしい狐だけど、青い狐なんて見たことが無いなぁ・・・。重桜の人の誰かのペットか何かかな?」

 

そう思ってたまたま見つけた戦艦の加賀さんに聞いてみたところ・・・。

 

戦艦加賀「いや、そういうのは聞いたことは無いな。そもそも狐を飼っている者はこの鎮守府はおろか、この四島の中にはいないはずだ。」

 

知らない様だ。

 

そのあと二人で色々と聞いて回ったが、誰も知らない様だ。

 

青い狐(一夏の頭の上に乗っかっている)「コン!」

 

戦艦加賀「誰も知らないとはな・・・。それにしてもそいつはお前にすっかりなついているようだが、心当たりはあるか?」

 

一夏「・・・さぁ?少なくとも見るのはこれが初めてだし・・・。」

 

戦艦加賀「もしかしたらお前が気づかなかっただけで案外近くにいたのかもしれないぞ?」

 

一夏「・・・かも。」

 

戦艦加賀「今更引きはがすのもあれだからな。お前が良ければそいつをお前の世界に連れて行ってもいいんじゃないのか?」

 

一夏「俺は別に構いはしないけど・・・。」

 

青い狐「コン♪」

 

戦艦加賀「そいつもそのつもりみたいなのか・・・?じゃあ、名前を付けてやらないとな。名無しの権兵衛では色々と不都合だしな。」

 

一夏「でも俺、名づけなんてしたことないし、どういう名前がいいかなんて・・・。」

 

戦艦加賀「まぁいきなり名前考えろと言われても難しいよな・・・。」

 

一夏「せっかくだから加賀さんが名付け親になってくださいよ。」

 

戦艦加賀「え?私は別に構わないが、本当にいいのか?」

 

一夏「はい。俺だといい名前つけられる自信が無くて・・・。」

 

戦艦加賀「・・・そうか。じゃあ、手前味噌で悪いが「トサ」というのはどうだろうか?」

 

一夏「トサ?その名前の由来は何ですか?」

 

戦艦加賀「実はな、私の妹になるはずだった戦艦の名前なんだ。ほぼほぼ完成していたんだが、軍縮条約の煽りを受けてな・・・。私の身代わりとなって生まれることなく廃艦となったんだ・・・。」

 

一夏「す、すみません。変なこと聞いちゃいましたか?」

 

戦艦加賀「いや、あいつ自身が身代わりを買って出てきたんだよ。空母側にも加賀が居るのはそれが原因でね。元々私が廃艦になって土佐がネームドシップになるはずだったんだ。だから戦艦から空母に作り替えられた赤城の設計を元に加賀型空母が作られたんだ。それより前に計画されていた私と名前が被っていたのもいずれ土佐がネームドシップになる予定だったから、私は言うなれば実験艦に近かったんだ。」

 

一夏「そうだったんですか。」

 

戦艦加賀「だが、ちょうど同じ時期に大震災が発生してな。逃げ遅れそうになった天城さんを土佐が庇ったんだ。天城さんは竜骨にダメージが入ったが充分修理で対応できるレベルで抑えられた、だが土佐は酷い有様でね・・・。それで「どうせ修理できないなら使い物にならなくなった自分が廃艦されるべきだ」と言ってね。それが受け入れられた結果私は戦艦として完成し、土佐は生まれることなく廃艦されたんだ。」

 

一夏「・・・。」

 

戦艦加賀「すまん。しんみりさせてしまったな。だがあいつは生まれることはできなかったが、あいつの存在は決して無意味ではなかった。天城さんが生き残り、私がこうして存在しているのがその証明だ。」

 

一夏「そうですね。でも、何故この子に?」

 

戦艦加賀「最初に見せてもらったときに何故か土佐の事を思い出してな。よくわからないが、何か意味があるんじゃないかと思ってな。」

 

青い狐「コン♪」

 

一夏「あれ?この子もその名前が気に入ったみたいですよ。じゃあ、君は今日から「トサ」だ。よろしくな!」

 

トサ「コン♪」

 

トサと名付けられた狐はいかにも嬉しそうだった。

 

・・・しかし、青い狐だなんて普通の種では見たことも聞いたこともないとみんな口をそろえて言っていた。

 

この狐は一体何なのだろうか?

 

まぁ、悪い感じはしないし、別段気にするようなことではないと思うけど。

 

精々、珍しい狐だなとしか俺は思わないけど、向こうで奇異の目で見られるのは流石に気分が悪い。

 

そうならないようにしっかりと守ってやらないと。

 

そう俺は心に誓った。

 

トサ「コン♪」

 




人物紹介

ゼハート・ガレット:デシルが居た時点で薄々居るんじゃないかと思っていた人もいるかもしれませんが、ガンダムAGEで登場したヴェイガン側の主人公のゼハート・ガレットの平行世界の同一人物です。原作とは違い兄弟仲は普通と言ったところです。

戦艦加賀:原作では空母に改装される前の存在でしたがこの世界では空母と戦艦の両方に加賀が存在します。また、空母加賀も改装艦ではなく別途新造された艦となっています。

トサ:いつの間にか一夏に懐いていた青い狐です。
実は元々は尺を稼ぐために急遽用意した新キャラクターでした。
ですが・・・。
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