閃空の戦天使と鉄血の闊歩者と三位一体の守護者   作:ガイア・ティアマート

29 / 74
※重要連絡

ここ最近の日照りの強さが原因でとうとう熱中症になってしまい、まるで筆が進まなくなってしまいました。

対症療法で何とか活動自体は出来ていますが、小説執筆やそのネタ出し等に回す気力と体力が確保できなくなってしまったため、しばらくの間お休みさせていただきます。

再開時期は未定ですが、再開が決まり次第追って連絡をします。


【25】束の療養 -解毒丸-

一夏達が別室で互いの近況を話し合っていた時・・・

 

【視点:火逐】

 

火逐「・・・ざっと検査してみたけど、そっちはどんな結果が出たの?」

 

ルウ「う~ん・・・ちょっと説明がつかないなぁ・・・。根本原因は多分過労とストレスが原因だと思うのだけど・・・。」

 

火逐「それでこんなにひどい状態になる?」

 

ルウ「症例も無くはないけど・・・、感染症ではないし、ストレスによる胃潰瘍やらなんやらと併発している病はあるけど、それにしては症状が長引き過ぎているし、検査薬による反応も不自然だ・・・。」

 

無理が祟って体調を崩したとはいえ、曲がりなりにも束さんは療養していた。見る限りその療養内容は間違ってはいないにも拘らず、何故これほどまでに症状がひどい状態が継続するのか、その説明がつかなかった。

 

火逐「・・・なにか別な要因とかもあるとか?」

 

ルウ「・・・試してみるほかないね・・・。」

 

そういってルウはケースの中から一口大の団子のようなものを取り出した。

 

それは「解毒丸(げどくがん)」という特殊な丸薬で、普通の飲み薬の様な薬用成分を摂取して病の治癒を手助けするのではなく、逆に体内の毒素等を強制的に吐き下させるものだ。

 

なにか私達の知識にない原因があるのかもしれないとほぼほぼあてずっぽうで使ったものだったのだが、それがドンピシャだった・・・。

 

束「それなに・・・?」

 

ルウ「特別な薬。苦いけど、何もなければただ苦いだけ。」

 

ルウはそう言って解毒丸を半分に切ってその片割れを食べ、飲み込んだ。

 

ルウ「・・・やっぱりめっちゃ苦い・・・。」

 

涙目になりながらも決して危険な代物ではないと体を張って証明されたため、束さんもそれを信じて残り半分を飲み込んだ。

 

束「うぇ・・・苦い・・・。凄く苦・・・!?」

 

そこまで言ったところで束さんは突如目を見開き苦しみだした。解毒丸特有の反応だ。

 

束「!?!?!??!?!?!?」

 

ルウ「我慢しない!吐き出して!!全部吐いて!!」

 

涙目の束さんは我慢するのをやめて口から大きな赤黒い血の塊のようなものを吐き出して、そのまま気絶した。

 

同時にバイタルを監視していた機材の指し示す数値が一瞬跳ね上がった後、正常域に近い数値で安定した。

 

そして、飛び跳ねるように床に落ちた血の塊のようなものをよく観察してみると・・・。

 

火逐「ひっ!?」

 

ルウ「これは・・・!」

 

どろどろに溶け落ちた塊の中から何本もの釘と大きな一匹の毒虫が出てきた。

 

ルウ「ちっ!これが症状が改善しなかった原因か!」

 

ルウは忌々し気に火属性と闇属性の複合テクニック「フォメルギオン」でその釘と毒虫だけを焼き払った。

 

火逐「これって・・・。」

 

ルウ「恐らく、「藁人形」と「蠱毒」、この二つの呪いが症状を悪化させていたんだろうね・・・。むしろ、二つも呪いを喰らっていて今まで生きていたのが奇跡と言えるけど・・・。」

 

恐らく、束さんの逆鱗に触れて叩き潰されたという女性利権団体の関係者か、そのシンパによる犯行だろう。そうでなければ、態々こんな真似をする理由が思い当たらない。

 

火逐「何て陰湿なことを・・・。」

 

ルウ「さっきのフォメルギオンで呪詛返しをしたから、実行者は今頃獄炎に焼かれているだろうね。まぁ、哀れみも感じないけどね。」

 

火逐「逆恨みだからね・・・残当としかね・・・。」

 

私達は気絶しながらも呪いを吐き出して顔色が良くなった束さんのために体力回復のための栄養ドリンクを調合して、ひと段落したところで一夏さんたちを呼びに行った。

 

・・・

 

・・・・・・

 

【視点:一夏】

 

ルウ「と、言うわけだ。にわかには信じられないけど、事実だよ・・・。」

 

「「「「「・・・。」」」」」

 

俺たちは言葉も出ない。

 

「呪い」???そんな非科学的なことで?

 

火逐「私達にとってはそこまでおかしな話ではないけどね。まぁ、科学が発達したこの世界で古典的な呪いに頼った手段を使ってきたのは、ある意味上手い手なのかもしれないけどね・・・。」

 

ルウ「非科学的なことだけど、案外侮りがたいよ?大体、科学万能といったところで所詮は今ある常識の範疇での話。その外側にお化けや幽霊といったオカルト的な事象が存在したところで別段不思議でも何でもない。心霊映像や心霊写真も作り物も多いけど本物だって存在してる。それと同じよ。」

 

「ま、「人を呪わば穴二つ」というけどね。」と、ルウさんは付け加えた。

 

一夏「で、結局束さんは治るんですか?」

 

ルウ「今はまだ経過観察だけど、これで原因と思われる要素はあらかた排除できた。後は本人がどれだけ生きることに縋りつけるかの問題よ。」

 

火逐「「医者は患者を治すのではなく、健康になる手助けをすることしかできない。」というからね。まぁ、束さんはあの様子なら大丈夫だと思うけどね。」

 

マドカ「そう・・・よかった・・・。」

 

マドカが安心したかのように呟いた。

 

ルウ「尤も、もう一週間は体を休めるべき。そのあと寝たきり状態で衰えた運動能力を取り戻すリハビリがあるから、元通りになるまではまだまだかかるね。しかし、二つも危険な呪詛を受けていたにもかかわらずあれで済んでいたのは凄いとしか言いようがないよ。」

 

アン「凄い?」

 

ルウ「普通だったらとっくに呪い殺されていても不思議じゃない。あの呪いにあそこ迄抗えたのは最早誇っていいレベルだよ。」

 

鈴「まぁ、束姉さんは千冬さんと並んで「人類最強」だとか「存在そのものがチート」とか言われているからね・・・。」

 

ルウ「あぁ・・・そうだったね・・・。」

 

ルウさんは軽く意識が飛んだような表情でそういった。

 

火逐「それはそうと、料理担当の人って誰だったかな?」

 

鈴「あ、私よ。あと私のお母さん。」

 

火逐「貴女ね。より早く束さんの体力を回復させるために料理に手を加えたいのだけれど、束さんの好物って何かな?」

 

鈴「そういえば、昔篠ノ之さん家で夕食をごちそうになっていた時はよく束姉さんは鶏のから揚げを食べてたっけ。」

 

火逐「鶏のから揚げね。じゃあそこを中心に手を加えて行こうか。」

 

鈴の母「それじゃ、一段と腕によりをかけて作りますか!」

 

ルウ「それと、マドカさん、鈴音さん、アンさん。貴女達も主に精神的に少し参っているみたいだから、まとめて食事療法をしますよ。原因要素が無くなったのだからあとは一気に治していくからね。」

 

・・・

 

・・・そうして一週間後・・・。

 

・・・

 

束「ふぅ。束さん、完全とは言い難いけど復活だよ~!」

 

ルウ「はえーよ・・・流石は人類最強・・・。」

 

見る見るうちに回復し、杖が必要とはいえ自力で歩けるレベルまで体力を取り戻してVサインを決める束さんの圧倒的回復力にルウさんはどこか疲れた様な表情を浮かべていた。

 

火逐「ところで、これからどうするの?色々と調べたけど、貴女が生み出したISは今も貴女の願いから遠く離れたところに追いやられたままだけど・・・。」

 

束「もちろん、ISを本来の姿に戻そうと思うよ?実はね、そのために近々会社を設立しようと思ってるんだ。」

 

ルウ「それはいいアイデアだと思いますよ。表舞台に立てば色々と都合が良い事もありますし。」

 

束「ただ問題がね・・・。商品のアイデアがまだ思いつかなくてね・・・。」

 

ルウ「へぇ・・・商品ですか・・・。」

 

束さんが表情を曇らせたところで、ルウさんがもの凄く「イイ笑顔」を浮かべたのを俺は見逃さなかった。この状況であの表情をするということはルウさんが何かエグイ妙案を持っているということだ。

 

ルウ「その案件だけど、実はもう設計だけは済ませてあります!」

 

火逐以外の一同「「「「はい!?」」」」

 

俺たちは仰天の声を上げた。




解毒丸:効能的には映画「千と千尋の神隠し」で登場した「苦団子」と同じようなものです。
実際、最初は「苦団子」名義で登場させる予定でしたが、その後そのまま出すのはマズいと考え直し、似た効能を持つ別物として設定を組み直しました。
ルウ達は色々な情報を幅広く持っているが故にこういう世界観と合わないような物品や技術も多数保有しています。

フォメルギオン:「複合テクニック」という特殊なテクニックで、これは火と闇の二つの属性を持ち、獄炎と形容できる赤黒い炎を前方に照射します。
本来フォースとテクターしか使用できません。
名前が覚えづらいのか、よく「フォルメギオン」や「フォメラギオン」など間違えられるとか。

呪い:科学万能の時代と言えど、この世の全てが解き明かされたかと言えばそうではありません。
あくまで科学が解き明かせるのは科学の常識の範疇のみで、それ以外に関しては何もわかりません。そういう意味では呪いという非科学的なものが存在しても何ら不思議ではありません。
因みにルウがそれの事を知っている理由は、彼女の趣味の中に「封印映像などの恐怖系、超常現象系のDVD鑑賞」があるためというのもありますが、それだけというわけでもありません。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。